スター・ウォーズ レベルアサルトII

【すたーうぉーず れべるあさると つー】

ジャンル STG
対応機種 MS-DOS
Windows
Mac
プレイステーション
発売元 LucasArts
開発元 LucasArts
発売日 【DOS】1995年11月24日
【PS】1996年11月26日
判定 なし
ポイント 「レベルアサルト」続編
映像クオリティが大幅に向上
本編さながらの実写パート
ゲーム性は据え置き
スター・ウォーズシリーズ


ストーリー


A Long Time Ago, in a Galaxy Far, Far Away...
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…


「ヤヴィンの戦い」から3年後。

銀河帝国の巨大秘密兵器デス・スターを見事破壊したことで、反乱同盟軍は帝国に対する深刻な脅威として認識されていた。

反乱同盟軍の壊滅を目論む帝国軍は、デス・スターのように強力だが目立ちすぎる巨大要塞ではなく、影から敵の不意を突ける新兵器の開発を画策する。

そんなある日…

同盟軍パイロットのルーキー・ワンは任務中に、重要情報を輸送中のYT-1300軽貨物船「コレリア・スター」の救難通信を傍受。

信号を辿って救出に向かった場所は、近頃「幽霊船」が噂され、同盟軍機が原因不明の失踪を遂げる事件が相次ぐ宙域。ルーキー・ワン自身も突如視界外からの攻撃を受け、惑星の地表へ墜落してしまうのだった。

死闘の末に帝国軍基地で拿捕されていたコレリア・スター機を奪取して逃走したルーキー・ワンは、機体に残されていたデータからとある秘密採掘場の情報を入手。

かつての戦友ルー・マリーンと共に施設の調査を続けていくうちに、彼は帝国軍の新兵器…幽霊船「TIEファントム」を巡る攻防に巻き込まれていく。


概要

疑似3D操作とFMV映像を組み合わせて映画的表現を追求した『スター・ウォーズ レベルアサルト』の続編。
北米版の原題は『Star Wars: Rebel Assault II: The Hidden Empire』と副題付きになっている。
映画第2作『帝国の逆襲』と同じ頃の銀河を舞台に、銀河帝国の秘匿新兵器を巡る新人パイロット「ルーキー・ワン」たちの活躍を描く。

前作から引き続き、ディスク媒体を想定して映像をふんだんに盛り込んだリッチな作風は健在。前年に発売された最新機種プレイステーションへも移植された。
開発・発売は前作に引き続きルーカスアーツが担当している。


ゲームシステム

ゲーム概要

  • 全15チャプターで構成された、主にスターファイターに搭乗しての戦闘で構成されたシューティングゲーム。
    • 随所でチェックポイントが用意されており、到達時にパスワードが表示される方式。
      入手したパスワードをタイトル画面で入力することでチェックポイントから再開できる。
  • 難易度はビギナー・ノービス・スタンダード・エキスパートの4種類に加え、カスタム難易度2種の合計6種類から選択する方式。
    • 難易度によって、チェックポイントで表示されるパスワード内容が異なる。このため、途中で難易度を変えることはできない。
    • 難易度ビギナーでは進行ルートのヒントなどが示されたりと優しくなり、反対に難易度エキスパートではロックオンや徒歩パートの照準などのシステム部分にも制限が掛かる。
  • 体力はHPバー制で、無くなるとゲームオーバー。一部ステージでは専用のムービーが流れる。
    • シューティングということでアーケード的な要素も盛り込まれており、残機とスコアが用意されている。残機は反乱軍マークで表現される。
    • 原作準拠でR2ユニットの載っている機体は徐々に修理されるようになっているが、シールドのないTIEファイターや徒歩パートなどではダメージは回復しない。

基本操作

  • 前作同様にゲーム中は各チャプターごとに頻繁に視点が変化し、合計4つのゲームスタイルが随時切り替わる。
    前作にあった俯瞰視点は廃止され、代わりに一人称視点パートが追加された。
    • 三人称視点
      • スペースハリアー』のような後方視点で機体を操作していくパート。
        機体を操縦して障害物を避けていくのが基本的なゲーム性。
        時折分岐点があり、進んだ方向によってやや内容や難易度が変化する。
    • 一人称視点
      • 普通のガンシューティングのような視点のパート。機体は自動で操作され、プレイヤーは主に射撃を行う。
        簡易的ながら操縦要素が追加され、旋回方向に照準を向けないと衝突ダメージを受けてしまうようになった。
    • 徒歩(三人称視点)
      • 複数チャプターで行われる、背後からの視点で帝国軍を迎撃していくパート。
        通路を進んでいき、出現するストームトルーパーをブラスターで排除する。
        前作では棒立ちだったが、本作では適宜遮蔽物に隠れながら戦闘を行えるようになった。
    • 徒歩(一人称視点)
      • チャプター12でのみ行われる、視界の悪い地下通路を主人公の視点で進んでいくパート。
        こちらは遮蔽物に隠れることが出来ず、その場で照準を合わせて敵を倒していく。
        実はかなり貴重な「ストームトルーパーの暗視装置越しの視界」が登場。また、ブラスターのスプライトは同年のFPS『Star Wars: Dark Forces』のものが流用されている。

