現在でも不定期にアップデートが行われており、本項目の内容が必ずしも最新の内容に対応しているとは限りません。


湾岸ターミナル

【わんがんたーみなる】

ジャンル ターミナル
ターミナル単体
対応機種 アーケード
使用基板 System ES1
記録媒体 バナパスポート
発売・開発元 バンダイナムコゲームス
開発協力 元気
プレー料金 無料(180秒使用可)
プレー人数 1人
稼働開始日 2011年12月15日
判定 賛否両論
ポイント まさかのターミナル機
従来比でボトルネックを軽減
極悪なターミナルスクラッチ
シリーズを重ねて内容煩雑化
湾岸ミッドナイトシリーズ


概要

湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 4』にて新筐体への刷新と同時に稼働開始となったシリーズ初のゲーム外連動機。『5』以後も継続稼働しており基本的にはそれぞれのバージョンに合わせたインターフェースとなっており、ドライブ筐体と連動したものとなっている。

ただしドライブ筐体とのセット販売と言う形式を採っていながらもドライブ筐体とは独立した別タイトルとして扱われており、登録されていない商標にあたるTMマークもしっかり付与されている。

なお、使用基板はドライブ筐体と異なり『5』以降でも「System ES1」を継続採用しており、ナンバリング同士のアップデートは「アップグレードUSBメモリ」なるUSBドングルを用いて行う。


筐体

操作デバイス

  • ターミナルで操作するために使うデバイスは「タッチパネル」だけとなっており、物理ボタン類は一切実装されていない。

料金体系

  • プレイ料金は一切不要で画面をタッチすれば即座に使用可能。
    • 180秒操作可能で途中終了も可能である。この制限時間は、体調不良や地震、何らかのトラブルでユーザーが離れた場合の自動終了のための側面が強い。

できること

自分のガレージ

  • 本作のメインモード。その名の通り「カード内に登録された車種」のドレスアップパーツの付け替え、各種設定、戦績やランキングの詳細を確認することができる。

ターミナルスクラッチ(『5DX』以降)

  • 『5DX』稼働途中の2016年7月21日に追加された新機能。当初は6枚で終了となったが『5DX+』稼働途中の2017年7月4日に残る6枚分が追加され12枚となった。
    • 1枚につき設けられているスクラッチは50箇所。その中に隠れているアイテムは「ウインドウステッカー装飾」「カスタムマーカー」「フルチューン車」の3種類。当然シートごとに獲得可能なアイテムは異なる。
    • アイテムの隠れている場所はプレーヤーによって完全ランダムでり、出現するアイテムのみ固定されている。
    • 1箇所にだけ隠れている「フルチューン車」をケズると次のスクラッチシートに移行する。以後次のスクラッチシートが配布され12枚目で終了となる。また、フルチューン車は開始前のメニュー画面で一部表示されている為、わかる人にはわかるようになっている。
    • 1日1回までケズることは可能でそれ以上をケズることはいかなる手段でも不可能である。完全にケズり終わった場合は「全アイテムコンプリート!」となる。
      • 『5DX+』まではバナコインを使用することで最大10回までケズることができた。ただしその場合でも1回ずつしかケズれずまとめてケズることはできない。課金を一切しない場合は最短でも600日必要な計算となる。
    • アイテムは車種ごとの個別管理であり、一度受け取ったアイテムを他の車に移動させる事も出来ない。
+ 入手可能な車種
枚数 メーカー 車種 備考
実装当初より
1枚目 スバル R2 (RC2)
2枚目 トヨタ COROLLA SEDAN G (NZE121)
3枚目 HIACE VAN (H200) スクラッチ限定車種
4枚目 三菱 PAJERO EVOLUTION (V55W)
5枚目 日産 GT-R (R35) NISMO
メテオフレークブラックパール
スクラッチ限定車種
6枚目 FAIRLADY Z NISMO (Z34)
ダイアモンドブラック
スクラッチ限定車種
2017年7月4日追加分
7枚目 トヨタ ARISTO V300 "VERTEX EDITION" (JZS161)
※個人タクシー仕様
8枚目 マツダ MAZDASPEED Atenza (GG3P)
※ドライビングスクールカー仕様
9枚目 トヨタ CELSIOR (UCF10)
※個人タクシー仕様
10枚目 HIACE WAGON (KZH100G)
※ハイリフト仕様
11枚目 日産 GT-R PureEdition (R35) スクラッチ限定車種
12枚目 ホンダ NSX-R (NA2) スクラッチ限定車種

