NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

2021年5月

最終更新:

nier_rein

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4月 5月 6月


5月8日追加

黒イ花

その酒場には決して笑わない女がいました。面白がった男達は女を口説いて笑わせようと声をかけます。一人目の男は奔放な遊び人。軽い言葉で女を口説き落とし、一夜を共にしました。しかし、女は笑顔を見せません。女の目はどこか虚ろな色をしていました。

酒場では誰がその女を笑わせるかと賭けが始まりました。二人目は筋骨隆々とした軍人。その屈強な肉体で女を口説き落とし、女を抱き寄せます。しかし、女は笑みをこぼしません。何度、肌を重ねても、女は心を落としたかのような、力のない表情をしていました。

酒場の男達はある男を呼び寄せました。三人目は幾人もの女を喜ばせたという性豪。歯の浮くような甘い囁きで女を口説き落とし、濃密な時を過ごします。しかし、女の口元が緩むことはありません。男のどんな秘戯も、女の心を満たすことはできませんでした。

男達が失敗を続けていたある日、流浪の旅人が女を抱きながら『各地を統治する歌を歌う姉妹』の話をしました。そして、ふと気づきます。女の表情が歪んでいるのです。それは恐ろしい笑顔でした。翌日、女は姿を消し、絞め殺された旅人だけが残されていました。

武器種 小型剣 レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ
追加日 2021年5月8日
EN The Black Flower
解放: ゼロ(異分岐の長女)

ワンの戦輪

アタシは誇り高き竜種。
人間の小娘ごときがアゴで使っていい存在じゃないって言ってんのよ。わかってるう? このブス!

まったく、アンタったらクソ真面目で面白みがないわねぇ……
間に受けて傷ついてるんじゃないわよ。
そんなヤワな精神で、この都市を治められるの?

ま、女同士なんだから、遠慮しないで頼りなさい。
は? 最初に言ってたことと違うって? ほっときなさい、竜種は気まぐれなのよ!

このアタシが……誰かのために自分を犠牲にするなんて、ねえ。
石頭で、気をつかってばかりのアンタだから……
アタシがやるしかなかったんじゃないのよ、もう。

武器種 格闘  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ
追加日 2021年5月8日
EN One's Chakram
解放: フィオ(絶世歌姫の少女)
DOD3
SINoALICE

+ DOD3
DOD3
私が元始であり唯一であればよかった。
ワンと言う名の示す通り。

滅びを招く愚かな姉に相応しい愚かな末路を。
世界を正しく律し、動かすのは私達の使命。

何を望み、何を失い、何を奪い、何を求めるのか、私は理解していた。
私の中に流れるウタの力を知るのは、もう少し先だということを。

だが、本当にそうなのだろうか。
私達の全てが誤っていないと、何故言えるのだろうか?

+ SINoALICE
SINoALICE
アコールの店へようこそ!ああ、こちらの武器ですか?こちらは、この先の未来に発生する「教会都市」という場所のリーダーが持っていた武器……え?「未来って何か?」ですって?まあいいじゃないですか、そんな事は。

「教会都市」っていうのはアレですよ。大災厄以降に発生した巨大廃墟あるじゃないですか?あれを改修して街を作るらしいんですよね?鉄筋コンクリートの建物って意外に丈夫なんですよねぇ……え?「鉄筋コンクリートが何か?」ええと、まあ、そういう強い煉瓦みたいなモノがあるんです。はい。

実はその「教会都市」を発端として、この欧州の地は大変な混乱に陥るんです。国家や都市機能はメチャクチャになるので、もし今、土地や地位をお持ちでしたら、早めに貴金属なんかの価値が変わらないモノに変えておくのをオススメしますよ。

価値といえば、遠い将来には、金や銀よりもさらに高価な通貨が現れるんですよね……それは「仮想通貨」って言って、全然重くない、見る事も出来ない、不思議なお金です。人間の進化はスゴイですよね!え?何で将来の事を知ってるかって?それは……ヒ・ミ・ツです!

