あらすじ
支那事変の起こったあの年――十一月の末、おれは人ひとりを殺めている。その後すぐ戦争に取られ、大陸でも二人を殺したが、あの初雪の舞い狂う夜、俺の手を染めた血の色の方が、どうしようもない生々しさで今もおれに残っている。
昭和12年、六車次雄は萱場組の貫田征五郎に拾われ、右手の指が小指しかない貫田の手となって仕えることになった。だが次第に貫田から奇妙な行為を求められ、ついには殺人を依頼される……。
登場人物
- 俺(六車次雄)
- 貫田征五郎
- 鴫原きわ
- 萱場辰蔵
- 萱場組の親分。長く病みついており、十年前に死にかけた際に作らせた棺を飾らせている。
- 番代
- お慎
解題
「幻影城」1979年5月号にて発表された、
花葬シリーズの第4作。
G・K・チェスタトン的なシンプルな逆説のアイデアから、本格ファンに人気の高い一作。
(スタブ)
各種ランキング順位
収録アンソロジー
- 宮本輝編『わかれの船』(1998年、光文社→2001年、光文社文庫)
関連作品
- 花葬シリーズ
- その他「幻影城」掲載短編
- 戦前のやくざを描いた作品
最終更新:2018年07月06日 02:08