バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ

【ばいおはざーど おぺれーしょん らくーんしてぃ】

ジャンル サバイバルシューター


対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
Windows XP/Vista/7
発売元 カプコン
開発元 カプコン
Slant Six Games
発売日 【PS3/360】2012年4月26日
【Win】2012年7月26日
定価 【PS3/360】6,657円
【PS3ダウンロード版】1,852円
【360ダウンロード版】5,143円
【Win】5,705円(全て税別)
判定 クソゲー
ポイント 化け物だらけのラクーンシティでサバゲー
ハンクもびっくりなゲームバランスの悪さ
バグを修正しないなど企業態度もお粗末
選択次第で殺されてしまうレオンとクレア
バイオハザードシリーズ


概要

『バイオハザード』シリーズのスピンオフ。
カプコンと『SOCOM』などを手掛けたSlant Six Gamesの共同開発。
時系列は『2』と『3』の間になっているが、ストーリーが独立したパラレルワールドである。
アンブレラの特殊部隊「U.S.S.」とアメリカ政府の極秘任務を行う特殊部隊「SPEC OPS」の戦いを描く。

ラクーン壊滅事件の裏側を追体験できるキャンペーンモードでは、『ロスト プラネット 2』のようにシングルプレイではNPC・オンラインでは他のプレイヤーとのCO-OPプレイが可能となっている。
マルチプレイ対戦モードも搭載し、それぞれ「U.S.S.」「SPEC OPS」のチームに分かれて対戦する「HEROES MODE」など、最大8人(4×4)による様々なオンライン対戦を搭載している。


特徴

  • 敵の攻撃で出血してしまい画面が赤くなりゾンビが一斉に襲ってくる、感染した場合視界が少しずつぼやけ最終的にはゾンビになってしまうなど、サバイバル要素が非常に強い。
  • 本作独特のシステムとして、格闘攻撃から派生し一部の敵を一撃で抹殺する「ブルータルキル」と、ゾンビを盾にしてしまう「ゾンビシールド」がある。
  • 6つの兵種が用意されており各勢力のキャラクターが1つの兵種に対応、各々が随時発動の2つのオートアビリティと3つから選択できるセレクトアビリティを習得できる。
    • リロード速度上昇や、攻撃力上昇に一定回数まで攻撃無効化など、戦闘向きの強力なアビリティが揃った突撃兵 ルポ / ディーアイ
    • 特殊な光学サイトで壁ごしに敵を発見、周辺のアイテムの位置をレーダーに表示する通信兵 スペクター / パーティーガール
    • 移動が素早く、変装や透明化まで行える隠密性の高い偵察兵 ベクター / ウィロー
    • 味方、自らへの薬物を使った強化や治療を行う衛生兵 バーサ / ハーレー
    • ウイルスやスモークを用いて、ゾンビからB.O.Wまで操る感染者に特化したBC兵 フォーアイズ / ショーナ
    • 地雷や感知爆弾等を扱う爆弾のスペシャリスト、工作兵 ベルトウェイ / ツイード
  • マルチプレイ対戦モードでは以下のモードで遊べる。
    • TEAM ATTACK
      • 「U.S.S」「SPEC OPS」に分かれてチームの獲得XPを競う。XPはゾンビや敵チームを倒したり、味方を回復すると獲得でき、対戦時間である10分が過ぎるか、どちらかのチームの総獲得XPが4000に達したら終了となる。
    • BIOHAZARD
      • G-ウィルスサンプルを奪取し、相手チームより先に5個のG-ウィルスを基地に持ち帰るのを競う。相手より先にG-ウィルスを5個回収するか、制限時間内に相手チームより多くG-ウィルスを数多く回収していたチームが勝利となる。
      • サンプルを所持しているキャラは、ダッシュの距離が短くなり、ゾンビに狙われるようになるので、いかに味方と連携して上手くサンプルを運搬するかが重要となる。
    • HEROES
      • ヒーローキャラを使って対戦するモード。U.S.S.側はハンク・エイダ・ニコライ・ローンウルフを、SPEC側はレオン・ジル・クレア・カルロスから選択し相手のヒーローキャラを全滅させるか、タイムアップ時により多くのヒーローキャラが生存していたチームの勝利となる。
      • ヒーローキャラは倒されると復活できず、リスポーン時は通常兵を使用することになる。このルールのみ体力が非常に高く設定されている。またヒーローキャラのアビリティは、各キャラ独自の構成となっており、ヒーローキャラに対してブルータルキルを決めることはできない。
    • SURVIVOR
      • 残り時間6分前後でヘリの接近連絡、残り時間が4分前後になると到着する救援ヘリに乗り込み、生き残ることが目的のモード。一応チームは分かれているがヘリの座席は4人までとなっているため、それらを敵味方問わず奪い合うので実質個人戦となるモード。
    • NEMESIS MODE
      • 360版限定のモード。拠点を奪い合い、配置された拠点を占拠し続ける事ポイントを獲得していくルール。対戦時間は15分、または確保ポイントが250ポイントに達すると終了。
      • 各ステージにネメシスが徘徊するようになり、ステージに配置された制御端末を操作する事でネメシスを味方につけることが出来る。いかにネメシスを奪えるかが勝利の鍵となる。

