クロックス
【くろっくす】
ジャンル
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落ち物パズル
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対応機種
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ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売元
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徳間書店
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書換開始日
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1991年4月19日(書換専用)
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プレイ人数
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1~2人
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定価
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500円(片面)
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判定
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良作
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ポイント
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地味ながらオリジナリティの高い落ち物パズル もしイメージキャラがいたらシリーズとして大化けしたかも?
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ファミマガディスクシリーズ
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概要
当時発行部数トップを誇ったファミコンゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)創刊100号を記念して発売された『香港』に始まる『ファミマガディスクシリーズ』第4弾。
コンセプトは「簡単だけどハマるゲーム」という形で一般公募された「ファミマガディスク大賞」で採用されたもので、『オール1』と同じく第1回大賞受賞作品である。
本作は『テトリス』のような落ち物パズルゲームとなっている。
内容
システム
システム自体は非常にシンプルなもの。
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フィールドは7列x11段で、中央の列の上部から丸いブロック(本作ではクロックピースと呼ぶ)が1個ずつ落ちてくる。
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クロックピースの中には、アナログ時計の盤面のように中央から放射状に2本の線が描かれている。2本の線が成す角度は「45°(∠)」「90°(└)」「135°( 〉)」「180°(|)」の4パターンあり、落下中に45°刻みで回転可能。
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この線を繋げていき、1本の輪が出来上がるとその輪を構成するクロックピースと、それに囲まれた内側のクロックピースが全て消える。
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その上に積まれていたピースはそのまま下に落ちるので連鎖も可能。
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消されたピースの数、連鎖などにより獲得点数がアップする。特に連鎖は1連鎖増えるごとに獲得点数が倍化(例・4連鎖では4倍)するので大きい。
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ブレイク機能があり、ドロップ時に不要なクロックピースを上から潰すことができる。
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回数限定で、初期状態では3回。レベルが上がると同時に3ずつ追加され最大30回分までストックできる。
ゲームモード
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モードA
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何もない状態からスタートして、ゲームオーバーまでハイスコアを目指すエンドレスモード。
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モードB
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初期配置されている、青い線が入った「ブルークロックピース」を全て消すことができればクリア。
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全50面構成で、全てクリアするとエンディングとなる。
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VERSUS
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2Pによる対戦モード。
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このモードでは連鎖や大量消しすると、相手側の床を上げたりする攻撃ができる。また自分の床が上がっていると、それを下げたりする効果がある。
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また大量消しでなくとも、何かしら消すと相手の今操作しているクロックピースが消せるので、あと1つで消せる状態をいくつも作っておくのも手。
評価点
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コンセプトの通り「シンプルだけどハマるゲーム性」
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落ち物パズルの代表格「テトリス」同様、ルール自体は単純でも、スピードや技術介入によるハイスコアなど、落ち物パズルの醍醐味を網羅している。
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また上まで詰まったらゲームオーバー(負け)というスタイルも、既存のパズルで築かれたスタイルの1つであるため分かりやすい。
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分かりやすくて、且つ独自性もバッチリ。
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1列埋めて消す『テトリス』、縦横斜めに3つ繋げて消す『コラムス』、形を問わず4つ以上繋げる『ぷよぷよ』、消すべき対象が空中に初期配置された『ドクターマリオ』などそれぞれ特色があるが、そのいずれとも被らない線を繋げて囲むというゲーム性。
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シンプルながらスピーディーに盛り上がれる対戦モード。
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連鎖もよし、単調な形(真四角等)でも、とことんスピードで大量に中を埋めて、一気消しもありといった具合に多彩な攻め方ができる。
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多彩なゲームモード。
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この頃にしては珍しく、ハイスコアをとことん突き詰めるエンドレス、ステージクリア、対戦といった具合に3パターンものモードを持っている。
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そのため、幅広い楽しみ方を生み出している。
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BGMが全体的に良い出来。
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時計やパズルの雰囲気によく合っている。
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また、ある程度まで高く積みあがると緊迫感のあるBGMになるのも、プレイヤー心理との巧みなシンクロになっている。
問題点
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意図せずブレイクを使ってしまいがちになる。
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ゲームボーイの「対戦型テトリス」の感覚でプレイしていると、ついドロップする要領で下を押し続けてしまうことが多い。
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使う必要もないのにムダに使ってしまったり、必要なはずのピースを消してしまったりというミスが出やすい。
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ブレイクが1つでもある時は、設置時敢えて下ボタンを離す必要がある。
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対戦時の攻撃が相手側の底の高さ上げのみというのは、少々単調すぎる感も否めない。
総評
落ち物パズルの始祖『テトリス』に対して「時計の針のように角度のついた線を繋いで囲む」というゲーム性、連鎖の概念、大量消しによる高得点など大きく差別化することに成功。
同時にハイスコア追求、ステージクリア、対戦といった幅広いプレイスタイルを網羅し「シンプルだけどハマるゲーム性」を構築できており、『テトリス』に対しても決して劣らない完成度の高さ。
ロムカセットよりも容量の少ないディスクで、しかも片面というハンデを微塵も感じさせない。
残念なのは、ただでさえ衰退著しかったディスクソフトでの発売で、更にスーパーファミコンも発売後ということでファミコンの方も衰退期だったので、あまり知名度がなかったことに尽きる。
更にキャラ要素が全くないのも見た目の地味さに拍車をかけた。これに『ぷよぷよ』のアルルのようなキャラクターが伴っていれば一大シリーズに大化けしたことも十分に考えられただろう。
その後の展開
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半年後に第5弾『ぷよぷよ』が発売。
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これはコンパイルとのタイアップ企画として発売された(1993年にロムカセット版も発売)。
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コンパイルからの声掛け以外に、第2回大賞受賞作品が不在だったことも理由とされる。
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本作発売とほぼ同時期に第3回コンテストが募集開始となったが、名称が『ディスくんゲーム大賞』と改名された。
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同時に、これまでと異なり「ディスくんを主役にしたゲーム」という応募テーマが設定され、受賞作品が1992年に第6弾『じゃんけんディスク城』として発売された。
最終更新:2024年01月22日 02:18