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PUNCH-OUT!! - (2021/12/28 (火) 10:04:37) の編集履歴(バックアップ)


本稿ではFCで発売された同名作のリメイクであるwii版『PUNCH-OUT!!』について記載します。FC版については『パンチアウト!!』をご覧ください。


PUNCH-OUT!!

【ぱんちあうと】

ジャンル スポーツアクション(ボクシング)
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 Next Level Games
発売日 2009年7月23日
定価 5,800円
配信 【WiiU】2015年6月24日/2,700円(税8%込)
周辺機器 バランスWiiボード対応
判定 良作


概要

発売された任天堂発のボクシングゲーム『パンチアウト!!』シリーズ第5作。
『マリオストライカーズ』シリーズを手がけたNext Level Gamesによるファミコン版『パンチアウト!!』のリメイク作品で、SFCでリリースされた前作『スーパーパンチアウト!!』から実に11年ぶりの家庭用新作として発売された。

システム

  • 本作はwiiリモコンとヌンチャクにより、よりリアルなボクシングのプレイ感を体感できるようになっている。
    • wiiリモコンとヌンチャクを持った左右の手を振ることでパンチ。ヌンチャクのコントローラースティックを上に倒すことでガードし左右 or下でスウェー。ダウンの際はリモコンを素早く降ることで起き上がる。
    • ヌンチャクとバランスWiiボードの組み合わせでより直感的かつ体感的なプレイが可能。
      • この場合はパンチをヌンチャクで、スウェー及びダッキングはバランスボードによる重心移動で行う。
    • wiiリモコンの横持によるファミコンスタイルの操作性で遊ぶことも可能。
  • モードは主に3つある。チャンピオンシップ以外は本作で初出である。
    • 各国の選手達と戦う「チャンピオンシップ」。このゲームのメインモードである。
    • 次の選手に備えてホログラムトレーニングしたり、一度戦った選手と何度でも試合できる「エキシビション」。チャンピオンシップで勝った相手はフリー試合になり、相手毎に3つのトロフィー条件が設定されているが、その条件はどれもかなりシビア。いかに相手のパターンを、このゲームを隅々まで熟知しているかを求められる。
    • 二人専用の「対人戦」。このモードで規定数のカウンターヒットを取ると一定時間だけボス仕様の「ビッグ・マック」「ギガ・マック」に変身する。
  • マックの攻撃手段はジャブ・ボディブローの2つのみ。
    • 特定タイミングで相手にカウンターパンチを決めることで、相手を気絶、または「スター」を得ることができる。
      • 気絶させて相手の頭のまわりに物が回っている間は連続パンチのラッシュをかけることができる。
      • スターを得ると、溜めた数に応じた強烈な威力のアッパー「スターパンチ」を一度だけ使用可能。
        最大の3つまで溜めたときの威力は絶大だが、FC版と違い回数ストックができなくなったうえに敵の攻撃を一発受けただけでも全て失う(スターパンチそのものも、タイミングが悪いとカウンターを喰らって中断される)。
      • このスターパンチもまた特定のタイミングで決めると真価を発揮する。隠し要素の範疇になるが、あるタイミングでスターパンチが決まると一撃でダウンする必殺ポイントが対人戦でのギガ・マックを含めた全員に1つずつ用意されている。選手によっては通常のパンチでカウンターしても一撃ダウンしたり、★3でのスターパンチで決めると一発KOで勝利できる場合がある。
      • ちなみにこのスターパンチは元プロボクサーであるセコンドのドック・ルイスの必殺技という設定でもある。
  • 体力の他にスタミナを表す数字の書かれたハートが表示されており、マックのパンチを防がれたり相手のジャブをブロックすると1減少。相手の攻撃を喰らうと一気に複数減少する。
    • スタミナが0になるとマックがバテてしまい攻撃できなくなってしまう。この状態では相手の攻撃をブロック以外で回避出来ればスタミナが回復する。
  • 試合は1R3分形式の全3Rで行われるが、タイムの減りは現実と比べて3倍早い。ただしラッシュをかけている間は現実と同様の減り方になる。

チャンピオンシップモード

キャラクター関連

敵となる選手達は基本的にファミコン版準拠だが、『スーパーパンチアウト!!』からの出演や新規キャラクターも追加されている。
3Dグラフィックへと移行した関係で、過去作に見られた別キャラ同士での体格やモーションの共有はなくなったが、選手の外見や挙動は過去作のものを踏襲している。

