この項目では『ルーンファクトリー4』、移植作『ルーンファクトリー4スペシャル』を取り扱っています。
判定はいずれも
良作
です。
ルーンファクトリー4
【るーんふぁくとりーふぉー】
ジャンル
|
ファンタジー生活ゲーム
|
 裏を見る
|
対応機種
|
ニンテンドー3DS
|
発売元
|
マーベラスAQL
|
開発元
|
ネバーランドカンパニー
|
発売日
|
2012年7月19日 ガイドパック:2016年4月7日
|
定価
|
4,980円 ガイドパック:5,200円(共に税別)
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
3個
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
配信
|
2013年1月24日/4,972円(税別) 価格改定後:2017年10月26日/3,218円(税別)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
前作以上に快適な操作性と高い自由度 舞台・キャラクター・物語の作り込みも秀逸 婿候補増加の一方で、嫁候補は半減 やり込み派には気になる荒削りな仕様
|
ルーンファクトリーシリーズリンク
|
ストーリー
ある月夜の晩、空から落ちてくるところから物語は幕を開ける。
主人公は運よく竜の上に落下。無事だったものの、記憶を失っていた。
名前以外何も思い出せない主人公は、竜の計らいにより城で生活する事になり、
かりそめの王子(姫)として国を発展させ、悩み事を解決し、作物を作りながら日常生活を送る。
あるとき、森へと冒険に出た主人公は巨大なモンスターに襲われる。
そのモンスターを倒すと、そこには何故か女の子が倒れていた。
なぜモンスターが人になったのか?
次々と起こる不可解な事件の真相は?
主人公は仲間たちと冒険や日常を繰り返すうち、自身の記憶に隠された秘密に近づいて行く…。
概要
-
本作は『ルーンファクトリー』シリーズとしては6作目となる。
-
ナンバリングタイトルは今までDSで発売されていたが、今作は初の3DSとなった。
-
グラフィックも、3DSへの変更に伴い向上している。
-
その他の基本要素・システムについては前作『ルーンファクトリー3』を踏襲しているので割愛し、主だった新要素・変更点を上げていく。
変更点
画面、グラフィック
-
前作までは、下が住民との会話や戦闘で使用されるメイン画面、上が地図が表示されるサブ画面だったが、今作では上画面が会話や戦闘が表示されるメイン画面に、下画面に地図などのサブ画面と、前作までとは逆になっている。
-
タッチスクリーンの下画面ではタッチすることによりリュックサックへの物の出し入れや、じょうろの残り水量の確認、ステータス(自分や仲間の強さ、仲良しの度合いなど)確認、専用魔法「エスケープ」の使用ができる。
主人公
-
今作では『2』第二部、『オーシャンズ』に続いて女主人公を選択できるようになった。
-
これに伴い、『オーシャンズ』ではおまけ要素に近かった、婿候補となる男NPCが本格的に追加された。
-
ちなみに今作では異性主人公との結婚が出来ないが、これは男性主人公、女性主人公はどちらか一人しか存在しない世界であるため。
戦闘パート
-
武器カテゴリに「拳」が追加された。これにより『3』では特殊条件下でしか使用出来なかった格闘アクションが、気軽に使用できるようになった。
-
『3』の格闘攻撃は素手扱いのため鍛冶によるカスタマイズが出来ないという難点があったが、今回は拳系統の武器を装備しているので他の武器との差異が無くなった。
-
『3』では連れ歩ける住民およびモンスターは1人のみであったが、今作では2人まで連れ歩けるようになった。さらに『3』ではできなかった主人公の子供の連れ歩きも可能になった。
-
住民の戦闘AIも改善され、無効化・吸収される属性攻撃は使用せず、倒した敵を延々と攻撃し続けることも無くなった。
-
ルーンアビリティが4つまで装備できるようになり、多彩な攻撃を行うことができるようになった。
-
ステップが十字ボタン2回連打からRボタンに変わり、緊急回避として使いやすくなった。
生産パート
-
今までのタイトルではアイテムは一つずつ生産していたのだが、今作では1種のアイテムをリュックが許す限りまとめて生産できるようになった。
-
ただし、消費RPの総和が最大RP以下になるようにしないと失敗する。また、作成レベルと推奨レベルの差が大きいと消費RPが増える仕様となり、消費RPが最大RPを上回っていると作成自体できない。足りてさえいれば、確実に成功する。
-
その為、3の時の様に運任せでは無くなり一時的な料理効果等で上限を上げ作成する事も出来る様になった。
-
また生産で6コマある要求素材枠の空き枠に適度なアイテムを投入することにより、追加効果を生み出すことが出来る。(アレンジ)
-
アレンジ枠は3枠あり、3つまで好きな素材でカスタマイズできる。
-
例えば武器Aを制作するとして、その武器Aの材料の他にアレンジ素材として鉄(効果:防御+1)を加えて作成した場合、完成した武器Aはデフォルトの性能に加え、鉄の効果である防御+1を持った状態で完成する。
-
さらに今作では継承アレンジと呼ばれるシステムも存在する。装備品類を生産する時、既に完成している別の装備品をアレンジ素材として用いることにより、見た目は作成したアイテムだが性能だけアレンジ素材に用いたアイテムのものを引き継いだアイテムが完成する。これには独自の性能引継枠を使うため通常のアレンジ素材はいつも通り3つまで使用できる。
-
例えば武器Aを制作する際、完成している武器Bをアレンジ素材に使って制作した場合、完成品は見た目は武器Aだが性能は武器Bという結果になる。
-
これらのシステムの導入によってアイテム制作の自由性が飛躍的に高まり、装備に各々の趣味を存分に発揮できるようになった。
-
ただし今作からは鍛冶や調合などの合成作業でも、失敗すると使用した素材が消滅してしまうようになっている。
-
このため、料理以外の合成の作業でも、(特に貴重な物を使う時ほど)より慎重さが求められるようになった。
-
強化によって特殊な効果が発生する素材ができた。
-
武器が透明になる、レアドロップ率上昇、属性防御上昇など。