トウの剣

トウ様は本当に優しいお方です。
砂の国を治め、民を愛するトウ様を、子供達も愛していました。
まぁ、一番トウ様を愛しているのは間違いなく私ですけどねぇえ?

トウ様は本当に力強いお方です。
なんせ武器も持たずにモンスターを倒してしまうのですから。
いやだなぁ、私など比べ物になるはずないじゃないですかぁぁあ?

トウ様は本当に誠実なお方です。
ご自身のお姉様とその理想、そして国民達の為に努力するお姿!
余りにもまっすぐで……私、心配でどうにかなりそうでしたよう!

トウ様は本当に……そう、本当に優し過ぎた。
だからあの日、私はトウ様に子供達を斬らせてはならなかった。
その為に私が居た筈なのに。トウ様、たとえ何があろうと私は……

武器種 大剣  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ
追加日 2021年5月8日
EN Two's Sword
解放: アケハ(絶世歌姫の剣客)
DOD3
SINoALICE

+ DOD3
DOD3
二人でだから生きられると思った。
トウという名の示す通り、二人で生きていくのだと。

手を繋げば分かり合えた。
何も恐れるものなどないと信じられた。

二人の時間は永遠に続く筈だった。
小さな命を守るように末永く生きる筈だった。

私の中で壊れる音がする。もう戻らない。
全ての喧騒が遠く、暗闇に沈む音を聞いた。

+ SINoALICE
SINoALICE
アコールの店へようこそ!こちらの武器にご興味がおありですか?こちらは遠い未来に「砂の国」と呼ばれる国を治めていた女性が持っていた武器です。あの時代は女性の統治者が多かったんですよね。

当時にしては本当に珍しい事でしたが、統治者としての性格は明るく朗らかだったそうです。砂の国は貧しかったらしいのですが、彼女の明るさで支えられていたのかもしれませんね。一方で、彼女は細腕にもかかわらず、かなりの力持ちだったそうです。一説によると岩を両断する程の腕力があったとか。

そんな彼女ですが、大変に美形な恋人がいたそうです。ちょっと頭が悪かったらしいのですが、二人は支え合い、貧しい国を一生懸命ささえていたとか……そりゃまあ、イケメンの恋人が居たら何でも支えられますよね。恋は全てを解決する。うん。

しかしどうやったら彼氏とか彼女とか出来るんでしょうか。長年武器商人をやっているので「また会いに来るから」と言ってくださる方も結構いらっしゃるんですが、結局お会い出来ないんですよね。その方の使っていた武器が戻ってくる事はよくあるんですけど。

ゼロの剣

私には何も無い。母親に売り飛ばされて以来、私の事を知りたがる人も、言う機会も無かったから不便には感じなかった。ただ、端金をもらって男の相手をする。その毎日が私の全てだった。

私は少女に出会った。少女は私を「薄紅」と呼んだ。私の瞳の色が薄紅色をしているから「薄紅」だと。私も少女のことを、瞳の色である「紫紺」と呼んだ。自分の中に何かが生まれた気がした。

紫紺が「金を盗んで逃げよう」と言い出した。私は頷いた。二人でなら、なんでもできる気がしたから。夜が更けた頃、私達は持てるだけの金を持って、町の外へと逃げ出した。

現れた男が私から金嚢を奪い取った。「悪く思わないでね、薄紅」。紫紺と男は去っていく、全ては仕組まれたことだった。そして、その失望は私に……どこか冷たく、甘い味を感じさせた。

武器種 小型剣 レアリティ ★★★  
属性 シリーズ
追加日 2021年5月8日
EN Zero's Blade
解放: ゼロ(零の長女)
DOD3
SINoALICE

