ドンキーコングJR.
【どんきーこんぐじゅにあ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード ファミリーコンピュータ ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂 岩崎技研工業
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稼動開始日【AC】
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1982年
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発売日
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【FC】1983年7月15日 【FCD】1988年7月19日
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プレイ人数
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1人
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2006年12月2日/500Wiiポイント 【3DS】2012年4月18日/524円 【WiiU】2013年7月15日/524円 アーケードアーカイブス 【Switch】2018年12月21日/823円
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備考
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FCD版は書き換え専用
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判定
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良作
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ポイント
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今回はドンキーの息子が主役 最初で最後の悪役マリオ
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ドンキーコングシリーズ
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概要
前年に登場した『ドンキーコング』の続編。今回はドンキーコングの息子「ジュニア」が主人公になり、マリオに幽閉された親ドンキーを救出するのが目的である。
今では任天堂最大のヒーローとして活躍するマリオが、なんと悪役を担当。現在では信じられないキャスティングとなっている。
なお、本作は「マリオ」という名前が付けられた初めての作品でもある(その後のファミコン版初代などでは最初から反映されている)。
特徴
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ステージは全部で4種類あり、4面にてマリオと対決し親ドンキーを救出、以後ステージは1面に戻って4面ごとにループするという前作同様の形式。
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なお、前作と違いファミコン版もちゃんと4ステージが存在する。
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主な操作は前作同様、移動とジャンプの二つ。
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ツルに掴まった状態で上下移動ができる。ツル一本状態はもちろん、左右二本のツルを両手で掴むことも可能。
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ツル一本だと下降スピードが、左右二本だと上昇スピードが早くなる。また、ツルが左右連続で設置されている場面では、掴んでいる状態から隣のツルにそのまま移動が可能となっている。
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ところどころに置かれているフルーツに触れるとボーナスを得られると同時に、フルーツが下に落下する。これを利用することで敵を倒すことができ、更にボーナス点が得られる。
ステージ紹介
いずれのステージも画面上部に到達して親ドンキーの檻の近くの足場に乗ればクリアとなる。
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2面
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前半は動くロープを使って進み、後半は鳥を避けつつツタを渡ってゆく。ジャンプ台が登場するステージ。
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3面
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足場を流れる電流やマリオが流す電流を避けつつ一番上の足場まで登ってゆく。電流はフルーツで破壊可能。
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4面
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鎖に付いている6個の鍵を上の鍵穴に差し込み、親ドンキーを閉じ込めていた檻を解放してクリアとなる。
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この際、落下したマリオが起き上がってドンキーを追いかけていった末に、ドンキーに蹴り飛ばされ逃げていくというデモが入る。
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ミス条件
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マリオの攻撃や敵に触れる。
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ジャンプのタイミングを外したりツタから落っこちたりして身長より高いところから転落する。
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制限時間が0になってしまう。
評価点
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新しいアクションを導入した。
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ジャンプ要素の踏襲だけにとどまらず、ゴリラが主役という設定ならではの新しいアクションをうまく盛り込み、前作とはまた一味違った面白さを生んだ。
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ゲーム性もより多彩に。
