進め! キノピオ隊長
【すすめ きのぴおたいちょう】
| ジャンル | 3Dアクション |  
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| 対応機種 | Wii U Nintendo Switch
 ニンテンドー3DS
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| 発売・開発元 | 任天堂 | 
| 発売日 | 【WiiU】2014年11月13日 【Switch/3DS】2018年7月13日
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| 定価 | 【WiiU】3,996円 【Switch/3DS】4,298円
 (全て税8%込)
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| プレイ人数 | 【WiiU/3DS】1人 【Switch】1~2人
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| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 周辺機器 | amiibo対応 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 『3Dワールド』からのスピンオフ 「動」のマリオに対して「静」のキノピオ
 ゼルダのような謎解きもあり
 アクションゲームとして初めてキノピコが操作可能
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| マリオシリーズ・関連作品リンク | 
 
概要
Wii Uで発売された『スーパーマリオ 3Dワールド』から派生したスピンオフ作品。
キノピオが主人公となるゲームは、ファミコンのパズルゲーム『ワリオの森』以来20年ぶりである。
『3Dワールド』内の「キノピオ隊長」を操作する単独ステージをピックアップして単独作品化したもので、オリジナル版からボリュームが大幅に増加している。
ストーリー
~キノピオ隊長がまさかの大冒険?~
お宝を求めて探検中のキノピオ隊長とキノピコ。
やっと「パワースター」を見つけたと思ったら、大きな鳥の「ウィンゴ」にキノピコごとさらわれてしまいました。
キノピコを助けるために旅立つことになったキノピオ隊長。でもホントに一人で大丈夫?
勇気いっぱい。ときにはビクビク。
進め! キノピオ隊長! 
(公式サイトより)
特徴
※プレイヤーキャラクターであるキノピオ隊長とキノピコは、操作できる期間に違いがあるだけで性能は全く同じ。
 そのため、以降の記述で基本的にプレイヤーキャラクターを指す際は「キノピオ」と表記する。
キノピオについて
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『マリオUSA』の時とは違い、キノピオは重い荷物を背負っているためジャンプができない。ダッシュは特に制限なく可能。
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「敵を踏んで攻撃」「段差を飛び越える」等のマリオシリーズおなじみの手段が使えないため、基本は徒歩で敵を避けて進めていくことになる。
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例外として、カブを引っこ抜いて投げつけたり、段差やはしごから急降下して踏んづけたり、無敵状態で接触したり、お化け系の敵はキノピオのヘッドライトで照らして攻撃することができる。
 
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このような特性から、本作はマリオシリーズ本編のようなアクションゲームと言うよりは、パズルアドベンチャーに近いゲーム性を持っている。
 
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マリオシリーズ同様、ダメージを受けるとキノピオはサイズダウンし、そこから更にダメージを受けるとミスになる。サイズダウンした状態でスーパーキノコを取ればまた大きくなる。
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キノピオが取得できるアイテムとしてはカブ、スーパーキノコの他に、ダブルチェリーとスーパーツルハシ、無敵キノコがある。
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ダブルチェリーは『3Dワールド』にもあったアイテムで、取るとキノピオが1体増え、ダメージを受けると消滅する。一定数以上のキノピオがいないと作動しない仕掛けが存在する。
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スーパーツルハシは取ると『ドンキーコング』や『スマブラ』でハンマーを取った時のあの音楽が流れながら、ツルハシを振り回す。これによって草を刈ったり、敵を倒したり、ブロックが壊せる。
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無敵キノコは同じコースを5回連続で失敗した後に再挑戦すると出現し、取得するとコースクリアかミスするまで永続的に無敵状態になる。
 
エピソード・コースについて
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最初はエピソードが1つしか選べないが、最終的に3つ+おまけのエピソードが選べる。1エピソードあたり20前後のコースがある。
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キノピオを操作して、様々な仕掛けや敵が配置されたコースの奥にあるパワースターへと到達することが目標。コースは基本的に箱庭方式で、カメラ視点をグルグル回しながらキノピオを進めていくことになる。
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コース上には3つのスーパーダイヤが散らばっている。基本的に取りにくい・見つけにくい場所に配置されている。
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ストーリーを進めるには一定以上のスーパーダイヤが必要となるため、収集しながらゲームを進めていかなければならない。
 
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各コースには「ゴールドキノコをとる」「コインを**枚を集める」「ダメージを受けない」等の課題が一つ設定されている。
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コースに配置されているコインは、マリオシリーズ同様100枚取る度に残機が1アップする(残機の最大数は99)。コースごとの最大取得コイン数も記録される。
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何度かコースをクリアすると、残機を簡単に増やせるボーナスゲームが出現することがある。こちらも最大取得コイン数が記録される。
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コインパラダイス:スーパーツルハシ・ダブルチェリーのいずれかを使うルートを選択し、それらを活用しながら制限時間内にコインを集める。
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マネミーラビリンス:キノピオの移動を真似してついて来る敵「マネミー」に追われながら、制限時間内にコインや1UPキノコを取りつつ階層を進んでいく。
 
