時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]

【じくうのはしゃ さ・がすりー かんけつへん】

ジャンル RPG
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対応機種 ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 スクウェア
開発元 スクウェア大阪
発売日 1991年12月13日
定価 4,900円
判定 シリーズファンから不評
ポイント まさかのレベル制
前2作から変え過ぎ
どの辺が完結編?
サガらしさはないが、作品としての出来は悪くない
サガシリーズ


概要

ゲームボーイRPGの金字塔『サガシリーズ』の第3作にして、「完結編」と銘打たれているソフト。
前2作までの開発スタッフは『ロマンシング サ・ガ』の開発に行ったため、本作は別スタッフの「スクウェア大阪」が製作した。
スクウェア大阪というのは当時の新入社員のうち、クリスタルソフト・タイトー・コナミ・日本物産といった同業他社から移籍してきたスタッフが中心となって編成された部署である。なので、スクウェアの自社開発タイトルでありながら、実質的には外注作品といえる。
大阪に部署を作った理由は、移籍元が関西にある会社(タイトーのみ本社ではなく開発センター)だからだと推測される。*1

ストーリー

はるか幾千年のむかし・・・・・。
サガ世界の神・ソールは異次元から侵略してきた神々を時空を越える能力を持つ伝説の戦闘機ステスロスと共に封印した。

だが、永く続いた平和も奇妙な「水がめ」の出現によって破られた。
そこから多量の水と魔物たちが送り込まれ、サガ世界の未来は海の底に沈もうとしていたのだ。

現在、閉ざされた町「ダーム」。
歴史を変える為に滅びの未来より送り込まれた3人の子供たちの冒険が、今、ここから始まる・・・。

(説明書より引用)