+ 個性豊かな全選手を紹介。
  • グラス・ジョー (フランス・パリ出身 38歳 1勝99敗1KO 身長178cm 体重49kg)
    • AC版から登場しているキャラクターの一人*1。イントロテーマ曲はフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」。マックの最初の対戦相手で凄まじい敗戦歴の最弱ボクサー。そのため練習相手にも最適。
      パンチを避けたりガードしただけでも叫び声をあげるほど臆病だが、挑発だけは忘れないというモットーを持ってるらしい。
    • この戦績で、医者からもボクシングを辞めるよう勧められているのに、ボクシングを続けている根性は天晴れである。唯一のKO勝利の相手は誰だったのかは不明。そしてなんとMr.サンドマンと対戦経験があり、無論KO負け。どういった経緯で対戦が組まれたのだろうか……。
    • ちなみに「グラスジョー」とは「ボクシングや格闘技で、顎が打たれ脆くノックダウン・ノックアウト負けが多い選手」を指す言葉である*2。名前ですでにザコと分かる選手だ。
  • フォン・カイザー (ドイツ・ベルリン出身 42歳 23勝13敗10KO 身長183cm 体重65kg)
    • 立派な口髭を蓄えた軍人気質のボクサー、本作では紳士的な面が強調されている。イントロテーマ曲の「ワルキューレの騎行」は、FC版ではグレート・タイガーとスーパー・マッチョマンも使用していたが、本作ではカイザー専用曲となった。
    • 「ドイツの鋼鉄マシーン」の異名は健在でガードも強くブリキのような音を立てながら攻撃してくる。
      あがり症なのか入場時から緊張のあまり息切れしていたり、試合中には「マミー…」と呟く始末である。
    • パンチを放つ直前の首を振る動作や、気絶中にスターパンチを当てると即ダウンの法則もFC版のままなので、パターンを覚えればジョーよりも秒殺できる。
  • ディスコ・キッド (アメリカ合衆国・ブルックリン出身 20歳 4勝12敗2KO 身長191cm 体重95kg)
    • 本作初登場の選手。マックたちと同じアメリカ出身だが、何を勘違いしたのかダンサーからいきなりボクサーに転身するという不思議な経歴の持ち主。しかも、対決前の紹介映像を見る限り、ダンサーとしては非常に成功していた模様。何が彼をそこまでボクサーに駆り立てたのか本当に不思議である。
      更に試合中の声や動きがいちいちバカっぽくウザいものが多く大変ネタに満ち溢れている。
    • AC版1作目のキッド・クイックをリファインした選手だが、キッドのパンチをガードした瞬間にキッド側があからさまに痛がっており、ド素人であることも窺える。結局のところグラス・ジョーやフォン・カイザーに並ぶポンコツボクサーだが、マックとの試合後に出会ったボクササイズが彼の運命を変える…。
  • キング・ヒッポー (南太平洋・ヒッポーアイランド出身 18勝9敗18KO 年齢・身長・体重不詳)
    • 今作はSFC版と同じくサーキットが4人区切りとなったため、マイナーサーキットチャンピオンとして登場する。
    • 南太平洋の架空の地域「ヒッポーアイランド」出身。FC版では言葉を話していたが本作では怪獣の雄たけびのような言語しか発さなくなったため、ますますどんな存在か分からなくなった。
    • FC版譲りの鉄壁の防御は健在だが、攻撃や動作にバリエーションがついた分、防御にほころびができた。
      スターも入手できるようになり*3、瞬殺パターンも存在する他、本作ではさりげなく顔面への連続ラッシュも可能になった
  • ピストン・ホンドー (日本・東京出身 28歳 26勝1敗18KO 身長188cm 体重78kg)
    • ファミコン版のピストン・本田のリファイン*4。イントロテーマ曲はFC版と同様「さくらさくら」。攻撃パターンにこれと言った変更点は無く、強いていうなら全キャラクターが出身国と同じ国の声優を採用されていて母国語で喋るため、ホンドーが唯一の日本語音声である。
