【しんほくとむそう】
ジャンル | アクション | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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対応機種 |
プレイステーション3 Xbox 360 Wii U |
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メディア | PS3 | BD-ROM 1枚 | |
360 | DVD-ROM 1枚 | ||
WiiU | 専用12cm光ディスク 1枚 | ||
発売・開発元 | コーエーテクモゲームス | ||
発売日 | PS3/360 | 2012年12月20日 | |
WiiU | 2013年1月31日 | ||
定価(税別) | 通常版 | 7,800円 | |
PS3/WiiU DL版 | 6,762円 | ||
360 DL版 | 6,858円 | ||
特別版 |
TREASURE BOX(PS3/360限定版) 12,800円 |
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LEGEND EDITION(PS3本体同梱版) 31,591円 |
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プレイ人数 | オフライン | 1~2人 | |
オンライン | 2~8人 | ||
通信機能 | 共通 |
ダウンロードコンテンツ(DLC)配信 オンラインマルチプレイ |
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PS3 | Playstation Network対応 | ||
360 | Xbox LIVE対応 | ||
WiiU | ニンテンドーネットワーク対応 | ||
レーティング | CERO:D(17才以上対象) | ||
コンテンツアイコン | 暴力 | ||
判定 | なし | ||
ポイント |
『北斗の拳』30周年記念作品 徹底的かつ丁寧な伝説編の原作再現 所々に挟まれる良質なオリジナル展開 アクション面も大幅に改善 多くのプレイヤーを苦しめた無双闘舞の撤廃 リアルラックのウェイトが大きすぎる成長システム 長所もあるがそれ以上に問題が多い幻闘編 相変わらずぼったくりなDLC |
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無双シリーズ | |||
北斗の拳シリーズ |
『週刊少年ジャンプ』で連載、アニメ化もされ、今もなお絶大な人気を誇る『北斗の拳』の30周年記念による、無双シリーズとのコラボレーション作品。
前作『北斗無双』は、ボリュームの薄さや動きのもっさり感(主に操作することになるケンシロウなどに特に見られる)、さらにはボスを倒すために強制されるやたら難易度の高いクイックタイムイベント(QTE)・「
※本項内でボタン操作に触れる場合はPS3版準拠で記載するので悪しからず。
+ | 経絡図イメージ。クリックで展開 |
+ | DLC詳細。クリックで展開 |
ボリュームがなさ過ぎると批判された前作から大幅なボリュームアップを果たし、アクション面でも大きく改善を見せたことで群がる敵を薙ぎ倒す爽快感は確かに得られるようになっている。
特に伝説編では修羅の国編までではなく、アニメですらカバーされていなかった原作最終章のバット・リン編までカバーされ、同章の実質的な初映像作品となっている。
さらに、プレイの雰囲気を盛り上げる程度の介入にとどめて難易度も抑えたQTEや、一部差違や弊害も出てはいるが、忠実に原作を再現されており、その作り込みは素直に評価に値するものである。
また、アクションも軽快にしつつも、プレイの邪魔にならない程度に技の重みも表現されており、まさしくプレイヤーはケンシロウたち拳士の戦いを追体験できると言っても過言ではない。
