【すたーおーしゃんふぁいぶ いんてぐりてぃ あんど ふぇいすれすねす】
ジャンル | RPG | ![]() ![]() |
対応機種 |
プレイステーション4 プレイステーション3 |
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発売元 | スクウェア・エニックス | |
開発元 | トライエース | |
発売日 |
【PS4】2016年3月31日 【PS3】2016年4月28日 |
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価格 | 7,980円(税別) | |
レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
シームレスなバトル・イベント 過去作の良いとこどりだが使い回しも多い バトルシステムも要改善点がさらに悪化 ゲームバランスも大味すぎる シリーズ恒例要素の劣化・縮小 ストーリーは安定したがボリュームは低下 |
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スターオーシャンシリーズ |
トライエースが制作するスターオーシャンシリーズの第5作。
前作『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-』からは7年ぶりとなる新作。
時系列は『スターオーシャン セカンドストーリー』と『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』の間に位置する。
メインの舞台は惑星フェイクリード。過去作をプレイしていなくてもあまり問題はない。
プロデューサーは『3』のファンを自称している。
発売前は暗にとあるゲームのアンチテーゼ的な内容にするかのような展開を行っていたが、その実態は…。
宇宙の深淵は、人間たちの平穏を許さないのか――
宇宙暦537年 1人の少女をめぐる戦いの物語が、その幕を開ける。
地球を飛び出して数世紀、幾多の苦難を乗り越えた人類は、
「銀河連邦」の設立と拡大により、統一された秩序と平和を手に入れようとしてきた。
しかし、ここにまた、新たな争いの火種がくすぶり始めたのだ。
地球から6000光年以上離れた未開惑星「フェイクリード」
多くの事例がそうであるように、歴史のうねりは辺境の一惑星から起ころうとしていた。
「レスリア王国」
三方を囲まれ、温暖な気候、風光明美かつ豊かな土壌にめぐまれた、大陸を代表する大国である。
しかし、近隣諸国に比しても強大な国力に支えられてきたはずのこの国の人々が、今、平穏を脅かされつつあった。
呪印による動物たちの凶暴化、さらには、「エイタロン」を名乗る強盗団が辺境地域を荒らしまわり、レスリアは「暗黒の7年間」と呼ばれる不安定な時期に陥ったのだ。
王国の南端に位置する村「スタール」も、滅亡の危機に瀕していた。
この危難に対し、1人の青年が立ち上がる。フィデル・カミューズ――――
王国剣術指南役を父にもち、自らも道場の師範を務める剣士である。
彼は旅立つ。兄妹同然に育った幼馴じみのミキとともに。
しかし、それは星の運命をも動かす戦いの日々への旅立ちともなったのだった。
シームレスなバトル・イベント
クエスト
その他
+ | フィオーレの紹介動画 ※エロ注意 |
評価の高い『3』がベースだが、本作のバトルシステムはあまり良い評価は得られていない。
主な原因は「大攻撃による三竦み形骸化」「エフェクト派手すぎ」「双破斬ゲー」「技の使い回しが多すぎ」の4つ。
大攻撃による三すくみ形骸化
この問題点は『3』でも課題として挙げられていたのだが、本作ではより悪化していると言える状態で、悪い面がかなり目立つ形となってしまった。序盤のうちはまだ三竦みも機能するが、中盤以降は完全に崩壊する。
エフェクトが派手すぎ
+ | トライエース作品お馴染みの隠しボス「イセリア・クイーン」戦 |
双破斬ゲー
技の使い回しが多すぎ
バトルに関する他の問題点
『4』の原案を務めた則本真樹氏に代わり、本作のシナリオはシリーズ生みの親の五反田義治氏が原案から執筆まで手掛けている。
加えて人を選ぶ内容だった『4』の反省からか、今回のストーリーは王道路線となっている。
キャラクターも王道で万人受けしやすいものが揃っており、人を選ぶキャラが多かった『4』とは対照的である。
しかしシナリオ自体の総合的な完成度は今作でも決して良いとは言えず、ワンパターン展開が目立つうえに全体的に起伏に乏しい。
『3』『4』で頻繁に指摘された電波・鬱・超展開要素こそほぼ無いものの、今度は手堅くまとまり過ぎて今一つ盛り上がらない淡々としたストーリーになってしまっている。
+ | 一部ネタバレのため折り畳み |
これらの理由により、今までと比べるとどうにも話の規模が小さく、盛り上がりに欠ける内容となってしまった。