      • グラス・ジョーや下述のドン・フラメンコ等他の国籍のキャラクターにも似たことが言えるが、ホンドーは試合開始時に礼をしたり、気絶すると寿司がでたりと、勘違いイメージも含め日本人らしさを強調されている。
      • なお声優の高橋研二氏は、後に任天堂が販売する対戦格闘ゲーム『ARMS』でも日本をイメージしたファイター「ニンジャラ」を演じている。
    • FC版と同様、彼との試合では連続ストレートを繰り出す「ホンドーラッシュ」との兼ね合いか、マックの初期スタミナが50と非常に多い。
    • 彼は1敗しかしておらず、Mr.サンドマンは他の全選手にKO勝ちしているので、Wii版ではこの1敗はサンドマンが相手だったということがわかる。つまり彼はサンドマン以外には誰にも負けていない。
  • ベア・ハッガー (カナダ・ブリティッシュコロンビア州サーモンアーム出身(海外SNES版の説明書ではサスカトゥーン) 32歳 17勝12敗10KO 身長191cm 体重199kg)
    • AC版『スーパーパンチアウト!!』とSFC版では最序盤の敵だったが、メジャーサーキット中盤ぐらいまでランクアップ。外見のカナダ人らしさもアップ。しかし成績はSFC版のものを使いまわしているためカイザーより勝率が低い。
    • さすがにボディブロー無効ではなくなったが、その代わり普通にガードもしてくる。しかしベアハッグ攻撃と挑発的な仕草は相変わらず。
  • グレート・タイガー (インド・ムンバイ(旧:ボンベイ)出身 29歳 24勝5敗3KO 身長181cm 体重59kg)
    • FC版ではハードの制約上フォン・カイザーのコンパチだったが、今作では動作や演出が大幅に変化。
    • それに伴い必殺技の「マジックアタック」も、2体に分身した後ニセモノかホンモノのどちらかを先頭に連続で攻撃してくる技となった。そして防衛戦では、その幻惑的なイメージに違わないトリッキーなパターンが目白押しとなる。
  • ドン・フラメンコ (スペイン・マドリード出身 23歳 22勝3敗9KO 身長186cm 体重68kg)
    • 今作ではメジャーサーキットのチャンピオンとなり、攻撃パターンが多彩となった。イントロテーマ曲は「カルメン」。
    • 出身がスペインだけに、挑発やパフォーマンスが闘牛士やカルメンの踊りを思わせるものになり、FC版と比べてイケメンになった。
      ただしヅラは相変わらず*5。Wii版では試合中に追い詰めるとヅラをふっとばすことになり、その直後はまさしく猛牛のごとく怒り狂いパターンが攻撃的なものに変わる。
    • 予備動作の後に右フックを3連打する「ローズアタック」という必殺技も身に付けた。ダッキングでかわすと直後に高速アッパーでの追撃が飛んでくる。
    • FC版にハメパターンがあったことを再現して今作のフラメンコにも挑戦者編・防衛戦共にハメパターンが存在する。
      ただしパターンの行動とタイミングは大きく変わっている。
  • アラン・ライアン (アイルランド・ダブリン出身 23歳 18勝10敗16KO 身長186cm 体重72kg)
    • 継続登場キャラクターながら事実上の新キャラクターレベルで大きく変わった選手である。初出のSFC版『スーパーパンチアウト!!』ではそこそこ真っ当な選手*6なのに、今回は試合中に頭突きやエルボーをかますなどといったラフプレー中心のヒールと化した。ここまで設定を変えるなら二人目の新キャラクターを出せばいいのでは!?レフェリー仕事しろ。
      • 試合前のデモでもグローブに蹄鉄を仕込んでおり、真っ当に戦うつもりはさらさら無い様子。プロフィールはSFC版と同じ。
    • ダウンすると7カウント目で起き上がる、スター獲得パターンは7つなど幸運の数字「7」にこだわっているようだが、この試合中ではマックの初期スタミナも何故かたったの7(他はホンドーを除いて11~22)。初見では驚愕すること請け合い。
  • ソーダ・ポピンスキー (ロシア・モスクワ(原作では旧ソ連)出身 35歳 33勝2敗24KO 身長199cm 体重107kg)
