本稿は2020年9月16日時点(『Splash』アップデート以前)を基準としています。
2020年9月17日以降の状況については別ページ(Splash / UNiVERSE)を参照してください。


maimai でらっくす

【まいまい でらっくす】 

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
使用基板 ALLS HX2
発売・開発元 セガ
稼働開始日 無印 2019年7月11日
PLUS 2020年1月23日
プレー料金 通常プレー:100円(1台につき2人まで)
フリーダムモード:200円(1人プレー専用)
でらっくすパス:100円~300円(CARD MAKERでの購入)
判定 シリーズファンから不評
ポイント 筐体新調による旧バージョンとの微妙な差異
旧バージョンからの引継ぎが限定的
非常におとなしいCARD MAKER要素と非常に薄い有料コース特典
ゲキ!チュウマイ
maimai(旧筐体): 無印 / GreeN / ORANGE / PiNK / MURASAKi / MiLK / FiNALE
maimai でらっくす: でらっくす / Splash / UNiVERSE

概要

2012年に登場した『maimai』だが、6年以上稼働を続けているうちに筐体の保守面などで限界を迎えていた。
それへの対処を検討した結果、ちょうど7周年となる2019年7月11日に新基板「ALLS HX2」*1を搭載した新筐体で新作が稼働することになった。

