【ねっけつこうはくにおくんがいでん りばーしてぃがーるず】
ジャンル | アクションゲーム | ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 Xbox One Windows(Steam/GOG.com/Epic Games Store) プレイステーション5 |
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発売元 | アークシステムワークス | |
開発元 | WayForward Technologies | |
発売日 |
【Switch/PS4/One】2019年9月5日 【PS5】2022年6月23日 |
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定価 | 2,900円(税別) | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
備考 |
日本国内はDL専売 パッケージ版は海外一部地域限定 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
現代風アメリカ製『くにおくん』 随所に感じられるシリーズ愛 しかし手放しで褒められない部分も |
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くにおくんシリーズ |
ベルトスクロールアクションの元祖として有名な『くにおくん』シリーズだが、国内のみならず海外にも根強いファンがおり、昨今では『くにおくん』から強い影響を受けたインディーゲームなども発売されている。
そんな中、本作は米国のディベロッパーであるWayForward社内の『くにおくん』の熱心なファンが現在版権を有しているアークシステムワークスへ持ち込んだ企画であり、過去の国内製タイトルとは直接つながらない新機軸の「外伝」作品である。
「Girls」という単語がついている通りメインの主人公はいつもの「くにお」と「りき」ではなく『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』に登場した「みさこ」と「きょうこ」が抜擢されている。近年の作品やドラマ、舞台などではこの2人は喧嘩とは無縁のヒロインとして描かれる事が多かったが(*1)、今回は『挽歌』ベースの喧嘩が強い設定となっている。
またビジュアル・世界観が基本的にFCドットや往年の不良文化を意識していたシリーズ作とは違い、『シャンティ』シリーズ等でWayForward社が得意とするなめらかなドットアクションと、日米の現代的なポップカルチャーの融合した世界観に一新されているのが特徴。
タイトルこそダウンタウンシリーズの北米版「River City」を冠するが(*2)、「みさこ」「きょうこ」が主役だったり、日本版の「熱血硬派くにおくん外伝」というタイトルの通り、熱血硬派シリーズの世界観をベースにしている。
「みさこ」はリバーシティ高校(本作における熱血高校)にて補習授業に悲鳴を上げていた。
自分の学校をサボった「きょうこ」はその横でスマホをいじっていたが、そこで信じられない写真を目撃する。
「くにお」と「りき」が謎の人物に車に乗せられていたのだ。
「りきとくにおが誘拐されたーーーー!!!」
2人は何者かに誘拐されたと思しき「くにお」と「りき」を助ける為、担任の川上先生の静止を振り払って教室を飛び出して行く。
「愛を黙らせることなんてできないよ!くにおとりきを誘拐したやつ、見つけ出してボコボコにしてやる!それにね、先生の授業すっごいつまんない!」
「そうだそうだ、その通り!何の話だっけ?」
+ | 2周目以降で条件を満たすと…(ネタバレ注意) |
英語ボイスのみ
高めの難易度
ストーリーについて
「くにお」と「りき」の使い勝手
大幅モデルチェンジに対する批判
敵キャラの性能・行動アルゴリズムについて
演出・シナリオ面
+ | 最終盤の重大なネタバレ含むので注意 |
硬直化しつつあった『くにおくん』界に新風を巻き起こした一作。
コンボの面白さ、きめ細かなドット演出は流石WayForward社と言った所で、山のような小ネタからも同社の『くにおくん』愛は十分伝わるが、その一方海外メーカー故の日本人との感性の違いや大味感も作品に現れており、人により評価の振れ幅が大きい。