+ DOD3
DOD3
生まれた時から何も無かった。
だからゼロの名を持たされた。

自分が生きている価値を見いだせなかった。
祈る神がいるのであれば、殺す気でいた。

命を奪う時も何も感じなかった。
罪とか罰とか考える気にすらならなかった。

私は子供のように待ち望んでいた。
この命が奪われる、その瞬間を。

+ SINoALICE
SINoALICE
アコールの店へようこそ!あら、こちらの剣をご所望ですか?こちらはですね、大昔にいた「ウタヒメ」という種族の女性が使っていた武器です。その女性は大変に美しく、長い銀髪で舞うように敵を倒していった……という逸話が残っております。


しかもその「ウタヒメ」は戦っている最中に歌を歌う事で魔素の放出を増強させるという特徴的な能力を持っていました。能力が開放される時の歌には、誰もが皆魅了されたと言います。どうです?気になりませんか?

「ウタヒメ」の持っていた武器はいくつか存在するのですが、この武器を持っていた「ウタヒメ」は最強の一人と言われています。その武器がこのお値段で出るのはちょっと普通では考えられません。いやぁ、私も商売をやっておりますが、これほどお値打ちな武器には滅多に巡り会えないですよ……

え?この武器を使っていたのは聖女か?いやそれは……え?具体的に言うと処女かどうか?えーっと、それは、処女だったという証言はなかったというか、むしろ積極的に男性と交わっていたというか……あっ、お客様!待ってください!お客様~!

5月9日追加

鉄塊

その武器は無用の長物とされた。人が振るえぬほどの重さだと。人を殺すには不必要なほどの大きさだと。何故このような武器が作られたのか、知る者はその国にはいなかった。

その武器は溶かされた。そしていくつかの、鎧と片手剣に姿を変えた。鎧は魚の鱗ほどの薄さだったが、貫かれることはなく、剣は猫の尾ほどの細さだったが、折れることはなかったという。

その武器は屍の山を築いた。鎧と片手剣を装備した兵士たちは、戦場を蹂躙し、敵を殺し尽くす。その鎧で命が守られる度、その片手剣で命を奪う度、兵士たちは得も言われぬ興奮を覚えた。

その武器で勝利を収めた兵士たちは気付く。鎧が脱げないことに。剣が手を離れぬことに。そしてそれらは互いに引き合い、兵士を巻き込み、やがて一つの鉄の塊となった。元より大きな鉄塊に。

武器種 大剣  レアリティ ★★★  
属性 シリーズ
追加日 2021年5月9日
EN Iron Will
DOD
DOD2
NieR Replicant
DOD3
NieR:Automata
SINoALICE

+ DOD
DOD
この世界で最も大きな剣。普通の人間では振るうどころか動かすことすらできず、今までこの剣を使おうと思う人間はいなかった。

この大剣を所持していた「バッカス将軍」は、弱者の命でさえも容赦なく奪う冷血漢で、自分の力を誇示するために殺した敵の鎧を溶かし作り上げた。

命を奪う度に重くなる大剣。次第に持ち運ぶのさえも困難になり、誰にも、当の本人さえも扱えなくなっていった。

ある朝、バッカス将軍の惨殺死体が見つかる。屍の傍らには血に染まり肉片の付いたこの鉄塊。いったい誰がこの剣を振るったのであろうか…

+ DOD2 ※『折れた鉄塊』として登場
DOD2 ※『折れた鉄塊』として登場
かつて世界で最も大きな剣と称され見る者をその迫力で圧倒していた雄姿は見る影もなく、剣というにはあまりにも惨めな塊に変わり果てていた。

剣が健在でいた時代。以前の持ち主は、この剣をとても人の力では扱えない代物までに鍛え上げ、それでもまだ何かに取り憑かれるように、刀身に使える素材を探し集めた。躯から鎧を剥ぎ取り、武器を奪い骨をも抜き出しては、打ち合せ剣の一部としていた。

次第に剣は斑に色を変え、剣先に行くほど赤黒く伸びていく。その相反する色は、まるで隠り世と現世の境にも見えた。ある時、子供をさらい生きたまま製錬し剣に打ち込んだが、決して交わることはなく、赤黒い鉄はすべて砕け散ってしまった。