本稿では2020年1月23日にアップデートされた『maimai でらっくす PLUS』における変更点も含めて記述している。

基本システムの変更点

  • 基本プレー曲数が固定に
    • 店舗側で設定可能だったプレー曲数が、全ての筐体で固定になった。
    • 1人プレーでは基本的に1プレー3曲。ただし、「ゲキ!チュウマイ-NET」のスタンダードコース特典でその日初回のプレーだけ4曲プレー可能。
    • 2人プレーでは毎回4曲プレー可能。
  • HOLD終点判定の仕様変更
    • HOLDを途中て離してしまっても、押し直すことができるようになった。
      • 一度でも離してしまった場合、押していなかった時間に応じて判定が下位のものになる。*2
    • HOLD終点のより正確なタイミングで離す必要がなくなった。
      • これらの変更により高スコア取得に関しては前作までよりほんの少し易化している。
  • 『FiNALE』までのスタンダード譜面における「MASTER」「Re:MASTER」は全て無条件開放された。
    • 本作以降のでらっくす譜面に関しては従来通り「EXPERT」以上でSランクを取ると開放される。
  • EASY譜面が無くなった。そのためかBASIC譜面にてLV1の曲が登場している。
  • ちほー
    • 『CHUNITHM』のマップシステムとほぼ同じで、キャラクターレベルとプレイ内容に応じてマップを進行して行き、キャラクターや楽曲を解禁出来る。
      • あちらとは違いゴール地点の課題曲は無く、ゴールした時点で解禁され、余った進行数は次のマップに持ち越される*3ので、クリア出来ず足止めされるといった事は無い。
    • 「はじまりのちほー」をコンプリートすると「でらっくすちほー」が解放される。このちほーはキャラ解禁こそあれどその距離は非常に長く(2019年10月現在10万m/100万~500万m(100万m単位)/1000万m)、覚醒目当てにレベルを上げたいキャラを(ほぼ)確実に1プレー通しで使うという用法もある。
    • 『PLUS』では「はじまりのちほー」「BLACK ROSEちほー」「でらっくすちほー」に2が登場。「はじまりのちほー2」をコンプリートすると「でらっくすちほー2」が、「BLACK ROSEちほー」コンプリートで「BLACK ROSEちほー2」が開放される。
      また、『PLUS』では同じちほーの別マップ追加という形で、先に実装されたちほーをコンプリートすると開放されるちほーもある。
  • レーティング及び段位関係
    • レーティングの計算式と表示方が変わり、最大5桁の数値で表示されるようになった。
    • 段位は従来の課題曲形式から、全国のプレイヤーの記録を競う「オトモダチ対戦」によって段位が変動するようになった。
  • スコア関係の変更点
    • 本作のスコアは以前からある達成率(とそれによって決まるランク)の他に新規のでらっくスコアが登場、旧来のスコアは廃止された。
      • 達成率は理論値が101%に揃えられ、判定評価で100%+BREAKの精度で1%という形になっている。『FiNALE』からのデータ引継ぎでも同様の形で換算される。
      • ランクに関しては基本的に同じだが、SSSが達成率100%以上100.5%未満に変更され、その上(達成率100.5%以上)にランクSSS+が追加された。*4
      • でらっくスコアは積算式(満点が譜面によって異なる)のスコアで、CRITICAL PERFECT(後述)の割合も反映されるため、同じ達成率101%でも異なる値になる。
      • 『PLUS』では1~5個の+マークが表示されることがある。
  • CRITICAL PERFECT判定
    • 特に精度のいい(2600点BREAK相当)PERFECTがCRITICAL PERFECTとして判定されるようになった。
      • 達成率はBREAK以外PERFECTと変わらないが、でらっくスコアには影響する。
        BREAKについてはCRITICAL PERFECTだと「1%/総BREAK数」が上乗せされ、PERFECTだとズレ具合によって下方修正*5される。
      • デフォルトの状態ではBREAK以外はリザルトに表示されないが、オプションで切り替えることができる。
        PERFECTにFAST/LATEを表示することすら可能。真の満点であるALL CRITICAL PERFECTを狙う廃人超上級者向け。
      • オプション設定はCRITICAL PERFECT表示有無(数字で表記)とFAST/LATE表示有無(英字で表記)の組み合わせで表記されている。