評価点

  • キャラを自由に移動させつつ、同時に射撃することも可能な「走って撃てる」TPS仕様のシステムとなった。
  • 下の「問題点」に記載がある通り珍妙な邦訳が目に付くものの、日本語版の声優は洋画の吹き替え経験も多い中堅~ベテラン勢が大半なので、演技そのものに概ね問題は無い。他の吹き替えでは原語ボイスを流用されやすい戦闘中の言葉にならない掛け声も吹き替えているなど、仕事自体も丁寧(ただし後述するが一部問題あり)。
  • 本家シリーズのラクーンシティに出現したクリーチャーが全てではないが登場する他、リメイク版『バイオハザード』のクリムゾンヘッドも登場する。
    • 本作オリジナルクリーチャーも登場。パラサイトは小さく素早い為的が絞りにくく、ゾンビや主人公達に寄生しようとする難敵。さらにパラサイトに寄生されたゾンビやタイラントも登場する。
  • プレイアブルキャラクターは全員オリジナルだが、レオンやジルなど『2』や『3』のキャラクターも登場し原作キャラクターが集う「HEROES MODE」でプレイアブルキャラクターとして使用可能。
    • 人気のあるアンブレラ工作員ハンクはキャンペーンモードでは序盤でプレイヤー達と共に行動する。
  • BGMは良曲が多い。ボスに対して専用の物はもちろん、原作BGMのアレンジも収録。
  • 原作の要素をなるべく拾おうとしている点は評価できる。
    • ストーリーの都合上構造が変わったりもしているが、ラクーンシティの再現度は概ね良く『2』で登場した「ケンド銃砲店」も存在。
      • 新たにデザインされた場所もあり、過去作では行けなかった場所へ行く事ができるのも評価できる。
    • 武器も過去に登場した物*1を使ったり、過去の2Dの画像から3Dの武器を書き起こしたりと、かなり拘っている。
    • 設置されているモニターや電球はその殆どが破壊できる。特に意味は無いが、ステージには相当力を入れている。