-
自分で作ったものが記録されるようになった。
-
自作の料理をNPCにプレゼントすると専用の反応がある。
新要素
オーダーシステム
-
主人公は王子(姫)として街を発展させて行く事になる。
-
特定の行動(敵を倒す・農作物を収穫する・祭で好成績を取るetc)をとると王子(姫)ポイントが増え、そのポイントを使って行動(オーダー)を起こすことができる。
-
特にクリア後に解禁されるエクストラオーダーはその内容から評価が高い。
自分の店
-
自分の店を持てるようになり、キャラクターにアイテムを売りつけられる様になった。
-
新スキルのお店スキルを使うことにより、アイテムを確実に売ったり、高く売ったりすることができる。
-
ただし、一つ売るのに時間単位で足止めされるため、テンポはよくない。自由な牧場ライフの一助として捉えるべきである。
恋人期間
-
嫁(婿)候補キャラクターとは一定好感度以上で付き合えるようになる。
-
付き合っている相手をデートに誘えるようになり、一部会話も変化する。恋人を連れ歩くと住民からの特別な反応も存在する。
-
複数人とも付き合えるが、恋人を連れ歩いてる状態で他の恋人と出会うと悲痛な反応が……(特にペナルティは無いが)
立ち絵
-
従来作にもあった水着姿の立ち絵に加え、パジャマ姿の立ち絵も追加されている。
-
ゲーム時間における夜の間、キャラクターはこのパジャマ立ち絵になっている。
ボスモンスターの捕獲
-
通常モンスターと同様に、一部を除いたボスモンスターを仲間にすることができるようになった。ただし、ボス毎に1,2種類しかない好みのアイテムでしか気を引けない上、通常モンスター同様失敗判定もある。
-
なんと今作では前作までのラスボスすらも仲間にできるようになってしまった。(ただし必要なアイテムが極めて入手困難なものばかりである)
-
NPCとして登場するものと併せ、シリーズ通しての存在である四幻竜全てを連れ歩けるという、ある意味シリーズファンには嬉しい仕様である。
-
モンスター小屋に大型ボスモンスターを4体放り込むと画面が埋め尽くされてもはや何が何やら分からなくなる。というか、処理落ちすら発生するので注意。
評価点
生産
-
畑の仕様が変わり、豊作、凶作の時の収穫の増減が分かりやすくなった。
-
虫めがねによる畑のパラメータの詳細化。肥料の追加。上記の稼ぎ要素の強化など、強化、追加による農業要素全体の向上はイベントの増加などに比べれば地味だがとても重要な評価点だろう。
-
台風の被害が直接農作物を吹き飛ばすのではなく、畑のHPを下げるというものに変わった(0になると植わっている作物が消滅)。普段からHPを高く保つ、災害対策の農薬を撒く等の対策で被害をゼロに抑えることも可能になったのは嬉しい。
ストーリー
-
ストーリーは全三部構成となっていて、シリーズの中でもかなり濃い内容となっている。
-
なお、『2』,『3』の様に結婚しなければストーリーが進まないということはない。恋愛要素を無視してエンディングに到達することも可能。
-
『3』のストーリーでは主人公とメインヒロインとモンスター側以外の住民はほとんど出番がなく空気状態だったが、今回はストーリー上の問題を住民全体で協力し、一人一人が何をすべきか考えるなど、出番がない住民はおらず町の住民全体での一体感が出ており評価が高い。
-
『2』,『3』のゲストキャラもメインストーリーに関わってくる。特に『2』のキャラはとても重要なファクターとなっている。
-
アースマイトとしての使命、ストーリーに出てくるとあるキャラなど、シリーズ経験者だとニヤリとできる部分が多い。
冒険
-
ストーリーが複数部構成になったことにより、ダンジョン数も大幅に増加した。
-
拠点となるセルフィアの町からダンジョンまでの道のりも冒険の対象に。『3』までの、町の四方に各季節のマップ+ラスダンというオーソドックスな構成から一気に世界が広がっている。
-
世界が広がった分の移動は、「飛行船」でフィールドやダンジョンごとにワープが可能とフォローされている。
-
同時に登場する敵や入手できる素材も増え、それが鍛冶装飾につながるためボリュームを感じられるだろう。
-
特定の行動を取ることでアイテムが貰えるマップや、月初にしか入れない隠しダンジョンなど、ストーリー攻略に関係のない小ネタも多彩。探索のモチベーションを高めてくれる。
-
街の住人との共闘が本格的にできるようになった。
-
主人公と同様に、武器や防具を自由にカスタマイズ可能。住人固有の能力と組み合わせて、さまざまな役割を持たせることができる。
-
レベルアップとともにAIや技も強化されるため、育成する楽しみがある。中にはレベルアップによってデメリット行動が強力な攻撃に変貌するキャラクターも。
-
子どもには親の得意技が遺伝する。最強のキャラを育成するために結婚相手を選ぶ、という楽しみ方もできる。
イベント
-
恋人とのイベントだけでなく、住民同士のイベントが充実している。
-
一つのイベントに大抵複数のキャラが関わってくるので、住民全体の仲の良さが伝わってくる。
-
『3』の恋人イベントは大抵最初が違うだけで終盤はコピペ展開だったが、今回は恋人と関わりが深い住民も加わり流れに閉塞感がなく、一人一人のイベントとして他イベントと被らずに出来ている。
-
デートイベントも行ける場所と会話での選択肢が増えている。雑貨屋にデートをすると恋人ごとに違うプレゼントも贈れて恋人の部屋に飾られるようになり、特殊会話も発生する。
-
特定の祭りの前日に恋人に話しかけると、特殊デートが発生する。もちろん特殊会話。
-
町をうろついているといきなり発生するサブイベントも多く、唐突に始まるドタバタ展開は住民を生き生きと感じさせる。
-
結婚後イベント、出産後イベントも増え、『3』での子供は連れ出せないし会話パターンも少なく家具呼ばわりされていたからこそ、今回の子供とのイベントはありがたかった。
-
連れ歩ける人数が2人に増え、子供も連れ歩けるようになったことで家族3人で冒険する事が出来るようになった。
キャラクター
-
シリーズの特徴でもあるキャラクター描写の魅力は、本作でも健在。
-
前作「3」のように第一印象のインパクトがあるキャラは減ったが、今作の登場人物は掛け合いのセリフ回しでそれぞれの個性を際立たせており、恋愛要素を抜きにしても愛着が沸きやすい。