剣は再び比類なき巨体を誇示させるために新たな刀身と、その身を鍛えられる者を探し続けているらしい。

+ NieR Replicant
NieR Replicant
我は産声を上げる。
熱く熱せられた鉄がその身を形作る時。鋼の槌が我が身を打ち叩く時。
薄闇の中に燃えさかる深紅と、鋼の火花の照り返す白光が見守る中。
約束された業苦を与える為に。
我は鉄塊と呼ばれし武器。轟音から生まれ落ちる刃。

我は死を与える。
敵の畏怖と悲鳴を喜びに変え、その鉄の肌に臓物を飾りつけて。
人の命を奪う時、暗い喜びが我が身を満たした。
人の身を押しつぶす時、自らの生まれた意味を知った。その歓喜を伝える為に、人を殺し続けた。
我は鉄塊と呼ばれし武器。我は殺す。殺す。殺す。殺す。

我は砕かれる。
戦いと残血の果てに、憎悪と怨念がこの身を引き裂く時。
魔の理が引き起こす力と、飛び散る鉄の牙が血風を巻き起こす。赤い竜と戦いしその日々。
我は鉄塊と呼ばれし武器。呪われし鋼は眠りの黒へと沈む。

我は夢を見ている。
それは、小さな蝶の夢。
ちいさな雨の中、懸命に飛ぶ蝶の夢。
我は鉄塊と呼ばれし武器。深い夜の中、叶わぬ夢を今も見ている。

+ DOD3 ※『折れた鉄塊』として登場
DOD3 ※『折れた鉄塊』として登場
鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄
鉄の塊は鍛え上げられる。堅さこそ戦場での強さだったから。
鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄

殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺
鉄の塊は殺しまくる。それが彼の存在する意味だったから。
殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺

肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉
鉄の塊は命を奪う。そうすれば願いが叶うと思っていたから。
肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉

血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
鉄の塊は血の涙を流す。もう人には戻れない事を知ったから。
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血

+ NieR:Automata
NieR:Automata
長きに渡る惰眠により鈍らと化した刀身は、その名の通りただの鉄の塊だ。血に彩られし過去は全て赤錆び、ざりざりと音を立てて剥がれていく。

不快な重みしか与えないこの塊を、誰が振るおうか。斬るのではなく肉を叩き潰すだけのその塊を、誰が好もうか。振るうほどに狂気に駆りたてるその武器を、誰が愛そうか。

眠り続ける平穏に安堵する。戦わなければ血でこの身が砥がれる事もない。このまま崩れて滅びる事も出来よう……だが、力を求める愚か者達はその安らぎを許しはしなかった。

剥がれ落ちる赤錆びは鉄の涙。血と肉と脂に塗れる姿こそが呪いの証。ならば筋を斬り割こう。肉をすり潰そう。骨を砕こう。それが我が身の贖罪であるのなら。

+ SINoALICE
SINoALICE
とある荒野より発掘されたその剣は、
剣と呼ぶには余りに大きい代物だった。
戦闘に使うには重く、儀礼用にしては武骨過ぎる。
考古学者たちは、この剣の意義が分からなかった。

その剣が出土した地層と、同じ時代の文献を調べると、
この剣に関する逸話が見付かった。
どうやらこの剣の持ち主であった騎士は、
たった一人で、争う二国を二つとも滅ぼしたと言う。

この剣の材質を調べてみると、驚くことに、
鉄以外に、人間の骨や血の成分が含まれていた。
考古学者たちは、戦死者の装備や遺体から作られた、
戦争の戒めを目的として作られた物だろうと考えた。

戦争が起きて、考古学者たちは逸話が真実であると知る。
剣を保管していた倉庫に、文献にある騎士が現れたのだ。
騎士の正体、それは剣に宿る数多の怨霊の群れ。
彼等は戦争を繰り返す愚かな生者を、決して赦さない。