トライエースのRPGは元々ストーリーの評価が低いものが多く、PS2からPS3の時代は超展開シナリオというネタになるような部分があった。
一方で本作のストーリーは粗が少なく良くも悪くも手堅い話であり、かつての「トライエースのゲームのシナリオは予断を許さない」といわれていた面影はほぼなくなっている。
しかしながらそれ故に、こぢんまりとしていて印象に残りづらいという別の問題が浮上することとなった。
全体的な雰囲気の変化はともかく、少なくともスケールが大幅に縮小した事自体は、最新作として頂けないのは間違い無いだろう。
+ | 以下、2016年3月29日、電撃PS『スターオーシャン5』発売直前生放送!にて語られた内容 |
シームレスバトル、多人数での戦闘などの新要素の追加に加え、過去作の良いとこどりによってシリーズの集大成を目指した様子は窺えるものの、
シリーズ経験者からすると看過し難い不満点が多く、逆に本作を許容できないというシリーズファンが多くなってしまった。
グラフィックこそ劇的に良くなったが技や敵キャラ、BGM等に過去作の使い回しがあまりにも多すぎるため、集大成というよりは悪い意味での「寄せ集め」感が漂う。
シリーズを通して評価が高かったバトルシステムは不評。特に、『3』でも欠点として挙げられていた「大バトルスキルが強すぎる」という欠点を改善しないまま(むしろ悪化して)実装したことも使い回し感を強めており、結果的に時代に追いつけていない印象を強く残した。
多人数戦闘や自操作ガードの導入など、上手くやればバトルが面白くなったであろう新要素は多いのだが、過去作で難点だったところが改善されないままではその価値も薄まってしまう。
バトルの面白さが評価の柱だったのに、過去作システムの欠点までそのまま使い回して評価を失っては、ゲーム全体が低評価になってしまうのも仕方ない。
ストーリー・世界観のスケールも従来とは比較にならないほど縮小化し、クリアまでのプレイ時間やクリア後のダンジョン等のボリュームも減少。
演出や仕様の面でも、流行りのオープンワールド的な演出やシームレス感を意識するあまり、従来の良さを殺している節が多々見受けられる。
「JRPGとして勝負する」と意気込んだ割には、JRPGで重視されるストーリーと演出が明らかに弱いと言う本末転倒な仕上がりとなっている。
その結果、「シリーズ最低」と評されることすらあり、皮肉な事に『3』『4』が再評価されるキッカケにもなった。
一応、ストーリーについては胸糞悪い内容ではなく、王道で手堅いために評価出来る部分もある。
大小様々な問題点は山積みだがクソゲーと断じるほどの大きな破綻はなく、個別に見た問題点の多くも新規プレイヤーにとってはそこまで気になるものではないだろう。
かと言って、「満足」できるかどうかは微妙なところであるが…。
+ | ミキのパンツ ※エロ注意 |
*1 画面上に表示されるゲージは常に1本で、その1本のゲージの溜まり具合で0~5までカウントが変動するので、ストックと表現した方が分かりやすい。
*2 正確には腕や足はグローブ・ストッキングで覆っていたり、極短のスカートを履いていたりするが割愛。
*3 前作までは「回避成功・MISS判定」がガードとして扱われており、一般的なガード操作は存在していなかった。
*4 もっと言うと「空破斬」のモーションもエッジの「グラン・ザッパー」と同一モーションである。
*5 『2』のクロードも日本語と英語の必殺技が混ざってはいるが、あくまで我流剣術の域を出ていない彼の場合はここまで違和感が目立つ事はなかった。
*6 『3』のストーリーで明確に語られたわけではないが、そのように思わせる要素があった。
*7 しかもプロデューサー曰く、「フィデルが何故イセリアル・ブラストを使えるのか」という設定的な意味は、特にないとのこと。
*8 本編の設定や時系列を無視したイベントがあったり、強力なボスと戦えたりするやりこみ用のダンジョン。
*9 例外といえるのはクエストをこなすと終盤で素材を売ってくれるシリーズおなじみのラドルだが、こちらも宿屋の中で立っているだけである。
*10 ミキ、フィデル共にはっきり顔が見える初のムービーは第二の町の宿屋に宿泊した時にようやく流れる。
*11 これ以前にもヴィクトルを「兄弟子」呼ばわりされて「兄弟子は僕の方です」と突っかかるシーンもある。当然というべきか、相手には揚げ足取りと言われるが…。
*12 より正確には、『1』『5』は未開惑星人。『3』『4』は先進惑星人。『2』『6』は男性主人公のヒーローが先進惑星人で女性主人公のヒロインが未開惑星人。 ヒーローが未開惑星人、ヒロインが先進惑星人というパターンは現状まだ無い。
*13 『2』の後日談である『SOBS』では「仲間たちを地球へ連れていき、その才能を開花させた」と、聞こえはいいが条約の観点からすれば言語道断の行動を行なっており、未開惑星だったエクスペルが僅か数年で銀河連邦に加盟するという異例の事態の要因にもなっている。
*14 ちなみに第一章は『インフィニット アンディスカバリー』の株式会社ORG。