廃車カードの受け渡し

  • 従来の廃車カードは『4』以降は仮想カードとなり、物理的に排出されることがなくなった。そのため『4』以降はこの項目を経由して受け渡しをする。
    • 『6』以降で再び可能となった「自分自身に対して廃車カードを使う」ことはターミナルからではできず、ドライブ筐体で直接新規作成する際に消費するようになっている。ただしフルチューン車作成チケットを所持している場合は先にそちらから消費されるため、それまでは廃車カードが使用不可となる。

分身対戦の相手を登録する(『6』以降)

  • 『6』以降より実装。分身対戦の対戦履歴からお気に入りとして登録する分身を選択することができる。

『3DX+』のカードを引き継ぐ(『4』のみ)

  • 前作『3DX+』からの使用中のカードを引き継ぐことができる。1枚ずつの対応となる。
    • 「『3DX』以前のカード」「プレゼントカード」「廃車カード」は全て引き継ぐことはできないため注意すること。
  • 2013年10月24日午前2時を最後に引き継ぎ対応が終了したため、現在は項目自体が削除されている。

チーム(『5DX+』まで)

  • 『4』稼働中の2012年9月13日に追加された機能。
    • なお、チーム無所属の場合でもシステム上では「WANGAN」に所属しているものとして扱われる。
  • 『6』で廃止となり、従来チームステッカーだった箇所は「ウインドウステッカー」として引き継がれることとなった。

自分のガレージ

ドレスアップ付け替え

  • 今まで獲得したドレスアップパーツはここで交換することができる。

車データ確認

  • ドライブ筐体の設定画面と同じ設定をここで行うことができる。

イベントメニュー

  • 全国一位争奪戦やライバルネームビンゴの進捗状況や獲得した「ネームプレート」「フレーム」を確認したり付け替えができる。

マキシショップ(※『5シリーズ』のみ)

  • マキシゴールドを使ってドレスアップパーツを購入するマキシショップ。

特徴・評価点

利便性向上に貢献

ターミナル機としてのリリース

  • まず「ターミナルを採用したこと自体が最大の評価点」と言っても過言ではない。従来からアーケードゲームではジャンル問わず「外部連動サイトと連携する」と言った試みはあるものの、いずれも「携帯電話やノートパソコンが必要」と言った物理的なハードルの高さもあり気軽に設定変更などを行うことができず、なにより通信ラグなどに拠る「ゲーム筐体とのシームレスな連動は不能」と言った問題を抱えていた。そんな中で『湾岸マキシシリーズ』はターミナル機を採用することでこの問題を解決した。
    • 基本的にターミナル機が導入されるアーケードゲームは、リアルタイムのセッティングが欠かせない一部アクションゲームやゲームをプレーする上で必要なカードを同じゲームセンター内で販売しなければ成立できないTCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)くらいしかなく、今のところレースゲームでターミナル機が採用されているタイトルは過去に遡っても『湾岸マキシシリーズ』が唯一無二である。
      • 参考までに競合機種にあたる『頭文字D ARCADE STAGEシリーズ』は最新作の『DAC』に至るまで筐体内で完結しており、その他同社から発売されているアーケードゲームなども含めて同様に筐体内で完結するゲームシステムとなっているため、連動サイトの実装すら惜しむ情勢を鑑みれば今後ターミナルを採用するレースゲームは二度と現れることはないだろう。

ゲーム設定の利便性向上

  • ターミナルが登場したことにより、「ゲーム開始時の各種設定画面のためだけにわざわざ1クレジット消費」すると言った手間がなくなるなど、全体的な利便性が大幅に向上した点は極めて大きく、設定のためだけにドライブ筐体を占領(して乱入対戦などの無自覚な準備妨害を)せずに済む点も評価点である。
    • 従来通りドライブ筐体側でも設定変更できるため「今までできたことができなくなってしまった」と言う事態に陥っていない。