-
主人公が最初に出会うドラゴンのセルザウィードは、とある過去がきっかけで素のフランクな性格を隠し、住人の前では威厳のある振る舞いをするように努めている。そのギャップや終盤での活躍、特別な場面でのみ見られるもう一つの姿などから人気を博し、「結婚できないバグ」として名前が上がるほどに。
-
専用グラフィックが無いキャラクターの言動も個性的で、印象に残りやすい。中でも、過去作のとあるキャラクターとの関係を匂わせる「幻想のキリカ」はファンの間で語り草。
街の構造
-
本作の舞台となる街「セルフィア」は、利便性を可能な限り高めた上で、なおかつ狭さを感じない絶妙な構造をしている。街での生活が中心となるこのゲームでは、きわめて重要な評価点といえる。
-
街の中央に自宅があるため、どの施設へも短い移動距離で行ける(帰りはワープを使えば一瞬)。そのうえ1分とかからずに街を一周できるため、住人全員と会話して回ることも容易。
-
過去作でしばしば見られた、「街の中心部から離れた場所に住む住人」がいない。仲良し度を上げるためだけに遠くに行く必要がなくなった他、住民同士の交流シーンが見やすくなっている。
-
やりこみプレイヤーにとって重要な「季節の畑」は、飛行船を入手すれば街からダイレクトに移動できる。
-
ゲームとしての機能を損ねることなく、住民の生活模様をしっかり描いている。
-
たとえば、ほとんどの店には2名以上の店員がおり、一方が買い出しや昼食で店を離れている際は、もう一方が店番をするようになっている。唯一、最後までワンオペなのによく店を空ける住人がいるが、彼の店だけは無人で買い物ができるようになっている。
やりこみ要素
-
『3』で好評だった高難易度ダンジョンが今作にも登場する。
-
クリア後はオーダーで敵のレベルを上げる事が出来る。10段階まで上げる事が出来、元に戻すことも出来る。
-
『3』同様、敵味方共にレベル上限は10000を超える。今作ではスキルも一部を除き99を超えるので存分にやりこめる。
家具の自由設置
-
今作の家具類は持ち運び可能で、地続きになっていないダンジョンなどを除き、どこにでも家具が設置できるようになった。ボスフロアだろうが容赦なし。
-
収納箱・冷蔵庫・作業台・水場なども同様の扱いであり、収納箱などは中身が共有されており、店の直近に配置してやればわざわざ家に戻らなくてもよくなる。
-
同じ種類の家具を複数設置することも可能。また調理器具は全種類集めると機能を統合出来るようになり、いちいち使い分ける必要が無くなる。
その他
-
『3』でも充分多かった会話パターンがさらに増え、ボイス付きの台詞も増えた。
-
やりこみの増加に伴い、収納箱や冷蔵庫の貯蔵可能数も増加している。
-
料理の材料や鍛冶装飾素材の複数ストックが容易になったので、一度に行いたい強化でのスキルレベル上げや、不意の需要にも対応しやすくなっているのはうれしい。
-
病院での治療費が良心的になった。
-
『3』での治療費という名のぼったくりはハードモード限定になっており、最大値はイージーだと10,000G、ノーマルだと50,000Gと、とてもお安くなっている。
-
さらに、今回は恋人を連れている状態で治療を受けるとカップル割で半額になり、さらに運が良ければ治療費が無料になる。
-
しかし序盤での猶予期間(何回か治療費無料)が無くなったので、序盤の治療費は財布にややキツイ。
-
本作には一部過去作のBGMも使用されているが、ある家具を手に入れる事で、ゲーム中では未使用の過去作の曲も聴く事ができる。その曲数は全曲合計すると142曲。
-
『1』『2』『3』『フロンティア』『オーシャンズ』の春夏秋冬の各曲や戦闘曲やボス戦曲など、一通りのものが揃っている。
-
最近のゲームにしては珍しく、エリア間の移動などにおける画面の切り替わりも早い。ストレスを感じずサクサク行動できる。
-
データを2周目以降に引き継げるようになった。
-
条件を満たすと「オーダー」として引き継ぎ項目が出現し、新規データでそれをオーダーする事で前のデータからレベルやアイテム等の要素を1度だけ引き継ぐ事が可能。
-
このオーダーの出現条件はなかなか面倒ではあるが、このオーダーは「エクストラオーダー」という特殊なカテゴリであり、一度出現させれば今後の新規データでは最初から使えるようになる。
賛否両論点
キャラクター
-
嫁候補の数はシリーズで一番少なくなっている
。
-
というのも女主人公の相手である婿候補が登場した為なのだが、嫁候補がほぼ半減される結果となり従来ファンにとっては寂しい事に。
-
プロデューサーのはしもとよしふみ氏は女性主人公・婿候補が導入された『オーシャンズ』にて「今までの男性主人公の相手は少なくする訳にはいかない」と発言していた。その為、これを引き合いに出して従来ファンの一部から不満の声が上がっている。
-
ただ、『オーシャンズ』は女主人公でのプレイがクリア後のみで婿候補もたった4人という限定的且つ実験的な要素だったという事情もある。今回は男女主人公制を本格的に導入し、ゲーム開始時点で性別が選択可能になったので、それぞれの相手を平等にするのは至極妥当であり、女性プレイヤーも恋愛要素を楽しみやすくなったという点では間口が広がったのは確かである。
-
そもそもシリーズ源流である牧場物語シリーズは随分前から『for ガール』版や男女主人公制を導入し、嫁候補と平等に婿候補も登場させているので、本シリーズが同様の流れになるも至って自然と言える。
-
旧作は男主人公と嫁候補の恋愛に一本化しており、ヒロインとの恋愛を楽しみたい男性プレイヤーがシリーズのメイン購買層として固まっていた事が不満の主な原因だろう。『オーシャンズ』時代に上記の発言があった事と、その一方で急な嫁候補の減少について何のフォローも無かったのも一因か。
-
実際、次回作『5』も同様の路線であり、ギャルゲー特化ではなく男女を平等にする方針となっている。
-
ファンには毎作品でネタにされつつも嘆かれている、魅力的なキャラにかかわらず主人公と結婚不可キャラの存在、通称「結婚出来ないバグ」も今作にある。しかし今作では、独身且つ意中の人もおらず、見た目年齢も他候補と大差なく、攻略対象として申し分ないキャラクターが二人結婚不可にされているので、より上記の不満が大きい。