特徴

  • レベル制である。
    • サガシリーズでキャラクターにレベルが存在しているのは、現時点ではこの作品だけ。後述のリメイク版では廃止され、従来のサガシリーズのような成長システムになった。
  • パーティーのメインメンバー4人が固定で、名前以外は変えることはできない。
    • 基本状態は人間とエスパーの男女2名ずつ。肉を食べれば獣人やモンスターに、パーツをつければサイボーグやロボットに変身できるが、レベルである程度変身後の姿が決定するので、前作までのように強いモンスターの肉を食べてパワーアップというのは不可能(その分、大幅に弱くなることもない)。またバリエーションも少なく、仲間専用種族というものも存在しない。
      • 変身が発生しない食い合わせの場合、または大型のモンスターや獣人が落とす巨大肉を食べた場合はHPが回復する。
      • 人間・エスパー:特殊能力や耐性はないが弱点もない基本状態。人間は大半の武器の扱いに長けている。エスパーは攻撃魔法に威力2倍のボーナスがあり、サイコ系など一部武器なら人間同様にプラス補正がつく。レベルアップによって能力値が成長する。中盤以降はHPや素早さが他の種族に比べて見劣りするが、限界まで育てればバグ技使用時を除き最強のステータスとなる。
      • 獣人:素手や技系武器が得意。防御力が低い。レベルが上がるとより強い獣人に自動変身する。
      • モンスター:装備品の効果が一切反映されず攻撃方法や能力値は種族依存。
      • サイボーグ:前作のメカのように装備次第で能力値上昇。
      • ロボット:MP0なので消費MP0以外の魔法が使えない。能力値は『サガ1』の人間のようにお金をつぎ込んで上昇アイテムを買って強化していく。
    • 5人目のメンバーとしてシナリオキャラクター(NPC)がストーリーに合わせて加入する。
      • 装備や魔法を外せないが、空欄への装着は可能。
    • 乗り物に搭乗中など、その乗り物に装備した兵器による援護攻撃も行われる。
    • 隊列の並び替えがなくなり、全員が均等の確率で敵の攻撃のターゲットになる。
      • 移動中に表示されるキャラクターは変更可能。
  • ジャンプ
    • 移動中にBを押す事で2マス先にジャンプする事が出来る。これは街中やダンジョンに限る。フィールドではジャンプ自体が出来ない。
    • 主に穴やダメージ床を飛び越えたり、人を飛び越える事もでき、通行人に道を塞がれやすい街では便利。段差は飛び越える事はできない。
    • ただし向きを変えるだけという動作はできず、1マス分しかない足場では、そのまま前にジャンプするしかない。それを前提とした謎解き要素もある。
    • ベッドや橋の下など、主人公が隠れる場所でジャンプすると「いったーい !!」というセリフが出る。
    • ちなみにジャンプは『ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト』でも実装されている。
  • 戦闘中、攻撃せず防御することでダメージを減らすコマンドが標準で実装された。
    • コマンド名は「かわす」。回避率も上がっているようなので間違ってはいないのかもしれないが、わかりにくい。(取説に書いているので、読めばわかるが)
    • 「まもる」というコマンドもあり、こちらは味方を敵の攻撃から守る(かばう)という効果である。
  • 今作から戦闘画面に味方パーティが表示される。
    • 以降も採用され、アニメーションされるなどの進化を施した。
  • 全滅後に復活
    • 全滅してもやり直す事が可能。
  • 魔法石
    • 魔法石はそれぞれ各種属性があり比較的序盤から手に入る。しかし、用途が分かるのは終盤に差し掛かってから。
    • 古魔法や武器防具などを作成できるが、一度精製したら元には戻せない。希少価値が高いのでよく考えて行うべきだ。
    • ちなみにクリアに必須という訳ではない。
  • ステスロス(戦闘機)
    • 時空を越える戦闘機。ゲーム序盤では封印されていて、さらに各種パーツを失っているためほとんどの機能が使用できない。
    • パーツを入手してステスロスにセットすると、過去ワープなどの機能やカプセルホテルなどの施設が使えるようになる。
    • 中盤から搭乗する事が出来るようになる。ステスロスで飛行していても敵と遭遇するのだが、そのときはまずステスロスが砲撃し、倒しきれなかった場合は敵が機内にワープしてくる(ので主人公達が戦う)という強引な展開になる。
      • さらにその様な状況であるにもかかわらず、逃げる事が可能
    • エンカウントを無効化する装備も手に入る。
    • ちなみに、「浄化マシン」という種族変化を解除する装置があるのだが、見た目はトイレである。
  • 開発が大阪で行われたためか、やたらと「大阪らしさ」を強調している。
    • 主だった所ではモンスターの一種がまんま「くいだおれ人形*2」の姿であること。敵の特殊攻撃にも「パチパチパンチ*3」やら「ギャグ光線」やらがある。
    • 攻略本の制作者インタビューによると「解らない人にはまるで解らないだろうが、せっかく大阪で作るんだからいいか」(意訳)という理由らしい。その部分はページ下部に転載しているので、興味があれば参照あれ。
      • 流石に海外版ではくいだおれ人形の姿ではなく、ピエロの姿に変更されている。
    • くいだおれ人形はリメイクで当然消滅したが、リメイク版のデータには「ピエロ」の名前を冠した没キャラが*4
      • その種族は、前作で言うところの人型メカ系。どうやらスーパーロボットに鞍替えした模様。
    • 大阪とは関係ないが、マウス型のモンスター(ロボット)は「ジェリー」とか「ミッキー」とか名前が危ない。