解消されたボトルネック

  • 『3シリーズ』最大のボトルネックとして問題視されていた「ドレスアップパーツ交換手段」「カスタムボディカラー変更手段」がターミナルからだと自分に合ったタイミングで一発で変更できる点は大いに評価されている。
    • これにより「獲得したパーツと同じ部位しか変更できない」仕様に拠る「ドレスアップパーツを獲得した際に時間制限に拠る急な決断を求められてしまう」と言った心理的負担が無くなりドレスアップを変更するハードルそのものを大きく下げることとなった。
  • 現在でこそ『湾岸ナビゲーター』登場により意義は薄くなったものの、『3シリーズ』まではタイムアタックの自己ベストをまとめて閲覧できる機会が「ドライブ筐体の設定画面」からでなければ閲覧不能であったため、それをゲームをプレイしていない時にも確認できるようになったと言うことである。

磁気→ICカードへの引き継ぎ対応

  • 「『頭文字D ARCADE STAGE 4』に磁気カードを採用した『Ver.シリーズ』のデータそのものが完全に引き継げなかった」と言う前例のため、当初は『湾岸マキシシリーズ』もその煽りを受けて「いよいよ完全に断絶されるのでは?」「不完全でも引き継ぎできるようにしたい」と言った様々な憶測や懸念が飛び交っていた。
    • ところが蓋を開ければ『湾岸マキシシリーズ』ではなんと物理的な磁気カードリーダーを装備してまでの引き継ぎ対応を実現したことにより、稼働前の不安を一気に払拭させることに成功。
      • すでに『4』のデータを作成したICカードに引き継ぐことも可能であるが、一度引き継ぎに使用した磁気カードは使用済となるため、他のICカードに記録された『4』のデータに重複して引き継ぐことはできない点に注意。

その他

ターミナルスクラッチのアイテム

  • ターミナルスクラッチで手に入るアイテムの内、入手条件や入手個数の上限を一切考慮しないのであれば「ウインドウステッカー装飾」、自車の上に表示されるマーカーデザインを変更出来る「カスタムマーカー」は、色が変更出来ない等細かい問題はあるものの、概ね問題無い出来栄え。

賛否両論点

BGMは一切変更なし

  • 『4』稼働当初から現在に至るまで『湾岸ターミナル』のシステム音源は全く変わっていない。音源自体が『4』のシステム音源のセルフアレンジであるため、現行バージョンとの乖離差は必然となり違和感を感じる人は違和感を感じるかもしれない。
    • しかしシリーズを通して「過去作のシステムBGMが使えない」仕様で推移しているため、「ただでさえ名曲であるBGMが二度ど聴けなくなるくらいなら変えない方が良い」という声も根強い。それならば『湾岸ナビゲーター』よろしく過去作のBGMを残しつつシステム音源を切り替えられる機能を実装すれば良い話であるが。

車の削除機能

  • 『4』に限り一度ICカードに登録した車は二度と削除することができなかったため、特に迂闊に重複登録してしまったら最後、貴重な枠を潰してしまうこととなってしまった。『5』になり「湾岸マキシ.NET」を経由して削除できるようになった。
    • ところが同じ車種を2台以上所持しているメリットは「カタログカラー同士の変更不可」「初期馬力へのセッティング振り不可」「過剰な同一車種扱いの特別仕様車」など「他のゲームでなら既に解決済みの機能が未実装」と言ったゲーム上の制約に依存しきったものとなっており、車の削除機能を設けるくらいなら「既存の不便な仕様」を改善した上でそもそも重複車種自体を作成不可な仕様に改修すれば済む話である。

問題点

基本的な筐体仕様

不便なカードリーダー

  • タッチパネルにタッチした瞬間から制限時間のカウントが始まるのにもかかわらず、アトラクト画面から直接カードリーダーをタッチして始めることができず、一旦画面をタッチしてからでなければカードリーダー自体がそもそも反応しない
    • このせいで画面をタッチしてからカードリーダーにICカードをかざす一連の動作だけで必ず5秒ほどのロスタイムが発生してしまう。

コインベンダーの存在意義

  • ターミナル機にもコインベンダーが備え付けられているのだが、使用機会が「ターミナルから今作が既に記録されたICカードを購入する」だけと極めて限定的であり全体的な存在意義は希薄と言える。
    • 複数の課金要素を実装している『5シリーズ』においても同様であり「プレミアム会員入会時の決済方法としてコインベンダー経由でそのまま決済」「バナコインをコインベンダー経由で直接チャージ」と言った便利な決済手段は一切実装されず、文字通りICカードを購入する時以外には一切使われなかった。