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ツルの登り降りの際のスピードの変化で伝ってくる敵を避けるタイミングを図ったり、フルーツ落しで敵を攻撃したりと、より多彩なアクションが可能になった。
問題点
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落下死の判定が分かりにくい
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上述の通り身長よりも高い位置から落下することが条件となっているが、ジャンプした際にやや高いところから落ちただけでミスとなる箇所がある。ステージ1が顕著。
総評
ツルをつかむことによる移動速度の変化などのゴリラらしさのあるアクションと、ステージごとに変化のある仕掛けでシンプルながらも飽きさせない作りになっている。
前作と一味違った個性のあるゲーム性により前作に続いてヒットを記録し、後のファミコン版も売り上げに貢献するソフトの一つとしてプレイヤーに親しまれることとなった。
その後の展開
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ゲーム&ウオッチなど多機種にわたって収録され、他シリーズとともに長らく愛される存在となっている。
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ドンキーが人質でマリオが悪という異色のキャスティングで構成された本作だが、マリオは次の『ドンキーコング3』では登場せず、その後もあまり出演していない。
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本作の要素は後のゲームボーイ版『ドンキーコング』で取り入れられたが、そちらでは本作とは逆にジュニアが父親とともに敵としてマリオを妨害するという立場となっている。
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本作から10年後の『スーパーマリオカート』でマリオとドンキーJr.は再び競演したが、『マリオカート64』以降は2代目ドンキーコングに出番を奪われ、他のマリオシリーズにおいても2代目が目立っており、あまり登場しなくなった。
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なお、初代ドンキーコング(クランキー)の息子がジュニア、孫が『スーパードンキーコング』に登場する2代目ドンキーという設定とされているものの、ジュニアと2代目が親子関係にあるのかどうかは明確にされていない。
一応『マリオテニス64』の攻略本では2代目ドンキーコングと親子だとされているが、同作ではそれぞれデビュー時の姿で登場するため外見上の年齢が逆転している。
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さらに、2023年公開の映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では「ドンキーコングがクランキーコングの息子」として登場。
こちらのドンキーコングは従来の2代目がベースなのだが、よく見ると目や鼻の形などが従来の2代目と異なり、むしろジュニアに寄せられたデザインとなっている。
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加えて、上記の「息子がジュニア・孫が2代目」と解説していたニンテンドーオンラインマガジンの公式サイトが、映画の日本公開直前の2023年4月26日をもって閉鎖・ページ削除されてしまった。
これにより上記の設定のソースそのものが消滅してしまい、今後は「かつてのドンキーコングJr.と2代目ドンキーコングが同一人物」という設定に統合される可能性も考えられるようになってしまった。
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とは言え、映画版は他にも原作ゲームとは異なる設定・描写が多く、現状においてはひとまずパラレルワールドと見たほうがいいだろう。任天堂の公式見解が待たれるところである。
FC以外の移植等
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ゲーム&ウオッチ版
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1982年10月26日発売。それ以降もスクリーンの変更版として、再度発売されている。
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『ドンキーコングJR.』を題材にした作品は他にも同タイトルのカラースクリーン版や『ドンキーコング2』(マルチスクリーン)があるが、それぞれ内容は全く異なる。
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1999年4月8日発売の、ゲームボーイソフト『ゲームボーイギャラリー3』に収録されている。
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2009年8月19日にニンテンドーDSiにて配信された『ゲーム&ウオッチ ドンキーコングJR.』にてプレイできる、要200DSポイント。
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ファミコンテレビC1同梱版(非売品)
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『ドンキーコングJR. & JR.算数レッスン』のタイトルで、2本の簡易版を収録したカップリング作品。内容的には体験版に近い。
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『JR.』は1面と4面のみ収録、『算数レッスン』は「+-×÷EXERCISE」のみ収録。
余談
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アーケード版のOPデモでは2人のマリオが檻に入ったドンキーコングを搬送しているが、このうちの片方が後のルイージなのかは不明。
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公式に「ルイージの初登場作品」とされているのは本作の翌年に登場した『マリオブラザーズ』である。
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2面に出てくる鳥は地面の空いてる間を落下した後、左直線で移動しジュニア目がけて襲い掛かってくるのだが、アーケード版は実はよく見ると鳥の移動パターンがランダムに動いている。それだけならまだしも、実は鳥が卵を落とすパターンも毎回ランダムな為、見た目以上に難しいステージとなっている。なので、ファミコン版で操作に慣れた気持ちで挑むと思い通りに行かず思わぬ所でミスする事も……。特に4周目以降はもはや地獄絵図である。
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余りにも難しかった為か、ファミコン版で移植された際は鳥のパターンが固定されている。
最終更新:2024年06月29日 06:56