評価点

  • RPGとしてオーソドックスにまとまっている。
    • 後述の「サガらしさが薄い」と言う問題点と表裏一体であるが、レベル制の導入や武器回数制の廃止などによって「成長が実感しにくい」「せっかくの高価で強い武器が失われてしまう」「エスパーは特殊能力の習得がランダムで安定しない」などのとっつきにくさに繋がっていた特徴が丸くなっている。
  • 前作までの時点ではパーティーメンバーはモンスターはモンスター、ロボはロボで選んだ時点から固定であり、特に無計画に肉を食べても強くなるどころか弱体化することもあるモンスターは足手まといになることも多かったが、今作においてはメンバー全員が人間・エスパーを出発点として自由に変化することができ、気に入らなくなれば浄化マシンで元に戻ることができるため、変化システムが大幅に柔軟化した。
    • 人間は魔力、エスパーは力の成長が低いためそのままでは役割が固定化されるが、肉やパーツの取得によって力の高い種族に変化すればエスパーでも殴り役になれるなど、選択肢の幅が広い。
  • 時間移動を取り入れたストーリー
    • 「水がめ」の出現により水位が上昇し続けている世界の危機を、過去-現在-未来の移動によって解りやすく表現している。
      • 水位の上昇によって過去の時点では残っていた街が現代では水没してしまっていたり、未来ではさらに陸地が狭まり危機的な状態にあることがプレイヤーにもはっきりと感じられる。一方で、現代ではまだ幼かった主人公の弟分がたくましく成長しともに戦う仲間になるなど、時間の流れが効果的に話に関わっている。
      • 中盤以降は異次元の神を討つためこちらから異次元に打って出る展開となり、以降時間移動はお役御免になってしまうのが残念。
  • ステスロスがだんだんと増強されていくのも楽しめる要素。
    • 同社製のFFシリーズでおなじみの飛空艇がストーリーの進行に合わせて拡張・強化されていくようなもので、アクセス性の高い宿屋や戦闘開始時の先制攻撃、エンカウント封じなどの機能を備えて快適化していく。ステスロスは物語にも密接に関わる機体であり、「持ち曲」とも言えるステスロスのテーマも併せてこのゲームの中でも高く評価されている存在と言える。
  • BGMの評価は高い
    • 「異次元のテーマ」「未来への旅立ち」等、名曲とされる曲もある。
    • 笹井隆司氏の特徴で短時間でループする曲が多い。
      • 同氏が手掛けた『ルドラの秘宝』のBGMも、短い中に多くの旋律を詰め込んだ作りになっている。
      • 後年、容量不足のためいかにデータを間引くかに苦労したと語っている(『SQUARE ENIX SaGa Series 20th Anniversary Original Soundtrack』付属のインタビューDVDより。ネットで聴けるさわりには入っていない)。後述のリメイク版では、旋律が追加され、笹井氏本来の意図通りと思われる内容になっている。
  • セレクトボタンを押している間はカーソル移動・決定・キャンセルが非常に速くなり、時間短縮になる。

賛否両論点

  • サガらしさが薄い
    • 特徴でも書いたが、レベル制等非常にオーソドックスなシステムになっている。
      • このせいでサガの一作としては評価が低めではあるが、癖がないおかげで遊びやすいゲームにもなっている。
      • ファンタジーな聖剣からビームライフルや核爆弾と言った現代・近未来的なもの、果てはコブラツイストや卍固めなどと言ったプロレス技までをごちゃ混ぜにしたカオスな装備品の数々や、基本的にはただの人間であるはずの主人公一行が特に理由もなく肉を食べればモンスターに、パーツをつければロボにと縦横無尽に变化していき、どう見ても和式トイレな浄化マシンでアッサリ元に戻るといったはっちゃけたシステムなど、多くの点でオーソドックスに歩み寄ったとは言えサガらしさが全く失われたわけではない。*5
  • 戦闘中、ダメージはテキストではなく、『FF』の様に数字が飛び出す形で表現される。
    • 全体攻撃を行うと1体1体順番に数字が飛び出し、「○○はたおれた」というメッセージが倒した敵数分表示されるため、少々テンポが悪い。
      • とは言え、前二作のように同一モンスターが9体とか大量に登場するわけではなく、多くても4~6体、総勢でも最大8体までなので、当時の他のゲームと比較して特段テンポが悪いということはない。
    • ただ、1度に数字が出ると、どの相手にどれだけダメージを与えたかが把握しにくい面もあるため、わかりやすい措置ではある。