ターミナルとの連動アプリ類などは不在

  • あくまでターミナルでできることは「ドライブ筐体でできることをゲームをしていない時でも操作できる」ことであり、『バトルギアシリーズ』よろしくターミナルの設定画面やドレスアップの装着状況などを、連動しているウェブサイトやアプリは現在に至るまで一切用意されていない。
    • 『5シリーズ』における「湾岸マキシ.NET」やその後釜にあたるスマホアプリ『湾岸ナビゲーター』も結局のところは実質独立した本編との連動サービスとなっているため、ターミナルで操作できることをゲームセンターに行けない状況でもいつでも操作できるようにはなっていない。

『3DX+』からの引き継ぎは期間限定

  • わざわざ磁気カードリーダーを装備してまでの物理的な対応がなされた『3DX+』からの引き継ぎ機能は後日期間限定とアナウンスされてしまい、結果として『4』稼働中の2013年10月24日に終了してしまい、終了後は(一部店舗では機能しなくなったとは言えまだ装備されているものの)順次装備を撤去されてロゴマーク付きの蓋で封印されてしまう形となった。
    • おそらく磁気カードの改ざんのしやすさに加えて蔓延しきったコピカ対策の一環との見方が強いが、僅かながらもカードリーダーの使用可能な『2』『3シリーズ』が現在に至るまで稼働し続けているゲームセンターも確認できていることと、なによりレース用メーター(白レスメ)やスペシャルメーターを獲得する手段がこのような形で断絶してしまい二度と入手できなくなってしまったという意味では大いに批判されてしまった。

内部的な仕様

ガレージの表示機能

  • 車種選択画面の表示方法を「5車種のリスト方式」から変更することができず、その他並び替え順を変更したり車種を絞り込むソート機能も実装されていない。
  • よく使う車を「1台だけ先頭に固定」したり「5台を先頭に固定(順番も任意変更可能)する」機能は実装されておらず、さらに車種の整頓は「先頭に移動する」でしか対応していないため、最近使用した5車種以外で使用したいマシンをドライブ筐体で選択したい場合は多大な手間が掛かってしまう。
    • このせいで「メインで使用している鳥Sをいつも先頭にしたいけど新たにタイムアタック用のC級サブ車両を作成した」と言ったケースに柔軟な対応ができず、このケースの場合だと「TA用のサブを奥から引っ張り出すために先頭に移動させた」結果「鳥Sのメインが奥に追いやられてしまうのでこちらも併せて先頭に移動させる」と言った作業を要してしまう。

ドレスアップ

  • 収録されているパーツの絶対数が非常に多いのにもかかわらず、気に入ったドレスアップの組み合わせをショートカットとして保存する機能は実装されておらず、好きなドレスアップパーツの組み合わせを再度組み直すためには改めて最初から手作業で組み直さなければならない。

ターミナルスクラッチ

総じて水増しの内容

  • 『5DX』稼働途中の2016年7月21日に追加された新機能だが、案の定と言うべきか結局はここでしか手に入らないアイテムが手に入ると言った程度の物で、ただ考えなしに入手手段を分散させただけの水増しである事に変わりなかった。当然アイテムは車種ごとの個別管理であり、一度受け取ったアイテムを他の車種にお裾分けする、と言った救済措置も一切無い。
    • ルール自体も単純に「1日1回ケズる」だけであり、終始淡々とアイテムを回収する作業に陥りやすく、総合的なゲームとしての面白さや独自の魅力には乏しい。

ガレージ肥やしのフルチューン車

  • アイテムの中には「フルチューン車」もスクラッチの中に1台だけ隠れているのだが、あろうことか「新規車種を1台フルチューンで登録できる権利」ではなく「フルチューン状態の『限定車種が』入手できる」というものであり、さらにボディカラーは車種ごとに固定されており選択自体が不可能である。該当する車種をすでに所持している場合の補填措置は一切無く、その場合は重複所有となってしまう。
    • 限定車種のチョイスも(主にやり込んでいるユーザーからしてみれば)微妙なもので、車種選択画面でシフトレバー入力を要するアザーカー系統や特別仕様の隠し車種や「湾岸マキシ.NET」の有料会員専用車種ばかりと、既にここまでやり込んでいるプレイヤーならばとうの昔に作成済みであろう車種ばかりで損になってしまうこともあり、期待感や達成感どころか肩透かし感や徒労感を助長しやすい。
      • ここでしか入手できない車種は5台あるものの、うち2台はターミナルスクラッチの仕様のせいで色違いが実装されている車種であり、正真正銘完全専用車種は「HIACE VAN (200系)」「GT-R PureEdition」「NSX-R (NA2)」の3台だけである。