        CRITICAL PERFECT表示有無 - 1:BREAK限定 2:全ノート対象、PERFECTへのFAST/LATE表示なし 3:全ノート対象、PERFECTへのFAST/LATE表示あり
        FAST/LATE表示有無 - A:表示なし B:判定と同時表示 C:判定のみ表示、FAST/LATEは表示色(FAST:青 LATE:赤) D:FAST/LATEのみ表示 E:B+BREAKのPERFECTに対するFAST/LATE表示(『PLUS』で追加)
      • ALL PERFECTは全てPERFECT以上で成立する。その上位版のALL PERFECT+は達成率101.0000%、つまりBREAKが全てCRITICAL PERFECTであるALL PERFECTとなる(BREAK以外はALL CRITICAL PERFECTでなくてもよい)。
  • オトモダチ対戦
    • 他のプレイヤーのスコアデータと対戦を行う。他機種で言えば『REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』における「闘いの記録」のようなもの。
    • 任意で譜面難易度を上げて挑むことも可能。
    • 対戦相手の記録に勝てば段位のポイントに加算され、一定ポイントで昇格しレーティングにも反映される。
      • 『PLUS』では初段以上は昇格ボス戦が追加された。また、これに伴い『PLUS』への引き継ぎ時には初段が上限となっている。
    • 相手の名前はランクのみの表示となっていたが、『PLUS』へのアップデートに先立って2020/1/16よりプレイヤーネームが表示されるようになった
      • 『PLUS』では対戦相手の強さ表示という形で目標ランクが表示されるようになった。対戦相手のスコアデータが100.5%以上だとMAXと表記され、SSS+が絶対条件となりそのランクでも負ける可能性がある。
  • フリーダムモード
    • 2クレジットの支払いで10分間自由にプレーできるモード。1人プレー専用でもう一方には残り時間が表示される。
    • 10分経過時にプレーしていた曲が終わったとき*6、もしくはエントリーしているAimeをリーダーにかざすことで終了する。
  • でらっくすパス
    • 本バージョンよりmaimaiもCARD MAKERに対応。その内容は「でらっくすパスを発行し、それを読み込ませることで特典を得られる」というものになっている。
    • 通常プレー用のものは効果の大きさによってBRONZE(100円)/SILVER(200円)/GOLD(300円)のランクがあり、いずれかを選択する。なお、2人プレーで両プレイヤーが同ランクのものを使用すると効果が強化される(一時的に1ランクアップ、GOLD×2人だとこのとき限定のPLATINUMとなる)。
      得られる効果は「ちほーの進行距離ボーナス(ランクごとに伸び幅が異なる)」「MASTER譜面全曲一時開放(GOLD以上限定)」「RATING対象曲表示およびRATING対象曲カテゴリ開放(GOLD以上限定)」。
    • フリーダムモードのプレー時間を延長する物(10分→12分)もある。こちらの値段は300円、「MASTER譜面全曲一時開放」「RATING対象曲表示およびRATING対象曲カテゴリ開放」も適用される。
    • 有効期間は発行日当日を含む15日間、および発行した時点のバージョン内*7
    • 一度読み込ませれば期間内は再度読み込む必要はなく保存されているパスを選べばよい。また、同バージョン稼働期間中は同ランクのものを再度印刷すると自動的に更新されている模様。
      • 期限切れのものを選んでも極小のちほー進行距離ボーナスはある。
    • 絵柄は定期的に入れ替わるため、ある種のコレクション要素にもなっている節がある。
      • 300円のもの(GOLD、FREEDOM)はホロ印刷である。
      • 『PLUS』では最新のキャラクターのみ入れ替えとなり、無印で登場したキャラも含めて任意に選べるようになった。
        ただし、通常プレー用パスのキャラをフリーダムパスにしたり逆のことはできない。
  • 撮影機能の変更点
    • 動画撮影は不可能になった一方、プレイヤーアイコンや楽曲プレー終了後の決めポーズが撮影可能になった(後者は「記念撮影」と称されている)。
    • プレー終了時に1曲だけリザルトをmaimaiでらっくす-NETにアップロードでき、そちらの機能でアップロードされたリザルトのツイートも可能。
  • ヘッドホン端子追加
    • 筐体新調に伴いヘッドホン端子が追加された。
    • 音量調整は難易度決定後のオプションのほか、プロフィール画面(ここからプレイヤーアイコン撮影に移動可能)でも設定可能。
    • コードが短すぎると動きの面で支障をきたす可能性があるため、使うのであれば2mはほしいところ。