問題点

  • 仲間に関する問題
    • 仲間のうちエスパーの2人はセリフが一切無い。ヒロインキャラもいるが、序盤以外は殆ど喋らず、主人公との仲も特に進展しない。
    • 仲間になるエスパー2人は、説明書のキャラ紹介ではそれぞれ「攻撃魔法が得意」「回復魔法が得意」と書かれているが、まったくそんな事はない。本作の回復魔法は、誰が使っても効力は一定であるし、回復魔法が得意とされる女友達の方が魔力が高く、攻撃魔法の威力が高い。ついでに言うと、開始時に攻撃魔法(ブリザド)を装備しているのは女友達の方である。
      • 喋るキャラクターにしてもこの頃のゲームにありがちなキャラクター描写が安定しない点があるため、どうにもキャラクターのイメージを掴みきれない。
      • 制作者の1人で、リメイク版を監修した京念秀史氏によると、「容量不足のため仲間2人のセリフは削除した」とのこと。
      • サガシリーズに限らず、この時代のカートリッジソフトには「容量との戦い」が付きものだったが(余裕を持って開発できるようになるのはCD-ROMが普及してから)、大阪開発部はクリスタルソフトでPCゲームの経験はあったが、ゲーム機での制作は初めてだった。そのため、実際より容量を多く見積もって開発してしまい、後で削るのに苦労することになった。
  • フレイヤ戦
    • 序盤で敵に洗脳された少女「フレイヤ」と戦うイベントがある。その展開自体は仕方がないのだが、その際に「傷つけないように戦うんだ!」という台詞がある。
    • 戦闘中に特殊な行動を取らなければいけないといったイベント戦ではなく、単に少女相手に寄ってたかって攻撃することに対する予防線でしかないのだが、上記の台詞のせいで若干混乱を招く。
    • ちなみに実際には攻撃魔法をどんどん繰り出してくるので手加減する余裕など無い。
  • 前2作と同様、雑魚敵の出現パターンが少なく、同一マップではいつも同じ顔ぶれと戦闘することになる。
    • またダメージの乱数が働いていないのか、与ダメ被ダメの値も毎回同じ。そのため雑魚戦が非常に飽きやすい。
  • サウンドテストとソフトリセットが失われた。
  • 後半のボス戦の攻撃手段が聖剣一強。
    • 大多数の武器が持つ「ダメージ属性」の耐性にも軽減されず、どの種族が装備しても人間と同様に威力2倍補正がかかるのに加えて、即死耐性を持つ相手に対してはさらに2倍の攻撃力4倍になる。
    • ゲームの都合上、ボスは皆即死耐性を持つ(=聖剣が弱点)ため、非人間がなかなか特殊攻撃を活かせない。ラストバトルに至っては初手で「メビウスバリア」を使い全属性耐性を張って来るため、変わらず倍撃を与えられる聖剣がほぼ必須である。
      • メビウスバリアは途中でグラフィックの変化とともに切れるため、それ以降は聖剣に劣るとはいえ普通の攻撃手段で押し切ることも可能ではある。
    • ただしボス戦以外ではこの限りではない。聖剣の中でも性能の差があり、最強の「エクスカリバー」はともかく「くさなぎのけん」と「ソロモンソード」は素の性能が低いため、雑魚戦では他の武器や技を使った方が強い。
      • そのエクスカリバーでさえ、単純な威力では店売り最強武器の「ディフェンダー」の方が高くステータス補正も大きい。ダメージ属性を持つため一部の敵に相性が悪い事を除けば道中はこちらを使うのも手である。
      • 獣人は格闘技が得意武器なため、下位の聖剣より「まんじがため」のほうがずっと強い。得意武器のない他の種族も「6れんぱつ」などの強力な技や、高い魔力を活かした「アシュラ」「ホーリー」などの魔法が聖剣以上に役立つ場面は多い。
      • こうした多彩な技があるだけに肝心のボス戦が聖剣一強になってしまうのは残念ではあるが、「伝説の武器が普通に一番強い」というのは普通のRPGではよくある話であり、ボス以外では活躍の場があることを考えればまだ立場はある方とは言える。
  • 変身の種族間バランスが悪い。
    • 上記の聖剣問題を含め、装備の補正や耐性を受けられないモンスターが一弱。自前の耐性にしか頼れないため多くの場面で状態異常や属性攻撃に苦しめられ、技の威力も得意武器を活かした人間や獣人に比べて低い。結果としてエスパー以上に魔法頼りになってしまいがちで、特にモンスターパーティーで挑むラスボス戦は苦行と化す。
