実況パワフルメジャーリーグ2/実況パワフルメジャーリーグ2 Wii
【じっきょうぱわふるめじゃーりーぐつー】
ジャンル
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スポーツゲーム(野球)
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対応機種
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プレイステーション2 Wii
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発売元
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コナミデジタルエンタテインメント
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開発元
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コナミデジタルエンタテインメント (パワプロプロダクション)
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発売日
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2007年10月4日
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定価
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7,329円(税込)※Wiiも同様
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判定
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なし
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ポイント
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ボールの回転が見える サクセスは自称手軽に遊べる運ゲー パワポケのパロディ要素が強い
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実況パワフルプロ野球シリーズリンク
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概要
「パワメジャ」こと、『実況パワフルメジャーリーグ』の2作目。2007年シーズン中盤のデータを元に作成されている。
モード概要
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シーズン…最長で10年までプレイ出来るようになった。また条件を満たせばアレンジチームのMLB参加も可能。
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サクセス…大学野球編。強豪と勘違いして弱小大学に入ってしまった主人公が一発逆転でメジャーを目指す内容。
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筋トレをこなした後に休むことで筋力経験値にボーナスが入る「超回復」、野球以外の行動がゲーム進行に好影響をもたらす「サブスキル」、重要な場面で手持ちのカードを使い切り抜ける「運命のカード」といったシステムを取り入れている。
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弱小校のパワフル大学しかチームを選べない代わりに、ゲーム中のカードによってストーリーが三編に分かれる。
同期ライバル「
アルヴィン・ロックハート
」と共に逆転優勝を目指すルート、自らがキャプテンとなり
負けたら廃部
の覚悟でチームを率いるルート、メジャーリーガーの幽霊「
レジェンド・ウィリー
」と戦ったり協力したりしながら優勝を目指すルート…となる。
ランダムイベントも、カードによる分岐とランダム分岐とが合わさり複雑な展開を見せる。
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1年目はシナリオの都合で強制的にリーグ戦敗退だが、2年目の試合でライバル校に勝つと全国大会に出場できる(逆に負ければ何もなし)。
3年目に全国優勝すれば2007年当時のメジャーリーグオールスターと特別親善試合が待っている。…って「いじめ」じゃないのかこれは。
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アレンジ…守備位置や所持能力などで目当ての選手を検索できるようになった(ただし現役選手のみ)。シーズンモードでの選手獲得でも同様。
特徴・評価点
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本家パワプロ14と同じく、キャッチャーウインドウを廃止して打撃画面で投球カーソルとミートカーソルが両方表示される方式。
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ミートカーソルを強振にした時に「バットの影」が見えるようになった。
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投球した時に「ボールの回転」が見えるようになった(オプションでの変更も可能)。
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ただし、なまじ球が見えるだけに、どちらも上方向に回転する速球とチェンジアップの見極めは難しい上、スライダー回転しながら落ちるVスライダー、変則的な回転でスライダー並にキレて急角度で落ちるナックルカーブは厄介度が増している。
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高めを強振カーソル真ん中で打つとボールに角度がつき過ぎてフライになりやすく、低めの場合はライナーになりやすい。
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打撃操作の「ロックオン」の精度が5段階になった。初期設定はロックオン2。
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ツーシームやカットボールが速球と同じような扱いになり、CPUは「よわい」でもフォーシーム(普通のストレート)の代わりに多投してくる。
メジャーは動く速球主流と言われているものを再現したものと思われる。
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音声演出の強化。
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前作は実在選手のスタジアム音声(パワプロで言うウグイス嬢)がフルネームしか対応しておらず、例えば「ジーター」と発音してほしい場合は「デレク・ジーター」の音声を「選択タイプ」で使うしかなかった(ジーターと検索タイプで入力した場合はスタジアム音声が無言になってしまう)が、
今回は「ジーター」と検索タイプで入力すれば使えるようになった(ただし例外も複数アリ)。