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特定の条件を達成すると、各コースで「チャレンジタイム」というクリアタイムの目標値が設定され、タイムアタックに挑戦できるようになる。
Wii U版のみの仕様
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エンディング後に本作用にアレンジされた『3Dワールド』のコースがいくつか遊べるようになる。同作のセーブデータがある場合、すぐに解放される。
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地形は同じものだが、ジャンプやネコマリオでの壁登りが必要だった場所には透明ドカンが設置され、それら無しで登れるようになっている。
 
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キノピオのamiiboをコース選択画面で読み取ると、コース内に隠れたドットキノピオを探す「かくれんぼ」がプレイできるようになる。
Switch/3DS版の変更点
共通の仕様
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『3Dワールド』の移植コースが無い代わりに、エンディング後に『スーパーマリオ オデッセイ』の一部の国をモチーフとしたコースで遊べるようになった。
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これに伴い、エンディングの内容も一部が変更されている。
 
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キノピオのamiiboを読み込んだときの特典が変更され、コース選択画面で読み込むとそのコースで無敵キノコが出現するようになった。
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ドットキノピオのかくれんぼはamiibo無しで遊べるようになった。
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エピソード1~3の内、一度クリアしたコースの選択画面でRボタンを押すと出現する。
 
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対応amiiboが増加した。
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『オデッセイ』のウェディングスタイルのamiiboを読み込むと、エンディング前でも『オデッセイ』のコースを遊べるようになる。
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上記以外のamiiboをコース選択画面で読み込んだ場合は1UPキノコが貰える。取得回数に制限は無い。
 
Switch版の仕様
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画面上にジャイロセンサーで動かせるポインタが表示されており、TVモードでもタッチパネルで操作する仕掛けを操作できる。
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ドットキノピオのかくれんぼも、これを使ってプレイすることになる。
 
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Joy-Conのおすそわけプレイに対応。2P側はカブを飛ばして敵を倒したりレンガブロックを破壊できる。
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2019年2月14日のアップデートで、2P側も紫色のキノピオ(特別編ではキノピコ)をプレイヤーとして操作する二人同時プレイも可能になった。
 
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2019年3月14日に有料DLC「特別編」の配信が開始された。価格は880円(税10%込)。
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内容は新規コース5つと、既存コースに新規ルールが設定されたコース13個の計18コース。
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事前に予約購入しておくと最初の1コースだけ先行で遊ぶことができた。
 
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2019年7月30日のアップデートで、『Nintendo Labo VR Kit』のVRゴーグルに対応した。
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VRモードで遊べるコースはわずか4コース(およびコース選択画面)と、あくまでおまけ程度の内容。
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4コース中3コースが通常ステージ。立体視の新鮮味はあるが、見回す意味を持たせるためかカメラがやけに寄っており、遊びにくい。
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残りの1つはトロッコステージ。主観視点で周囲を見回して弾を撃つ、VRにマッチした内容。
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コース選択画面は周囲にオブジェクトが配置されており、見回すだけでなかなか楽しい。
 
3DS版の仕様
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本体の仕様上画質がかなり下がっているものの、立体視に対応している他、一部のギミックでは下画面を活用するようになった。
評価点
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『3Dワールド』に収録されていたものに比べ、コースが多彩になった。コースは全部で70以上。
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アスレチックコースや海に潜るコース、鍵を使って扉を開けるコースととにかく色々ある。
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何かしら新しいギミックが出てくるコースが多いため、システムがシンプルな割に飽きづらい。
 
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基本的には箱庭だが電車やお化け屋敷といった広大なコースも。
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トロッコに乗り、ゲームパッドで照準を合わせてカブを撃つシューティングライクなコースもある。
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『3Dワールド』の仕掛けを本作に流用したものもある。マリオとは違った操作性のため、新鮮な気持ちでプレイすることができる。
 
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世界観が良好。
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グラフィックも『3Dワールド』と同様のもので奇麗で、多彩。
 
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人気キャラの一角であるキノピコが使える。
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それまではマリオカートシリーズやマリオパーティシリーズでも使えたが、アクションゲームで使えるのは本作が初。
 
賛否両論点
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爽快感がない。
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基本的に、本作はいかに敵をやり過ごすかが問われるゲーム性となっている。課題の中には「敵に見つからずにゴールする」というものも存在する。
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爽快なアクションで飛び跳ね敵を倒しながら進めていく従来のマリオシリーズを「動」のゲームとすれば、本作は「静」のゲームといえ、前者のようなアクション性を求める層にはあまり噛み合わないかもしれない。
 