    • 過去作でも終盤に登場したサウスポーの酔っ払いボクサー*7。本作ではレーティングの都合もあって酒飲み設定が伏せられ、ただ単にソーダ好きに変更された。イントロテーマ曲は「ヴォルガの舟歌」。
    • 試合中にもかかわらず飲酒ソーダを飲み、それで体力を回復するようになった。
      ダウン復帰からの演出で飲むのはともかく、インターバル後のラウンド開始直前に飲んで体力回復してきたり、ラウンド中にいきなりソーダを見せびらかした後に飲んで体力回復してくる。
      ちなみに見せびらかしているときにソーダを直接殴るとソーダ飲みを阻止できるが、直後逆ギレして連続アッパーを放ってくる。体力回復を阻止されたからとはいえ、理不尽すぎる。
  • ボールド・ブル (トルコ・イスタンブール出身 36歳 34勝4敗29KO 身長188cm 体重135kg)
    • シリーズおなじみのブルファイター*8。さらにセコンドのドックのジョークでは彼が「Mask-X」の名前で出演した番外作『Arm Wrestling*9に関連するマニアックな小ネタが。
    • 今作では構えが極端な前のめりの体勢になり、身長の高さはあまり感じなくなったがそれでもマックよりは大きいのは変わりない。
    • それに伴い一撃必殺パンチの「ブルチャージ」の動作が変化。少し後ろに下がって鼻息荒く地団太を踏んだ後、高速の猛突進からのアッパーを繰り返すという動作に変わった。そのため今までのうさぎ跳び突進よりもカウンターのタイミングが取りづらくなったという声もある。
  • スーパー・マッチョマン (アメリカ合衆国・ハリウッド出身 27歳 35勝1敗29KO 身長194cm 体重109kg)
    • Mr.サンドマンが初代AC版以来のチャンピオンに返り咲いたため、AC版『スーパーパンチアウト!!』とFCの賞品版でラストボスだったマッチョマンは大幅な弱体化。試合前にはFC版での胸筋に加え尻も揺らすという嬉しくないファンサービス付き
    • 攻撃の振りかぶり動作がかなり大げさになり、過去作では一撃必殺だったラリアット(回転パンチ)を受けても普通にダメージを食らうだけになり、「スーパーマッチョスピン」もただの派手なラリアット3連打に固定されてしまった。
    • その他、叩くとスター獲得の無駄なポージングが多かったり、観客からのウケも何故か露骨に悪いなど、AC版『スーパーパンチアウト!!』やFC版での強豪としての威厳は消え失せてしまっている。
    • 彼もピストン・ホンドー同様に1敗しかしておらず、その相手がMr.サンドマンであると判明している。しかもMr.サンドマンの試合前のムービーのトリを占める相手になっており、彼が元世界チャンピオンであった事も窺える。
  • Mr. サンドマン (アメリカ合衆国・フィラデルフィア出身 31歳 31勝0敗31KO 身長196cm 体重128kg)
    • 上記の通り本作の世界チャンピオンで、厳い巨漢の黒人ボクサー。今まで対戦してきた選手を全員KOしてタイトルの座に上り詰めていた*10。FC版やSFC版『スーパーパンチアウト!!』と比較すると異常にパワーアップしている。
    • ラストボスだけあって他の選手達とは一線を画す強さで、パンチが異常に早く一撃が痛い。ちょっとよそ見していたらいつの間にか1ダウンしていたこともままある。
      モーションが短いから避けるのにも一苦労なのに、更にフェイントまで入れてくるんだからたまったもんじゃない。おまけにタフ。
      シリーズおなじみの3連続アッパーは「ドリームランドエクスプレス」*11の名がつき、その強さを裏付けている。
    • 気絶すると「Z」を出す、ダウンするといびきをかく、そして対戦相手を寝かしつけるなど、名前の由来である眠りの妖精に関連した演出が過去作以上に多い。
    • 声優はドック・ルイスと同じ人物が担当しているが関係は不明。ちなみに実質的な前作にあたるSFC版『スーパーパンチアウト!!』では何故か30歳に設定されていたが、本作ではFC版同様31歳に戻っている。

