ボンバーマンジェッターズ~伝説のボンバーマン~
【ぼんばーまんじぇったーず でんせつのぼんばーまん】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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ハドソン
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発売日
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2002年10月24日
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定価
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4,800円(税別)
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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良作
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ボンバーマンシリーズ
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概要
ボンバーマンシリーズを原作としたテレビアニメ「ボンバーマンジェッターズ」の設定を下地に作られたゲーム。
アニメの第1話と第2話の間に作中で半年の時間が経過しており、しかもその間にマイティという人物が行方不明になっている。
その半年の間にマイティに何があったのかをこのゲームで体験するというコンセプトの元に開発された。
ストーリー
ノンビリ星にて発掘された光線砲をヒゲヒゲ団が狙っているという連絡を受け、事件解決のために出動したジェッターズ。
しかしメンバーの一人バーディは先の任務で負傷している。
そこでマイティは単身でノンビリ星に向かっていく。
その先に待ち受ける運命も知らずに…
システム
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ノーマルゲーム
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基本的なシステムは「ボンバーマンストーリー」とほぼ同じなのでここでは変更点、追加点について説明する。
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今回もキャラボンが登場。ただし対戦と合成はなくなって純粋にお助けキャラとなった。
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ブロックを破壊すると出現するフルーツを取ると専用のゲージが溜まり、最大まで溜めるとキャラボンが成長し能力が強化される。最大で4段階目まで。
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キャラボン図鑑というアイテムも存在。仲間にしたキャラボンは成長の過程も含めて全て記録される。図鑑を完成させてある場所に行くと…
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今回は新たにアイテムの合成が登場。素材Aと素材Bを組み合わせる事で別のアイテムを作り出せる。これでしか作れないアイテムも多数。
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素材Aは何度使ってもなくならない。素材Bは使うとなくなるが再入手は可能。
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一部の素材Bは特定のザコ敵を倒すと低確率で落とす。
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ボンバーアルバムというアイテムも登場。なんと今作以前に発売されたボンバーマンシリーズのパッケージ画像と簡単な解説が見られる。
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ただし見るためにはゲーム内に登場するソフトを手に入れないといけない。ほとんどのソフトは合成で手に入るがそれ以外にも…
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今作では属性ボムが登場。合成で「ボムのもと」と特定の素材を組み合わせる事で作る事が出来る。
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ノーマルボム。最初から持っているボム。火属性で氷を溶かす事が出来る。
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アイスボム。氷属性のボムで水を凍らせる事が出来る。
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ライトボム。光属性のボムで見えない物を見えるように出来る。
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アクアボム。水属性のボムで火を消す事が出来る。
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ハリケーンボム。風属性のボムで葉っぱ型のリフトを動かせる。
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ボンバー星に行ってボンバー館に挑戦する事も出来る。3面に行けるようになると同時に解禁される。
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ボンバー館の内容は簡単に言えば「サターンボンバーマンのマスターモードの簡易版」。全5面のステージに挑戦しハイスコアを狙う。結果に応じて段位が認定されハイスコアなら記録にも残る。
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スコアには敵の倒し方、クリアタイム、ボムの空撃ちやアイテム破壊は減点、アイテムやハートをあえて取らないなどいろんな要素が絡んでくる。ただしサターン版にあった技術点という要素はなくなっている。
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些細な変更点としてはノーマルゲームでもドクロが登場。取ると一定時間病気になる。今作の新アイテム「毒消し」を使えばすぐに治せる。
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スタートボタンでポーズ中にLボタン、Rボタンでキャラボンとボムを変更できるようになった。
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バトルゲーム
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こちらも基本的な部分は「ボンバーマンストーリー」とほぼ同じ。今回はルーイが登場し乗る事で特殊能力が使える。色によって能力は違い灰色のみ何もない。
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今回はチーム戦が出来るようになった。2vs2はもちろん1vs3も可能。
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さらにステージ内に出現するアイテムの数を決めたり、ハンデとして各プレイヤーの体力を変えたりも出来るようになった。
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シングル戦で優勝した時の今回のミニゲームは「ボンバーショット」。ゴルフでボールを飛ばした位置に応じてアイテムがもらえる。他のプレイヤーは風を起こして妨害が出来る。
