「怪」ラヂヲ~妖怪の周辺~

登録日:2022/11/03 (木) 00:19:38
更新日:2023/03/10 Fri 00:43:10
所要時間:約 57 分で読めます




「『怪』ラヂヲ~妖怪の周辺~。今週もTBS第四スタジオから録音でお送りします」


「世界の皆さんこんにちは、あるいはこんばんは。全日本妖怪推進委員会、肝煎の京極夏彦でございます」
「こんばんは。同じく世話役の村上健司です」
「こんばんは。KWAI編集部の郡司聡です」



『「怪」ラヂヲ~妖怪の周辺~』とは、かつてTBSラジオにて毎週土曜日の午後九時から放送されていた三十分番組。
最初から野球が開幕するまでの間のナイターオフ番組として用意されていたそうで、全二十一回で終了している。
表記は『「怪」ラジオ』ではなく『「怪」ラヂヲ』である点に注意。

角川書店の季刊誌『』から誕生した組織である「全日本妖怪推進委員会」が、妖怪の正しい認識や付き合い方について啓蒙・推進することを目的として開始した番組……の筈。
「周辺」と謳っている通り、妖怪そのものではなく関連するであろう何かについて毎回テーマを決めて語るようにしている。
パーソナリティの一人である京極夏彦はその理由として妖怪をドーナツの穴に例えている。ドーナツの項目にも書かれてあるが、「非実在なのに実在する」という矛盾を孕む関係上、どうしても穴そのものではなく周辺の部分をまずは語らざるを得ないのだという。
その結果、一見すると妖怪に関係ないような話題ばかり取り上げているが、ちゃんと妖怪に関わる内容であるらしい。
こんな感じなので堅苦しい感じは全くなく、リスナーもゆるく聴くことが推奨される。
以前はポッドキャストでも配信されていたが、番組内で流れる楽曲などの権利の関係上、その辺りが丸々カットされた「不完全版」となっていた。というか半分以上は削られている。

ちなみに京極氏が当時自身のホームページに書いていた裏話を見る限り、スタジオ入りは午後七時。
二回分ぐらい纏めて収録をして、話が盛り上がった日は終了が午前二時近くになることもザラだったようだ。

レギュラー出演者

京極夏彦
小説家・意匠家。
直木賞や日本推理作家協会賞などを受賞している大物作家なのだが、残念なことに馬鹿馬鹿しい話が三度の飯より大好き。
毎回とても楽しそうにダベっている。

村上健司
妖怪探訪家・ライター。
京極氏に乗っかってボケ発言を被せてくることも。

郡司聡
当時の『怪』編集長。
ボケ倒す作家陣へのツッコミ役。

今野宏美
当時放送中だったアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』にてネコ娘を演じていた声優。番組ではナレーションを担当。
CMの前後に入るジングルでは明らかにネコ娘を意識したセリフや、逆にネコ娘が絶対に言わないであろうセリフをひと言だけ喋っていく。

升田尚宏
TBSラジオアナウンサー。後述する行楽情報の読み上げ担当。
当初は淡々とナレーションを行うだけだったのだが、だんだんと自己主張が激しくなっていき、遂には曲がナレーションに被って聴こえないと文句まで言うようになった。

唐沢なをき
『カスミ伝』や『ウルトラファイト番外地』などで知られる漫画家。
コーナーレギュラーとして出演。

番組冒頭ではその回のトークテーマを紹介する目的でちょっとした寸劇が演じられるが、こちらには角川書店の編集である及川史朗似田貝大介*1が出演することも。イジられ役なのは小説の中と同じ
また、ゲストが出演したりインタビューが流される回もある。

コーナー

今週の一曲
妖怪……というかその回の話題に沿った曲を流す、非常にシンプルなコーナー。
たまに全く関係ない曲が流される。
ちなみに音源は京極氏の私物を使っているらしい。

昔の人が来た
突如として妖怪に関連する偉人が乱入し、ひと言だけ喋っていくというコーナー。出囃子は『ウルトラQ』のオープニング曲。
早い話が「コンバンハ、豊臣秀吉デス」を毎週やっているようなもの。
人によっては大火傷をして去っていく。
第十三回をもって終了。京極氏は自身のホームページにて「今後は女性も登場するらしい」と告知をしていたが、結局実現はしなかった。

開け!本
村上氏の著書である『日本妖怪大事典』を適当に開いて、そこに掲載されている妖怪について軽く語るというコーナー。
ただし出てきた妖怪によってはかなり辛辣なトークになる。
第六回をもって終了。

怪獣の声の世界
唐沢氏と共にウルトラ怪獣、東宝怪獣、大映怪獣の鳴き声について熱く語るコーナー。
京極氏所有の音源を流して実際に確認を行いながら進行する。
唐沢氏の鳴き声の喩えがあまりにも的確すぎて、確認と同時に笑いが起こることもしばしば。

妖怪替え歌
各回の放送終了時間に、エンディングテーマ代わりに流される。
その名の通りアニソンや歌謡曲などの歌詞を妖怪に関係するものに替えて歌うというもの。
全日本妖怪推進委員会のメンバーの誰かが毎週持ち回りで歌っているが、誰が歌っているかは非公開。
ちなみに音源はカラオケである。

非常に偏った行楽情報
上記の妖怪替え歌が流れている最中に、升田アナが淡々と語る一週間の非常に偏った行楽情報。
一般の観光客が多く訪れる著名なお祭りと奇祭をまんべんなく紹介していく。
各祭りのあまりにも抽象的で実際に見たことのある人以外にはよく分からない紹介は必聴。
当時、『怪』から日本全国の祭りの開催日があらかじめ記入されたスケジュール帳が発売されていたが、間違いなくそれと併用前提。

放送リスト
























「追記・修正する時は仕事の時だけです」
「やっぱこれ仕事じゃねえんだ」
「そこ気が付いちゃダメなとこですよ(笑)」


「中国では花咲か爺を『花神(かしん)』と言う」

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最終更新:2023年03月10日 00:43

*1 似田貝氏は当時はメディアファクトリーの社員。

*2 おそらく加牟波理入道という妖怪のことを言っているのだろうが、加牟波理入道は「覗く」以外の属性も持っている。

*3 2011年から上級も追加された。中級試験合格者のみが受験可能。論文形式で『怪』編集が審査員を務めるというガチ形式なのでライト層は避けるが無難。

*4 聖フランシスコ・ザビエルだとすれば間違ってはないのだが、何故かビデオデッキの話を始めているのでやっぱこいつパチモンだ!