ベルトまでの険しい道のり

最初の頃は適当にパンチしているだけで勝てるので、余裕を持って楽しみながら試合ができるだろう…と思ったら大間違いである

4人目にして最初のマイナーサーキットチャンピオンとなるキング・ヒッポーから難易度は一気に上昇し、その図体と鉄壁のガードはファミコン版同様に多くのプレイヤーにとって大きな壁として立ちはだかる。
この相手はただ普通にパンチしただけでは全部ブロックしてくるので、相手の攻撃を見切って適切なパンチでカウンターするという事が一気に重要となる。
メジャーサーキット中盤以降もこちらから攻める余裕は基本的になく、初見で動きを把握することが難しい敵も出てくるので、トレーニング無しの一発勝負で勝てる見込みは薄い。

もっとも、トレーニングで予習しても実戦ではスタミナや被弾ダメージといった問題が付きまとうので、決して楽勝とまではいかないだろう。
ワールドサーキットとなると一瞬のうちにパンチしてくる敵まで出てくるので最終的にプレイヤー自身の動体視力も必要となる。

…………が、このゲームの選手達は完全パターンで動いているため(ダウンを取るごとにある程度変わるが)、しっかり頭に叩き込んだか否かで難易度は大分違ってくる。
サンドマンも例外ではなく、スピードこそ速いが何度も練習し、戦っていくうちに目が慣れていくはず。倒れても諦めるな。
ちなみに1周目の敵達のパターンはほとんど前作までのものを踏襲しているらしく、昔取った杵柄でもそれ相応には戦えるはず。

サンドマンを打ちのめせば、見事念願のチャンピオンになれる。そしてエンディングへ……だが、俺達の戦いはこれからだ!

+ 本気の2周目

ED後、いわゆる2周目にあたる「防衛戦シリーズ」がスタート。以前にも増して強くなった選手達と再び戦うことになるのだが…
その難易度は極端な話「全員新キャラクター・全員ラストボス」と言ってもおかしくないもので*12、気を抜くとあっさり負けが込んでベルトを返上するハメになってしまう。