でらっくす譜面

以下は本バージョン以降で新しく登場した「でらっくす譜面」の新要素。
なお、以前から収録されていた曲にでらっくす譜面が追加されたものもあり、その場合は選曲時に2+7ボタン*8の同時押しでスタンダード譜面との切り替えが可能。同じ曲でもスタンダード譜面とでらっくす譜面では別集計。

  • TOUCHノート
    • 画面の特定の箇所をタッチするノートが新登場。
    • こちらにもHOLDノートが存在する。
  • EXノート
    • 一部ノートは周囲が明るくなっており、これは『CHUNITHM』『オンゲキ』にもある判定が甘いEXノートである。

PLUS新規要素

  • パートナー
    • システムボイスなどの変更機能。
      デフォルトはでらっくまだが、スタンプカード(6枚)から選択して10日間プレーするとその選択したキャラがパートナーとして解禁。
  • メンバー自動選択
    • ちほー選択時にメンバー編成画面をスキップして替わりにそのちほーに有利なメンバーを自動選択できるようになった。
  • メンバーロック機能
    • メンバー編成時に固定するメンバーを指定できるようになった。

評価点

  • スペック向上によるレスポンスの良さ
    • 7年ぶりのマシン更新の甲斐あって操作感が非常に良くなり、サクサク動くようになった。
    • しかし演出や選択が増えてしまったため、実際かかる時間に関しては所々旧バージョンより遅くなっている箇所がある。*9
      • 『PLUS』で一部項目の配置が調整され(プロフィール画面に撮影ON/OFFとでらっくすパス読み込みスキップを用意、ちほー選択時にメンバー選択とおすすめ設定の選択追加)、テンポは若干改善された。
    • また、ボタン処理の精度向上も稼働開始2か月後に行われたのだが……この詳細については問題点の項を参照。
  • 高ランク(=精度)の取りやすさ。
    • EXノートやHOLDノートの仕様変更、タッチノーツの判定の緩さ等の救済処置が増えており、FiNALE以前より高ランクが出やすくなり、MASTER、Re:MASTERの解禁が楽になった。
    • しかし、それ以外の判定は変わっていないため、やり込みの証であるALL PERFECTやALL PERFECT+の難易度はほぼ据え置き。旧バージョンでのやり込みは無駄にならない。また、でらっくす譜面は上記の理由で全体的に高ランクは出やすいものの、やり込む場合の難易度は旧バージョンとそこまで変わらず、やり応えが維持されている。

賛否両論点

  • ポップなデザイン
    • CHUNITHMがAMAZONになった時を上回るレベルでデザインがポップになっており、以前からのプレイヤーからは不評。
  • 選曲画面について
    • 『CHUNITHM』や『オンゲキ』に合わせる為か横並びとなったが、前作までの縦並びに慣れたプレイヤーからは不評。
  • 新ノーツのTOUCHノートについて
    • 他のノーツに比べて見辛く、一部の派手な演出によって次のノーツが見えなかったり、そもそも従来とはかなり違う動作を求められ慣れないと苦戦する。
    • 一応慣れない事を考慮してか、判定は他のノーツに比べてかなり甘くなっている。
    • 大量に出現すると焦ってしまい処理しきれないケースも出てくる。
      • TIPSでも「画面いっぱいに出てきたときは両手を開いてバーン!と」と言ってしまっているほど。
    • そもそも「目新しさを出すならスライドのバリエーションを増やせば良かったのではないか」という声もある。
  • 意外に重いちほー進行
    • 1曲プレーするごとにちほー進行が発生するが、これが意外に重い。(CHUNITHMよりはマシだが)
      • まず、メンバーそれぞれにでらっくすパワーが設定されておりそれに応じた距離を進むことになるのだが、出身ちほーとでらっくすちほーを除きレベルがいくらあろうが1mとして扱われる
        出身ちほーであれば本来の能力を発揮できるのだが*10、特定のレベルで発生する「覚醒」の効果が大きく(例えばLv8→9で18m→109m)、効率を考えるとちほー序盤で加入したメンバーで固定されがち。
      • キャラが解禁された際にはメンバー入れ替えの選択画面が出るが、当該ちほー出身者が少ない序盤ならともかく、全枠当該ちほー出身者で埋まると入れ替えない方が効率がよくいちいちスキップを選ぶのが面倒になる。
      • ちほーにもよるが、イベントちほー1つ完走に必要な曲数はGOLDパス使用で通して20~40曲台といったところ。
    • 肝心の楽曲解禁に関しては、CHUNITHM同様に前の方で解禁されるため、楽曲以外に興味がなければそこまで問題にはならない。
      どちらかというとコレクション(アイコンやネームプレート背景)の収集に絡む形で問題視される方。
      • なおネームプレート背景の入手条件は無印では「そのちほーのキャラを全員1度ずつ覚醒させる*11」であったが、『PLUS』では全キャラ解禁後さらにもう1段階という構成になりそのちほーのコンプリートが必須になった。
      • ただし、全長52kmにも及ぶ「BLACK ROSEちほー」はGOLDパスで通しても50曲強を要する上に『PLUS』で「BLACK ROSEちほー2」の出現条件にも絡んできたため、結果的に「BLACK ROSEちほー2」関連の重さが際立っている。
  • (現状)裏譜面がない
    • 旧バージョンではCHUNITHMのWORLD'S ENDやオンゲキのLUNATICに相当する物として「宴会場」があったのだが、現状では相当するものが存在していない。
  • HOLDノーツに関して
    • 前述でも述べた通り終点の判定がなくなったことにより初心者向けにはなったが、昔からプレイしているプレイヤーからはやや不評。
      そもそも公式がmaimaiらしさを残したいと言っていたのにHOLDの終点の判定を失くしたのはmaimaiらしさを損ねているのではないかという疑問もある。