-
片方はストーリー上特別な立ち位置であり、結婚できるようにすると物語の根幹を動かす必要が生じてしまうことから、ファンの希望を踏まえてもなお実装できなかったという経緯がある
-
シリーズでお約束であった属性を持つキャラクターが一部存在しなくなったのも古参ファンの不満になりやすい。
-
それらとは関係ないが、『オーシャンズ』や『牧場物語』の一部タイトルと違って、主人公同士の恋愛が出来なくなった事は人によっては寂しく思うかもしれない。
-
同性のキャラクターに好意を寄せられる場面が度々ある。
-
男主人公でプレイしている場合は特に顕著に感じる。婿候補は日常会話で好意を寄せる場面が多いためか。
-
一部の好感度依存の会話を男女主人公で分けなかったことが原因であるように見えるのだが、会話によっては「男なのに可愛い」などの明らかに狙ったような会話やイベントがある場合も。
-
しかし、男女主人公どちらかでしか起こらないイベントや会話も一応ある。
-
嫌なキャラが居るなら無視すればいいのではないかと思うかもしれないが、好感度を上げないでおくにも下記のイベント発生条件や引継ぎのために特定・または全員のキャラクターの一定好感度が必要な場合があり、同性からの好意を回避することはほぼ不可能である。
-
クリア後まで男女主人公が身体を共有するという特殊な状況とは言え、『オーシャンズ』では女主人公と婿候補がいてもこのような自体は起こらなかったのだが……
-
シナリオの都合上、2部クリアまで好感度が一定以上上がらない婿候補キャラクターがいる。
-
後々好感度関係の依頼やそのキャラクターのイベント回収が面倒になる。
パロディ
-
アイテムの説明文や住民との会話に露骨なパロディが見られる。
-
例えば武器の1つである「ツインネッギ」は説明文や性能を見るに、どう見ても初音ミク。
-
ツインネッギは『3』の時点でコレだったが、本作ではさらに説明文に「女主人公に似合う」という一文が追加されており、より露骨に(ミク・女主人公ともに髪型が緑髪ツインテールという共通点がある)。
-
量は豊富、ネタも豊富と割り切って見れば評価できる点ではあるが、一部ネタにはネットスラングなど世界観に全く合っていない物も存在する。
レシピの変更
-
過去作で多数の素材アイテムを要求したアイテム、特に料理アイテムのレシピが簡略化されそのアイテムの製作が容易になっている。
-
しかし簡略化し過ぎているアイテムも。過去作では野菜や油など5個の素材を要求していた「野菜炒め」がなんと「キャベツ」1個で作れてしまう。キャベツだけの野菜炒めって……
-
素材自体量産しやすいので中盤での稼ぎアイテムではあるのだが。また、アレンジとして追加の素材を加えられるので具だくさんの野菜炒めを作ることも一応可能である。
-
しかし中には逆に要求素材が追加され、作成が難しくなったものも存在する。(詳細は後述)
BGM・ボスの過去作からの流用
-
1部こそオリジナルのBGM・ボスであるが、2部以降では過去作のボスキャラ・BGMの流用が殆どである。
-
集大成を謳っているためファンサービスと言ってしまえばそれまでだが、過去ボスによっては2部で登場し、更に3部で「(過去ボス名)2」としてステータス以外何も変わらず再登場する場合もある。
-
ただし、3部はいわゆるボスラッシュの形式になっているため、手抜きと感じる人は少ないと思われる。
問題点
バグ・フリーズ問題
+
|
後記出荷版、DL版では修正された重大なバグ
|
-
第2部をクリアしたり、出産(妊娠イベントから早くて一ヶ月程度で発生)したりするとイベントで時間が経過するのだが、第2部をクリアした日や、出産日がデートの日(祭日のイベントデートも該当)と重なっていると、恋人とのフラグがおかしくなり、広場で落ち合ってもデートにならず、話しかけても「広場にいこう」と言われるだけで別れる事すらできなくなる。
この状態だと他の嫁・婿候補へのアプローチもできなくなる為、完全に詰んでしまう。
-
他にもキャラクターによって好物アイテムであるにもかかわらずそのアイテムをあげても好感度が上がらないバグがある
-
とはいえ、きちんと対策すれば100%回避できるものがほとんどなので、そこまで警戒する必要はない。
-
2部のラスボスで仲間を2人連れているとある場面で非常にフリーズしやすい。原因は不明。
-
その他にも自宅に家具を多く置くと高確率でフリーズ。生活ゲーとしてこれはどうにかならなかったのだろうか。
-
異性への「好きです!」が成功したその日のうちに、別の異性にプロポーズすると翌日告白した異性を恋人に出来る。つまり、恋人と配偶者を同時に持ててしまう。
-
この状態でも結婚必須のサブイベントは発生するが、イベント完了後も恋人は婚約指輪を受け取ってくれない。しかしイベント中に結婚できるキャラの場合、既に配偶者がいても結婚できてしまう(ちなみにその場合、前の配偶者との結婚はなかったことにされる)。
|
+
|
後記出荷版、DL版でも修正されていない重大なバグ
|
-
スキルの中に宝箱や隠しアイテムを開けると上昇する「探索スキル」について、本来であればこのスキルレベルが上がるほどドロップ品のレベルが高くなる確率が上がるのだが、バグによりスキルレベルを上げると逆にドロップ品のレベルが高くなる確率が下がってしまう。
-
そのせいで高レベル素材を要求される終盤になればなるほどアイテムのレベルが低いという状態になってしまう。
-
調査の依頼をされる前に最初のダンジョンをクリアしてしまうと、ある大事なキャラの会話が固定化されてしまう。
|
グラフィック・立体視
-
キャラモデリングの粗さは過去作に比べ改善されたものの、それでも他の3DSソフトと比べると劣るレベルである。
-
特にモンスターのモデリングはDS時代からの流用そのままで粗さが浮き彫りになっている。
-
フィールドグラフィックも過去作と全く代わり映えが無く、これはDSのゲームなのか? と錯覚してしまうレベルである。
-
本作は3DSの立体視に対応しているが、なんと一部フィールドで立体視の右目用と左目用の映像が逆転していたり、深度の順番が違っていたりするなどの明らかな設定ミスが見られる。スタッフはパッと見で分かるこの違和感に気付かなったのだろうか?
