ストレッチャーズ
【すとれっちゃーず】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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任天堂
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開発元
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Tarsier Studio
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発売日
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2019年11月8日
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定価
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2,000円(税込)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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バカゲー
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ポイント
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2人1組の協力型アクション トチ狂った登場人物と設定 ボリュームの少なさは課題
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概要
スウェーデンのデベロッパー「Tarsier Studios」による、ミッション制の2P協力型アクション。
プレイヤーは2人1組の救急隊員になり、幾多の罠がしかけられた救急現場から、催眠術患者たちを「ストレッチャー(担架)」に集めて救急車に放り込み回収する、といった内容。
あらすじ
本作の舞台は、「グリーンホーン島」と呼ばれるとある島。
人々は平和な日々を過ごしていましたが、突然現れた自称天才キャプテン・ブレインによってサイミンをかけられ「クラクラさん」になってしまい、島中が大パニック!
プレイヤーは、2人組のレスキュー隊員「ストレッチャーズ」として、クラクラさんを助けるために、島のあちこちから届くレスキューコールにかけつけます。
(公式HPより)
システム
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ゲームの舞台は島に繁栄した農村・市街地。キャプテンブレインの手によってクラクラさん化した島民のもとに赴き、救急車に回収。サイミン解除装置でクラクラさん状態から開放させていくのがおもな目的。
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クラクラさんとなった人は頭の上に不思議な渦巻きのエフェクトが発生している。普段は力なくその場に倒れこむケースが多いが、時にはロッカー等に隠れていたりもする。
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とれるアクションはシンプルであり、走る、しゃがむ、掴む、(掴んだものを)放すだけ。
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つかめるもの
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ZR/ZLでスイッチ、レバー、その他地面に転がっている様々な物体を掴める。何かを掴んでいる状態でさらにZR/ZLを押すと持っている物体を放す。
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相方の背中から生えている「取っ手」をつかむことで担架が自動生成される。
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重いものは2人同時に掴んで運ばないと動かせない。
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スティックを倒しこむと移動する。またスティック押し込みでしゃがむ、もしくは立ち上がる。担架を持った状態の2人がしゃがむことで、クラクラさん担架に載せることができる。その他しゃがんでいないと通れない場所も存在する。
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障害物
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スプリンクラーや落ちているスケボー等にぶつかるとひるむ。ダメージの概念がないため幾らぶつかったところでゲームオーバーにはならないが、タイムロスになったりレスキューミッション中は評価から減点される。
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2人組のキャラ設定
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ゲーム開始時に、それぞれ外見(性別、肌の色等)をある程度いじることができる。
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2人プレイ時は、2人いるレスキュー隊員をそれぞれがスティックとZL(ZR)ボタンで操作する。
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1人りプレイ時には、2人の隊員をともに、コントローラーの左スティック+ZLおよびコントローラーの右スティック+ZRで操作することになる。
ミッション
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ストレッチャーズは救急車を運転し、ミッションのある地点に赴く。
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ミッションのある時点に到着するとミッション開始となるが、その現場から大きく離れるとミッションを中断できたりする。
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マップを開いてミッションのある地点をマークすると、救急車運転中にその地点のある方角や距離が概ね分かるようになる。
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救急車は前進と後退ができるほか、ひっくりかえってもアクセルを踏めば即座に体勢を立て直すことができる。博士のカスタマイズによって飛べるようになったり水面を進めるようになったりする。
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レスキューミッション
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キャプテン・ブレインの手によってクラクラさんとなった人々を救急車にかき集めて、サイミン解除装置に連れて行くという内容。
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クリアしたときの行動をもとにポイントが計算される。
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ボーナスタイマーが0になるまでに全てのクラクラさんを救急車に乗せてクラクラ解除装置に連れて行くと評価が高い。また一括で大勢のクラクラさんを乗せるほうが評価が高い。
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その他、スプリンクラーといった邪魔アイテムにひっかかると減点。宝物を救急車に乗せたり、道中物を壊したりすると加点。
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サブミッション
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クラクラさんの救助に関与しないミッション。
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材木を集めてジャンプ台庭の整備を手伝ったり、住人の庭整備を手伝ったりなど内容は様々。
クリア後
ゲームをひととおりクリアすると以下の2つをやりこむことになる。
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コスチューム探し
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グリーンホーン島各所に隠れている島民がおり、彼らを見つけて会話をすると、ストレッチャーズのジャージの色のカラーバリエーションが増えたり、帽子が新たに手に入るようになる。
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アーケード
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一度クリアしたレスキューミッションに再度挑戦できるモード。
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救急車の倉庫の隣にあるアーケードゲーム機を調べ、ミッションを選択するとミッションのあった地点にワープして即時的に開始される。