5月14日追加

Si'F-06proto

私は槍を構える。瞳を赤く染めて。

私は槍を構える。声が願う場所を探し。

私は槍を構える。喉の奥に痛みを感じながら。

私は槍を構える。私の、進むべき道を見つけたから。

武器種    レアリティ ★★   
属性 シリーズ 白牙
追加日 2021年5月14日
EN Si'F-06proto
解放: ノエル(匸の兵器)

Si'F-06alter

+ ※ネタバレ注意
廃墟となった都市に残る争いの爪痕。
アスファルトの裂け目から、草木が顔を出している。
黒い外套を纏った少女が、それを静かに見詰めていた。

都市の傷を覆い隠す様に、生い茂る緑。
少女は乗っていたバイクを降り、その植物へ近付いていく。
草葉の陰に見付けた、錆び付いた何か。それが気になったからだ。

酷く損傷した銃器だった。弾倉の構造からして、狙撃銃だろう。
折れてしまった銃身を眺めていると、少女はある事に気付く。
少女の扱う槍の原型と、その武器の造りが似て見えたのだ。

ここまで朽ちていては、それが気の所為でないとは言い切れない。
少女はそう考えながらも、その銃を捨てる事ができず、
荷台の鞄にそれを積み込んで、再びバイクへと跨った。

武器種    レアリティ 真暗ノ記憶
属性 シリーズ 白牙
追加日 2021年5月14日
EN Si'F-06alter
解放: ノエル(輪廻実存の兵姫)

5月20日追加

近代軍記ノ肆

12月。この地には滅多に雪が降らないが、内陸特有の底冷えする寒さが駐屯地を襲っていた。隊員らは身を寄せ合って酒を飲み、寒さをやり過ごす。この時期、隊員らの話題も華やぎ、遠い地にいる家族や恋人の話が増える。青年の周りも、例外ではない。

青年には恋人はいなかった。しかし、隊員らの話を聞くともなく聞いていると、ふと昔の恋人のことを思い出していた。戦地に派遣されることが決まる少し前に、別れを告げた相手だ。長い間離れ離れになり、生きて帰ってこれる保証もないと思っての決断だった。

彼女は今も、雪深い祖国で、きらきらと降り積もる真っ白な雪を見ているだろうか? 死と隣り合わせの自分には、彼女を愛する権利はないと信じていた。なのに隊員らは、祖国へ残してきた恋人のことを嬉しそうに話した。それが、彼らの戦うべき理由なのだった。

次の朝は雪が降った。地面に触れてすぐ溶ける雪のせいで、道はぬかるみ、酷い悪路となったが、隊員らは普段と変わらぬ態度で戦地へ出ていった。青年は決めた。次に祖国に帰ることがあったら、あの娘にもう一度会いに行ってみようと。

武器種    レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 近代軍記
追加日 2021年5月20日
EN War's Chronicle IV
解放: グリフ(形而上の兵長)

三式戦術槍

武器開発記録:その1
近頃、機械生命体たちの侵攻が拡大している。それに対抗すべく、武器の開発担当にこの私が選ばれた。奴らを痛めつける強力な武器を作ってやろう。

武器開発記録:その4
一刀両断できる剣か? それとも叩き潰す槌か? いやそれとも……だめだ、どんな武器が最良なのか分からない。どうすれば奴らにとって恐ろしい武器を作れるんだ……

武器開発記録:その8
かれこれ数か月、武器開発は停滞している。そんな私をみかねた友人が声をかけてくれた。なんともありがたいことだ。おかげで良いアイデアを思いついた。そうだ、これならうまくいく。

武器開発記録:その18
ついに完成した。私たちアンドロイドも同じ機械、これなら機械生命体たちも恐れるに違いない。これで奴らを殲滅し、実験台となってくれた仲間へ少しでも手向けを送るとしよう。

武器種    レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 三式
追加日 2021年5月20日
EN Type-3 Lance
NieR:Automata

+ NieR:Automata
NieR:Automata
飾り気のない槍は、機械のように正確に急所を貫いては、鈍い刃で相手の骨を削り取る。その際に鳴るごりごりとした音とありえない程の苦痛の悲鳴を、傭兵の女はとても好んでいた。

今日も今日とて至上の音楽を聞く為に、女は戦場を駆け巡る。あの巨漢は脂肪がブルブルと鳴りそうだ。ああ、あの痩身は程良い骨の音を鳴らすだろう。さて誰から貫こう?