依頼・オーダー
-
特定依頼をクリアしないと開放されない作物の種・アイテムのレシピが多く、しかも一本道進行であるため依頼自体の強制・作業感が強くなってしまっている。
-
序盤の依頼はシリーズプレイヤーには分かりきったような事ばかりであり、序盤は1日に受けられる依頼は少ないため自由度が非常に低い。
-
終盤の依頼は3部にならないとクリアしづらい依頼が多く、後述するがその3部が中々発生しないために依頼進行が滞ってしまう。
-
特定モンスター撃破やアイテム収集などの自動生成依頼の報酬が非常に渋い。ゴミアイテムを渡され明らかに労力の無駄になることもしばしば。
-
過去作ではそういったゴミアイテムを大好物として受け取ってくれる相手が居た為そこまで無駄ではなかったのだが、今作ではそういったキャラが居なくなった。
-
オーダー
-
基本的に王子(姫)ポイントを消費するだけでオーダーできるのだが、一部オーダーには資金や資材(木材・石材)が別途必要になってしまう。オーダーによっては膨大な量の木材・石材を要求される。
-
過去作では資材は木材だけで十分だったのが石材までも必要になり、大量の数を要求するにもかかわらず資材箱には一度に9個しか入れられないため、石・木を割って資材にする→資材箱に入れるだけで日が暮れてしまうことも。
-
過去作では単なるお邪魔要素でしか無かった小石や大岩に役割を持たせたと好意的に解釈できなくも無いが……
-
祭りの開催をオーダーすると、その日は後述のランダムイベントが発生しない。回避するにはイベントの中止をオーダーしなくてはならず、王子(姫)ポイントが必要になる。
-
アイテムやデータを引き継ぐオーダーには依頼をほぼすべて遂行する必要がある。中には前述の大量の石薪割りを要求されたり、全員のキャラクターを結婚可能な好感度にする必要があったりと引き継ぎまでには苦行を伴う。
-
しかもデータを引き継いでも結局ランダムイベントとは真っ向勝負しなくてはいけない。この点については次の項目で。
イベント
-
サブイベントのランダム発生。
-
今作ではサブイベントの発生がランダム。
過去作では、好感度などの条件を満たした時点で発生していた。このランダム性自体は、キャラクターが生きていることの演出として自然なものではある。
-
問題は、キャラクターとの恋愛・結婚イベント、ストーリー進行に必要なサブイベント(3部発生)といった重要イベントまでランダム発生になってしまっていること。これにより、運が悪いと結婚したいキャラクターとの関係が思うように進展しなかったり、ストーリーの進行が足止めされてしまったりする。
-
大会前当日・各キャラクターの誕生日の前当日・サブイベント発生直後など絶対にイベントが発生しない日もあり、その条件がいまいち判然としない。またイベントが発生してからしばらくは他のイベントは発生しない。
-
ストーリーを進めないと遊べる範囲が広がらないので、普通にプレイして2部終了までに結婚するのは非常に難しい。にもかかわらず1部・2部で結婚子持ち前提・結婚済限定のテキストが存在する。
-
長時間プレイを要求されるシステムと早期攻略を要求されるシナリオが絶望的にまで噛み合っていない。結果、出来る事は少ないのにイベントだけを待つ必要があるという中だるみが発生してしまう。せめて重要イベントは発生優先度を付けるなどの対策が出来なかったのだろうか?
-
イベント一つ一つの発生条件に、特定の複数キャラクターの好感度が関わっている。各イベントに必要な好感度のヒントはないため、あらゆるキャラクターの好感度を上げ続けなければいけない。
-
特に恋愛・結婚イベントでは、結婚したいキャラクターと全く関係ないようなキャラの好感度まで上げる必要がある。リアルといえばリアルだが、これまでは結婚したいキャラのみ好感度だけ上げればよかったため、過去作経験者にとって思わぬトラップとなっている。
-
狙ったサブイベントの発生率を上げる方法は、イベントと無関係なキャラの好感度を下げることだけ。見たいイベントに関わるキャラの人数が多い場合、もれなく他のイベントの発生率も上がってしまうので効果が薄い。
-
依頼にはご丁寧にもキャラクター全員の好感度を一定まで上げるものが存在しているが、これを達成すべく全員分の好感度を上げると狙ったイベントを発生させるのが難しくなってしまう。
-
恋愛イベント
-
今作はキャラクター個人のイベントは個人依頼方式だった過去作に比べて非常に少なく、中には個人イベントが結婚イベントの一つしかないキャラクターもいる。
-
イベントもランダムの為恋愛進行の過程が見えてこない。過去作では好感度ごとの依頼イベントにより恋愛の進行がよく分かったのだが。
-
その分恋人期間などの共通の恋愛イベントは多くなっているのだが、共通なのでやることそのものは全キャラほぼ同じである。
-
その他イベントの問題点
-
全体的にイベントの進行が遅い。少しの会話で次の日に持ち越されるイベントが多く、終了までに数日程度かかってしまう。
-
恋愛が関わらないイベントでは、住民のドタバタ劇に振り回されるだけで主人公の出番が少ないものも結構ある。このため、恋愛とメインストーリー以外で主人公の人柄を知れる機会が限られている。
-
イベントの中には翌日の19時以降を完全に潰す上に何度でも発生し、しかも関わるキャラが無闇に多いというトラップのごとき物もある一応、断るという選択肢はあるが、その場合は翌日に同じイベントが発生するので何時かは受けなければいけない。
UI関係
-
モンスター小屋の管理の改悪。
-
これまでのシリーズ作品では全てのモンスターに農業の手伝い指示を出すマネージャツールが存在したが今作では存在しない。
-
そのためモンスター一体一体にわざわざ指示を出す必要が発生してしまう、畑が1マップで無くなった弊害だろうか。
-
しかも本作のモンスター小屋は、畑一つあたり5部屋×2つ、合計10個の部屋に分かれている。小屋1つに入れるモンスターは限界があるので管理が面倒臭くなってしまった。
-
家具の使用が煩雑
-
収納箱や料理道具を調べた際、すぐに画面が切り替わらず、もう一度ボタンを押して選択肢を選ばなくてはならない。ゲーム中で何百回と行う操作なので、テンポを削ぐ要素として不評。過去作ではワンタッチで画面が変わった。
-
「ぶっこわす」や家具の持ち運びはこの選択肢から行える新要素だが、どちらも使用頻度が低いのでフォローにはなっていない。
-
アイテムスタックの変更。
-
アイテムをスタックする際同じアイテムはレベルごとにしかスタック出来なかった過去作と違い、レベルを無視してレベル降順にスタックされる。この状態で特定のレベルのアイテムを取り出すのには一々スタックを解体する必要がある。
-
装備品に加えて料理アイテムもスタックされなくなった。アレンジにより同名の料理でも効果が違うものを作れるようになったためだろうが、バターやジャムなどの中間食材も料理扱いでスタック出来ない為、これらを使った料理を量産しようとすると大量のこれらのアイテムがアイテム欄を埋め尽くすことになる。一度に大量のアイテムを生産出来るようになっただけに、この仕様変更はやや不便。
-
本作では出荷箱も収納系の家具同様中身を出し入れできるようになったのだが、そのため大量に料理や装備品を作ると収納枠が足りず1日では出荷しきれなくなってしまうことがある。
-
バックログ機能の未実装。
-
今回はシナリオが濃くキャラクターの個性が魅力的であるにもかかわらず、今どきのゲームには珍しくバックログが実装されていない。このためAボタンで読み飛ばしてしまうともう一度読み直すことができない。
-
結婚イベントやムービーはリプレイ可能だが、それ以外のメインイベントなどのリプレイ機能もなく物語を思い出すときにかなり不便である。
3部
-
シナリオでの3部は様々な面で問題点が多い。
-
メインストーリーにおいて唯一、ランダムイベントのクリアが進行条件となっている。そのせいで、運が悪いとイベントが発生するまでかなり待たされる。シナリオの内容的に2部終了後すぐに発生されても余韻もへったくれも無い内容ではあるのだが…。
-
2部までは常に急かされる内容のシナリオであるため、それに応えて早くクリアしてしまう場合が多い。そのため、3部がなかなか始まらないのにやきもきさせられる。
+
|
そのシナリオ内容は……
|
-
簡単に説明すれば「未来への方向性を示しそれへと進もうとしていたのに旧態依然に逆戻り」である。
-
「自己犠牲の否定」や「世界の摂理を覆してでも望みを叶える」といった主題は一貫しており、1部・2部の内容を否定するものではない。ただ、そのために取った手段が問題の先送りに過ぎないものだったので、結果として「1部・2部の戦いは何だったのか」という感想を抱く人が出てしまうことに。
|
-
敵の強さがやっつけレベルのパワーインフレを起こしている。
-
階層1つ上がるだけで防具が産廃になるのは日常茶飯事。今まで育ててきた仲間モンスターも3部のモンスターを仲間にしたほうが明らかに強く、育成が無駄になってしまう。
-
そして行く手を阻む即死級の高ダメージトラップ。一応属性ダメージであるため属性軽減装備を装備すれば突破出来る。過去作では余り使われなかった属性軽減装備をどうしても使わせたかったのだろうか?