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そして今回は特殊ルールのバトルも出来るようになった。なお上記のバトルは「いつものバトル」。
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ぬりかえバトル。ボムの炎で床の色を変える事ができる。やられても復活出来るが変えた色の半分がもとに戻ってしまう。タイムアップ時に一番多く塗り替えられたプレイヤーの勝利。
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かわしてバトル。プレイヤーはボムを置けず、降ってくるボムをひたすらかわしつづける。最後まで生き残ったプレイヤーの勝利。
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バロムゲットバトル。バロムを捕まえてポイントまで連れていくと得点が得られる。ポイントは4つあるが作動しているのは1つだけでランダムで切り替わる。一度にたくさんのバロムをポイントに入れると高得点だがバロムを多く捕まえると足が遅くなる。タイムアップ時に一番高得点のプレイヤーの勝利。
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ぬけだしバトル。フィールドが全て水たまりに覆われている。水たまりは爆風で消せるが一定時間で元に戻る。水たまりの中に「鍵」と「扉」が隠されており、鍵を手に入れて扉に入ったプレイヤーの勝利。やられると鍵を落としてしまう。鍵も扉も爆風で移動させられる。
評価点
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ボンバーマンストーリーをベースに、さらにブラッシュアップされてゲームとしての完成度はより高くなった。
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「ボンバーマンのアクションRPG」という範囲で見れば、ボンバーマンクエストや後のボンバーマンストーリーDSと比較しても、完成度はトップクラス。
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バトルゲームもさらに豪華になり、携帯機でありながら据え置き機にさらに近い内容となった。
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隠しキャラボン、ボンバーアルバム、隠しハート、ボンバー館など寄り道要素はボンバーマンストーリー以上に多くなっている。
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特にボンバーアルバムはボンバーマンのファンならかなり楽しい内容。中にはかなりレアな代物も。ただし後述の問題もあり。
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まさかのサターンボンバーマンからマスターモードの再登場。簡易版とはいえサターン版をプレイした人には懐かしい演出。
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ゲーム内のミニゲーム及びボス戦は3面のゲームセンターで何度でも再挑戦できるようになった。
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個別に画面が独立している携帯機だからこそ出来たバトル要素。
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対戦用ステージ「スタンダード「ワイド」」ではかつてのボンバーボーイのような一画面に収まらない広いステージでのバトルを楽しめる。
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同じく対戦用ステージ「ポッカリライト」では暗闇のステージで自分のまわりだけがライトで見える。
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新アイテム「透明」の登場。取れば他のプレイヤーには一定時間見えなくなる。
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BGMにも良曲が多い。特にダンジョンのBGMは長く聞く事もあって印象に残りやすい。
問題点
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アニメ版との相違点がある。
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エンディングでマイティはアームジョーから脱出の際にバッジを落としているが、アニメ版ではこの後ヒゲヒゲ団の最後の基地を破壊しに向かいそこでバッジを落としている。
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ただし当時はまだアニメが放送中、しかも序盤だったのである程度は仕方ない部分もあるが。
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そもそもの話として、実際には何が起こっていたのか?という部分は物語の核心部に辺り、アニメでも後半に明かされる為どちらにせよ変更せざるを得なかっただろう。
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通常のダンジョンとは別にミニダンジョンがいくつもあるのだが、その中ではセーブ出来ない。
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ボンバーマンストーリーでも同じ仕様だったのだがそちらはそもそもミニダンジョンがほとんどなかったので困る事はあまりなかった。しかし本作はちょくちょくミニダンジョンに入る機会があるのでけっこう困る事になる。
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ボンバーアルバムは全てのボンバーマン作品を収録されてはいない。
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ゲームボーイアドバンスというハードを考慮してか、収録されているのは任天堂ハードで発売されたソフトだけ。PCエンジン、セガサターン、プレイステーションで発売されたソフトは一切収録されていない。
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また本作より少し前にゲームキューブで発売されたボンバーマンジェネレーションも収録されていない。
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ミニゲームの一つ「シェルのミニゲーム」の難易度が高い。
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まわりから飛んでくる矢や弾を30秒間かわし続ければクリアなのだが、一回でも当たれば失敗、やり直しになる。
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何がひどいかと言うとこれが1面に登場する事。最序盤にプレイするミニゲームとしては明らかに高難度でバランスがおかしい。
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バトルゲームでは前作では出来ていた「シャッフル」が今作では削除された。
総評
アニメ版をベースにしている、と聞いて敬遠している人は多いだろう。
しかし実際はかなり完成度が高く、アニメ版を知らなくても十分楽しめるゲーム。
ボンバーマン好きはもちろん、アクションRPGが好きならプレイして絶対に損はない。
まさしくボンバーマンシリーズの隠れた名作と言えるだろう。
余談
後にアニメ版でマイティは第1話でバーディ以上のケガを負っていた事が判明する。
それを隠したままマイティは本作の冒険を戦い抜いた事になる。
なかなかにとんでもない話である…
最終更新:2024年03月24日 15:18