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一方でプレートアンパイア(球審)の声が変わっているため、ストラックアウト時やインフィールドフライ時のノリノリな「Yeah!!」はなくなっている。
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左から日本語、右から英語の実況が再生される「二ヶ国語実況」に対応し、臨場感が増した。
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7回裏の「セブンスイニング・ストレッチ」はカメラワークがゆっくりになり、曲が終わるまで観客席を映すように変更された。
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サクセスモードの爆弾は入院した時にランダムで発生する仕様に変化したため、入院さえしなければ怯える必要がなくなった。それ以外の仕様が悉く悪質なのだが…。
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多少勉強して学力が上がっていれば、たとえサボりぐせがあってもサボりイベントをブロック出来る。よって今回サボりぐせと爆弾は脅威にあたらないと言える。
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対メジャー戦を除けば、サクセスモードでもCPU投手の投球カーソルは表示される。ただし対メジャー戦に限って途中でカーソルが消える。
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試合経験点は「ルーキーのおまもり有」が素点で、おまもりがない場合に素点がプラス、それに試合での活躍度が上乗せされる形式。活躍すればおまもり有でも1試合で40点は取れる。
問題点
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前作までと比較して送球動作が遅くなり、特にダブルプレーが難しくなった。
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オート試合のシステムがかなりの打高になり、シーズンモードを回すと点取り合戦が続出する。
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やはりヤンキースの赤字が深刻。初期で既に贅沢税(選手個人への年俸制限を設けない代わりに、チーム全体の年俸が一定額を超えた場合に徴収される違反金)対象を大幅に超える20万の総年俸額。
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また本作からサクセス選手は年齢や実績に関係なく能力によってサラリーを要求するようになった。
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サクセスの一発勝負&運ゲー化。
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試合によって入る経験点が上述の通り高くなっている代わりに1シーズンに最低1回と減少。アマチュア編の伝統にのっとり負ければそこで終わり。
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ちなみに味方はゲーム進行次第で全員パワーFというくらい悲惨な弱さであり、打高バランスの本作ですらたまにシャットアウトされそうになる。シナリオ上エースとされているキャラでも燃える時は炎上する。
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継承要素全撤廃。強い継承選手を仕込んで試合に勝ちやすくする、などという行為は許されず一発勝負で選手を作らなければならない。古典的と言えば古典的だが…。
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運命のカードは、使うたびに別のカードが配られる仕組みのため常に全種類の絵柄を持っていられるわけではなく、同じ絵柄ばかりになることも珍しくない。
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何気なく選んだカードが病気や「後付けのセンス×」、さらに試合でゲームクリアに必要なスカウトの評価が全く上がらなくなるなどの凶悪な結果を招いてしまう初見殺しなイベントもあり、絵柄が偏ることで致命的なイベントを知っていても回避出来ない場合がある。
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加えて彼女とのデートでも頻繁にカードの選択を迫られる。特に告白の場面で適切なカードがなかった場合は、当然フラれる。
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ネタとして割り切るならば、面倒な事態にヤーベンを身代わりにしたりスカウトにヤーベンとの友情をアピールしたり彼女とのデートでヤーベンを乱入させたり愉快ではある。
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たまに練習メニューを入れ替えるイベントが起こる。項目によって一長一短だったりデメリットが大きかったりするが、一部例外を除いて入れ替え項目は指定出来ない上に、入れ替えを希望してもしなくても主人公がキャプテンになっていない場合はキャプテンに希望を無視されることがある。結局ランダムである。
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このせいで実入りの良いメニューを取り入れられなかったり、迷惑なメニューに替えられるのを止められなかったりしてしまい計画だてた育成が困難になっている。
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このイベントの影響から、3つのルートがあるにもかかわらず、入れ替えを妨害されないキャプテンルートで、なおかつ(運命のカード次第だが)入れ替える練習メニューを任意で決められる彼女「ベッキー・フォックス」との組み合わせが一強のような状態になっている。
ただしキャプテンの場合はリーグ戦敗退・即ゲームオーバーのリスクも伴うが、元々負けたら育成が終わりのバランスでもある。
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試合で活躍するだけではダメで、野球道具がないと特殊能力を得られないのはパワメジャと同じだが、今回は道具によって得られる特殊能力があらかじめ決められている。
さらにその中でどの能力が備わっているか、それ以前に能力がついているかどうかがランダムの上、買ってみるまで分からないという仕様。
アルバイトを繰り返してお金のサブスキルが最大レベルになれば買う前にどんな能力がついているか分かるようになっている。そんなにバイトしたら練習が疎かにはなるものの、サクセス全体で恐ろしく金がかかる仕様なので結果オーライかもしれない。
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練習でケガしやすい。体力100(初期値)を切っただけで故障率の計算が始まるため、1回練習しただけでケガ率3、4%となる。
打撃、コントロール、変化球、守備の練習は休まず連続で行うと技術ポイントや変化球ポイントにボーナスが入るのだが、故障率の仕様と明らかにケンカしている。パワリンのがぶ飲みか、故障率ヒトケタ%は無視するギャンブルに勝ち続ける必要がある。