-
シリーズではレベルよりも装備が重要であったのだが今作ではそれが顕著に。全体的に
装備を変えて物理or魔法で殴るゲーム
と化してしまっている。
-
3部に突入するあたりから4~5桁のステータスで殴り合うゲームと化す。それについていけない装備はどれほど2部までで活躍した装備であろうとほぼ戦力外になってしまう。
逆に言えば、極端な例ではあるが、装備さえちゃんと作ればレベル1ですらクリア可能。それ程に装備が全て。
-
どんなにレベルを上げても装備が貧弱では殆ど戦えないためレベルを上げて育てる楽しみはない。
-
一応、3部に入る頃にはトリッキーな性能の装備も多数作れるようになっているため、プレイヤー各々の趣向や戦略が入り込む余地はある。
-
レベル上げがほぼ無意味であることに早く気付き、装備やアビリティの工夫を楽しむ方向に切り替えないと、3部攻略はかなりの苦行と化してしまう。
-
ラストが余りにもあっさりし過ぎている。スタッフロールも無く、「え? これで終わったの?」と思えてしまう程。
-
元々シナリオは2部で一応の決着が付いており、3部はその結末に納得できなかった人のためのオマケ、エピローグとしての側面が強い。
-
ただクリアしないと非常に強力で人気の高いキャラが仲間に加えられないため、人によっては見逃せない要素なのが痛い。
その他の問題点
-
序盤~中盤にかけて自由度が非常に低い。
-
前述したようにアンロックだらけのシステムのせいで常に行動が制限され、できる事が非常に少ない。難易度「ハード」で死のうものなら有り金を殆どふんだくられ行動がろくに出来なくなる。仮に攻略を進めてしまうと今度は急かされるシナリオが始まり、真面目に従っていると農業鍛冶をやる暇が少なくなってしまう。シナリオを進めないと登場しない結婚候補も存在する。
-
進めないといつまでたっても出来る事を増やせないため、自然と進めて急かされる方を選択するプレイヤーが多いと思われる。
-
主人公の王子(姫)設定が名目だけのものであり、王子(姫)らしいイベントが全く無い。
-
住民の中に本物の王子が居ることがオープニングで明かされており、主人公は身分の保証と引き換えに彼の仕事を肩代わりしているだけ。シナリオ上で王族の力が必要な時に活躍するのは本物の王子の方であり、主人公を王子(姫)扱いする必要性が無い。
-
畑のマスが従来の3×3から2×2に変わっているが、アイテムのスタックは9個のまま。そのため、種をチャージで一気に蒔くと4+4+1で1個余るようになってしまい、若干不自然になってしまった。
-
競技系の大会で一度優勝すると、翌年からは住民が高得点を叩きだすようになり、以降の優勝が難しくなってしまう(優勝ラインの上限が上昇する形なので、運が良ければ優勝できる)。
-
釣りの大会に限っては、あるキャラクターが1年目から高得点を叩きだすので、初見では優勝困難。
-
また、そのキャラクターは優勝ラインの上限があがると「システム的にプレイヤーが追いつけないスコア」を叩き出してくることもあるという徹底ぶり。
-
不遇な釣り要素。
-
農業しなくても釣りだけで稼げた『3』の反動か、今作での釣り要素に対する風当たりは非常に強い。
-
前述したようにあるキャラが無双するため大会では優勝しにくい。
-
ゴミ類の出現率が大きく上がり、連続でゴミが釣れる事が多い。
-
釣り竿のチャージが前作から大幅に弱体化。
-
魚料理のレシピが改悪。
-
料理レベルが上がったにもかかわらず出荷額が大幅に減額。例示するとイカの包丁料理である「イカ刺し」は『3』から今作で100G以上も値下がりしている。
-
過去作は魚単体で出来ていた焼き魚系料理が今作ではあるアイテムが1つ余分に必要になる。このアイテムを購入で済ませると出荷利益の減少、自前で賄うにはストーリー進行&樹木の育成で期間と手間が必要なため、特に序盤での金策やスキル上げに使うことは非常に難しくなっている。
-
サイズが可変になったため魚もスタック出来なくなった。
-
オーダーにより魚屋を呼び出すことが出来、これは今までに出荷した全種類の魚を販売してくれる。
-
釣り限定かつ、出荷しても買えないアイテムが存在するが、釣れる確率がかなり低い。
-
これらの過剰なテコ入れが原因で今作の釣りは稼ぎ目的はおろか、プレイする上で利用する必要性が薄い。究極的には、一部ボスモンスターの好物の魚を魚屋で購入できるように出荷用の一匹を釣り上げるためか、大会か、釣り限定アイテムを狙うかの三択でしか釣りをしないことにもなりかねない。
-
釣り一つだけとは思えない量の仕様変更っぷり。そもそも前作『3』の釣りにおいてまずかったのは「任意で好きな魚を釣り放題」だった事で、上位の釣り竿を使ってサクサク釣れるシステム自体は好評であり、スタッフが問題を把握できていなかったことがうかがえる。
-
農業周りの問題点
-
作物を育て収穫することで土壌が成長するというシステムが導入されたが成長が極めて遅く、計画的に狙わなければまず恩恵は感じることが出来ない。
-
デカ作物と呼ばれる、畑のみで作れて尚且つ店で買えず出荷額も高い、という物が追加されたが序盤では薬頼みな為出費が嵩みすぎて作るのが大変、後半になれば幾らでも作り放題だがその頃には別の方法で効率よく金策が出来るので、特定の用途と一部の調合、野菜大会以外に使い道が無く、ほとんど趣味の領域。
-
上級レシピパンの仕様改悪。
-
『3』ではレシピパンで全てのレシピを入手することができたのだが、今作では高ランクのレシピは終盤ダンジョン・依頼・上級レシピパンのみの入手である。
-
このうち上級レシピパンは隠しダンジョンのボスのドロップであるのだが、農具だけは下級農具レシピパンだけで全てのレシピが賄えるため、上級農具レシピパンは全くの産廃アイテムでドロップの外れ枠にしかなっていない。
-
さらにせっかく上級レシピパンを手に入れて高ランクレシピを手に入れても、レシピは引き継ぎできないので引き継ぐ前に作製しないといけない。
ここらへんもまた上級レシピパンの仕様と合っておらず、チグハグな印象を受ける。
-
水着立ち絵、パジャマ立ち絵のデザインが使い回し、それどころか手抜きレベル。
-
