インタラクティブミュージックは任天堂が発案したわけではないものの、早くから重視された。
簡単なインタラクティブミュージックはスーパーファミコンの世代から使われた(『
スーパーマリオワールド』など)。
本格的に萌芽したのはNINTENDO64の世代である。有名な例では、『
ゼルダの伝説 時のオカリナ』の『
ハイラル平原』は8小節の20個の断片から成り、ゲーム状況に連動して進行する。
同作品のサントラCDに作曲者の近藤氏が記した言葉からも目指す方針が伝わるだろう:「音楽は時間芸術だと言われますが、ゲーム音楽ではその時間はプレイしている人に依存します。その特徴を生かし、ゲーム音楽を一つの芸術ジャンルとして確立できるように発展させていきたいです」。
ゲームキューブ以降の世代になると、ハードの性能向上に伴いインタラクティブ性は複雑で大規模になっていく。
たとえば『
ゼルダの伝説 風のタクト』では剣で切りつけたときのトゥッティによる効果音が、その瞬間の音楽のコードに合ったものとなる。
くわえて『
ピクミン2』のように作品全体にわたってインタラクティブ・ミュージックが多用されるタイトルも登場する。
さらに、近年の大作においては生楽器の演奏を用いて、かつインタラクティブ性を緻密に作りこんだタイトルも登場する(たとえば『
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』など)。
また、効果音の質感へのこだわりや作りこみの細かさも特徴である。
たとえば『
ゼルダの伝説 時のオカリナ』での効果音の充実ぶりは、
プロデューサーの宮本茂みずからが効果音に強い関心を持ち、高いクオリティを要求したため、より多くの開発リソースが効果音に割かれたのも一因だろう。
また、近年では『
Splatoon3』や『
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、空間の広がりを感じさせるために、効果音の残響や減衰の遠近感が工夫されているとスタッフインタビューにて語られている。