用途が限定的過ぎるバナコイン

  • 本作でもバンダイナムコゲームスの課金用電子マネーである「バナコイン」の決済に『5』の「湾岸マキシ.NET」から遅れて対応したのだが、なんと「ターミナルスクラッチで最大10回ケズる権利」しか使い道がなく、課金しても1日10個が限界となる。
    • そもそも『5シリーズ』本編ですらバナコインを使用する場面は「EXTRAスクラッチ」だけであるため、実装された効果の中途半端さや「.NET」における実態もひっくるめて「なんのためにバナコイン決済を導入したのか?」と言った懐疑的な声で溢れてしまった。
      • 結局『6』稼働に合わせてターミナル側でもバナコイン自体に対応しなくなり、過去にバナコイン専用だった機能は廃止という形となってしまった。今となっては「バンダイナムココイン」に名称変更がなされている形で存続こそしてはいるものの、2023年12月現在では対応タイトルはゲームタイトルに限れば『鉄拳シリーズ』の「TEKKEN-NET」しかない。コナミのPASELIと異なりゲームセンターの電子マネー代わりに使える訳でもなく使い道が無かった場合の手段が皆無なのもあるため、ある意味必然の末路と言える。

『6』で一気に改悪

  • 『6』でも続投されたものの、バナコイン非対応に際して代替手段が実装されることなく削除されてしまった。結果、『6』以降はいかなる手段でも1日1回までしかケズれなくなってしまい、コンプリートへの道が単純計算で最大10倍も遠のいてしまうことに。
    • このせいで『6』以降から新規で始めた場合、毎日稼働店舗に出向いてスクラッチをケズっても最短で600日かかる計算となる。当然ゲームセンターが近くにないなどで遠征を要するユーザーならばそれよりも長引いてしまうということであり、ランク制同様に先行者利益を地で行く改悪を施されてしまったこともあり「不便を強いらせるな」と言った批判が噴出してしまった。フルチューン車が早く引ける保証があるわけでもない割には今のところ改善の兆しは全くと言って良いほど見受けられない。
      • 幸い「フルチューン車」は「50個のスクラッチの中に限定車種が隠れている」うえで「端のスクラッチに隠れていることが多い」との報告が多数であるため、それさえわかっていれば獲得までの道なりは大幅に短縮されるかもしれない。

チーム機能

チーム機能

  • 『4』でついに実装された機能なのだが、そもそも「チーム」機能自体が単純に「プレイヤーの集合体」以上の機能を果たしておらず、肝心の「チーム内ランキング」「コミュニケーション伝言板」と言った要と言える機能が最後まで実装されなかった。
    • そのため、チームそのものの本来の用途と言える「ある目的のために協力して行動する集まり」としての機能が(ゲーム中の機能だけでは)全く果たせていないのは確かである。当時採られた代替策としては「SNSでの情報交換」「メッセージアプリでのグループチャット」が挙げられるが、せっかくチーム機能が実装されているのに肝心のメンバー同士のための機能をゲーム側が実装しないのはいかがなものか。

極悪なチームステッカーコレクション

  • さらにチーム機能実装と同時にチーム機能にあやかったイベントが開始されることとなった…のだが、開催期間中はなんと「リザルト後に10秒ほどの獲得演出」が入ってしまううえ、ダブりやストック上限に到達しているために獲得できない状況でもわざわざ獲得したステッカーを弾く演出が律儀に入ってしまう。これだけでもテンポを阻害しているのにもかかわらず、なんとアクセルペダルを踏んでスキップすることは不可能である。
    • しかもチームステッカー自体「ドライブ筐体で獲得した時点で自動的にコレクションに加わ」らないため、満杯になる前に「獲得した後にターミナル筐体のチームメニューに入りコレクションに加える作業」を手動で行わなければならない。ステッカー自体も10個までしか保有できないためこの作業は高頻度でこなすことを余儀なくされてしまう。結果としてその様は「まるで奉納のようだ」と揶揄されてしまうことに。つまり毎度入る冗長な演出はロード時の演出ではないと言うことである。なぜ入れた
      • こうした問題が積み重なってしまったことが祟ってしまったことにより、ステッカー狙いのためだけにチーム加入者が優先して狙い撃ちされることとなってしまい、チーム間同士でのリアルファイトに発展した事例が多発。この影響でチームから脱退する者やチームそのものを解散する事例が多数出る結果となり、チーム機能を促進しようとする運営側の思惑とは真逆の結果をもたらしてしまう人災を招いてしまう顛末となってしまった。唯一の回避方法は「最初からチームに入らない」だけである。