水着、パジャマの立ち絵が、キャラによっては見た目がただ色を変えただけになっている。立ち絵自体も首の部分が若干異次元絵になってしまっている。
-
過去作の水着立ち絵には拘りが感じられたのだが、今作は余りにも残念なクオリティである。
-
『4スペシャル』で改善。
-
絶望的に入手率の低いアイテムの存在。
-
エリア内の各地のオブジェクトを調べると日替わりで隠しアイテムを手に入れることができるが、その中で「極上きのこ」というアイテムは実質隠しアイテム限定で、非常に出現率が低い。
-
問題はこの隠しアイテムのテーブルが最初のゲーム開始時で固定であり、リセマラが無効であるという点。リセットしたところで同じアイテムが出てきてしまう。
-
なので入手するには日を改めてオブジェクトをチェックしに行き、なければ寝る…を繰り返すしかないが、(ゲーム内の時間で)10年経っても出てこない…という報告も。
-
極上きのこは素材に要求されるアイテムではなく、普通にプレイする上では問題ない。しかしゲーム内のトロフィーで「出荷率100%達成」という条件で出に入るものがあり、この「極上きのこ」のせいで獲得が非常に困難なものとなっている。
-
仲間モンスターを仲間にするときや、モンスターのアイテムドロップなど他のランダム性を要求するものはリセマラ可能だっただけに、この固定テーブルは痛い。
総評
システムが全体的に洗練され、ゲームのテンポが格段に向上。女性主人公の実装や婿候補の登場により女性にも遊びやすいゲームとなった。
その一方で、嫁候補の数の減少や、3Dグラフィック・立ち絵の粗さ、細かいバグや不便になった仕様など問題点もある。風呂敷を広げ、遊べる要素が非常に増えた一方で、一つ一つの作りが雑で劣化してしまっている印象は否めない。総合的な完成度の高い前作の方を高く評価するシリーズファンもいる。
とはいえ、本作にはそういった問題点を跳ね除けるだけの魅力がある。引き込まれるセリフ回し、戦闘や農業の快適さ・爽快感なども相まって、非常に熱中しやすい。本項目で問題点が多く挙げられているのは、そこに目が付くほど遊び込んだプレイヤーが多いことの裏返しでもある。
細かなチュートリアルや難易度調整などの親切設計もあり、シリーズ初心者でも安心して遊べる出来となっている。冒険から恋愛まで、やりこみ要素は非常に豊富。ハマれば最終的なプレイ時間は数百・数千時間にも達することだろう。
余談
-
コミカライズが雑誌「電撃マオウ」で展開され(既に終了)作品中のあるキャラをベースとしたオリジナルキャラクターが登場しているのだが、本作で特定の条件でそのキャラクターを見ることが出来る。
-
5周年記念作品ということで、ある場所でファンが書いたオリジナルイラストを鑑賞できるファンサービスが実装されている。
-
過去作のキャラクターも参戦しての壮絶なネタ合戦はシリーズファンなら必見である。
-
雑誌ニンテンドードリームでのはしもと氏へのインタビューで「フロンティア」「オーシャンズ」に登場したものの結婚不可だったキャラクターが嫁候補として登場する予定だったのだが削除されていたことが明らかになった。
-
2013年11月29日に開発元のネバーランドカンパニーが破産申請・全事業停止。
-
2018年でもニンテンドードリームなどでの漫画連載や後述の廉価版の発売など、何かしらの展開は続けられていた。
-
「Nintendo Direct 2019.2.14」にてNintendo Switchで『ルーンファクトリー4 スペシャル』及び『ルーンファクトリー5』が発表された。
-
『4スペシャル』は2019年7月25日に発売された。『5』は当初は2020年内発売予定だったものの21年春予定に変更、2021年5月20日(木)に発売された。
-
開発は、いずれもマーベラスの元執行役員(2018年退社)でルンファクシリーズの企画/原案/プロデューサーでもある、はしもとよしふみ氏が立ち上げたHAKAMA(株)が担当。
-
なお2018年初頭には、あるニュースサイトがマーベラスの特集をした際に、退社前の同氏へのインタビューを行ったネット記事が公開されていた。そこでは「ルーンファクトリー開発チームの全員とは今でも連絡を取っている。やろうと思えばいつでも続編は作れる(要約)」と前向きな発言をしており、それまで諦めが強かった『5』への期待が高まるきっかけとなった。
-
後に『5』が発売されると、実際の開発は前情報と異なりゲーム開発の下請けを専門に行う(株)ハイドが発表前から行っていたことが明らかになっている。
-
マーベラス開発の音ゲー『WACCA』に「この想いを乗せて」が収録されている。
-
『WACCA』稼動時点で発売前の『ルーンファクトリー4スペシャル』から収録という事になっている。
価格など
-
本作の販売本数20万本突破を受けて、2014年4月23日~同年5月7日にダウンロード版半額セールが実施された。
-
2015年9月16日には25万本を突破。再び半額セールが実施された。
-
発売前後に「ニンテンドードリーム(ニンドリ)」誌で本作の紹介漫画が連載されていたが、連載終了から2年近く経った後、2014年7月発売のニンドリに付録小冊子として全話再録された。『フロンティア』のキャラもゲスト出演している。
-
2016年4月7日には、5,200円で公式ガイドブックが付属する『ルーンファクトリー4 ガイドブックパック』が発売された。
-
2017年10月26日に『ルーンファクトリー4 ベスト・コレクション』として3,218円に価格改定され、さらに限定版として前作『3』やオリジナル・サウンドトラックが付属した『プラチナコレクション』が発売された。限定版とはいえ2017年にニンテンドーDSのソフトが再販されるのはかなり異例である。
-
前述したように後期出荷分で修正されたバグもあるので、確実に修正されているDL版の購入が推奨される。
ルーンファクトリー4スペシャル
【るーんふぁくとりーふぉーすぺりゃる】
ジャンル
|
ファンタジー生活ゲーム
|
 裏を見る
|
対応機種
|
NintendoSwitch プレイステーション4 Xbox One Windows(Steam)
|
発売元
|
マーベラスAQL
|
開発元
|
HAKAMA
|
発売日
|
【Switch】2019年7月25日
|
