ソニック・スピンボール
【そにっく・すぴんぼーる】
ジャンル
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ピンボール/アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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メガドライブ
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発売元
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セガ・エンタープライゼス
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開発元
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セガテクニカルインスティチュート
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発売日
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1993年12月10日
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定価
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6,800円
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プレイ人数
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1~4人
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配信
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【Wii】バーチャルコンソール 2007年3月13日/600Wiiポイント(税5%込/配信終了) 【Win】Steam/498円(税別/配信終了)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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初の海外制作ソニック 探索・アクション要素の強いピンボール 高難度なのがネック
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ソニックシリーズ
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概要
ソニックシリーズの外伝作で、アメリカのセガテクニカルインスティチュートが開発した初めての海外発ソニック。
シリーズ初のピンボールを題材としたゲームだが、ソニックらしいアクション要素も取り入れているのが特徴。
平和な惑星モビアスを侵略したDr.エッグマンのピンボール要塞を破壊するため、ソニックが活躍する。
特徴
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操作はA、Bで左右のフリッパーを操作。Cで両方のフリッパーを操作し、ボールになったソニックを弾く。ボタン配置は変更可能。
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ソニックは平坦な地面にいる時は歩いて左右に移動可能。ジャンプやスピンダッシュもできる。
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空中にいる時は十字ボタンである程度軌道を操ることができる。
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立てる台の端を掴めれば、振り上がって上に立つが事が可能。
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ピンボールらしくフリッパーの下のアウトエリアに落ちるとミス。仕掛けはリセットされるが、ステージの進行状況は保持される(ボス戦に辿り着いていればボス戦から、等)。
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ステージ中に隠されたカオスエメラルドを集め、エッグマンのメカを破壊することでクリアとなる。
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カオスエメラルドは様々な仕掛けで守られており、ステージによって配置数も異なる。ステージ開始時に画面上部の掲示板にカオスエメラルドの数が表示される。
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全てのカオスエメラルドを集めるとボス部屋への扉が開き、ボス戦に挑めるようになる。
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全4ステージをクリアするとエンディング。
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ステージをクリアするとボーナスゲームが遊べる。
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内容は普通のピンボール。ABCを同時押しすると台揺らしも可能だが、やりすぎるとTILTになって台が壊れて強制アウトになる。
評価点
多彩なギミックと探索要素
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「複数のスイッチを押すことで開く扉」といったおなじみのギミックから「レバーにぶら下がってトロッコのレールを切り替える」という普通のピンボールにはないギミックまで数多くのギミックが用意されており、それらをどう動かせばカオスエメラルドを入手できるか探索する楽しさがある。
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本作は基本はピンボールでありながら、あちこちに行ける場所が存在するアクションゲームに近いステージ構成が為されているのもポイント。
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最初のステージこそ普通のピンボール台が複数存在するといった構成だが、ゲームが進むにつれてステージも広大になっていき、構造も複雑化し探索しがいのあるものになっていく。
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やや迷いやすい場面もあるが、連続した丸印と矢印が攻略順のヒントになっており、これを目印に進めるのが基本となる。これは本物のピンボール台にも存在する要素で、上手くゲームに取り入れていると言える。
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普通のピンボールとしてスコアアタックを楽しむのもアリ。
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通常のピンボールと違ってボール(ソニック)の軌道調整が出来るため、上手くすればギミックの方に跳べたり、自力でフリッパーに戻ってミスを回避できるのも良い点。軌道はゆっくりとしか変えられないので慣れは必要だが。
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ソニックも常に丸まっているだけでなく、急な坂を滑り台のように落ちたり、スライムプールに浮かぶドラム缶に乗って移動できたりと場面に合わせて色々なアクションを取ってくれる。
賛否両論点
アメリカンな雰囲気とグラフィック
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洋ゲーだけあってか、世界観はいつものソニックとは違い、スライムプールの下水道や金網が背景の地熱工場などが登場するため、自然や都会的なステージが多く明るいイメージの強い本家と比べて違和感が残る。
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後半のステージはエッグマンの要塞らしい雰囲気になるのだが…。
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ボーナスステージは都会の夜景をバックにソニックの視点でピンボールを遊ぶというシチュエーションで、こちらはいつものソニックらしい雰囲気。
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メインステージ、ボーナスステージ共にグラフィックの描きこみは良好で、前述のようなアクションの多さやデモシーン、ボーナスステージ背景に移るソニックがボールを追って目線を動かすなどの演出も良好。
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BGMもやたら暗い、もしくは緊迫感のある曲が多い。
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オプション画面やスタッフロールの曲など、一部甲高い音を主旋律にした曲があり、人によっては苦手意識を持ちやすい。
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曲自体は悪くなく、暗めの曲が多い分ステージクリア時のBGMなど明るい曲が映えるのだが。
問題点
非常に高い難易度
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元々ピンボールゲーム自体の難易度が高いのに加え、複雑な仕掛けをクリアするためにソニックのアクションも必要なため、エンディングを目指す場合の難易度はシリーズでも屈指。
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最初のステージこそ落下防止ギミックが用意されているが、それでも慣れないと簡単にゲームオーバーになりやすい。もちろん2面以降は特定のギミックを動かさないと落下防止なし。
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ソニックを動かすためにフリッパーがABCボタンに割り振られている関係上、他のピンボールゲームのように左手と右手でフリッパーを動かせず、違和感の残る操作を強いられる。
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1UPはスコアエクステンドのみで、他はスコアアイテムのリングのみ。つまり多くのギミックをほぼ実力で攻略せねばならない。
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さらにコンティニューなしという厳しい制限が加わり、これで全4ステージをクリアせねばならずアクションゲームとしても非常にシビア。
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裏技のステージセレクトや後の移植版で追加された中断セーブを使ってクリアしたという人も多いだろう。
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全4ステージというと短く聞こえるかもしれないが、ピンボールが大得意というプレイヤーでもなければ1ステージクリアするのにも相当の時間がかかる。
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セーブもないため、必然的に長時間のプレイを強いられる。
総評
元々ソニックにはピンボールを題材としたステージが存在していたため、ピンボールゲームになるのは必然だった。
本作はそこにアクションと探索要素を取り入れることで一風変わったピンボールアクションゲームに仕上げており、他にはない独自の面白さを試みている。
しかし、広大かつ複雑なステージ構成から難易度は非常に高く、洋ゲーそのままな世界観なども賛否分かれるものとなった。
まともにクリアするにはバランスが悪いが、普通にピンボールとして楽しむ分には悪くないゲームと言えるだろう。
移植
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海外ではゲームギア版やマスターシステム版も発売されている。
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『ソニック メガコレクション』および『ソニック メガコレクション プラス』に本作も収録されている。
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Wiiバーチャルコンソールで国内版が配信されたが、現在は配信終了している。
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Steamの『Sega Mega Drive & Genesis Classics』にて海外版が配信されている。日本からも購入可能。DLC形式のため単品でも購入できた。
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2024年12月6日で同作の配信が終了したため購入できなくなった。
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日本未発売だが、同タイトルの家庭用版にも収録されている。
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2019年に発売された「メガドライブミニ」の北米・欧州版「Genesis mini」にも収録されている。
余談
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当時のCMでは「アメリカ生まれのファンキーアクション」と謳い、パッケージ裏にも「とってもアメリカンな感覚に、キミはどこまでついていけるかな?」と書かれアメリカンな雰囲気を全面に押し出していた。
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その後、ピンボールを題材としたゲームとしてGBAで『ソニックピンボールパーティー』が発売されている。こちらは純粋なピンボールゲー。
最終更新:2025年02月18日 17:14