いくつもの戦場を渡り歩いて、いくつもの体を貫いて。理想とする叫びと骨の音を求めた女は、いつしか疲れ果てていた。ちょうど良い塩梅に、柔らかい肉と骨はないものか。

ふと、横を見ると丁度良い肉の塊が転がっていた。切り刻むと心地良い悲鳴を上げて女を満足させる。充実した笑顔で空を見上げた。それが我が子である事は、もう思い出せなかった。

心傷の罪銃

大国同士の戦争に兵士として徴兵し続けた一人の男。そんな経験から、男はトラウマに悩まされていた。いつ襲われるのか分からない恐怖に怯える、そんな苦しい毎日を送っていた。

だが、一人の美しい女性との出会いをきっかけに彼はトラウマを克服しようと決心する。彼女と何不自由なく一緒に過ごし、幸せな家庭を築きたいと、トラウマを隠しながら少しずつ克服していった。

それから数年後も交際は順調に進み、その夜は彼女と出会った運命の日。彼はプロポーズを決心した。彼女の前で胸ポケットから指輪を取り出そうとしたその時、彼の身体を銃弾が貫いた。

目の前には銃を構え、泣き崩れる彼女の姿。「そんなつもりは……ごめんなさい……」彼のその様が銃を取り出す動きに見えてしまったのだろう。戦争によるトラウマを彼女もまた抱えていたのだ。

武器種    レアリティ ★★★  
属性 シリーズ
追加日 2021年5月20日
EN Crime of Passion
解放: グリフ(異存たる兵長)

黒鳥ノ大剣

「俺のせいであいつは死んだ。俺は騎士失格だ」
俺にできることはもう何もない。そんなことを考えたとき、遠くから黒い鳥を連れた少女が近づいてきた。

「助けてください! 悪い男たちに追われているの!」
この少女を助けることが俺の贖罪になるだろうか。俺はやつが遺した大剣を手に取り、この少女の手を取って走り出した。

「その女を渡せ、それとも貴様がその女の代わりに死ぬか?」
俺の命で救える命があるというのなら、迷いなんてない。思ったよりも早く、あいつと天国で再会できそうだな。

「ご苦労様、うまくいったわね。はい、これ約束のお金よ」
私のパパを殺した貴方が悪いのよ。この剣はパパが遺した唯一の形見なの、貴方が持っておくべきではないわ。さようなら。

武器種 大剣  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 黒鳥
追加日 2021年5月20日
EN Blackbird Greatsword

黒キ短刀

とある村で暮らす少年。決して裕福ではなかったが、優しい家族に囲まれた幸せな毎日を送っていた。その日、何者かによって一族が皆殺しにされてしまうまでは。

悲しみに暮れる彼の元に、暗殺を生業とする青年が現れた。いつか仇を返してやると青年に弟子入りを果たし、それから十年後。彼は一人前の暗殺者となり、その証として短剣を譲り受けた。

