太鼓の達人
【たいこのたつじん】
| ジャンル | 和太鼓リズムゲーム |  | 
| 対応機種 | アーケード(SYSTEM357) | 
| 発売・開発元 | バンダイナムコゲームス | 
| 発売日 | 2011年11月16日 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | システム大幅変更 ゲームの完成度は高い
 やりこみ要素多し
 ICカード対応
 古参のファンからは賛否両論
 
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| 太鼓の達人シリーズリンク | 
 
概要
人気音楽ゲーム『太鼓の達人』もシリーズが進むにつれマンネリ化とシステムの陳腐化が進んでいった。そこでAC14からナンバリングをリセットし、本作は多数の新要素を引っさげて登場してきた。
筐体も全体の縦幅や太鼓のサイズがやや縮小されたほか、照明類はLEDライトに変わり、32インチ液晶モニタが搭載され、基板もPS3互換基板のSYSTEM357が使われている。
デフォルト曲は170曲だが、アップデートで曲が追加されている。
ここでは主に無印について記載する。
特徴
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ネットワークとバナパスポートカードに対応。なお、従来通りカードなしでもプレイ可能。
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セガのAimeカード・Project DIVA Arcadeのカードとの相互利用も可能。
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遊べば遊ぶほどごほうびが解禁され、カードに蓄積されるようになったようになった。種類はきせかえや隠し曲、音色などがある。
 
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AC9~14までとは違い、最初に曲から選ぶ。この方式はAC8以来である。
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コースの並びは左からかんたん→ふつう→むずかしい→おに となっている。
 
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Wii作品の様に2人で違う難易度が選べるようになった。ACでは初である。
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選曲時間が120秒→100秒と少なくなった。また、残り時間0秒でカテゴリ選択の場合、そのジャンルの1番左にある曲に強制選択となるが、演奏オプション選択時に残り時間0秒の場合は残り時間が更に10秒追加される。
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さくらんぼや画竜点睛などの過去の人気曲が復活を果たした。
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「オフ♨ロック」はAC3での削除から9年8ヶ月ぶりの復活。
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復活曲のうち、「ハム太郎とっとこうた」「ウィリアム・テル序曲」「オフ♨ロック」「ドン・エンガスの笛吹き」「季曲 ~Seasons of Asia~」「画竜点睛」は、開発日記での新曲発表の際に記載がなかった。
 
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逆に2000シリーズ、画竜点睛シリーズ、アイドルマスターシリーズ、AC14復活前アンケートで上位11位に入った曲などの曲がほとんど削除され、大きな批判を呼んだ。
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しかしアイマス曲はちゃんと新曲も入っており、2000シリーズも後のアップデートで隠し曲で復活し続けている。
 
評価点
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格段に美しくなったグラフィック
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グラフィックはHD画質になり、今までの画質に慣れていたドンだーならば驚くだろう。基本的にこのシリーズはグラフィックは重視されない傾向が強いが、演出も派手になり明るく見やすくなっている。そして処理落ちもない。
 
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増えた収録曲数
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その代わり収録曲が大量削除されたのも事実ではあるが……
 
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二人プレイ
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2人で違う難易度を選ぶことが出来るようになった。親子でプレイするときや、実力が違う人と一緒にプレイするときも安心である。
 
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ICカード機能
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バナパスポートカードによる個人成績の保存への対応はプレイヤー待望のものであった。プレイ記録を保存することが出来るほか、どんちゃんの着せ替え、名前変更、挑戦状、大会などかなり多数のことができる。
 
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無印バージョンでのラスボス曲は「初音ミクの消失‐劇場版‐」。譜面・曲ともにかなりの高評価を得た。
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曲について
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太鼓の達人10周年記念でcosMo@暴走Pが書き下ろした楽曲。
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「劇場版」と題している通り、本家の「初音ミクの消失」とは全く異なった楽曲である。両者は『「消失」ストーリー』『ボーカロイドにオリ曲を喋ってもらった』の2シリーズに属している。
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曲の中盤にある高速歌唱パートは本家消失の歌詞を10秒に詰め込んだもの。
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曲の中で初音ミクは「初音ミクの終焉 -Worst END-」「初音ミクの消失 -DEAD END-」「
∞
 -True END-」の中間の状況に置かれている。
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曲の人気についてはこちらを見てもらうとわかるだろう。
 
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譜面について
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VOCALOID楽曲としては異例の高難易度。
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休憩が少ない上に12分・16分・24分の混じった複雑な複合が終始襲いかかる。
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当時圧倒的最難関だった「万戈イムー一ノ十」をぶっちぎって最難関に君臨。
まさか3年経たずして幽玄やドンカマとかいうヤバい奴らに抜かれるとは思わなかった。
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モモイロVer.において新段位『達人』一曲目に抜擢。
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現在は「モノクロボイス」と共に「VOCALOID™」ジャンル最難関と言われる。
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複合が複雑でリズム難要素も多い譜面だが、「叩けるようになると楽しい」という意見が多くを占めている。
 
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余談だが、2023年現在において「わんにゃーワールド」と共に『ボーカロイド™曲におけるAC連続収録期間最長曲』という記録を保持している。
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『太鼓の達人』プレイヤーからは「消失+難易度名」と略されることが多いので、プレイヤーではない人は本家消失と勘違いしないように注意。
 
賛否両論点
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かなりのシステム変更
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太鼓の達人シリーズは5から8までは難易度と曲のどちらを先に選ぶかを自由に選ぶ事ができ、9からは難易度選択の後に選曲に一本化された。しかし他音ゲーシリーズにならってか、本作では選曲→難易度選択に一本化された。Wii版に慣れているプレイヤーからは好評だが、いきなりの変更に歴戦のプレイヤーたちは戸惑っただろう。
 