労力に全く見合わなさ過ぎる報酬

  • そうしてターミナルに「奉納」したチームステッカーを獲得したところでそこから知ることができるのはあくまで「今まで獲得した相手のチーム名ステッカー」だけで「加入者一覧」「設立日や設立店舗」などと言った各種情報は閲覧不可であり、必然的に「なんのために集めているのだろうか」と言った感情を段々と抱くこととなるだろう。
    • そしてトドメと言わんばかりに報酬が「専用称号」だけと莫大な労力(とリスク)に対して全くと言って良いほど見合わない代物である。これにより(後発作に称号が引継不可であることもあり)大多数にあたるであろう報酬に興味があるわけでもないプレイヤーからすれば、毎回挟まれる冗長な演出(とリアルファイトなどに発展するリスク)に翻弄されてしまう点も相まって最終的には誰も得をしないコンテンツと化してしまった。
      • 一般的なMMORPGなどではチームに加入して活動した方が「専用アイテムを獲得できる」「報酬が上がる」と言った形で有利になることが普通であり、アーケードの競合機種に限っても『頭文字Dシリーズ』もそうした形を採っているため、少なくとも今作のような「チームに入るとデメリットしかない」と言ったパターンはまずあり得ず今後も類例が出没してしまうことはないだろう。

その後

  • その酷評ぶりは公式も認めるに至ったのか、チームステッカー獲得数の最終結果が一切公表されなかったため、事実上公式でも黒歴史として扱われる格好になってしまい、これまた一部の熱心にやり込んでいたユーザーからの批判が集中することに。かくして『湾岸マキシシリーズ』史上最も批判一辺倒且つ公式からも初めて黒歴史と認定されたコンテンツとして今もその名を刻まれる顛末に至ってしまった
    • さらにチーム機能自体がのちに「ただ単にチーム名が表示されたステッカーをフロント・リアガラスに貼れるだけの機能」に堕ちてしまい、ついにそのまま改善されることなく『6』で完全廃止に至ることとなった。

総評

『3DX+』までの「連動サイト不在」の中でそれらを差し置いてのまさかと言える衝撃的なデビューで稼働開始。

これだけでもシームレスなゲーム設定変更をドライブ筐体を占拠しない形で実現することに繋がっただけでなく、従来から抱えていたボトルネックの改善にもつながった。特に『3DX+』までの「獲得したドレスアップパーツと同じ部位しか交換できない」から起因する不便な仕様を気にせず自分に合ったタイミングでドレスアップパーツやカスタムボディカラーの変更が行えるようになった点は、従来から目に見えて手軽に行えるようになったこともあり満場一致で歓迎された。

ところが後からアップデートで続いて実装された機能が必ずしも良い方向に機能したものばかりとは言えず、それどころか普通にプレイしているだけでもわかるほどに支障をきたすものすら実装されていた。これらは現在では軒並み削除されるなり解決したものも多いものの、その後も「湾岸マキシ.NET」や『湾岸ナビゲーター』と言った外部連動サービスが稼働開始となったのにもかかわらず、こうしたサービスとの相互連携機能は特に実装されなかったため、現在では単に「それぞれでできることを無理矢理分断している」状態と化している感が否めない。

現状レースゲームとしては唯一無二と言っても過言ではない「ゲームセンターのターミナル機」を採用しているゲームならではのシームレスな利便性は依然として変わらない以上は、この『湾岸ターミナル』ならではの強みをどう言った形で活かせるかが今後のシリーズの命運を左右するものと言えるだろう。

最終更新:2024年05月30日 20:52
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