    • 逆に獣人は装備の補正を受けられ力も魔力も高く物理・魔法両面で強い。格闘技を得意とするため「武器が得意」と言う人間の利点も食い気味で、聖剣を得てもボス戦以外はプロレス技でゴリゴリ押していける。こだわりがないなら序盤から最後まで全員獣人でもいいくらい。
    • ロボットは強化に金がかかるが、強化さえ済めばステータスの暴力でブイブイ言わせる事ができ、まわりが追いついてくる終盤までバランスブレーカーになる。こちらは資金と応相談のうえ、MPがゼロと言う無視できない弱点があるため気軽に全員ロボと言うわけにもいかないが…
    • サイボーグは「装備によるステータス補正が大きい」という特性上もともとのステータスが低めであり、「いい装備をすれば獣人になんとか追いつける」程度で得意武器もなく劣化獣人の観が強い。「耐性を優先して弱い装備を使い続ける」といった選択のリスクも他の種族より大きく、不便さばかりが目立っている。
      • 「使い捨ての武器を戦闘で消費すると追加ステータスがそのまま残る」と言うバグ(?)を利用すれば5桁に達するHPで好き放題できるが、これについてはお好みで。
  • 後半のボス戦は、基本的に「仲間1~2人が全体回復魔法を唱え、他2~3人が特定の武器(聖剣)で攻撃するだけ」という作業(というか、そうしなきゃ倒せない)。
    • ボスゆえHPも高く、過去作に見られた相手の攻撃パターンやグラフィックの変化なども乏しいため余計にそれが顕著となる。特に前2作はどちらかといえば「やられる前にやる」バランスのボスが終盤に多かったので、過去作からやっているプレイヤーには違和感が強かった。
    • 序盤は雑魚敵を引き連れてくるボスが何体か登場し、「1対多数」になりがちなボス戦の単調さが軽減されている。もっとも、後半のボスは従来通り単体で出現するが。
  • 使い道の無い一部魔法
    • 敵の魔法を跳ね返す魔法「リフレク」は、使ったそのターン中しか効果が無い(元ネタのFF3では1回跳ね返すまでは持続する)。また全体攻撃魔法を受けた場合はダメージを0にできるが跳ね返せない。故にほぼ使い道は無い。
    • 敵の能力値の上昇・下降を初期化する魔法「イレース」も、能力値アップを行う敵は殆どいないので、やはり使い道は無い。
  • モンスターグラフィックの違和感。
    • 前作までの「敵グループごとに数体をまとめて一体で表示」ではなく、一体一体を個別に多数表示するようにしたせいか、一定サイズの枠内(小型・縦長・横長)に詰め込んで描かれており違和感がある。表示幅が狭く凝った姿勢を取らせ辛かったのか、正面向きで躍動感に描ける立ち姿の敵が多いのも難点。
      • 特に小型モンスターは詰め込みが激しく、前作で人気のあった妖精系は可愛さのかけらもなくなってしまった。ドットの出来もあまり良くないものが多い。
      • 一定サイズの枠内にめいいっぱい詰め込んで描かれたデザインは、ゲームボーイの白黒画面で見ると最初はただの違和感だったのがだんだんと同じ様な造形に錯覚してしまう。
    • グラフィックの使い回しが多く、序盤から終盤まで常に同じ姿のモンスターと戦い続ける事になり視覚的な変化に乏しい。明らかに名前とそぐわないデザインのモンスターも多く見られる(ナース服を着たモンスターに「スケバン」、どう見てもスフィンクスな人面獣身のモンスターが「タカむすめ」「サッキュバス」など)。
      • この点は容量との激戦を強いられていた当時のゲームには仕方のないことではあるが、上記の詰め込み問題と併せてこのゲームの戦闘画面が批判されがちな原因となっている。
    • なお中盤以降増えてくる大型のモンスターやボス敵は迫力のあるハイクオリティなものも多く、特に異次元の神々はその不気味で異質なデザインも含めて評価する声もある。
  • 状態異常耐性の特殊能力のいくつかは、サガ2までに登場した物と同名でも効果が異なっている。
    • 「○すべて」は全状態異常耐性(2までにおける「○へんか」に相当)、「○へんか」は武器属性を除く全属性耐性(2までにおける「○ダメージ」に相当)、「○ダメージ」は武器属性耐性(2までにおける「○ぶき」に相当)、となっておりややこしい。