評価点

更に向上したFMV映像クオリティ

  • 本作のキモとも言える「FMVによる美しい映像表現」だが、続編ということで実写とCGを組み合わせた巧妙な表現はさらに強化されている。
    • 前作の映像は俳優の写真をトレス加工したスプライト+3DCGだったが、本作では俳優が演技する実写映像+3DCGに変更。
      開発元がルーカスアーツであることを最大限に生かし、なんとルーカスフィルムのアーカイブストレージで保管されていた映画旧三部作撮影当時の小道具やアーマー、ヘルメットなどを取り出してきて撮影されている。
    • このおかげで、映像のクオリティ(旧三部作らしさ)はさらに向上。ストームトルーパーや反乱軍パイロットなどはもちろんのこと、EP6当時のスーツで動くアクバー提督など何気にかなりレアな映像も収録されている。
      流石にセットを組む予算までは無かったのか背景はブルースクリーンを用いた合成だが、当時としてはまぁまぁ頑張っている部類。

ちゃんとしてるストーリー

  • 色んな部分が外伝としてガバガバだった前作のストーリーは大幅に改善され、完全オリジナルかつちゃんと整合性のある顛末となった。
    • 描かれるのは反乱同盟軍の活躍と、デススターIIまでの間に存在し頓挫していった複数の軍事計画が一つ「TIEファントム」の脅威。脱出劇やドッグファイト、潜入任務に艦隊戦と多種多様な展開が待ち受けており、ファンには嬉しい内容。

高品質なオーケストラBGM・効果音

  • ルーカスフィルムの音楽・効果音を拝借したそのまんまの音が使用されており、原作再現度は相変わらず高め。おなじみの音楽もさまざまな場所で流れる。
    • キャラクターボイスの質も実際の俳優を雇ったことでかなり向上している。前作では必要最低限だったが、容量アップにより「上官相手に見栄を張ってるうちにこっそり僚機を盗まれるトルーパー」などといった本編でもやりそうなコミカルなシーンなども増えている。

賛否両論点

短い

  • リッチな映像が続く反面どうしてもボリュームには難があり、ノーミスで進んだ場合エンディングまでは約1時間で終わってしまう。
    • また、ストーリー展開やゲーム性は固定であるためリプレイ性が低く、申し訳程度に用意されたスコア集計要素もチャプター6のループ面で無限湧きする雑魚を倒せば容易にカンストしてしまうため有意義に機能しているとは言い難い。

問題点

やっぱり薄いゲーム性

  • ドラマチックな映像で補ってはいるものの、肝心のゲーム性は「出てくる敵を撃つ」「進行ルート上の障害物をよける」「映像を見る」の繰り返しであり、プレイヤー自身が介入できる余地が少ない。
    • 一応細かい分岐地点なども用意されてはいるものの自動で進行している感を完全に消すまでには至っておらず、複数回遊ぶに足る面白みの実現には今一歩届いていない。
    • 当時の媒体の容量の小ささやそれぞれの映像のクオリティの高さを考えるとなかなか増やしづらかったであろう部分ではあるのだが…

かなり不親切な難易度

  • 洋ゲーらしく初見殺しスポットが多めで、適切なプレイには進行方向の指示があるビギナー難易度の履修が必要。いきなりスタンダードを選択した場合、不本意で理不尽なダメージを食らうことが多い。
    • 妙にブレる照準ややたら流される機体といった前作のイライラポイントも据え置き(システム上仕方なくはあるが…)。特に図体のデカい貨物船である「コレリア・スター」号などはかなり操作性が悪く、慣れないと何度も死ぬ羽目になる。

総評

「映像は凄いけどゲーム性がちょっと…」 という前作の傾向はそのままに、「映像部分が」大幅にクオリティアップした作品。
意外と貴重な90年代の実写スターウォーズ作品として楽しむことができ、シリーズ関連映像としては未だにそれなりの価値を有する一作である。
ストーリー的にも変に逸脱せず「いつものスター・ウォーズ」的内容が繰り広げられており、見て楽しむ分には出来の良い作品と言えるだろう。

映画の雰囲気再現に優れている反面、前作同様に短さ、ゲーム性、難易度といった前作と共通の問題点が残っており、手放しに褒められる内容ではない。
当時既にプレステが登場していたのもあって、一部メディアでは「スティックやボタンを押して続きを見なければならないような映画」などと酷評されてしまった。

綺麗な映像のゲームが当たり前になってしまった現在では(シリーズファン以外にとっては)ただの古くて凡庸なゲームとなってしまったが、敢えて手に取れば発展と試行錯誤の跡を垣間見ることはできるだろう。
「映画的表現とゲーム性の両立」 という課題は本作を経て、1年後の『帝国の影』や『出撃!ローグ中隊』などを通じて完成されていった。


余談

  • 移植・配信
    • オリジナルであるMS-DOS版の発売からおおむね1年後の1996年11月には、プレイステーション移植版が発売された。
    • DOS版ではプリレンダリングされたスプライトで表現されていた機体が全て3Dポリゴンに変更され、スムーズに動くようになっている。
    • またマウスの使えない家庭用機ということで難易度なども見直され、ゲームバランスが変化。映像や音楽の品質も向上した。
    • 肝心のゲーム性についてはそのまんまなので、一部メディアでは 「映画館で『特別編』(EP4の再編集版)のチケット買った方がいいぞ」 などと言われてしまったりも…
  • また、現在はMS-DOS版の両作品を復刻収録した『レベルアサルト1+2』がSteamおよびGoG.comで配信されている。
最終更新:2025年04月20日 13:14