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主題歌はAKB48の「風は吹いている」
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曲自体の評価は高いが、震災復興イメージ曲のため、ゲーム主題歌として収録するのはあまり好ましいとは言えないという意見が存在した。
 
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難易度基準の変更
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本作で難易度の基準が変更。下位コースを中心に全体的に降格された。これも好みの問題であり、全体的に分かりづらいとの意見もあるが、こっちの方が良いと言う声もある。前作までの問題であった難易度のインフレ化に対処したものだと思われる。
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一時期は難易度基準が前作までに戻ったが、最近は再びインフレ化が進んでいるという見方もある。
 
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これまでにない前衛的な譜面が増加した
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最初と最後に6倍速の音符が飛んでくる「ミュージック・リボルバー(裏)」や追い越し多数の「隼」「Venomous(裏)」「ドドンガド~ン(裏)」など、初見プレイヤーを翻弄する譜面が増えた。
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基本的に通常の表譜面に登場することは少ないためネタ譜面として受け入れる声もあるが、まるで同人のようだと批判する声もある。
 
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突然の難易度順の削除
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これは前述の選曲の仕様が変わったため。
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12増量版からはそこそこ実用性があるものだったため批判されたが、そもそも曲の難易度順自体が個人差が激しいシリーズであり、譜面wikiなどのサイトでは日々不毛な難易度議論が行われていた(曲の位置が1・2個違うだけで議論になるレベル)。それを見越すと削除は正しかったかもしれない。
 
問題点
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筐体ランキングについて
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ネットワークに記録を保存できるようになったと同時に用済みになった機能なのだが、遠征など普段行かない地域でプレイし、ハイスコアで筐体ランキング入りし自分の名前を残す"遠征記念"ができなくなったと悲しむ人も多い。この点はキミドリのアップデートにて楽曲ランキングのみ復活した。
 
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新筐体稼働時における楽曲の大量削除
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前述の通り、稼働初期はシリーズの代名詞であるボス曲の「2000シリーズ」やアイマスの有名曲「エージェント夜を往く」などが大量削除されていた。
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版権曲については特に何も言われなかった(見向きもされなかった)が、ゲームミュージックとナムコオリジナル、特に難易度☆9~10の楽曲削除が目立ち、上級者から大きく批判された。
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そもそも年を重ねるごとに新曲も増え、昔からある名曲もプレイ回数が減っており、いずれ削除されることは予想されていたが、ここまでの一斉削除はやはり予想以上だったようだ。
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これの理由について公式から特に発表はないが、ユーザーからは容量の問題との見方が強い。
 
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後にこれらの楽曲は追加配信されることで徐々に復活されており、これについて不満を述べる者は徐々に減っている。
 
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判定が従来と比べると非常に独特
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具体的に言うと、良・不可判定が広く、可判定が狭い。そのため、全良の難易度がかなり下がってしまっており、(主に上級者から)達成感と難易度の低下を非難された。
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逆に、意図的に可を狙うプレイは非常に難易度が高くなっており、可を多く出すことによってフルコンボなのにクリア失敗というNN(ノークリアノーミス)というプレイ方法がとても困難になった。
 
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また、不可判定が広いせいで、1つ手前の音符を叩いたはずの判定がその次の音符をも巻き込んで不可になるという明らかに判定側に問題があるせいでフルコンボを逃す事案も多発した。そのせいで、16分がひたすら長く続く「やわらか戦車(裏譜面)」などは従来よりもフルコンボがとても難しいものとなってしまっている。
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次作以降では、この判定は修正され従来の形式に近い判定になっている。
 
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踊り子のゲストキャラも大量に削除
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ドラえもんややわらか戦車等の版権キャラのみならず、ナムコキャラのもじぴったんやナムコットキャラも削除され、本作ではアイマス、初音ミク、YMCK、スーパーマリオブラザーズ、モンハンのみ。
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後のバージョンで新規キャラは増えて行くが復活キャラは無い。
 
 
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いくらか改善はされたものの、やはり詐称・逆詐称曲は多い。
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高速譜面の上、BPMが揺れている「Punishment」やソフラン曲「もりのくまさん裏」などが挙げられ、「さいたま2000」と「メカデス」は共に★9から★7に2段階降格という衝撃を与え、地雷譜面とされている。
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逆詐称曲は、サビ前を除いた譜面の大部分が単純な「キラメキラリ」や旧筐体時代から★7で逆詐称と言われていた「季曲 ~Seasons of Asia~」が残留などがある。
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難易度が見直されインフレは一旦収まったものの、キミドリVer.以降全体的にジワジワとインフレしており、時の流れによって詐称曲も詐称とまでは判断されなくなっている場合や、むしろ逆詐称とみなされるものが増えている場合も多い。
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「★○だと強いけど★○だと弱い」みたいな曲も少なくなく、十段階評価では厳しくなってきてる感じがある。
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特に★10は最上位と最下位の難易度の差が凄まじく、一概に★10とは全くいえない。
 
 
総評
新機軸の太鼓の達人としての評価は高いが、新しい取り組みもあったせいか、昔からプレイしている古参プレイヤーから賛否が分かれる面も多い。しかし総合的な完成度は及第点であり、新シリーズとしては充分なスタートダッシュだったと言えよう。
その後の展開
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大型アップデートが度々行われている。次作『KATSU-DON』以降はバージョンは良作であるとの認識が強い。その後は『ソライロVer.』~『グリーンVer.』まで色の名前のアップデートが続く。
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2020年3月稼働のVer.では再び正式タイトルが『太鼓の達人』となった。ただし区別のために愛称として『太鼓の達人 ニジイロVer.』と呼ばれている。
 
最終更新:2023年12月09日 09:12