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さらに軽いケガで病院に行くと低確率で入院させられてしまう仕様があり、尚更故障率0%以外は信用できなくなっている。
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安全に育成を進めるならば「最大体力を増やすアイテムや故障率を下げるアイテムを買い揃え、パワリンの在庫を確保してから」練習開始となってしまう。
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買い物出来るタイミングがランダム(月一回は来るがそれ以外は不定期)、売り物までランダム…とランダムづくし。対処法は欲しい品物があって所持金に余裕があればさっさと買うことくらいしかない。
売り物ランダム仕様はパワメジャ3と2009でも同様だった(むしろアイテム所持制限が厳しくなり買い物に1ターン消費と悪化した)。
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サクセスで作れる選手の水準が低い。
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上記の運ゲーを潜り抜けたところで有力選手の作成は非常に困難なものになっている。基本的にオールAは夢のまた夢。
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第一に超回復システムの代償に「筋力ポイントの消費が同じ時期に発売された作品の約1.8倍」という乱暴な調整が入っていたためである。
お陰で野手でパワーと肩力を同時にAにするのは普通型だと相当無理がある。
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逆に敏捷は超回復の対象ではあるが消費が平年並みのため、試合に勝てるならばあまりやらなくていい。というか筋力が足りなくてやっている暇がない。
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頼みの綱の超回復だが「オーバーワーク」が存在し筋力系の練習をやり過ぎると発生しないため、慣れていないとろくに活用も出来ずゲームが終ってしまう。
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さらに投手の場合コントロールを上げるのに使う技術点の消費も激しいのだが、初期の技術系練習が貧弱そのもので、練習入れ替えの当たりを引かないとお話にならない。
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変化球だけは覚えやすいが、それ以外の投手能力が上げづらく技術点が足りない。
賛否両論点
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サクセス固有選手の能力が全体的に低い。
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天才キャッチャーと称されるリーグ戦のライバル、パトリック・ゲイナーでも基本能力はミートCで他はD止まりである(特殊能力は打者威圧感や満塁男と豪華だが)。
表のラスボスである「チャンピオンリングス」のゼロ・ギブソンにしても最速152kmでツーシーム合わせて4球種を誇るが、コントロールとスタミナがC止まり、野手能力もパワーDで他が全部Cと半端である。
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舞台が大学野球なので現実的という意見もあるようだが、本家パワプロと比べて見劣りする。
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だが、一部ルートでのみ登場するウィリーは155km、コントロールBスタミナA、ツーシームと合わせて4球種総変化量16、野手能力もBABABBかつAH、PH、満塁男と本作基準では図抜けた実力を誇る。ピッチャーとしては奪三振やノビ4などがなく、速球中心と若干穴があるが。
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そして概要で述べたとおり全国優勝のご褒美は、現役メジャーリーガーによるイジメ。しかもものすごい攻撃力偏重のラインナップであり、プホルスやマニー・ラミレスやA.ロッドなんかが並ぶ打線を大学生がどう抑えろと…。
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なお、この「表のライバルキャラやボスキャラは言うほど強くないのだが、裏ボス的存在が無茶苦茶に強い」という妙な伝統は『パワメジャ3』のシッチ・ダヴォーにも受け継がれた。
総評
野球部分の進歩は見られるのだが、サクセスのクセが非常に強い上に育成が難しいことが大不評となってしまった。
余談
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『パワポケダッシュ』のシナリオスタッフが今作に関わっているためか、ダッシュの彼女候補「才葉さくら」がくれる誕生日プレゼントと、今作の「サラ」がくれるクリスマスプレゼントがほとんど同じである。
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ついでにサラのキャラも「オーバースペックなすごいカメラを発明してしまった父親を持つが、大きなカメラはお呼びでない時代であり借金取りに追われる日々」というパワポケ風の設定になっている。
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続編ではパワポケ6の彼女とデート内容がほとんど同じキャラもいる。
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攻略本によるとシナリオを一つに絞って手軽に遊べるようにしつつ、運命のカードなどによってプレイするごとに違う展開になることを期待した、とのこと。
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継承システムがないのもシステムが複雑すぎて初心者の手に負えないのを避けたため、らしいが、従来の継承選手は初心者救済の要素もある。
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また「サクセス選手はあくまでルーキーリーガーだから、オールAはダイジョーブが成功してギリギリのレベルにした」と言っている。
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海外では『MLB PowerPros』の名で発売されている。
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しかしパワメジャ3に先駆けてサクセスキャラのグラフィックを試合画面で再現、2009に先駆けて全選手の顔再現とエディットモード実装がなされており「海外完全版商法」のような状態となってしまっている。
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当然海外規格のPS2かWiiを手に入れないとプレイできないので厳密には「商法」ではないが。
最終更新:2024年05月10日 21:15