問題点

  • 相変わらずな筐体仕様
    • 2人分のプレー領域で1台という仕様は変わっていない。そのため、1人プレーだともう一方がプレー終了待ち状態になる点はそのまま。
      • さらに、Aimeリーダーが1個に減っているため2人ともAimeを使用したい場合はエントリー手順が「1枚読み込む→一方のENTRYボタン(最下段右、公式では4ボタンと表記されている)を押す→もう1枚を読み込む→もう一方のENTRYボタンを押す」とやや面倒に。
        さらに、ENTRYボタンを別にする予定があったのではないかと疑わざるを得ない事象も存在している(後述)。
    • 高難易度譜面に手袋が必須な点も変わっていない。
      太鼓の達人シリーズの「マイバチ」のように、切っても切れない関係といえるのでこの点はどうしようもないが。
  • スタンダード譜面の難易度放置(無印)/実態とかけ離れた難易度変更(PLUS)
    • 今まではバージョンアップを重ねる度に大きな難易度(レベル)の変更があったのだが、無印では大幅な難易度変更はなく、前作で新設された13+の昇格のみ。 それ以外のレベル変動はなく、多くの詐称逆詐称が放置されてしまっている。
      • 更にレベル変動も謎。明らかにそこら辺の13+より難しい「TiamaT:F minor」(チュウニズムからの移植)が13に残留しており、これには多くのプレイヤーが首を傾げたことだろう。
    • 『PLUS』である程度改善され、レベル14も登場している。だが、「運営はエアプ」どころではないレベルを、オリジナル(特に旧ジョイポリス曲)中心に設定しまくっている。
      • それも1曲や2曲ではなくここでは挙げきれないほどだが、特にひどい一例を紹介すると「白ゆき」「タカハせ!名人マン」と「DRAGONLADY」「Nerverakes」が全部同じレベルに存在する、という実際にプレイしたことのある者からすればギャグのような事態が発生している。
      • 他にも「LANCE」「Revive The Rave」という下手な13+にもタメを張れる譜面が12+に何故か存在する。運営は笑いを取りたいのだろうか。
  • 引き継ぎ可能なコレクションが限定的
    • 非常に多彩だったコレクションの多くが引き継がれなかった。
      イベント関係だとほぼ『FiNALE』で登場したものしか引き継がれない。
      • 過去のコレクションの中には入手条件が非常に厳しく持っていることが勲章と言えるものもあったが、それが引き継がれないというのは虚無感を感じさせる。
      • 『PLUS』で所謂バージョンプレート(極、将、神、舞舞)が復活したのはいいが、将プレートの取得条件をSSS(100%以上)にしたことで(BREAKの達成率換算の変化により)基準が大きく変わった譜面が多く、「将より極プレートの方が価値が高いのでは?」と言われるほど。それもこれも101%が悪い(後述)。
  • 引き継ぎにおける達成率換算の矛盾
    • FiNALEからの引き継ぎにおける達成率換算と、その後同じ譜面でまったく同様の成績を出したときで達成率が異なっている現象が報告されている。
  • 達成率理論値101%統一の弊害
    • 達成率の計算が「全ノート精度評価100%+BREAK精度評価1%」に統一された影響といえる弊害が存在する。
      • BREAKの精度評価が「達成率1%を全てのBREAKで均等割り」という関係上、BREAKの少ない譜面はそれだけで達成率に対して大きなアドバンテージとなる点に不公平感がある。
        もちろんBREAKの少ない譜面はその一つ一つで気が抜けなくなるという面もあるが。
      • この影響で『PLUS』で復活したバージョンプレートの価値逆転現象(先述)も。
      • 一方で、この構成にしたことで新規には達成率の計算がわかりやすくなっている節もある。
  • システムボイスがほぼでらっくまのみ
    • リザルト画面(ランクSSS以上)やプレー終了時に稀に他キャラのボイスが入ることはあるが、基本的にシステムボイスはでらっくまのみ。
    • 『PLUS』ではパートナーが実装され、パートナーを変更することで選択可能になったものの、その内容には疑問がある(後述)。
  • 過去作キャラの扱い
    • 過去作キャラも一応登場しているが、その入手方法が前述したでらっくすちほーで非常に長い距離を進まなければならず、しかもボイスも収録されておらずいるだけ参戦という扱い。こんなあんまりな扱いでは、過去作キャラのファンの怒りを買うのもやむなしである。
    • 『PLUS』でパートナーとして登場してはいるものの、新録ボイス無し・グラフィック(主に口元)に違和感・プレイ中はその姿をほぼ見ることはない(変わるのは元々でらっくまが喋ってた部分の声だけ)という凄まじい手抜き。
      おまけに着せ替えなどの過去のお楽しみ要素は皆無。もうユーザーの大半から忘れられてるのではないだろうか。
      こんな手抜き仕様なのに取得条件は一日プレイで1個押せるスタンプを10個押して一人取得となかなか厳し目なのもまた酷い。
  • オトモダチ対戦に対するプレイヤーのこだわりの誘発
    • オトモダチ対戦は『PLUS』で実装されたボス以外は負けるとゲージが戻ってしまいレーティング低下にもつながるため、勝てる相手を選ぶことにこだわりがち。
  • フリーダムモードについて
    • 10分(パス使用で12分)+αの間プレイできるが、1曲あたりの時間は2分前後であることが多いため、普通にプレイした場合選曲時間も考慮すると4~5曲になり、2クレジット=6曲に届かない。
      • そのため、短い曲を素早く選曲するか、トラックスキップなどの途中終了オプションの併用が必須となる。
        時間経過で強制終了とはならないので、10分ないし12分経過する前に5曲完了し選曲画面に戻っている状態が理想。
    • また、ちほー進行に関して言うと割に合っているかは疑問。
      • ちほー進行に反映されるのは6曲までなので、6曲プレーしてちょうど終わる形でないと無駄が出てしまう。
        また、時間延長と進行距離ボーナスが両立できないのも難点。
  • PVの大量削除