  • 1周目ではスターパンチを適当に放っても全部当てられたが、2周目では不用意なスターパンチはすぐ避けられる。
    スターパンチが右手でのパンチである事を考慮しないとラッシュ中でも回避する強者も…
+ パワーアップして帰ってきた選手たち
  • グラス・ジョー
    • 100敗を記念して贈呈されたヘッドギアを装着した状態で戦う。ちなみにこのヘッドギア、同セーブデータ内で通算100敗した時にマックも装着する事になる。
    • ヘッドギアの効果は絶大で頭部の攻撃はスターパンチからのラッシュしか通らなくなり、ジョー自身も攻撃時以外はボディーを常に守っているため、スターが無い場合は必然的にボディーへのカウンターを狙うしか無くなる。
    • 攻撃パターンもディレイやフェイントをかけてくるようになったため、上記のカウンター狙いも厳しくなっている。
    • スターを得た後はある攻撃パターンを使ってハメ倒すことができるのだが、裏を返せば2周目の1人目からハメ殺さないと厳しいと言う事である。
  • フォン・カイザー
    • 他の選手に比べれば最も大人しめの方で、ダウンさせるパターンに☆3スターパンチが必須になったぐらい。
      しかしダウンから起き上がった直後に絶叫から繰り出す一撃ダウンの新技「カイザーナックル」が印象的。
  • ディスコ・キッド
    • 1周目ではポンコツボクサーだったが、 ボクササイズなるものを習得し覚醒 。動作もエアロビクスを実戦的に組み込んだトリッキーなものに。
      特に1周目には無かった新技「ディスコアタック」は避けるタイミングがややシビアで早すぎても遅すぎてもその餌食となる。
  • キング・ヒッポー
    • 腹に貼り付けたマンホールの蓋で腹へのラッシュを3回まで無効化するように。とりあえずマンホールの蓋の持ち逃げはやめなさい。
      だがそれ以上に鉄壁の防御に磨きがかかっている。攻撃すると思わせてフェイントを使ってきたり、ラッシュの起点にできる口を開ける癖も控えめになっており、ただ攻撃するにも一筋縄ではいかない。
  • ピストン・ホンドー
    • FC版の2戦目基準でラッシュ攻撃にフェイントを混ぜてくる上に一発の威力が高く随所に一撃必殺攻撃も追加されているので、一度回避をしくじると一気にダウンへ持ち込まれてしまう。
    • 1周目では礼をする際は完全に無防備でスターも手に入る仕様だったが、この戦いでは時々礼に合わせた攻撃にカウンターを合わせてくる無礼な反撃を仕掛けてくる時がある。ポイントはトレードマークの眉毛の動き。
  • ベア・ハッガー
    • フェイント攻撃が多彩となっており特にベアハッグ攻撃のフェイントは注意が必要。
      練習中に仲良くなったリスを連れてきており、時には彼の合図でその後の判断を見極める必要がある。
    • 通常はラッシュが2回までしか通らず、気絶中にさらにスターパンチを当てることで長いラッシュを掛けることができる
  • グレート・タイガー
    • ターバンに巻いてある宝石の色に沿った4種の多彩なパンチを仕掛けてくる。
      さらにそれを利用した予備動作なしの連続パンチも使用してくるため、それぞれの色がどのパンチに対応しているのか覚える必要もある
    • 必殺技はファミコン版と同じくリング奥から大きな円を描いて分身パンチを繰り出す「スーパーマジックアタック」に変化。
  • ドン・フラメンコ
    • 基本的にはファミコン版の2戦目基準だが、必殺技「ローズアタック」が左右のフックを打ち分ける技と化し、攻撃回数が最大で5回まで増える。
      予備動作で手を叩いた方向と順番にフックが来るが、それを覚えないと見てかわすのは難しい。
    • ヅラが取れた後の攻撃的なスタイルも、ラウンド終了まで収まらなくなってしまう。
    • マックに対する恨みが特に強い選手の一人で、バラも黒くなってしまっている。このフラメンコに負けると、恨みを晴らしたことでバラが元の赤色に戻る。
  • アラン・ライアン
    • 挙動が素早くなった頭突きとエルボーに、グローブ付きロープ振り回しと最早プロレスそのものの戦法に。お前出るスポーツ間違えてるだろと言わざるを得ない。観客からも物を投げられるなど大ブーイングの嵐である。そしてレフェリー仕事しろ。
    • しかもダウンした際このグローブで悪あがきをし、避けないとダメージを喰らってしまう。ちなみに挑戦者編でもダウン時に似た動作をしており、これが伏線となっている。
  • ソーダ・ポピンスキー
    • 元々パンチの速い飲んだくれだったが、2周目のこいつはまさしく飲めば飲むほど速くなる。もはやソーダではなくエナジードリンクである。
    • 試合中ダウンからの復帰などでソーダを飲むたびに体がどんどん赤くなり、高速連続アッパーの回数と速度が上がる。ヘビー級とは思えない高速のアッパーを連続でかわす必要があるので、試合が長引くと手をつけられなくなる可能性がある。この高速化したポピンスキーが最強の敵だと言うプレイヤーも多い。
    • そしてラッシュがベア・ハッガー同様通常2回までしか通らず避ければ避けるほど長いラッシュをかけられる。一度でも攻撃を受けるとラッシュは2発止まりに戻ってしまうが、ノーミスでいけば1ラウンド内でのKOも可能だ。
  • ボールド・ブル
    • ファミコン版の2戦目と同じく通常パンチでは絶対にダウンしない。ブルチャージでのカウンターもスターパンチでなければ一撃ダウンにはならなくなった(通常のカウンターでも動作を止めることはできる)。
    • それどころかブルチャージの「突進開始→即死アッパー」までの流れが異常に早くなっているため、カウンターどころか普通に避けることさえも難しくなっている。
    • おまけにこの戦いのブルはスターが発生する条件やタイミングが異様に厳しく、ブルチャージカウンターで確実に手に入る1点をのぞいてほとんど偶然でしか獲得できないプレイヤーが結構発生している。
      そのため、長丁場のポピンスキーと並んで屈指の難敵に数えられる。
  • スーパー・マッチョマン
    • ライアンと同様に物を投げられるなど1周目以上に観客ウケが悪くスポットライトからも見放されているが、実力はしっかり終盤の敵に相応しいものになっている。
      1周目を基準に行動がかなり素早くなっており「ビッグアッパーカット」の追加、「スーパーマッチョスピン」も一撃必殺パンチと過去作を思わせるものに回帰。
    • 唯一2周目の彼のみ通常パンチ、スターパンチどちらでも必殺ポイントが存在しないため真剣勝負を強いられる。
  • ミスター・サンドマン
    • まさかのマイク・タイソン化*13。機敏になったのはもちろん、ドリームランドエクスプレスの予備動作に下手なパンチを打ち込むとカウンターするようになったほか*14、ファミコン版で見せたタイソンの殺人高速アッパーを思わせる超凶悪なアッパー攻撃も追加される。
      そのスピードたるや全選手最速、予備動作もタイソンと同じウィンクだが、避ける方向が分かっても僅かに遅れただけで餌食となる。
    • そしてダウン起き上がり+マック起き上がり直後は必ずこれを使うようになっているので、ヘマをやらかすと永眠させられることに…。
    • あと1ダウンで負けのところまで追いつめられると暴走モードに突入する。単体でも脅威であるタイソンアッパーを連続で繰り出すようになり、息切れで暴走が収まるまで反撃もまともにできない。
    • 防衛戦ムービーでもマックのポスターが貼られた建物ごとパンチだけで粉砕するなど、ますます人間離れしている。つまり建造物損壊罪である。