総評

サガシリーズの生みの親、河津秋敏氏の手から離れ、さながら外注作品のようになってしまった本作は、シリーズの特徴を失いオーソドックスなファンタジー系RPGとなった。
1つのRPGとしてみれば良作とまでは言えないまでも悪くはない出来ではあるが、前2作がシナリオ・システム共に非常に特徴あるものであったため、オーソドックスさがかえって違和感を生じさせてしまうという結果になった。
「完結編」と銘打たれているわりに、どの辺りが完結編なのかよくわからず、単純にGBでのサガシリーズ最終作という意味で付けたのかも知れないが、GBサガシリーズとして有終の美を飾れたとはとても言えない出来になってしまった。


その後の展開

  • 海外では『FINAL FANTASY LEGEND III』として発売され*6、一部の大阪系モンスターも普通のものに修正された。他、医者やナースの姿をしたモンスターもグラフィックが変更されている。
    • 結果的に本作はFF要素の方が強まったため、FF 外伝シリーズとして考えるならばむしろまっとうな出来とも言える。日本ではこのFF要素に加えて終盤のシナリオ展開などから、ある意味これも『ファイナルファンタジー外伝 聖剣伝説』だとも言われた。
  • 本作がスクウェアのGB作品としても最終作になった。
    • 拡張規格であるスーパーゲームボーイやゲームボーイカラー対応ソフトにも参入しなかったため、スクウェアは1991年というかなり早い段階でGBシリーズから撤退したことになる。
  • 2011年1月6日にDSでまさかの本作のリメイクである『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』が発売された。
    • システム面やイラストはDS版サガ2『GOD』ベースとなり、台詞のなかったエスパー2人に台詞が与えられる他、本作最大の批判点であった「サガらしさ」を大幅に加味したリメイクとなっている。