問題点

ゲーム本編

全体的に調整不足な出来栄え。

  • まずキャンペーンが既に悪い。
    • AIが莫迦過ぎる。プレイヤーの射線上に出てきて邪魔をしては勝手に死ぬ。そのくせこちらの弾が当たると文句を言ってくる。シェバの方が余程役に立つ。
    • キャンペーン中に落ちている回復アイテムや、クリアランクに関わるアイテムなどはオンラインマルチプレイになっても数が増えたりせず入手した人の早い者勝ち。やりこんでいる猛者がアイテムを独り占めしたり、アイテムを回収して退出するなどのいやがらせ行為も横行した。
    • 欠片ほどもサバイバル要素が感じられない。死亡時の蘇生はHP半分、最初に選択した武器、手榴弾と多くの装備を持って復帰できるため、わざと死んで蘇生してもらうことで装備補給するのも有効。プレイヤー側が最早ゾンビと化している。これに対してデメリットは死亡数がカウントされ、クリア時のランクが下がるだけ。
      • 感染システムも徐々にHPが減りゾンビになってしまう…と言えば聞こえはいいが、対ウィルススプレーを吹きかけるだけで完治してしまう。HP減少もわずかであり、回復アイテムでいくらでも抑えられる。むしろ感染中は防御が上がる効果があり、「対戦時にはわざと感染して戦うと有利」というめちゃくちゃな状態。
    • 加えてバグまである。
      • 音にエフェクトがかかったままになる”軽度なものから“敵が出現せず詰む”“ボスが異常に固くなり攻撃をほぼ無効化する”など様々。
    • 個々のステージがかなり長い。どのステージも平均で30分がノルマクリアとなっていて、途中で中断もできない。チェックポイントも少ないのでボス戦や敵とのラッシュで全滅すると最初からやり直しとなり、40分ぐらいまで掛かることがほとんど。ここにバグなどの詰みが重なると、もはや目も当てられない。
  • 難易度の調整が乱雑で、敵が非常に固い。クリーチャーならともかく通常の武装兵であるSPEC OPSやU.S.S.の隊員たちでさえヘッドショット一発では倒せない。
    • 硬い敵の例として、U.S.S.側の最高難易度ラスボスは頭を何度撃たれても倒れず、一発で致命傷、二発で死亡する攻撃を遠距離から連射。真正面から戦った場合確実に勝てないバランスになっている。倒す為には狙撃や後述のダウンハメをするしかない。特にDLCのSPECシナリオではこのレベルの敵が次々に出現する。
    • 特に凶悪なのはハンター。群れで出現した後、非常に高い体力、執拗な連続攻撃に後述のダウン攻撃を持ちあわせており、取り囲んで確実にプレイヤーを追い詰める。さらにハンターが空中から投下された際のタンクも凶悪で、プレイヤーを探知すると物凄い速度で落ちてきて大ダメージを与えてくる。難易度が上がると最終的には回避困難な即死級のダメージを与えつつ「ダメ押し」と言わんばかりにハンターが出現する。
      • 対策としては、コントロールエネミーで完全に手駒にする。これだけ。クリーチャーに有効な火炎放射器もあるが、火炎の被弾をも無視して突っ込んでくる事がある。
      • その強さはゲーム中でも五本の指に入り、ステージボスをも凌駕する。ハンター戦で何度も全滅を味わわされ最終的にマルチプレイから抜けていくプレイヤーも多い。
    • 難易度も引き上げればフレンドリーファイヤー追加に敵が異常に固くなるだけであり、シナリオの内容が変わったりはしない。ただ薄いシナリオをひたすら繰り返してプレイするだけである。
    • SPECシナリオではこれらに加え、より強力な装備をしたU.S.S.兵士や、殆どのアビリティが通用しない兵器類、ただでさえ厄介だった本編のボスが集団で出現。その上でより面倒なギミックを操作し、ボスの撃破もイベントを待つ必要があったりと、非常に苦痛。
  • 敵が尋常じゃなくタフなので、一発の攻撃力が高いためゾンビを一撃で倒せるショットガンがほぼ必須。他は「ほとんど役に立たない」と言ってもいい。
    • ショットガンの中では最高難易度のゾンビも一撃で倒せて、リロードと連射も早いセミオートのライオットガンが群を抜いて強力。ゾンビを倒す事が多いキャンペーンでは必須レベルであり、4人共ライオットである事も多い。それ程に抜きん出ている。
    • これに加えサブウェポンであるサムライエッジも非常に強力。連射力と威力が非常に高いので、これとDF*2を組み合わせれば大抵の敵は一網打尽にできてしまえるほど。対人戦でも乱用されており、プレイヤーの間で荒れる要因の1つとなっている。
      • 上記以外の武器は性能が低くて使い物にならない物が多い。ポンプアクションは連射が非常に遅くゾンビの群れに対応しきれず不遇。さらにDLCで購入する有料ショットガンもそのほとんどがライオットガンに劣ってしまう。
      • ハンドガンもサムライエッジ以外は連射力、威力共に異様に低い物がほとんど。原作では強力であったはずの威力重視のマグナム銃は最高難易度のゾンビすらまともに倒せない始末。結果的にゲームバランスはめちゃくちゃ。
    • 敵の硬さに比べて所持できる弾数が少ないため、補給を受けづらいミッションや連射系の武器の場合、弾不足が深刻になりがちであるのもマイナス点。
  • また、敵の攻撃を受けるとこちらが吹き飛ばされてダウンすることがあるが、起き上がりにいちいち時間がかかる上、この間に無敵時間が存在しない。
    • ハンターに吹き飛ばされた後、再度ハンターに袋叩きにされ、ハメ技で即死させられることも少なくない。自力での脱出は不可能で、このダウンハメはプレイヤー同士の対人戦でも使えてしまう。
    • アップデートでダウン中に再度ダウンしないようにされたが、起き上がりに時間がかかる点は変わってないため、対人(特にHEROES)ではやはり敵を転倒させて追い打ちを仕掛ける戦法が強力である。
      • これを回避するには不格好なステップを繰り返し、床に何度も寝そべり敵のダウン攻撃を無効化するしか無い。『DMC2』か。
  • 味方との意思疎通を取る手段がボイスチャットぐらいしか無いため、アイテムを譲ることすらも難しい。