    • maimaiはPVを鑑賞しながらプレイできるのが売りなのだが、そのPVも『でらっくす』になって大量に削除されてしまった。ボーカロイド(特に踊ってみた)や東方Projectのみならず、オリジナル曲のPVもそのあおりを受けている。
      • 特にwelcome to maimai!! with マイマイマーのPV削除はプレイヤーに大きな衝撃を与えた。
      • でらっくす PLUSにて一部のPVが復活した。(welcome to maimai!! with マイマイマーのPVも戻っている。)
  • うまみの少ない利用権
    • 本作からmaimaiでらっくす-NETの利用権が「ゲキ!チュウマイ-NET」の扱いとなったが、有料コースであるスタンダードコースの特典が非常に少ない。
    • 単独だと利用価値に疑問があるが、先行2作もプレーしているプレイヤーならそちらですでに恩恵を受けているので本作向けの要素が少なくても損にはなっていない。
      本作のみのプレイヤーにとっての価値が薄いという問題である
      • 逆に言えば本作は他2機種と違い、殆どの機能が無料で使えるので、加入しなくても然程影響は無いとも取れる。
        余談だが、maimaiでらっくす-NETのログインページにおける「ご利用方法」のところにはオンゲキ-NETと違って利用権の購入に関する記述がない*12
  • 一部イベントちほーの設定(開催期間と総距離のアンバランスなど)
    • 一部のイベントちほーでは「距離が長い一方で開催期間が比較的短い」「総距離の短さに対して開催期間の余裕がありすぎといえる状態」といった印象のある、総距離と開催期間のアンバランスさが感じられる。
      • 特に余裕ありすぎと言えたのは、2019/07/26~2019/10/03と2か月強ある開催期間で総距離たったの8,610mの「GYARIちほー」と、後述の「ゾンビランドサガちほー」と同時開催で1か月半程の開催期間(2019/10/04~2019/11/14)がありながらわずか7,000mの「からめるちほー」。
      • 一方で「ゾンビランドサガちほー」は開始日が「からめるちほー」と同じ・終了日が「Project DIVAちほー」(開催期間は2019/09/20~2019/10/31、総距離35,000m)と同じの4週間(2019/10/04~2019/10/31)で総距離22,000mと厳しめの設定になっていた。前後のイベントちほーと合わせて制覇しようとした際の密度は結構なものである。
      • 2019/12/20~2020/01/23 6:59の1か月間開催で完全に重なっていた「怪獣娘ちほー」「結月ゆかりちほー」も、この2つを双方制覇しようとすると密度が高く(15,000m+7,800m)、更に終了日は11月中旬より開催されている「イロドリミドリちほー」(14,000m)とも重なっていた。
    • 『PLUS』では「2月下旬~3月の開催となった『オンゲキちほー』においてボーナス対象曲に『STARTLINER』『Jump!! Jump!! Jump!!』(と『Titania』)が含まれていなかった」というケースも確認されている。
+ 修正された問題点
  • 扇形SLIDEの判定がシビアだった
    • タッチパネルの判定領域に関する違いにより、当初扇形SLIDEの判定が以前に比べてシビアだった。
      • 一応「中央については終点手前でもOK」という形で調整はされていたが、8月上旬のアップデートで「両サイドはやや内側でもOK」という調整が加えられた。
        詳しくは2019/8/7の告知を参照のこと。
  • 4時間に1回のペースで再起動する
    • 稼働開始当初は4~5時間のプレーで画面が1秒ブラックアウトする不具合があり、定期的な再起動で不具合を防ぐ仕様となっていた。
      • 詳細はmaimai大説明会maimai 攻略wikiを参照。
      • 再起動には約2分30秒かかり、この間はプレー不可能となる。ただし、予告メッセージが表示されるためタイミングの把握は容易である。
        またプレー中に問答無用で再起動することはなく、プレー中に再起動タイミングと重なった場合はコンティニューが不可になるが残りクレジット数は保持されている。
    • 2019年11月26日のアップデートでようやく修正された。今秋いっぱいまでにと言いつつ修正時期は実質初冬だというツッコミは野暮。
    • 最近のセガの主流であるALLSシリーズ*13の起動シーケンスを本作の再起動時という形で見た人も多いのではないだろうか。
      • 余談だが、Aimeリーダーは『オンゲキ』などと同様の電子マネー対応のもの。そのため、稼働当初から「プレー料金の電子マネー支払い対応はまだか」という意見も。稼働開始やアップデートのタイミングがことごとくバッティングしている『WACCA』に先を越されてしまう始末(向こうはこちらが『Splash』になるのと同時にアップデートされた『WACCA Lily』で対応)
        ただし、一部店舗では外付けの電子マネー端末が設置され間接的に電子マネー払い対応となっている。
  • 撮影機能を使用するかどうかを毎回確認してくる
    • プレー開始時のプレイヤーアイコン撮影やその後の記念撮影有無の選択がコンティニューした場合でも毎回聞かれるのは地味に面倒。
      • 記念撮影に関してはリザルトアップロード時の設定で付けないことも可能だが、だからといって常時ONにするのもなんか違うかもしれない。
      • 『PLUS』でプレイヤーのプロフィール画面中央部に記念撮影のON/OFFスイッチが用意され、手間とは言えなくなった。
        ちなみに同画面ではでらっくすパス読み込みのスキップも指定可能。
  • オリジナルカテゴリの肥大化
    • ジャンルの「SEGA」が廃止され「オリジナル」に分類された事で、「オリジナル」が250曲を超えかなり探し辛くなっていた。
      • 逆にCHUNITHMオンゲキからの曲を「ゲキチュウ」でまとめる*14などの細分化をすべきだったとまで言えるレベル。
        これについては『PLUS』で「オンゲキ&CHUNITHM」が新設され、該当曲はそちらに移動された。
      • 両機種からの移植曲以外は『PLUS』で「maimai」「ゲーム&バラエティ」に分類された。
+ 本当に気にする人でなければ気にならない問題点