余談

  • 主人公達の妹分であるNPC「ネメシス」の公式イラストがまんまシスター(修道女)でありながら、そのイメージに近いエスパーではなく所有している武器が「まさかり」で術より物理戦闘が得意というパワフルなキャラクター付けをされているため、一部では「まさかりシスター」という愛称で(ネタとして)愛されている。
    • 同じく主人公達の弟分である「ディオール」というキャラクターも「まさかり(最後の加入時のみ)」に「サングラス」と「ダイヤのげた」というぶっ飛んだ組み合わせの装備な上に、2度死にかけても(むしろ2回目は完全に爆死している)それぞれその後でボルフェスという博士に蘇生してもらってピンピンになって戻ってくる*7など、こちらもネタキャラにされている節がある*8
      • なお、ネメシスは海外版においては「シスターが斧をブン回して戦う」という描写が宗教上などの理由から問題になりかねないとして、女戦士の姿に変更されている。
      • ちなみにリメイクのDS版でもシスターなデザインとまさかりは修正されていない。ディオールのまさかりの方は変更されていたが、下駄とサングラスはそのまま…。
      • ディオールに関してはリメイクで「かなり普通」の扱いになっている。1回目の負傷からはサイボーグ化手術で「どうにか」復活する程度になり、自爆も爆薬を仕掛ける設定に変わったうえ、「爆発に巻き込まれたが、かろうじて生き延びた」ことになっているため、不死身の印象は意図的に消されている。
  • ラスボス戦前の「ソール」の発言
    • 戦闘中の台詞から、完全にいたぶられて悦ぶドMのように見えてしまうため、一部ではネタにされてしまっている*9。曲もシリアスな感じなので逆に笑えるという声も。
      • 因みにDS版でもやはり台詞は弄られていない。
    • ただし、実際状況が状況なだけにそういうネタにされることに対して不満の声を上げるプレイヤーもいる。
      • その台詞だがDS版では追加された部分があるため、雰囲気としてはだいぶ「まとも」に。ただし最後の崩壊寸前のターンでの台詞は相変わらず。
  • モンスターデザインや世界設定にクトゥルフ神話の影響が多く見られる(例:人間が徐々にサハギンのような魔物に変わっていく町=深きものども)。
    • この時代にクトゥルフを表現したゲームは珍しく、またグラフィックの再現度もなかなかのものである。
  • ラスボスが芽が出た芋に見えなくもないため「じゃがいも」と呼ばれる事がある。
    • 大阪系敵キャラが多いこともあって「たこ焼きに見える」という話も…。
  • アンリミテッド:サガ』公式サイトでの歴代サガシリーズのソフト紹介の中で本作だけが無視されており、物議をかもしたことがある。
    • 実際はプロデューサーが違うために生じた権利問題が原因。後に『半熟英雄 対 3D』で本作にちなんだ小ネタが登場しており、サガシリーズ20周年記念でもちゃんと存在に触れられている。
+ Sa・Ga3攻略本・完全クリア編P.84より『くいだおれ人形』の姿のモンスターが出てくる理由について

コラム・おまけ 「くいだおれ」は実在するのだ!
 「くいだおれ」のモデルになったのは大阪の道頓堀にある「大阪名物くいだおれ*10」というお店の人形なんだ。
 それがなぜ魔物になったのか藤岡さん*11に聞いてみると、
 「関西の人以外にはわからないかなとも思ったんですが、せっかく大阪で作るんだからまあいいか、わかる人にはわかるだろうと言う事でやってみました。」と話してくれた。

※このコラムの脇にくいだおれ人形の写真があり、そこに「関西ではおなじみのくいだおれ人形」という注釈が入っている。以上、一部個所に注脚を追加して攻略本から転載。


関連項目

添付ファイル

*1 2013年12月以降のビジネスディビジョン制になったスクウェア・エニックスでは、大阪は「第3BD」に所属。

*2 作中において、実際にくいだおれ人形の姿で「くいだおれ」という名を持つモンスターも出現する。更に「くいだおれ」の上位種に「よしもと」が存在している。こちらはお笑いの名門と言われる「吉本興業」が名前の元ネタなのはまず間違いないだろう。

*3 「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」所属のお笑い芸人・島木譲二(しまきじょうじ)氏の持ちネタ。上半身裸になり、2、3回手を前に突き出してから胸を平手で叩くというもの。

*4 オリジナル版ではくいだおれ人形の姿の「ピエロ」が登場している

*5 序盤に訪れるある街では人間が魚人に変化していく奇病に悩まされており、プレイヤーが話しかけると「こんな姿だがモンスターじゃなく人間なんだ」と弁解してくる者もいるが、当の主人公たちが全員モンスターになっている事も…

*6 向こうではGBサガ=FFLシリーズとして展開されていた。

*7 「細胞のかけらが残っていたので復活できた」とのことだが、それはもはや蘇生ではなくクローニングなのでは…

*8 この扱いはそうちょう、ちちおやと続くGBサガの自爆の系譜からと思われる。

*9 ソールの通称として「ドM神」というものがある。

*10 1949年創業の総合飲食店。2008年7月8日をもって閉店し、その後運営会社はくいだおれ人形の版権管理会社として存続している。

*11 当時のスクウェア大阪開発部長・藤岡千尋氏のこと。