【ぽけっとざうるす じゅうおうけんのなぞ】
ジャンル | アクション | ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
メディア | 2MbitROMカートリッジ | |
発売元 | バンダイ | |
開発元 | トーセ | |
発売日 | 1987年2月27日 | |
定価 | 5,500円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
橋本名人のファミコン名人としての知名度3番手の座を固めさせた アクションをベースにシューティングありクイズあり 本家本元の日用品シリーズとはほぼ無関係なゲーム内容 |
1987年2月にバンダイが発売したアクションゲーム。
「ポケットザウルス」とは1985年3月にバンダイが発売した恐竜をコミカルキャラ仕立てにした文房具や食器と言った日用品のシリーズである。
その名を冠しているが最初のステージの敵キャラをはじめとした一部のキャラがそれっぽいデザインになっているのみであまり関係がなく「バンダイ版ファミコン名人」である橋本名人(本名:橋本真司)(*1)が主役になっており、彼がハシモトザウルスとして戦う。
つまりバンダイにしては珍しい実質的にオリジナルモチーフのゲームである。
「ファミリーコンピュータMagazine(ファミマガ)」1986年17号(11月7日号)「少年ゲームクリエイター大募集」と題して、アイデアを募集し小中学生7人が選ばれ、彼らと橋本名人が中心となってストーリーなどを構築していったゲームである。
第1回コンテストでは「ポケットザウルス」が必須テーマであり、本作のタイトルに冠しているのはこのためである。
審査員は橋本名人、「なんたってファミコン」司会者の関根勤氏、ファミマガ編集長の佐瀬伸治氏の3名で、テーマが「ポケットザウルス」と決まったのは次の18号(11月21日号)でのことだった。
ゲームの全貌が発表されたのは1987年1号(1月2日・16日合併号)。
ある意味『ファミマガゲーム大賞』の先駆けとも言えよう。
(説明書1~3ページより引用)
サラマンダー伝説
はるか遠い昔、時を越え全時代を制圧し、我がものにしようとした怪物がいた。
その名を「サラマンダー」といい、彼は自らを時空大帝と名のり、あらゆる生物を恐竜 化する魔法を持っていた。
一度その魔法にかかると「サラマンダー」の死以外に、この魔法を解くことはできないという。
ハシモトザウルス誕生
2001年の地球。歴史学者であり、優れた科学者でもある名人「ハシモト」は、図書館で古い文献を見つけた。
「サラマンダー伝説」と記されたこの文献は途中の数ページがなくなっていた。
好奇心の強い名人「ハシモト」が、この恐ろしい怪物の伝説と、そのなくなってしまっている数ページに記されていたであろう内容に興味を持たないはずはなく、あらゆる文献を集め研究をはじめた。
そんなある日、名人「ハシモト」が研究の手を止めて広場を散歩していると、あの怪物「サラマンダー」が突如現れ名人「ハシモト」にあの魔法をかけたのだ。
しかし、名人「ハシモト」の強い精神力のため、姿は恐竜化したが心は正義として残り「サラマンダー」の支配をまぬがれた。
「ハシモト」は「ハシモトザウルス(ポケットザウルス・PZ)」(強い正義感と勇気を持った恐竜)となり、得意のブーメランを持って、タイムカプセル(自作のタイムマシン)に乗り「サラマンダー」を追ったのだった。
はたして、名人「ハシモト」こと「ハシモトザウルス」は恐怖の「時空大帝サラマンダー」を倒し、この魔法を解き、もとの姿に戻ることができるのだろうか?
「サラマンダー伝説」で欠落してしまった数ページにはいったい何が記されていたのだろうか?
ステージ
アイテム種類
ゲームそのものは最初のステージがチュートリアルになるほどで、更にそのステージにイージーモードまであるなど初プレイでも取っつきやすい。
主軸のアクションだけにとどまらずタイムカプセルによるシューティングに移行したり、突然始まるクイズをはじめとしたイベントも盛り込まれゲームとしてのシステムの出来は良い方と言えるだろう。
その一方で、エジプトステージの理不尽な罠要素などラストでもないのに急激に高いアンバランスな難易度や無限ループプレイのシステムとシナリオの整合性を取るためのバッドエンド設定は少々残念な部分ではある。
またモチーフであるポケットザウルスに関しては半ばどうでもいいような扱いでしかなく、あまり意味のないものになっているので日用品シリーズの愛好者がそれとタイアップしたものに期待したとしたらガッカリに感じるかも。
*1 言うまでもなくその源流はハドソンの「高橋名人(本名:高橋利幸)」にある(ただし年齢では橋本の方が1つ上)。高橋名人は大人気だったがハドソン社員のため他社での起用ができなかったため、各々のメーカーは営業部の社員などを自社の名人として立てていく流れになり橋本名人もその一人。他にテクモの「辻名人」やナムコの「河野名人」などがいたり、『ファミっ子大集合(テレビ東京)』では各メーカーの自社ソフト子紹介コーナーを担当する人物の呼称が「名人」で統一されていた時期もあった。
*2 ただし、変身したままタイプカプセルに乗った状態で2コマ以下になった場合、降りる時までに回復できれば変身は維持されている。
*3 神々の世界ではステージ序盤の穴にわざと落ちる必要がある。
*4 「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「一反もめん」のような敵。中心核にブーメランを当てれば倒せるが、本体の一反もめんの部分で防がれやすい。
*5 上下にスクロールするフロアふたつ分で構成され、1UPがある
*6 そもそも1987年当時橋本名人は独身で、長男の橋本誠也氏が生まれたのが1991年。
*7 本名「毛利公信」当時20歳。一時期ハドソンにアルバイト扱いで所属していたこともあったが実際はどこにも所属していないフリーランスの名人。プロゲーマーの先駆者的存在でもある。
*8 高橋名人は高畑名人、毛利名人は森名人と変名されていた。