評価点
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シンプルだが、協力に重きを置いたゲーム性
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アクションとして使用するボタンはスティックとZR/ZLのみ。
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しかし2人組のストレッチャー隊員の息を合わせないと、先に進めないような仕掛けが多い。
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何かを乗せてある状態の担架は、ストレッチャー隊員のどちらかひとりがノックバックしたりすると途端に上手く運べなくなるため、息を合わせていかに互いにダメージを受けずに立ち回るかが課題となる。
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シーソーや足場に乗った相方を打ち上げたり、レバーで運んだりする一幕がある。
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ラスボスはレーザーを様々な方向に放ってくるため、2人を効率よく同時に動かす工夫が必要。
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ひとりプレイでも、ストレッチャー隊員たちをいかに効率よく同時に動かすかといった攻略の余地があるため、十分楽しむことは可能。
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担架に限定されないアクションギミック
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クラクラさんや財宝を運ぶだけでなく、担架形状の時限爆弾を二人で協力して運んだり、担架形状のノコギリを2人協力して前後に動かして木を切り倒すといったアクション要素も盛り込まれている。
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カスタマイズされていく救急車
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最初は地面を走行することしか出来ないが、プロフェッサー博士の改造を経てまず飛べるようになり、最終的にボート機能が身につくため、マップの行ける範囲が次第に広くなっていくシステム。
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条件さえそろえば地形を無視して移動できるようになるので爽快である。
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豊富な動作
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ストレッチャーズ隊員のものを掴んでいるときの動きが非常に滑らか。
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隊員たちに引きずられるクラクラさんも、手足がだらしなくぶらついており骨抜きにされている様子が出せている。
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かべにめりこむように移動させると、壁を必死に押すようなアクションを取る。
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おバカな点
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本作の大きな特徴として、トチ狂った世界観がある。
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公務に関してやる気の無さがにじみ出ているスモウソン市長(外見は名前を反映してか相撲取り)、ほぼ全裸のプロフェッサー博士、といったおふざけ満載な登場人物たちが登場する。
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クラクラさんという設定や扱いにも変な点が多い。なぜか郵便物としてダンボールの中に箱詰めされていたりするし、1個しかないストレッチャーに複数人を団子のように固めて雑に運ばれるのは当たり前。高いところから突き落としても何もお咎めなし。酷いときは土管に吸い込ませて運搬させたり、挙句の果てには大砲に入れてぶっ放すなどやりたい放題。
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作中でもクラクラさんは、患者や被害者等と呼ばれることは無く、一貫してクラクラさんと呼ばれている。
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そもそもの話、なぜキャプテンブレインがサイミンをかけてクラクラさんにしなくてはならないのかも不明。とにかく町中の人にサイミンをかけてまわる。
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その他にも、移動中に救急車で民家の塀や木々といった器物を壊すとミッションにて加点評価、どうみても他人様の所有物の金庫を救急車に持ち帰ると加点評価。
賛否両論点
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ノックバックが大袈裟
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障害物にぶつかるとラグビーのタックルでも食らったかのように吹っ飛びしばらく操作が効かなくなる。一度はまると抜け出せないことも少なくない。特にモグラはこちらをすばやく正確に追尾してくるため、一度つかまると何度も攻撃されかねない。
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ゲームオーバー条件はなく、ノックバックしつづけることでタイムロス、減点以外のデメリットは無い。そのためこのような仕様をゲームを面白くする上でのハードルとして見るか、ただただ邪魔なシステムと見るかはプレイヤー次第。
問題点
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移動がもっさり気味
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ミッション遂行時のストレッチャーズの走行速度があまり高くない。初見だと広いマップをあてもなくさまよってクラクラさんを探し出す作業がともなう。
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クラクラさんといったオブジェクトと接触していると更に移動速度が落ちるため、どうしても攻略のテンポは遅め。
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ボリューム
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値段相応ともいえるが、1周クリアするのにだいたい5時間程度しかかからない。
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クリア後のやりこみも充実しているとは言いがたい。レスキューミッションをやりなおしていくらポイントを稼げるか、タイムアタックでどれだけ早い時間でクラクラさんを助けきれるかを究める余地があるといった程度。
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一部のミッションはニューゲームしないと再度プレイできなくなる。
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舞台は小さな島に発展した市街であり、あまり広いとはいえない。コスチューム探しというやりこみこそあるのだが、箱庭を救急車で走り回って楽しいかは微妙。
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バグの存在
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クラクラさんを一度に救急車へ放り込むとまれに放り込んだ人数を正しくカウントされずクリアできなくなる。墓に座っているクラクラさんをつかもうとしても手が届かないことがある。
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これらは確率で発生する模様。ミッションをやりなおしすることで解消される。
総評
舞台やゲームのボリューム自体は小規模ながらも、担架を題材に2人1組のキャラクターを操作する本格的な協力型アクションゲームである。
先に進むためには適度に頭を使ったりギミックを発見する能力は求められるが、真面目に病人やけが人を救助するゲームではなくゲームオーバー条件もないため気軽にプレイできる内容。また登場人物やゲーム世界観の設定はおふざけ満載のものであり、その面でも人の目を引けるものといえるだろう。
決して消防士を舐めたゲームではない
余談
開発元の「Tarsier Studios」は『リトルナイトメア』の開発にも関与している。
最終更新:2022年11月28日 19:49