    • キャンペーンの難易度が上がるとフレンドリーファイヤーが発生する事もあって、敵もろとも突撃した味方を爆殺してしまう事も。
      • 3年前の『5』では互いに指示を出すだけではなく感謝の気持ちを伝えることもできたのだが。
  • 上記に記した様に、一部無視されたクリーチャーがいる。ゾンビ改やリッカー改などのマイナーチェンジはいいにしても、クロウやイビーやドレインディモスの様に特徴的なクリーチャーが未登場なのは…。
    • さらに、クリーチャーを削ったせいで出て来る敵がほとんど代わり映えせず新鮮味にも欠ける。
    • ゾンビ犬は登場するものの出現箇所が少なく影が薄い。さらにハンターはβ型・γ型ではなく、なぜか洋館事件のα型である。
      • ハンターγ型については、設定の都合上出現回数が限定されても違和感はさほどないのだが…*3
  • 兵種のバランスが悪い。強力なスキルが一部の兵種に集中している。
    • 突撃兵
      • リロード速度上昇、射撃ダメージ軽減、弾数無限化、火炎弾、スーパーソルジャーと5つのスキルが全て戦闘用で、対人戦では必須レベルのぶっ壊れ。その強さでクリーチャーも十分圧倒できる。「スーパーソルジャー」が最大で攻撃力50%上昇に加えて5回まで攻撃無効と破格で、効果時間も60秒と突撃兵セレクトアビリティの中でも最長の効果時間を誇る。他2つのスキルも優秀なのだが、スーパーソルジャーが強力すぎる為選ばれにくい。
    • 衛生兵
      • 自身の回復量上昇、回復アイテムである救急スプレーを最初から所持できる回復系のスキルから、感染者に大ダメージ、自分にも味方にも使えるダメージ90%カットの戦闘向けスキルまで完備。専用ブルータルキルでは不足しがちの回復アイテムであるハーブを生み出すことまでできる。回復役の皮を被った万能型兵種であり、対人、キャンペーンどちらでも活躍できる強職。
    • 工作兵
      • 爆発物でのダメージ減少、地雷解除、セレクトアビリティは全て爆弾と極端なまでに爆弾揃い。キャンペーンでは難易度が上がると味方にフレンドリーファイヤーが発生してしまう仕様のため、まず真価を発揮できない。あまりにもゲームシステムに噛み合ってない性能故に採用率も異様に低く、よくて初心者が使う程度。
      • 専用アビリティの地雷解除も使う機会が少なく、地雷は兵種に関係なく発砲でも壊せるため不要。専用ブルータルキルは爆弾を口に入れて相手を蹴り飛ばし数秒後に爆発とモーションが長く、この間無敵はまったく無い。むしろこちらが即死する危険性も出て来る。
    • 通信兵
      • アイテムのマップ表示や、広域の敵探知を可能とする。特に対戦では猛威を振るう。反面、それしかできない。
      • アイテムの位置は変わらないので、何周かすれば位置を覚えられる。敵の位置も同様。キャンペーンで選ぶ意味はほとんど無く、工作兵と並ぶ弱兵種。
    • BC兵
      • クリーチャーを操ったり、ウイルスを兵士に打ち込んだりと薬物と感染をコントロールする兵種。
      • クリーチャーに対しては完封できるのだが、スキルが通じないと通信兵と同じく、仕事が無い。特定のステージでは必須なのが救い。
    • 偵察兵
      • 足が速くなるステルスランに加え、敵のミニマップ上に表示されなくなるシャドウムーブのアビリティを持つ。どちらもキャンペーンではそれほど役に立つアビリティではないが、対人戦となれば猛威を振るう。体力の低いルールなら背後から忍び寄り上記のサムライエッジ+DFで瞬殺する戦法が非常に凶悪。
      • 足が速いためHEROESでも逃げようとするヒーローキャラを追いかけるのにも有用など活躍の場を選ばないため、対人戦では非常に厄介となる兵種。
  • 対戦モードもバランスが崩れているため“暗黙の了解”がユーザー間で存在している始末。
    • 具体的にはグレネードランチャーや突撃兵のアビリティ「スーパーソルジャー」などの存在が大きい。前述のとおり吹き飛ばされると起き上がるのに時間がかかるためグレネードランチャーで相手を吹き飛ばして集中砲火する戦術が強力であり、グレネードランチャーはマップの固定位置に配置されるためルールにもよるが配置地点に籠る戦術が多くなった。
      • アップデートで弾数が減らされたが、威力は変わってないので依然として強力なまま。これにより弾数を無限化するガンズブレイジングと組み合わせて使用する戦法が横行した。
      • DLC武器だが、劣化グレネードランチャーのクラシックランチャーも存在。ただでさえ凶悪な武器をメインウェポンとして装備できることもあってバランス崩壊に拍車を掛けている。
    • HEROESモードではヒーローキャラのスキルが独自の構成になっているが、明らかにSPEC側が優遇されすぎている。
      • SPECはヒーローでは唯一のスーパーソルジャー持ちかつ高性能レーダー付きのレオンに、突撃兵と工作兵を混ぜたカルロスと実質突撃兵が二人いるような物。移動速度の速さに加え、強力な爆発アビリティで攻撃できるジルにサポートに特化したアビリティを豊富に備えるクレアも非常に強い。
      • 対してU.S.S.側のヒーローはアビリティが1つ変わった以外は工作兵と同じニコライ、移動速度は速いが攻撃向けのアビリティに乏しいハンク、突撃兵とBC兵のアビリティを持ちながらクイックリロードもなく、対戦では必須のスーパーソルジャーを持たないローンウルフ。このためスパソル持ちが1人もいないと明らかに不利。唯一エイダだけが攻守共に優秀なアビリティを備えている有様。
    • オンライン上でのラグも酷く、いつまでたっても対戦が始まらないことやフリーズなど日常茶飯事であり「対戦」という意味では最低レベルの状態。
    • さらに違う兵種のアビリティが使えるバグ技や特定の地形に入ると完全無敵になる致命的なバグまでもが存在しており、これらのせいで現在の対戦環境は非常にカオス。公式は修正する気が全く無いなど最早擁護不可能。