以下は本当に気にする人でなければ気にならない問題点。

  • 存在自体が謎の1P/2Pボタン
    • Aimeリーダーの上に1P/2Pと書かれた三角形のボタンがあるが、エントリーは各サイドの決定ボタンで行うため存在意義が謎になっている。
      太鼓の達人のようにAimeを読み込ませた後このボタンでエントリーする側を決める形にするつもりだったのだろうか?
      • 現時点では選曲画面においてソートメニューを呼び出すのに使われている。
        ……が、このことは選曲画面に入る前にランダムで出てくるTipsと、選曲画面において上1/3程の位置にある説明表示でしか言及されておらず、後者は領域の幅が狭いため注意していないと気づかないレベル。
        そのため、これらを見たことがない人には本当に存在意義が謎なものとなってしまっている。
  • CARD MAKERの10クレ連続投入の削除(その一方で無印では3クレ投入は未実装)
  • ら抜き言葉がある
    • 楽曲プレイ直前にオプションなどを変更できる画面で「ヘッドホンボリュームも変えれるよ」というTipsが流れる。
      いわゆる「ら抜き言葉」であり指摘されることも多い。正しくは「変えられる」か。

総評

内部ハードの新調によって動作は軽快になったものの、一部の過剰演出などによって(3曲プレーで比較した場合)プレー時間は逆に延びてしまっている感がある。

中には無理にCHUNITHMに合わせようとして元のmaimaiが持っていた良さを切り捨ててしまった感のある要素も。ただ、基本的な要素に関しては旧来のものをある程度は残している。
(CHUNITHMから持ち込まれた感のある)イベントちほーにおいても必要プレー回数という面で見てCHUNITHMよりは緩和されている、チャレンジトラック・サバイバルコース・宴会場などの上級者向けコンテンツが削除されている、など総じて見ると以前のバージョンよりライト層向けに寄っている感がある。
逆に言えば旧シリーズは上級者しか楽しめないコンテンツばかりが手厚くなっており、新規層へのフックが薄くなっていたこともまた確かであった。『でらっくす』でのイメチェンはそういった過去のイメージのリセットも企図していると思われる。


余談

  • 本作のコンセプトに関するプレゼン資料が公開されている。HOLDの放し判定撤廃など賛否両論を巻き起こした要素についてもその意図が説明されている。
  • 恒例の稼働開始時からのボカロ曲連動解禁、など
    • 本作稼働開始時より、「メルト」「39(でらっくす譜面)」をプレーすると『CHUNITHM AMAZON PLUS』『オンゲキ PLUS』でもプレー可能になるという連動要素が用意されていた。
      • 新規無料プレーだと1曲だけなので、両方そろえようとすると確実に1クレジットかかる。
    • オンゲキ SUMMER』稼働開始に伴い、向こうで「METEOR」をプレーすると本機種(とCHUNITHM)で解禁されるという連動も行われた。
    • 双方とも2019/10/23まで、2019/10/24(『CHUNITHM CRYSTAL』稼働開始)以降は無条件解禁に移行している。
      なお、同日以降新たに3機種相互のオリジナル曲連動解禁が開催されている。
      • 本機種で「Excalibur ~Revived resolution~」をプレーするとCHUNITHMで、「SILENT BLUE」をプレーするとオンゲキで解禁される(それぞれ2020/7/16の『CHUNITHM CRYSTAL PLUS』と2020/2/20の『オンゲキ SUMMER PLUS』で無条件解禁移行)。
      • CHUNITHMで「玩具狂奏曲 -終焉-」を、オンゲキで「Titania」をプレーすると本機種で解禁される。
      • CHUNITHMとオンゲキの間のものと合わせて、各機種1クレジット(解禁反映用の分は別)で揃えることは可能だった。*15
        2020/8/20時点ではここで述べたものは本機種向けのもののみ継続している。同日よりオンゲキ→CHUNITHMで新たにボカロ曲「グリーンライツ・セレナーデ」の連動解禁が開始されているものの、その影響は当枠における移植元2機種のプレー順が必然的に決まるだけ*16であり、本機種での解禁も含めて3機種とも1クレジットずつで完了できる
  • 第3の元FLOOR楽曲
    • MiLK PLUSでの「Brain Power」「進め!イッスン軍団 -Rebellion of the Dwarfs-」に続き、本作稼働開始当初から「Strobe♡Girl」が収録されている。
      • これらは元々SOUND VOLTEXに収録されていた曲。向こうでの削除についてはSOUND VOLTEX IV HEAVENLY HAVENの余談を参照のこと。
  • 本作の稼働に伴って「CHUNITHM」「オンゲキ」に稼働台数を合わせて増台したり、FiNALE以前未設置だった店舗に本作から設置されるグループ店舗がちらほら見られた。
  • 国外展開
    • 本作も『maimai DX International Ver.』としてアジア圏向けに、『舞萌DX』として中国本土向けに展開されている(以下共通事項は「海外版」と表記)。
    • 海外版ではでらっくすパスリーダーが削除*17されている。またフリーダムモードも搭載されていない。
      • 中国版はaimeリーダーの代わりにQRコードリーダーが装着されており、テンセントの『Wechat』アプリでQRコードをスキャンしてデータ登録・ログインする。
        International Ver.はAimeでのデータ保存は変わらないが、日本版とのデータ互換性はない(データ共存は可能)
    • 大半のアニメ楽曲は海外版では権利関係のためか収録されていない*18
      またniconico&VOCALOID楽曲も約40曲未収録が発生している*19
    • 新型コロナウイルスによる昨今の情勢の影響で中国版は2020年1月から更新停止していたが同年8月14日より更新が再開されており、同年12月25日からは『PLUS』の楽曲追加が始まっているが、楽曲レベルについては『PLUS』以降の楽曲でも無印準拠のレベル設定がなされていたり、『PLUS』での追加要素(パートナー機能、オトモダチ対戦の仕様、メンバーロック機能等)は未実装という状態になっている。
      • 同様に『International Ver.』は日本での更新再開に先駆け2020年5月22日より更新再開し、現在は『DX PLUS International Ver.』となっている。
  • エイプリルフール六厘舎コラボ
    • 『でらっくす』になって初のエイプリルフールである2020年4月1日、突如『maimai でらっくす TSUKEMEN』なるものの告知が登場。
      その後「同バージョンはエイプリルフールのジョークであるが、『六厘舎』とのコラボ自体は実際に行われる(ただし昨今の情勢の影響でコラボ開催自体は延期)」ということが発表された。
      • なお同日限定で公式サイトのトップにおいてメニューが縦書きになるなどのネタがあった。
      • 情勢に収束傾向が出たことを受けて6/19より同店の社歌『六厘歌』が追加、それを記念して(?)6/18 12:00~6/19いっぱいまで当時のトップページにおける一部要素の復刻も行われた。
  • 2020年9月17日に、『でらっくす』としては初のメジャーアップデートとなる『maimai でらっくす Splash』が稼働開始した。