だがパターンであることに一切変わりはないので、動体視力さえついていければ何度も立ち向かっていくことで必ず打開への道を見いだせるだろう。

死闘の末両周でのラストボスであるサンドマンまでを再び倒すと、3敗するまで相手に立ち向かっていくエンドレスサバイバル「ラストスタンド」に突入。

  • 文字通りマックの引退をかけた最後の戦いなので3回負けるとエンディングとなり、そのファイルでは二度と「チャンピオンシップ」での対戦ができなくなる
    • ラストスタンドで一定数以上連勝すると…?
  • ラストスタンドの試合中ではポーズメニューでの試合中止・再スタートができなくなる他、WiiリモコンのHOMEボタンも押せなくなる。負けそうだからと言って逃げることはできないのだ。一応ゲーム機自体の電源を抜けば…逃げることはできないのだ!
  • 出現する相手は基本的にランダムだが、ここに一人出身・年齢・身長・体重・戦績の全てが不明の謎の隠しボス選手が追加されている。
+ その正体

正体はなんとドンキーコングである。その強さを一言で表すなら「凶悪」
ファイトスタイルはドン・フラメンコと同じ「挑発からのカウンター」であるが、このキャラクターだけは唯一「挑発中にとったプレイヤーの行動で攻撃パターンが分岐する」。パターンの特定がとても難しいのだ。
攻撃力・速度そのものも当然、フラメンコを上回っている。ここまで来れる地力がないと付け入る隙は見いだせないだろう。
なお、ドンキーの姿を見る前に3敗(引退)してしまった後でもエキシビションモードに選手として追加されるので安心されたし。

  • モーションは完全にゴリラのそれであり、ネクタイが顔に張り付いて慌てたりインターバル時にバナナを食べてゲップをしたりとコミカルで作りこまれている。声優はシリーズおなじみの長嶝高士氏でBGMのアレンジも『スーパードンキーコング』風。
    • インターバル時にセコンドから「手こずるようなら俺が配管工を呼んでやる」と冗談を言われるなどのネタ要素も。
    • プレイヤーからはスマブラでやれ」と好評(?)であった*15…が、『for 3DS/Wii U』でファイターに昇格し、見事に実現してしまった。

評価点

  • リモコンによる臨場感あふれるプレイ感覚。
    • コツコツとトライアンドエラーを繰り返して強さを身に着けていく原作譲りのプレイ感にwiiリモコンとヌンチャクによる体感性が加わり、よりリアルなボクサー体験が味わえる。wiiならではの強みがこの上なく活かされた作りとなっている。
    • 特にバランスwiiボードでの体感プレイの臨場感は抜群に高く、このゲームで運動するということも可能。
    • また、ファミコン時代のコントローラ操作も可能なので、体感プレイが体力的にキツいというプレイヤーでも楽しめる
  • 個性的な対戦相手の数々は健在。
    • 前作まであったコンパチが周回分け以外に一切なくなっている。
  • 対人戦は本編とはまた違った心理戦が繰り広げられる。ギガ・マックに変身してもデメリットは残るので、常に気を抜けない。
  • 良曲揃いのBGM
    • 試合中のBGMはFCでも流れた曲のアレンジで各サーキット、さらにチャンピオン戦ごとに異なったアレンジがなされている
    • 「エキシビション」モードで流れる対戦相手をイメージしたアレンジ曲も良曲、こちらも各選手たち全員に用意されている。中には出身国に合わせたものも。
      • 1体分のトロフィー条件をコンプリートするとそのキャラクターのサウンドモードが出現、そこからでも聴くことができる。従って全キャラクターのBGMを聴きたいのであれば全員分をコンプリートしなくてはならない
        ちなみにマックのテーマ曲は各サーキットのテーマ曲になっている。ギガ・マックも対人戦のテーマ曲として用意されているが、残念ながら各チャンピオン戦の曲は未収録となっている。
  • ファミコン版からの原作再現が随所に見受けられる。
    • ダウン時や復帰時にファミコンのようなSEが鳴るグラス・ジョーや、やけにスターパンチに弱いフォン・カイザー、ダウン時に極端に吹き飛ぶソーダ・ポピンスキーなど、原作を知っていれば知っている程ニヤリとする要素が盛り沢山。