しかし、その評価点を無にしてしまうほどに問題だらけの幻闘編、プレイヤーの介入の余地が少なく、運がほぼ全てを支配している成長システムなどのせいで、本作を素直に良作・傑作と言えるかと問われると、かなり苦しいと言わざるを得ない。
特に幻闘編の仕様は一騎当千ならぬ「一撃当千」の文言を真っ向からぶち壊しにかかるものであると言わざるを得ず、無双シリーズらしさを自ら捨てにかかってしまっていると評されるのも無理はない。
前作の時点でこのレベルの作り込みであれば、「次作では幻闘編の改良を~」などと期待をすることもできたのだが、残念ながら本作では原作のほぼ全てをカバーしてしまっているため、現状では『北斗の拳』を題材とした続編が出る可能性も決して高いとは言えない状況である。
せっかくの作り込みも、シリーズとしての特徴やユーザーの求めるものを見誤ってしまえば、その部分さえも無になってしまう…そういう意味では本当に惜しい作品である。
とはいえ、再現度やゲームバランス面などで難ありの問題児が多く「北斗ゲー=クソゲー」とまで言われる『北斗の拳』のゲーム作品の中では、間違いなくトップレベルの再現度と出来を誇る作品ではある(比較対象が酷すぎるという部分が大きいが)。
2016年3月、サミーより『ぱちんこCR真・北斗無双』としてパチンコ化。
元々サミーは原作・アニメとしての『北斗の拳』をパチンコ、パチスロで手掛けており、それとは別に『真・北斗無双』もシリーズ化されている。
コンシューマ版や初代『ぱちんこCR真・北斗無双』では神奈延年氏が演じていたサウザーだが、『パチスロ真・北斗無双』からは三宅健太氏に変更されている。また、ナレーションは本作では田中秀幸氏が担当していたが、パチンコ・パチスロでは『北斗無双』の若本規夫氏に戻されている。
前作の仕上がりがあまりにも微妙であったせいか、それともメーカーもしくは小売や問屋が強気に出すぎたのか、その辺の事情は定かではないが、本作の特にPS3版と360版は早い段階からかなりの値崩れを起こしていた。
なお、1ヶ月ほど遅れて発売されたWiiU版はそれら2機種版に比べるとそこまで価格の下落は激しくなかったようである。
本作は伝説編や幻闘編をクリアしていけば、大方のトロフィーの獲得・実績の解除が出来るようになっている。
一部に稼ぎ(*37)や放置(*38)も必要になる他、ただクリアするだけでは獲得できないものもあるが、それらも難易度が飛び抜けて高いという訳ではないので、基本的にはトロフィーの獲得・実績の解除がしやすいタイトルである。
しかし、コンプリートを目指すとなると一転して難易度が跳ね上がる…というよりも2014年1月の時点ではもはや不可能と言っても良い状況となっている。
と言うのも、オンラインプレイに関連したトロフィー・実績が2つ存在しているためで、オンラインプレイが出来さえすれば、獲得・解除自体は決して難易度は高くない。
だが本作の発売時期もあり、もはやオンラインに人がいないため、そもそもオンラインプレイができないのである。
従って、本作でトロフィー・実績のコンプリートを目指すというのであれば、フレンドなどに協力をしてもらうしか無い状況である。
全てのプレイヤーがトロフィーの獲得・実績の解除を目指してプレイをする訳ではないがその点は留意しておいた方が良いだろう。
*1 通常操作で出来ないだけで、特定地点の移動手段として行う特殊アクションになっている。
*2 他の無双シリーズにおいては、集団戦に比べると武将とのタイマン戦で溜められる無双ゲージはかなり少量だった。
*3 ケンシロウは前作の固有アクションがこのダッシュ移動と似た性能であるため、固有アクションが変更されている。
*4 ケンシロウの「北斗有情猛翔破」やトキの「北斗有情鴻翔波(ほくと うじょうこうしょうは)」など。余談になるが、トキは前作の闘気覚醒の発動モーションで秘孔・刹活孔を突いていたが、こちらも仕様変更に伴い、トキの固有アクションが刹活孔によって体力を消費する代わりに30秒間能力を強化するものとなった。
*5 名前も「KINGの指揮官」になっている。ちなみに、ダイヤ・クラブは『北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー』や セガ・マークIII用ソフト『北斗の拳』でも登場していた。