彼はその短剣を握りしめ、仇を探し求める旅へと出る。数年後、ついにその居場所を突き止めた。音もなく、気配を感じられることもなく背後から一撃で仕留めた。

「さすが俺の弟子だ」と呟いて倒れる仇。徐々に冷たくなっていく青年の身体を抱えて彼は慟哭する。その傍らには、闇夜に紛れた漆黒の鳥が静かに佇んでいた。

武器種 小型剣 レアリティ ★★★  
属性 シリーズ 黒キ
追加日 2021年5月20日
EN Dark Dagger

5月31日追加

Si'F-06

「イライザ」
私をそう呼ぶのは、一人しか居ない。
彼女は私達のオリジナル。要事の際には護衛すべき対象。

「何か私にお願いとかない?」
私達は兵器、願いなど抱く事はない。
なのに彼女は、何故か私達を必要以上に気にかけた。

「辛かったら、私を頼ってね」
彼女の主張は、正当な物ではない。
使い捨てである私達は、彼女が生きる限り滅ぶ事は無いのだから。

オリジナルの行動は、私達には理解できない。
けれど、彼女の咆哮が施設を震わせた、その日。
どうしてあれ程までに私達を気にかけたのか、分かった気がした。

武器種    レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 白牙
追加日 2021年5月31日
EN Si'F-06
解放: ノエル(形而上の兵器)

機械生命体の斧

人間は極めて利己的な生き物、異なる者たちと対立するものだ。
そうして己の力を誇示し、勝者が敗者を支配する。

人間は種の存続を尊ぶ生き物、異性に惹かれ繁殖をするものだ。
そうして個を増やし続け、犠牲となる者を増やし続ける。

人間は孤独に耐えられぬ生き物、他者との繋がりを求めるものだ。
そうして集まった者達は、烏合の衆となり意味を成さない。

人間は愚かで救えない生き物、人間を生かす必要はあるだろうか。
……ない。そんな人間は殺してころしてコロしてコロシてコロシテ

武器種 大剣  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 機械
追加日 2021年5月31日
EN Machine Axe
NieR:Automata

+ NieR:Automata
NieR:Automata
ヒトは何故争うノダロウか?

ヒトは何故恋をするのだろウカ?

ひトはナゼ集うノだろうか?

君は何故、生きているのだろうか?

Si'F-06append

考えてみると、この武器も随分長く使っている。
始めに受け継いだ記憶のお姉さまが持っていた槍。
手入れはしているけれど、流石に傷が増えてきている。

この槍はオリジナルのお姉さまの剣より、簡素な造りをしている。
兵器である私達の運用に際し、いくつか武器の開発がされた。
その中でもこれは、初期に造られた物なのだという。

いくつかの記憶から推測した事だから、正確ではないけれど……
この槍を修繕するにあたって、もう少し性能を強化したい。
私が戦う様な相手への使用を、この槍は想定されていないから。

――できた。これなら、今よりも効率的に戦える。
初めての割には、上手く形になったと思う。
物を作ったり直したりするのも、なんだか楽しいかもしれない。

武器種    レアリティ ★★★  
属性 シリーズ 白牙
追加日 2021年5月31日
EN Si'F-06append
解放: ノエル(異存たる兵器)

巫蠱の杖

わたしは占い師。館にはさまざまな事情を抱えた人がやってくる。ある時は借金に追われるもの、ある時は夫の死を受け入れられない女性。わたしは彼らの話を聞いて、希望に満ちた話をする。人に救いを与えているのだ。

今日の来訪者は軍人。薄暗い顔をした彼はこれから戦地へ遠征に向かうそうだ。しばらく逡巡した後、彼はわたしに懇願した。愛する妻と幼児の待つ家へ生きて帰りたい、家族の元に無事に帰れるのか占ってほしいと。

わたしは吉凶を杖に問う。杖は光り、とある石を指し示す。わたしはそれをみて、予言できているかのように石の意味する話をする。誰にでも該当するような曖昧な話だ。わたしは彼に御加護があるとお守りを渡す。

立ち去る彼に曖昧な笑みを送る。わたしは死に向かう戦士に希望を持たせて送り出さなければならない。それが国から与えられた仕事。今日もまた戦死者を生み出してしまった。所詮わたしも占い師の皮を被った犯罪者なのだ。

武器種    レアリティ ★★★  
属性 シリーズ
追加日 2021年5月31日
EN Hexer's Staff
解放: リオン(守護たる亡命者)

4月 5月 6月
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