問題点

  • メインゲームはやりごたえバツグンだが、クリアまでの総合難易度は元はFCのゲームとはいえ現代のゲームとしては相当高いものとなっている。
  • 対して育成などといった「やりこみ要素」に非常に乏しく、ノーミスならば数時間程度で完全クリアできてしまう。5,800円のWiiソフトであることを考えるとボリューム不足。対人戦がWi-Fi対応でない事が非常に悔やまれる。
    • 対戦できるキャラクターは14人(とパワーアップ版の13人)であるが、FC版でも11人(とパワーアップ版の3人)であった。FC版が20年以上前のゲームであることを考えるとちょっと寂しい。
  • そこまで気になるほどではないが、試合後のファンファーレはどのモードでもキャラクターテーマのアレンジの物。
    • 実は没BGMとして各サーキットのファンファーレがROMの中に残っている。何故使用しなかったのか…。
  • ボクシングゲームと言うことで仕方ないかもしれないが、ダメージを深く負った選手の顔面がかなりエグい。
    • FC版でもインターバル中に選手の顔面へのダメージ表現が見られた。表現力の上がったWii版では試合中の選手の顔も傷だらけになるのだが、キャラクターによってはかなり凄惨な事になっている。
    • 絆創膏を貼ったり髪やヒゲがボサボサになるだけのキャラもいれば、青アザやコブだらけになったり歯が折れたりなど初代『ストリートファイターII』の負けグラフィック並みにエグい表情になっているキャラクターもいる。
  • 国籍豊かなメンツのセリフに対応した字幕がなく、字幕があるのはセコンドのドックだけになっている。
    • そのため各キャラクターのセリフはリスニングで聞き取るしかない。日本語のホンドーや英語圏のキャラクター*16が多いのは幸いだが、フランス語やドイツ語のように大学の選択科目にあるような言語はともかくトルコ語などカルチャースクール必須の言語もあるので全部聴きとるのは難しい。
      • 「僕のお医者さんがもうやめとけって言うんだ。」(ジョー/フランス語)
      • 「俺が好きなのは勝利と言う名の美酒だ!」(ポピンスキー/ロシア語)
    • といった具合にインターバル時にはキャラクターに沿ったユニークな発言もあるので、やはり相手側にも字幕は欲しいところである。
    • 説明書に辞書が付属していたFC版の一般販売版のような配慮もない。ドッグのセリフに字幕がある点はFC版と比べて配慮されている点だが。

総評

演出・デザイン・そして攻略全てにこれまでの全シリーズ作品のテイストを引き継いだ、値段の割に少々小粒ながら質の良いリメイクである。
当然、昔ながらのプレイ感覚をほとんど再現しきった上で拡張しているので、その手の硬派なゲームが好みであれば勧めるに足るゲームだ。


余談

  • 北米では30万本以上と、同国で発売された『モンスターハンター3』初動並の売上本数を記録している。
    • また北米のクラブニンテンドーの2009年度プラチナ会員限定特典として、本作のスピンオフであるWiiウェア「Doc Louis's Punch-Out!!」が配信されていた。
      • タイトルの通りドック・ルイスと3段階の難易度でスパーリング対戦できる内容になっている。
        例によってスパーリング中にも関らず時々チョコバーを見せびらかして回復する。これはソーダ・ポピンスキーのソーダと同じような扱いで食べられればドックが回復、阻止すれば逆ギレされる。
      • 高難度だとドックもスターパンチを披露、こちらは元プロだけあって確定に一撃ダウンである。
        さらにこのモードで回復を阻止すると派手なコスチュームになりパワーアップする。
  • 本作をROM解析すると、防衛戦インターバルのピストン・ホンドーが読んでいる諺などの書き込みが確認できる。
    • 実はセーラームー○と思しき漫画を読んでいたことが判明する。*17
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』に参戦したリトル・マックは本作準拠。対戦モードで見せた「ギガ・マック」にも最後の切りふだで変身できる。
    • それに伴い本作の登場キャラクターの一部が鑑賞フィギュアとして、ファミコン版の切り抜きが名作トライアルとして収録されている。
    • カラーバリエーションとして『スーパーパンチアウト!!』版やカットシーンでのジャージ姿、そしてアーケード版準拠のワイヤーフレーム姿という最多のモデル数を持っている。