ボンバーマンジェッターズ
【ぼんばーまんじぇったーず】
| ジャンル | アクションゲーム |  
 | 
| 対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ プレイステーション2
 | 
| 発売元 | ハドソン | 
| 開発元 | メトロ | 
| 発売日 | 2002年12月19日 | 
| 定価 | 6,800円(税別) | 
| 判定 | 良作 | 
| ボンバーマンシリーズリンク | 
 
概要
- 
ボンバーマンシリーズを原作としたテレビアニメ「ボンバーマンジェッターズ」のゲーム化作品。
ストーリー
宇宙にひとつしかないものを奪いコレクションする宇宙窃盗団「ヒゲヒゲ団」。
ヒゲヒゲ団はボンバーマン達を一掃するため、ボンバー星に人工彗星「ダークスター」を衝突させ破壊する計画を始動させた。
ボンバー星に住む「シロボン」は計画を阻止するため、謎の戦士「マックス」と共にダークスターへと潜入していく。
特徴
本作は同年に発売された『ボンバーマンジェネレーション』をベースに作られている。
- 
ノーマルモード
- 
基本的なアクションは「ジェネレーション」とほぼ同じ。
- 
ステージはゴールへ進んでいくエリアと「ボンバー四天王」と戦うエリア、ダークスターのエンジンを守る大ボスと戦うエリアに分けられる。
- 
本作でもキャラボンと呼ばれる様々な能力を持つ生き物も登場する。
- 
「ジェネレーション」ではキャラボンバトルをする事で新しいキャラボンが仲間にできたが、本作ではキャラボンバトルは存在せず、ステージ内にいるキャラボンに直接触れるだけで仲間にできる。
- 
また、本作のキャラボンはステージに散らばったキャラボンのエサを集める事でキャラボンの経験値がたまり、レベルアップする事でキャラボンを進化させる事ができる。キャラボンのレベルは最大で3まであり、進化は2回までできる。
 
- 
本作では操作キャラである「シロボン」と「マックス」の2人を使用できる。
- 
「マックス」は「ハイパープラズマボム」というアクションで画面の敵を一掃したり、シロボンが通れない箇所を攻略する事ができる。
 
 
- 
バトルモード
- 
おなじみの2Dボンバーマン。本作では4つのルールを遊ぶ事ができる。
- 
「いつものバトル」はアイテムやボムを使って相手を倒し、最後まで生き残ったプレイヤーが勝利する。
- 
「ワン・ツーバトル」は地面に描かれている1~9までの番号を順番に踏んだプレイヤーが勝利する。
- 
「おしだせバトル」は爆風に当たってもミスにならないが飛ばされてしまう。外壁がないステージ上で爆風で相手をステージ外に吹き飛ばし、最後まで生き残ったプレイヤーが勝利する。
- 
「バロムゲットバトル」はステージ内を漂っているバロムを連れて作動しているポイントに入る事で得点になる。残り時間が0になった時に最も得点が多いプレイヤーが勝利する。
 
 
- 
ボンバーかん
- 
『サターンボンバーマン』のマスターモードに該当するモード。
- 
シロボンがノーマルモードでゲームオーバーになる事でタイトル画面で選べるようになる。
 
評価点
- 
「ジェネレーション」にあった操作感や性能はほぼそのまま。
- 
シロボンの耐久性のおかげで難易度は丁度よく抑えられている。
- 
ただし、「ジェネレーション」にあったボムバリアは使えなくなっている。
 
 
- 
「ジェネレーション」にもあった属性ボムの性能がより差別化されている。
- 
「ジェネレーション」の属性ボムは属性と謎解き以外の性能がファイヤーボムと同様だったため、ファイヤーボムの存在をくっていたが、本作の属性ボムは攻撃範囲がファイヤーボムより広くなり、かわりに1個ずつしか置けないという制限が加わった。そのためファイヤーボムの活躍の機会が増えた。
- 
本作でも属性ボムを使った謎解きは健在。
 
- 
同じく「ジェネレーション」にもあったイナズマカードに加え、ヒゲヒゲ団カードやジェッターズカードも登場。
- 
ヒゲヒゲ団カードやジェッターズカードを集める事でバトルモードで使えるキャラが増える。
- 
本作のイナズマカードはボス毎に2枚のみになったので、集める難易度がかなり下がった。
- 
また、イナズマカードを全て入手すると…。
 