最終更新:2024年08月07日 02:32

*1 『オンゲキ』と『WACCA』で使われていたALLS HXの第2世代に当たる

*2 PERFECT判定で始点を押したあと、少しの間だけ離して押し直した場合、終点判定時にそのHOLDがGREAT判定になる等

*3 ちほーコンプリート時の残りは切り捨てられるが、次の曲からマップを変更できる

*4 厳密にはMiLK PLUSからSSS+は存在していたが、その条件は達成率理論値、すなわち本バージョンにおけるALL PERFECT+のこと。

*5 2019年8月上旬のアップデート以降は2500点BREAK相当だとCRITICAL PERFECTの半分、2550点BREAK相当なら75%となるため、ALL PERFECTだとSSS+ランクが確定する。

*6 『beatmania IIDX』シリーズのTIME系モードと同様

*7 このため、無印では2020/1/10 4:00から「でらっくす PLUS」アップデートまで、「でらっくす PLUS」では2020/9/4 4:00から「Splash」アップデートまで販売が一時休止されており、またアップデート後も一度プレーしないと再度利用できない形になっている。

*8 最上段右から時計回りに番号が振られており、選曲画面では1/8が難易度変更、3/6が左右移動、4が決定、5がキャンセルとなっている。

*9 クレジット投入から1曲目の選択までや、曲プレー後から次の曲選択まで等

*10 でらっくすちほーは進行距離こそ本来のものになるがあまり意味はない

*11 イベントちほーでは覚醒回数が条件となるが、回数自体は全キャラ1回ずつに相当。また「怪獣娘ちほー」では全員1回ずつに相当する10回とは別に5回でも入手可能。

*12 別枠で利用権関連のリンクが用意されているが、その配置は「ご利用方法」より後。さらに余談だが、CHUNITHM-NETに至っては一連の項目が一切存在しない(ログイン後のAime選択画面で初めて購入/解約/解説のリンクのみ出現する)。

*13 2019年9月末より稼働開始した『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』がロケテ時点で旧来のNuシリーズだったという報告があり、まだ移行は完全ではない模様。

*14 稼働開始時点でオンゲキからの移植曲はなかったが(こちらの稼働開始2週間後に向こうの1周年記念として「STARTLINER」「Jump!! Jump!! Jump!!」が収録されたのが最初)。

*15 ただし、後にオンゲキ→CHUNITHMの連動解禁曲が2曲追加されオンゲキからの移植曲は合計3+1曲となっており、結果的にオンゲキのみ2クレジット必要。

*16 オンゲキで「Titania」「グリーンライツ・セレナーデ」の2曲をプレー→CHUNITHMで「グリーンライツ・セレナーデ」を解禁させた上で「玩具狂奏曲 -終焉-」をプレー→本機種をプレーし「玩具狂奏曲 -終焉-」「Titania」を解禁、となる。

*17 海外ではCARD MAKERが展開されていない

*18 「極上スマイル」「Daydream café」などはFiNALE海外版までは収録されていたがDX海外版で削除された。ただし「only my railgun」「SHINY DAYS」など一部海外版DXで初収録となった曲もある

*19 「千本桜」「アゲアゲアゲイン」「*ハロー、プラネット。」などの有名曲はもとより、原盤権がセガにある「Magical Sound Shower」も未収録になっている