定価
|
4,980円
|
配信
|
【PS4/One】2021年12月7日 【Win】2021年12月8日 各3,600円(税別)
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
20個
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
HD化した移植 高難易度モードとキャラの掘り下げが追加 システム面の改善は一部にとどまる
|
ルーンファクトリーシリーズリンク
|
概要(スペシャル)
-
上記の余談項に書かれている通り開発元のネバーランドカンパニーが破産した為、続編が絶望視されていた中で発売された移植作。
-
ルーンファクトリーシリーズ初のSwitch作品。グラフィックがさらに向上。
-
DL専売だが初のPS4/One/Win(Steam)作品となった。PSハードはオーシャンズ以来。
改善点(スペシャル)
-
難易度「ヘル」の追加。
-
無印での難易度はイージー、ノーマル、ハードの3つであったが、ハードよりさらに難易度が高い「ヘル」が追加された。
-
敵のステータスがハードの時以上に上昇。攻撃頻度もさらに激しくなっており、プレイヤーを発見次第攻撃を仕掛けてくる。
-
スーパーアーマー特性(動作中に攻撃を受けても怯まない)が付いている攻撃の数が多くなっている。ハードの時以上に、射程の長い攻撃や魔法の重要度が増している。
-
新モード「しんこんモード」
-
結婚候補との結婚後に追加されるショートストーリー。
数十分から数時間で終わる。
-
本編では静止画の立ち絵だったが主人公と結婚候補はLive2D になっており表情がより豊かになっている。
-
このモードの為に追加されたムービーや一枚絵、ボイスが新録されている。
-
アナザーエピソードの追加
-
こちらはイラストとボイスで展開される、ドラマCD形式の話が見られる。
-
メインキャラの1人は無料だが、それ以外の結婚候補の話はDLCになっており一括700円が必要。
-
後に発売されたDL専売のハード版では初期収録済み。
-
バグの修正
-
探索スキルのレベルが上がるとドロップするアイテムのレベルが低くなるバグが修正されており、仕様通りスキルレベルが上がるとレベルが高いアイテムが入手しやすくなる。
-
その他フリーズするバグも修正されている。
評価点(スペシャル)
-
しんこんモードで掘り下げられた結婚候補達
-
上記で挙げている通りLive2Dになった事や、ボイスが新録されたことによりキャラクター達の新しい一面が見られるようになった。
本編では見せなかった表情や新しく追加された一枚絵は一見の価値あり。
-
ロード時間がほとんどない
-
ソフトリセットは出来なくなったものの、Switchのゲームの中ではロードがかなり早くデータの読み込み以外ではロード時間が1秒未満とほぼ無しに等しい。スムーズにエリア移動出来る。
-
水着・パジャマ立ち絵の改善
-
大まかな形状はそのままに、キャラごとに異なる装飾や柄が追加された。各々の個性が表れたデザインとなっており、評価が高い。
-
セーブデータの大幅な増加
-
3DS版では3つしかなかったセーブデータが20個まで増加。
-
本作の結婚相手候補12人をコンプリートしても、まだ8枠も自由に使える。Switch版ならば本体のユーザーを追加する事でさらにセーブデータを増やせる。
-
第3部の開始が容易に
-
3DS版では第3部のスタートイベントが運が悪いとなかなか発生しなかったが、条件を満たした時点でほぼ確実に発生するようになった。
-
ただし問題点の項にある通りそれ以外のサブイベントは相変わらずランダム発生のままである。
-
とあるキャラクターの「アナザーエピソード」
+
|
ネタバレあり
|
-
人気キャラクターにもかかわらず本編では結婚相手に選ぶことができなかったが、
このエピソードにおいてついに結婚イベントが描かれた。
-
結婚イベントの追加は『4スペシャル』発表当初から期待されていたものの、発売前の段階で「世界観を揺るがすおそれがあったので追加は断念した」と明かされていた。そんな中でのサプライズであったため、落胆していたファンの衝撃は大きく、一転して本作を高く評価するきっかけとなった。
|
問題点(スペシャル)
-
改善されなかった仕様。
-
基本的なゲームシステムやステータスにはほとんど手が加えられていないため、そういった部分に起因する問題点はそのまま残っている。3部以降のインフレもそのまま。
-
結婚に必要なサブイベントの発生もランダム仕様のまま。少数ながら、数年経過しても目当ての相手と結婚できないという報告も。
-
これを受けてか次回作ではサブイベントは特定地点で発生するようになり、任意にサブイベントを起こせるようになった。ただ、こちらはこちらで住民の生活状況やシナリオを無視してイベントが発生するため、一長一短となっている。
-
テキストの誤字・脱字の未修正がかなり残ってしまっている
-
助詞が抜けている、接尾語が連続している等かなりの数。
-
また、誤字・脱字ではないものの、敬語とタメ口が不規則に混ざっていて口調に違和感があったりするテキストも未修正のまま。
-
一部のアイテムの値段設定のミスもそのまま手つかず。
総評(スペシャル)
約7年振りに発売されたルーンファクトリーシリーズの移植。
不具合などが多く荒削りながらも独自の要素も多くコアなファンもいるルーンファクトリーシリーズ。同時期に完全新作の5の制作も発表されファンを安堵させた。
致命的なバグや仕様のミスは改善されており、キャラクターの掘り下げを中心とした追加要素も好評。
余談(スペシャル)
-
本作のデータを持っていると次回作『ルーンファクトリー5』に今作の結婚候補2名がゲストとして登場する。
-
一緒に冒険出来る他、彼らから受けた依頼をこなすと今作の主人公の衣装を貰える。
-
2021年秋にXSX/PS4/One/Win(Steam)版が発売されることがマーベラスの米国法人であるXseed Gamesから発表され、2021年12月7日に発売された(Windows版のみ2021年12月8日に発売された)。
最終更新:2024年06月09日 16:59