特にシリーズ過去作に思い入れのあるファンからは一部の改変部分やせっかくのフルボイス化にもかかわらず日本語音声未収録なのが槍玉に上がりやすい。
ビジュアル面やBGMについては日本人から見ても平均以上の出来なだけに、「あそこさえよければ…」というポイントがいくつか見受けられるのが非常に惜しい。
とはいえこれまでの国内製シリーズ作も(特にテクノス倒産後は)褒められたものでない出来のタイトルも見受けられていたので、それらと比べるのであれば本作は比較的良い仕上がりと言える。
ベルスクは好きだが『くにおくん』経験が少ない人や過去のWayForward社の作品が気に入った人ならば余計な先入観を持たずに楽しめると言える。
特に槍玉に上がる大きな問題点もアップデートで改善された為、発売当初よりも勧め易い作品になっている。
*1 「みさこ」は元々『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』が初出。「きょうこ」は『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』から再登場しているが、やはり基本は戦わない。
*2 一応、スポーツシリーズの『超熱血!サッカーリーグぷらす』や熱血硬派シリーズの『乱闘協奏曲』も海外では「River City」の名を冠して発売されている。なお、『びっくり熱血新記録』は海外では『Crash 'n the Boys: Street Challenge』の名で発売しており『ホッケー部』や『サッカーリーグ』も「Crash 'n the Boys」の名を冠して発売予定があったが中止となっている。
*3 『乱闘協奏曲』でも倒れた仲間の口に刺激物をねじ込んで強引に蘇生させていたが、テキストだけなのでこれほど直接的な演出は無かった。
*4 本作以前で最後に出た頭身の高い『くにおくん』は、日本での稼働前にテクノスジャパンが倒産して海外でのみのリリースになってしまったアーケード作『くにおの熱血闘球伝説』(1996年)であり、そこから数えて実に''23年ぶり''である。
*5 第一作目の時点でくにおの髪がイラストでは茶色なのに本編では黒(同作のひろしはほぼ同デザインで茶髪なので茶が使えないわけではない)など。
*6 一応、『熱血行進曲AS』などに参戦した事はあるが、あくまでスポーツバトルだった。
*7 同シリーズキャラの「アボボ」は『乱闘協奏曲』に続いてのゲスト出演となる。
*8 あろうことか、『ネオン』の敵役だった「スカルマゲドン」は「ジミーとビリーに敗れ、現在は改心して骨董品屋を営んでいる」というトンデモ設定で登場する。
*9 特にドラマ版は表現の関係もあってか、同情の余地の無い悪女に対してすら手を上げず、最終回で執拗に襲ってくる女殺し屋に対しても「くにお」と「りき」は攻撃をいなすだけで、特に「くにお」は不自然な程にスルーしていた。「くにお」が殴った女性は「みずす」だけで、しかも役者は男性だった。
*10 一応回復施設のサウナ内で裸になっているシーンがあるが、しっかりタオルを着用しており、胸の谷間すら見せない。
*11 舎弟一覧での設定上は「ゾンビ化」「呪い」「ドッペルゲンガー」等様々な要因で強化されたタイプとされている
*12 『初代熱血硬派くにおくん』に至っては冒頭で級友から「くにおはスケベな所がある」とひどいことを言われている。
*13 特に「きょうこ」に関しては発表の近い『乱闘協奏曲』やドラマ版でもはっきり「りき」の彼女として登場している。
*14 また、OPでは「くにお」「りき」「みさこ」「きょうこ」の四人が仲良く過ごしている様子も映るものの、英語版ではこれすらも完全にイメージに過ぎないという事に。
*15 ダウンタウンシリーズの第1作の『ダウンタウン熱血』ではくにおが3年生、「きょうこ」初登場の『挽歌』はくにお2年生と明記なので、両作品をつなげて考えると後発の『挽歌』の方が時系列的に前になる。
*16 シリーズ生みの親の岸本良久氏は過去に「りきが最終的にどちらと一緒になるか」という質問をされた際にも明言はせず、そればかりか「りきはもてるので新たなガールフレンドができるかも」と語っている。
*17 開発中止になった『ダウンタウン熱血物語2』で使用予定だったシナリオの流れを汲んだ作品である。
*18 Switch版もアップデートで同要素が実装された。
*19 しかも「きょうこ」の部屋では「新しいテレビを買う金が無いので未だブラウン管テレビを使っていた」という設定により、特に前準備も無くSFCがそのままプレイできた事になっている。