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やりこみ前提としたつくり。
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コースのゴールであるスーパースターを取るだけならそこまで難しくはないが、コースの開放にスーパーダイヤが一定数必要であり、やりこみを半ば強制的にやらされることになる。
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ただし普通にプレイしていれば、そこまでダイヤ不足になることは珍しい。とにかく先に進みたいタイプの人は気になるかもしれないが。
 
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隠しコイン回収がやや面倒
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お題でしばしばコインを指定枚数集めることを要求されるが、このゲームの隠しコインは直接体当たりで取るか、画面をタッチして実体化させなければ見つけられない。
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つまりコース中の何もないように見える場所をくまなくタッチする(または歩き回る)必要があり、やや面倒。
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ただし、隠しコインのある場所にはある程度の法則性があるため、慣れれば見つけやすくはなる。
 
 
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エピソードが全部で3つあるが、ストーリーは基本的に一緒。
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キノピコまたはキノピオが攫われ、攫われなかった方が助けるというもの。細部が異なるとはいえボスも二種類のみで、マンネリ感は否定できない。
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とはいえ、マリオシリーズ自体がストーリーをあまり重視しない作風であることや、本作のシステムが(基本的にストーリーの無いジャンルである)パズルゲームのような特徴が強いことから、問題視する声は少ない。
 
問題点
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価格は他の据え置きソフトよりは安いが、それを考慮してもボリュームがやや少ない。一通りクリアするだけなら5時間程度でできる。
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おまけややりこみもあるが、それでもボリュームが十分かと言われると首をかしげてしまう。
 
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「チャレンジタイム」でストレスが溜まりやすい。
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ハンドル等、一部の仕掛けではタッチパネル入力を強要される。「ダッシュ」と「調べる」が同じAボタンに設定されているため仕掛けのある場所ではダッシュができない等、操作性に難がある。
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ちなみに、『3Dワールド』ではダッシュはYボタンであり、本作のほうが操作性が悪化している。ダッシュの仕様も『3Dワールド』では助走が必要だったりと、少し違う。
 
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普通のパズルゲームやアドベンチャーゲームであればある程度操作性が悪くても気にならないが、本作ではチャレンジタイムをクリアする際に素早い操作が求められるため、操作性の悪さが目立ちやすい。
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カメラをぐるぐる回して探索するという本作の特性上、右スティックを回さないと進むべき道が見えないことが多く、チャレンジタイムで必須となるダッシュ(Aボタン)との同時操作が要求されてしまう。
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ただし、「チャレンジタイム」はあくまでやりこみ要素の一つであるため、普通にプレイする際には操作性の悪さは気にならない程度のものである。
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Nintendo Switchの本体アップデートにより、本体設定によるキーコンフィグができるようになった。Switch版限定ではあるが、これを利用することである程度操作性を改善させることができる。
 
 
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おまけの最終コースがこれまでのコースとは悪い意味で異質。
    
    
        | + | ... | 
マネミーに追われながら50階層もあるコースをノーミスでクリアする必要がある。途中セーブはできず、ミスしたら1階層からやり直しという、非常に時間がかかりやすく心が折れやすい設計になっている。
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総評
『3Dワールド』からのスピンオフである本作は、一個のゲームとしての面白さを十二分に保持している。
視点をグルグル変えながらゴールを目指したり、コース内を探索する要素は操作していて楽しい。マリオのようなアクションにゼルダのような謎解きも加わり、色々な仕掛けがコースにある。
ボリュームが少ないのが難点ではあるが、プレイする価値はしっかりある。
余談
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本作の主人公であるキノピオ隊長の初登場作品は『スーパーマリオギャラクシー』で、以降マリオシリーズの3Dアクションでは毎作品登場している。
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本作の体験版には、何故かカメラ操作を反転させる機能が無いため、カメラリバース派は要注意。
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なお、製品版ではきちんと実装されているためカメラリバース派でも問題なく遊べる。
 
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Switch版は2019/8/5 12:00~2019/8/11 18:00までNintendo Switch Onlineの料金のみでプレー可能な「いっせいトライアル」が開催された。
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なお、「いっせいトライアル」期間中~終了後1週間(8/18いっぱいまで)3割引のセールが行われた。
 
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Switch/3DS版では前述の通りエンディングが変更されて『3Dワールド』のステージがカットされているが、内部データでは没ステージとして入っていたことが判明している。
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Switch版は2025年6月にNintendo Switch 2 向けの更新データが無料配信され、画面表示などが改良された。
最終更新:2025年06月07日 02:02