演出面とシナリオの目立つ雑ぶり

  • 一部原作キャラクターの違和感のあるキャラ描写。
    + ネタバレ
  • あるチャプターでニコライが登場し、戦うことになるのだが、途中で唐突に「奴は目標ではない」と司令部に諭されて戦闘が強制終了してしまう。ならば戦わせる展開にした意味は?文字通りの骨折り損である。
    • ニコライは原作ではOPにてゾンビの集団に襲われ驚愕する場面があったり、本編でも展開次第によってはゾンビの群れに襲われ悲鳴を上げる場面があったりするなど、B.O.W.に苛まれている描写が目立つのだが、本作では「ちょっとしたオモチャを用意した」と言ってゾンビの群れをけしかける場面があるなど、なぜかB.O.W.の司令官的な役割になっている。
  • キャンペーンモードにおけるU.S.S.編終盤のストーリーの雑さ。
    + ネタバレ
  • 終盤に選択肢によるストーリー分岐があるのだが、どちらを選んでもチームが分裂する。しかも選択肢を選んだ直後に敵味方に分かれて戦闘する内容で、分裂に至る過程の描写は一切無し。選択肢も分裂を意識させるものではないためプレイヤーは完全に置いてけぼり。
    • 仲間割れ後の戦闘シーンには「そちらの判断はおかしい、こちらに付くべきだった」などの会話が行われるが、やはりそこに至るまでの過程が無いので唐突さが否めない。
      • これに関しては選択、パートナーキャラの分だけ諍いのムービーを作る必要があったのであえて省略したともとれるがそれなら態々こんな展開にしない方が良かったのでは?
    • 何度も無茶な任務を押し付けられ、脱出を賭けた最後のチャンスを与えられたU.S.S。どのキャラクターも「生き延びるために何か策を練らなければ」と言うが、展開次第では突然「任務を達成して欲しければ契約の3倍の報酬を出せ」といくらなんでも無茶な取引を要求*4。司令部には完全に見捨てられてしまい、自力で脱出せざるを得なくなる。
      • ただし、「仕返しのために任務を放棄した」という旨の発言もあるため、元々アンブレラと手を切るつもりで交渉を吹っ掛けたともとれる。
      • なお、選択によっては原作キャラのレオンとクレアを殺害するエンディングも存在するが、敵として登場するレオンが非常に強いのでこの結末を見るのは至難の業である。
  • ボイス。
    • 日本語吹き替えを実装しているのはいいが、戦闘中のセリフに一部原語ボイスが混じっていたり、なぜかキャラA(マスク装備の中年)の戦闘ボイスを全く声質の似ていないキャラB(マスク非装備の若者)に使い回していたり*5と、上記の誤訳以外にも違和感を覚える部分がある*6
      • 敵にグレネードを投げ込まれて「爆発物!」と叫んだり*7、「エコーシックスは動き出す」など某字幕翻訳家を彷彿とさせる珍訳も散見される。
    • リベレーションズ』とは違い日本語ボイスと日本語字幕が合っていない箇所がある。SPEC OPS編で顕著。
      • 文字数の都合もあるのだろうが、あまりにも不自然さが目立っている。これは後の『リベレーションズ2』でも改善されていない。