*6 名前も「ユダの副官」「ユダ側近」になっている。ちなみにダガールはPS用ソフト『世紀末救世主伝説』やセガのアーケード・PS2用対戦型格闘ゲーム『北斗の拳』でも登場していた。
*7 アミバは前作同様トキ、ソリアはファルコ、ハンはシャチのコンパチ。アミバとハンだけは後に固有モーションを持つDLC追加キャラクターが配信。
*8 原作者である武論尊氏と主に作画を担当した原哲夫氏の両氏は元々はラオウ昇天で一旦は話を終わらせ構想期間を2ヶ月ほど取る予定だったが、人気作品を作者の意向を問わず延命に走ることで知られる『週刊少年ジャンプ』によって話の引き延ばしを命じられてそのまま天帝編に至ったため、矛盾が多数生じることになってしまった。そのせいか武論尊氏は「ラオウ編よりあとのことは良く覚えていない」という旨の発言を残している。
*9 ただし、序盤でケンシロウが囚われていた牢獄にバットが落書きするシーン(最終章でケンシロウが記憶を取り戻す足がかりとなる)が追加されている。
*10 「ジャギは伝承者候補ではなく、あくまで家族として養子に迎え入れられた」「昔は人格者だった」といういわゆる「きれいなジャギ様」だったため、賛否両論となった。
*11 武論尊氏が1987年に発売された『週刊少年ジャンプ』における『北斗の拳』の特集を組んだ別冊本の中で、ジャギの拳法家としての才能は認めつつも、「北斗神拳の伝承者争いにはジャギのような毒も必要だった」という理由でジャギを養子に迎えたとした。つまり、最初から伝承者争いの当て馬としてリュウケンはジャギを養子にしたことになる。
*12 ただし、ジャギの口から極悪の華という単語が飛び出したり、リュウケンにとってのジャギの存在が幻闘編と極悪ノ華で正反対になっているなど、少なからず「極悪ノ華」を意識していると思われる部分は見受けられる。
*13 何故天帝がいるにもかかわらず聖帝を名乗れたかなど。
*14 発売時点で死去しているアニメキャストは、リン役の鈴木富子氏、レイ役の塩沢兼人氏、ジャギおよびハン役の戸谷公次氏、牙大王役の渡部猛氏、ウイグル役の郷里大輔氏、リハク役の青野武氏、アイン役の山口健氏、シャチ役の鈴置洋孝氏など多数に渡る。
*15 ステータスアップ系および対戦格闘ゲーム『北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~』に登場した技がほとんど消えた。ケンシロウだけは伝説編で主に使用することもあってか、真・伝承奥義であった「北斗残悔拳」がケンシロウの固有アクションに降格、という程度にとどまった。
*16 自分は黒王号を呼んでしかいないのに、伝承奥義後のカメラアングルの3回移動 → 技名のシャウトの流れでどや顔を決めているラオウという光景がかなりシュールでネタにされていた。
*17 一部のキャラクター・伝承奥義は技名の表示やシャウトがないが、決めポーズと共にカメラアングルが切り替わる演出は入る。
*18 特にカメラ(モヒカン?)に百裂拳を叩き込むケンシロウや同じくカメラにロケットランチャーを発射するジャギなどはネタにされていた。
*19 例えば、マミヤは原作だと凡百のモヒカンどもは蹴散らせるが名無しの中隊長以上には勝てない程度など、メインキャラクターとしてはかなり弱いほうである。
*20 厳密に言えば、北斗逆死葬は戦術であってカイオウ自身の技ではないため。また、ほとんどの3Dアクションでは石柱はただの障害物にしかなり得ない以上、プレイヤーの介入ができないムービー以外で再現することはまず困難である。
*21 例えば、体力レベルが上がれば体力が完全回復、攻撃レベルが上がれば攻撃レベルの上昇分と別に一定時間攻撃力上昇といったもの。
*22 伝説編に限り、ケンシロウの装備している経絡図およびケンシロウの各ステータスのレベルがそのまま他の操作キャラクターに適用される。