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
隠しワールド「ボンバーせい」が出現し、真のラスボスのムジョーとDr.メカードと戦う事ができる。
 | 
- 
一度エンディングを迎えるとステージ選択画面でステージに隠された重要アイテムが表示され、取得しているか否かもはっきりわかるのでアイテム探しの利便性が上がった。
- 
今作ではリモコンボムのキャラボンは一番最後になったため、他のキャラボンの出番が大幅に増えた。
- 
コンティニューしてもパワーアップの状態は持ち越されるようになった。
- 
本作ではゲーム全般を通して出現する「戦闘員」の攻撃を受けるとパワーダウンする。
 
- 
「ジェネレーション」のボスはためボムしか効かなかったため難易度が高めだったが、今作は通常ボムも効果があるため初心者でも戦いやすくなった。
- 
「ジェネレーション」ではボス戦用BGMが少ないという問題点があったが、今作では四天王、大型ボス、真のラスボスと立場ごとに専用のBGMが用意された。
- 
オープニング映像と主題歌はアニメのものそのまま。
- 
ボンバーマンファンから名曲と名高い「僕は崖っぷち」を聞けるのは感動モノ。
- 
ノーマルモードではボスステージなど随時にアニメーションによるカットシーンも入り、アニメの雰囲気も感じさせる。
 
- 
バトルモードの楽しさも健在。
- 
本作ではシロボンとマックスの他にボンバー四天王やマイティ―、ムジョー、ヒゲヒゲ団員など使えるキャラが豊富。
- 
「おしだせバトル」は「ジェネレーション」の「ギンギンパワー」よろしくプレイヤー全員が最初からフルパワーアップ状態になる。
 
- 
今作のバトルモードでは使用キャラに個別の能力が付与された。ただし「いつものバトル」限定。
- 
バトル中ボムを置くごとにゲージが溜まり、満タンの状態で特定のボタンを押す事で発動できる。
- 
キャラクターに個別の能力が付けられたのはPS版ボンバーマン以来。
- 
スーパーボンバーマン4やPS版ボンバーマンでは何の能力もなかった通常のボンバーマンにも能力が付与されたのは今作が初。
 
問題点
- 
ロードが長い。
- 
GC版は15秒ほどのロードが入り、PS2版に至っては25秒ほどかかる。
 
- 
「ジェネレーション」と比べると全体的にゲーム部分の演出がやや簡素。
- 
一応ボス戦の前にアニメーションのカットシーンが入るが、その後に演出もなくいきなりバトルが始まるので物足りない。
- 
「ジェネレーション」にあったキャラボンバトルやミニゲームは本作では存在せず、ステージ内で見つければそのまま手に入るだけ、とやはり物足りない。
 
- 
ステージを攻略している最中にジェッターズのメンバーから通信が入るのだが、通信が入るとBGMが止まってしまう。
- 
マックスの使い道がほとんどない。
- 
マックスはキャラボンを使うことができず、ためボムの強化版にあたるハイパープラズマボムという専用アクションがあるが、溜める時間が7秒と無駄に長く、溜めている間は無防備になるため、非常に扱いにくい。
- 
一応ハイパープラズマボムでしか壊せない壁があるが、言ってしまえばそれのためだけのキャラになってしまっている。
 
 
- 
イナズマカードの入手法が相変わらずノーヒント。
- 
前述したように枚数がかなり減ったので、「ジェネレーション」よりは集めやすくはなっているが。
 
- 
ステージ4から面数が少なくなる。それまでは1エリア6面だったのがステージ4から4面構成になる。
- 
これは「ジェネレーション」のステージ構成とそのまま同じ。ジェネレーションではステージ4から敵アジトに舞台が変わるのでこの変化も納得できるが、今作のステージ4はそれまでのステージと立場的には変わらないので、ステージ4だけ割を食った感がある。
 
- 
真のラスボスの倒し方がかなりわかりにくい。
- 
直前にガングが「鼻の穴にアイスボムを投げ込め」とヒントを出すのだが実はこれ、嘘ではないが正確でもない。
- 
恐らく多くの人が上記のヒントを聞いて「アイスボムでひたすら鼻の穴をねらい続ける」のがラスボスの倒し方と解釈しただろうが…。
    
    
        | + | 実際の真のラスボスの倒し方。ネタバレ注意 | 
ラスボスには特定のタイミングで鼻の穴以外にもボムを投げ込める。それぞれに対応した属性ボムを投げ込めばダメージを与えられる。
鼻の穴はあくまで破壊するべき部位の一つでしかなく、アイスボム以外も必要になる。しかしそれらに関しては全く示されない。
結果的にガングのヒントは半ば罠になってしまい、気づくまで多くのプレイヤーが見当違いの行動を繰り返したと思われる。
 |  
 