その他

  • DLCは追加シナリオだけでも定価で購入した場合、本体6657円+DLC2000円=8657円。今は兎も角当時としては非常に高額。細かな部分では色違いの追加コスチュームでも金を取る。ネメシスマルチプレイモードに至っては、何故か360のみでの専売。
    • 「SPEC側のストーリーは1話以外は有料DLC」という、PV詐欺*8+ぼったくり商法。バンナムの真似っこか?

総評

『バイオハザード』の世界で銃の撃ち合いをする事を重点にしたのは良かった。
しかし、いかんせん作りが甘く『バイオハザード』としてもサバゲーとしても質の悪い物となってしまった。
パラレル設定なのが救いだが、何としてでも『バイオハザード』シリーズの全作品をプレーしたい、というプレイヤー以外は買わないほうがいいだろう。


余談

  • U.S.S.の偵察兵であるベクターだが、実は日本人という裏設定がある。実際、欧米人が中心*9のU.S.S.他メンバーと比べるとベクターは小柄な印象を受ける。
  • 本作にはどれだけプレイしたかを示すランクがあったが、最高位であるランク100に到達するとゲームがフリーズ。やり込めばやり込む程遊べなくなるバグが存在した。現在は修正済み。
    • ランク99から100に上がるのに必要な経験値が異常に多いので到達者は少なかったが、泣く泣くプレイできなくなる被害者も多かった。
  • Slant Six Gamesは当初レビューで散々酷評された際も「みんなも気に入ってくれる」と何故か強気の姿勢を見せていたが、会社の経営にかなりの負担を掛けたのかほとんどの開発者に対して一時的な解雇である“レイオフ”を行った*10
    • 結局の所、本作は制作会社も認めた大失敗作となってしまい、Slant Six Gamesも2013年6月の時点で活動を終了したとの説が濃厚(参照)。
  • この様な有様の本作であるが、『バイオハザード』というネームバリューのおかげか同時期に発売された同社の『Dragon's Dogma』や、翌年に発売された同じく海外受注のシリーズ作品である『DmC Devil May Cry』より多い販売本数を叩き出している。

その後の展開

  • 後に、本作と同じく化け物だらけの空間で銃の撃ち合いをする事に重きを置いた『バイオハザード アンブレラコア』が発売された。
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最終更新:2023年11月25日 19:55

*1 舞台である『2』『3』に登場した物はもちろんのこと、『4』『5』に登場したライオットガンやライトニングホークも登場する。

*2 ディレクショナルファイア。L2でハンドガンを構え自動で近くの敵の弱点を狙ってくれるシステム。

*3 γ型は乾燥に弱く湿度の低い場所での活動が不可能であるため。実際、『3』では、β型に比べγ型の出現回数は非常に少ない。

*4 ただし、アンブレラは自社の社員幹部の人命すら軽視しており任務失敗や意に添わなければ平気で殺されたり粛清対象になる会社である。重要ターゲット確保の放棄は司令部側も監督、連帯責任で粛清される危険があり、その点を突いて揺さぶりをかけたともいえる。

*5 そのせいでマスクを着けてもいないのに籠ったような声になっている時がある。

*6 原語版でも戦闘ボイスの使い回し自体はあるが、籠った声ではないし声質もさほどギャップがないので日本語版程違和感はない。

*7 味方に「グレネードが爆発するから伏せるなどの対処をしろ」と知らせるための叫びを直訳してしまっている。本来なら無理に訳さずそのまま「グレネード!」とするか、「伏せろ!」などの意訳が妥当。実際敵CPUは「グレネード!」と叫んでいる。

*8 PVではU.S.S.対SPEC OPSの対決が確認できるが、本編のストーリーではまったく接触しない。

*9 一応、BC兵のフォーアイズも日系人という設定ではある。

*10 アメリカのレイオフは自動車会社のような伝統的な物で無い限りは、再就職は絶望的。実質的な解雇通告である。