*23 拠点ごとに高評価を得やすくなるための条件が設定されている。例えば、伝承奥義で敵を倒せば倒すほど高評価になったり、拠点に侵入してからの規定の時間内に撃破した人数が多いほど高評価になったりなど。前述の賛否両論点にあるマミヤやリンに関する点も、条件の中に「鉄柱を用いて敵を倒すと高評価」というものが存在しており、彼女たちだけ鉄柱を取り扱えなくしてしまうと、キャラクター性能以外のゲーム仕様の部分で難易度が上がってしまうことが影響していると思われる。それならせめて彼女たちだけ鉄柱絡みの条件を別のものにするなどすべきだという意見が出てしまうのは無理からぬ所だが。
*24 クリア時のランクは拠点制圧時のポイントだけではなく、実際にはそのステージでクリアまでに要した時間や敵を倒したときなどに獲得出来る「カルマ」と呼ばれるアイテムの獲得量及び戦闘中に受けたダメージ量が判定要素に絡んでくる。もっとも、序盤はともかく、ある程度キャラクターが育ってくると、余程変なプレイをしたりでもしなければ、拠点制圧時のポイント以外の要素が足を引っ張ってクリア時のランクが下がるようなことはあまり起こらなくなってくる。
*25 ちなみに、幻闘編では100人単位の撃破数を達成すると戦況メッセージで表示はされるが、戦闘画面上でリアルタイムに撃破数が表示されない。これも無双シリーズとしては異例である。とは言え、前作も「常時」表示はされなかったのだが、敵を撃破したときには画面左下部分に表示されて数字が増えていくようになっていた。本作ではそれすらも無くなっているのである。
*26 画面内の描写処理が追いつかず、そこに存在しているにもかかわらず、画面上に表示されない状態。この状態の敵には攻撃が当たらない。
*27 幻闘編同様に場面ごとの評価のトータルが章クリア時の評価に影響し、合わせて獲得出来る経絡図にも影響する。
*28 江川氏は奇しくも、『スターフォックス』シリーズや『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに登場するキャラクターの「ファルコ・ランバルディ」も演じている。キャスティング時に意識したわけでは無かろうが。
*29 他の作品では聞いたことが無いような演技をして批判されている声優もいるので、演技指導がおかしかったという見方もある。
*30 ちなみに、江川氏は無双シリーズでは『真・三國無双』シリーズにおいて曹仁役を、『戦国無双』シリーズにおいては石川五右衛門・島津義弘役を演じている。
*31 ファルコの声はBGMや効果音に埋もれ聞き取りづらい部分が多く、同様の声で演じている『真・三國無双』シリーズの曹仁はそうなっていないことから、ゲームの音の調整ミスの可能性も指摘されている。
*32 「(名も無き修羅の)キャラクターとしては合っている」という意見もある。
*33 作品によっては英語表記で「Haruki Yamada」表記になっていることもある。
*34 頭が禿げて大きな白いひげを蓄えた老人。
*35 種籾を集めて村に帰ろうとしたところをシンの手下・スペードに襲われ、最終的に殺害された老人。「今日よりも明日なんじゃ」のセリフで有名。
*36 一例として、アーケード版『北斗の拳』の「闘劇'08」での模様を収録したDVDが版権料の問題により発売中止となっている。というのも2008年は北斗25周年のために版権料が大幅に上がっていたためである。前述の通り、本作は北斗30周年作品であり版権料が高騰していた可能性があり、『真・三國無双』シリーズなどのように版権が絡まない無双シリーズ作品のDLCの価格は良心的な設定になっていることと合わせ、版権料の問題が本作や前作無印のDLCの価格設定にも大いに影を落としていることは充分に考えられる。
*37 「トータルの撃破数が10万を突破する」というトロフィー・実績が存在するが、普通に伝説編や全キャラクターの幻闘編をこなしてもこれの半分もいくかどうかのレベルである。一部DLCのシナリオに撃破数を稼ぎやすいシナリオもあるが、それを利用しない場合はかなり面倒である。
*38 「総プレイ時間50時間突破」というトロフィー・実績が存在するが、こちらも普通にプレイしていればその半分くらいの時間で伝説編・幻闘編共に大方の要素はクリアできる。撃破数稼ぎと平行すれば幾分かは時間も稼げるが…。