 
- 
アニメと異なるストーリー、ヒゲヒゲ団の設定。
- 
アニメにおけるマックスはジェッターズと敵対しているキャラではあるが、本作ではほぼ説明もなくシロボンと手を組むため、アニメを見た人であれば違和感を感じる。
- 
一方で、ムジョーはアニメでは人を死なせるような一線を越えたことはしようとしなかったが、本作ではボンバー星を破壊する作戦に加担しており、完全にメカードと同等の非道な悪役になっている。
- 
オープニング映像ではマイティーやバグラーも登場するが、ゲーム部分ではマイティーはバトルモードのみの登場、バグラーにいたっては完全に出番がない。
 
- 
本作発売当時はアニメの放送が始まって二ヵ月程度しか経っていないせいか、エンディングが味気ない。
- 
ノーマルエンディングではシロボン達に敗北したムジョーが逃亡し、任務を終えたシロボンとジェッターズが合流する、というもの。
- 
真のエンディングに至ってはノーマルエンディングのほぼ流用。
 
 
- 
スーパーボンバーマン4やPS版ボンバーマンと違い、ボンバーマン以外のキャラは二人以上同時に使用する事はできない。つまり同キャラ対戦不可。
- 
ヒゲヒゲカードを集めれば「ヒゲヒゲ団戦闘員」が4人まで増える。見た目が違うだけで能力は同じなので戦闘員だけは実質同キャラ対戦はできるが…
 
- 
ボンバーかんの出現条件について
- 
ノーマルモードでシロボンがゲームオーバーになった際に「シロボンの修行」のために用意したモードというものなのだが…。
- 
ボンバーかんの操作方法がバトルモードに準拠しているため、そもそもゲーム性が異なるノーマルモードではその「修行」がまったく役に立たない。
 
 
- 
ボンバーかんのステージ構成は細かい違いこそあるが大部分は伝説のボンバーマンの同施設と同じなため、新鮮味がない。
総評
「ジェネレーション」と同様に遊びやすいボンバーマンのゲームとして仕上がっている。
変更点は色々あるが、大部分は「ジェネレーション」から改善されており、より万人向けとなった。
アニメとストーリーは異なるが、アニメのファンであれば、遊んでみても損はない。
余談
- 
GC版とPS2版ではグラフィックが異なり、GC版は「ジェネレーション」と同様にトゥーンシェーディングを採用している。
- 
本作のバトルステージの一つ「ズームアップステージ」は通常より一回り狭いステージでの対戦。奇しくもその広さは「ボンバーマンGB」及び「GB2」と同じ。
- 
原作であるアニメ版はファンからの評価が高いが、それに反して本作の知名度は低い。
- 
というのも、アニメ版は序盤の時点では知名度はあまりなかったが、中盤以降になってから評価が上がっていき、アニメ版の印象が大きくなりすぎた故にストーリー性の薄いゲーム版の知名度が薄れてしまったといえる。
 
- 
本作の5面中ボス「ダークフォースボンバー」について
- 
本作はアニメの第1話が放送してからわずか2か月後に発売されたゲームだが、アニメにおけるダークフォースボンバーの登場はアニメの終盤まで待つことになる。
- 
つまり、本作が実質的なダークフォースボンバーの初登場作という事になる。
 
 
- 
『爆ボンバーマン』、『ボンバーマンヒーロー ミリアン王女を救え!』『爆ボンバーマン2』、『ボンバーマンジェネレーション』に続く3Dアクションのボンバーマンだが、ハドソンは本作が成功しなかったと判断したのか、本作を最後にそれらのようなボンバーマンが作られる事はなかった。
 
- 
最も「ヒーロー」は本作含め他4作とは完全にゲーム性が別物ではあるが。
- 
ちなみに2011年にニンテンドー3DS向けに発表されたボンバーマンは「爆ボン」シリーズを彷彿とさせるストーリーモードがあったのだが、ハドソンがコナミに吸収合併されたため開発中止になってしまった。
 
 
- 
後に「ボンバーガール」のアップデートでジェッターズの主人公シロボンをモチーフにしたキャラ「シロン」が追加された。
- 
声優はジェッターズのシロボン同様、金田朋子氏が担当している。
 
最終更新:2024年08月25日 22:30