【そにっくふぉーす】
ジャンル | 3Dハイスピードアクション | ![]() ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 Xbox One (ダウンロード版のみ) Windows(Steam) |
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発売元 | セガゲームス | |
開発元 | ソニックチーム | |
発売日 | 2017年11月9日 | |
定価 | 5,990円 | |
廉価版 | 2019年11月21日/2,990円(税別) | |
判定 | なし | |
ポイント |
久方ぶりのソニックオールスター “ケモノ”のアバターという新機軸 大言壮語に見合わないストーリー フルプライスに見合わないボリューム ブーストソニック入門編に最適との声も |
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ソニックシリーズ |
『ソニック ロストワールド』以来となる「モダンソニック」シリーズ作品。本作でも2Dと3Dを活かしたスピードアクションゲームとなっている。
ただし、システムとしては前作がジャンプアクションに寄ったことから、本作では『ワールドアドベンチャー』『カラーズ』『白の時空』と続いてきたブーストシステムに回帰している。
『ソニックトゥーン』シリーズの展開に「従来のソニックシリーズはなくなってしまうのか?」という不安がユーザーの間で広まっていた(*1)が、ゲーム完成の4年前から水面下では並行して企画が動いていたという。
なお開発が長期に渡った理由は、新たなゲームエンジンである『Hedgehog Engine2』などの新技術に切り替えつつ研究する期間があったためとのこと。
シナリオに関して今作はシリアスさを前面に出した内容を意識していたといい、2017年E3のインタビューでもソニックファンのストーリーに対する期待感を意識しつつ期待感を高める発言が存在した。
加えて展開としては『ソニックアドベンチャー2』に近いともされていた。
こういった長い空白期間を経た背景や事前の情報から、ファンの間ではシナリオ面での期待も含めて久々のモダンソニックとしての期待が膨らんでいた。
ゲーム的には自分で作ったアバターを操作する新要素、クラシックソニックや歴代ライバルキャラたちが登場するPV等、発表当時から話題を集める試みが熱心であった。
しかし実際の作品は必ずしも旧来のファンの期待に応えられるだけの内容には至らなかったと言える。
Dr.エッグマンの新たな力により、ソニックは敗れ、世界の99%が支配されようとしていた……。
謎の敵・インフィニットとかつて倒した強大な敵、この絶体絶命の危機を救えるのは、あなたしかいない。
立ち上がれ! レジスタンスと共に、世界を救うため!!
(パッケージ裏より抜粋)
3種類の主人公
+ | アバターに関するゲームシステム |
スコア評価・経験値
ミッション
SOSミッション
ダブルブースト
+ | ダウンロードコンテンツ |
良好な操作性
美しいグラフィック
アバターの存在
数多くのキャラクターの再登場
新キャラクター「インフィニット」
シャドウを操作できる
良質な音楽
豊富なやりこみ要素
ステージの物足りなさ
本編におけるアバターの立ち位置
クラシックソニックについて
モダンソニックのアクションの減少
唐突な獣人の設定
過去作からのステージ
アバターステージにおけるウィスポン等の難点
相変わらずのガッカリシナリオ
オールスターを活かせていない
レジスタンスのメンバーの描写等についての問題
+ | ネタバレ注意 |
敵役について
+ | ネタバレ注意 |
本作のキーアイテムについて
+ | ネタバレ注意 |
その他の不評点
久々のソニックオールスター作品となった本作。
エッグマンに征服された世界が舞台であること、過去に登場した敵キャラが再登場することから、発売前から多大な期待を受けていた。
シナリオについてもインタビューでしばしば期待を煽る発言が存在し、誇大広告とまではいかないまでもこれがファンの期待感を不用意に膨らませてしまったのは否めない。
蓋を開けてみれば魅力的な舞台設定やプロローグを台無しにするレベルで駆け足で説明不足が多く、本作のストーリーには多くのプレイヤーが落胆させられてしまった。
シリーズおなじみの美麗なグラフィックや良質なBGMは健在。
そしてシリーズで散々ネタにされてきた長いロードや処理落ちがほぼないと言ってよく、ツボを押さえた高速アクション自体は概ね好評である。
ゲーム部分も賛否両論ではあるが、ステージが短い分何度も気軽に楽しめるため、タイムアタックなども盛り上がっている。
また、アバターという新たな試みなどユニークかつ評価できる点もしっかり存在する。
発売当時のソニックがやや不作であり、その反動として開発スタッフの一部期待を煽ってしまう発言が仇となってしまった感じは否めない。
ただしゲームとして大きく破綻している点はなく、価格も新価格版の設定で大幅に安くなったという追い風もある。
セール時は1,000円を下回ることもあるなど、現状は『マニア』と並んで手を出しやすいタイトルとなっている。
「手軽にモダンソニックスタイルのシリーズを楽しみたい」「初めて、あるいは久しぶりに3Dソニックを遊ぶ」という人にはオススメできる要素も十分にある作品。
一方でファンを意識した演出や展開により期待を煽りすぎたわりに拍子抜けにさせたことは、既存ファン目線では大きな問題だったと言える。
この反省を活かしてなのか、本作以降は過去作品の設定等に焦点を当てたゲーム外のコンテンツが国内でも少しずつ増えるようになっている(*9)。
*1 当初から『ソニックトゥーンは派生シリーズであり、従来のソニックの展開をやめるわけではない』とインタビュー等では語られていた
*2 厳密にいえば「ソニックと暗黒の騎士でも」使えたが、この時のシャドウはよく似た別人である「ランスロット」としての登場であった
*3 厳密には「『アドベンチャー』の流れを汲むタイトルを展開してこなかったので、今回はストーリーを楽しみながらアクションゲームを楽しめる形にしています」という飯塚Pの発言がある。これらもファンの期待感を無用に煽ってしまった感がある。
*4 インフィニットがファントムルビーを使用するシーンの演出や効果音で関連性を多少は推測できるが…
*5 なお、ブレイズは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006)』でも、プレイアブルキャラクターであるのにもかかわらず、シルバー編のエンディングで死亡してしまった為、「ラストエピソード」では唯一未登場と理不尽な扱いを受けている。(ラスボス(ソラリス)撃破後のエンディングで出来事そのものがなかったことになったので、結果的には生存したが。)
*6 直近の『ソニックマニア』ではプレイアブルキャラになったがあくまでクラシック
*7 モダンソニックはエンジェルアイランドの冒険の後にカオスにかかわる戦いに巻き込まれるが、『ジェネレーションズ』後のクラッシックソニックの世界ではこの戦いが起こらずに『ソニックマニア』の冒険に繋がっている
*8 当時だと久々にプレイアブル復帰した『トゥーン』くらいだが、世界観が大きく異なる
*9 例えば動画配信企画『テイルスチューブ』では、アメコミ独自設定と言われていたエッグマンの本名が正式に言及されたりしている
*10 特定の操作をすることでゲーム内タイマーを止めることができるバグが存在し、それを利用すれば最後までゴールすることはできる。
*11 厳密には「オープンゾーン」としており、オープンワールドの中に本作までのようなステージが配置されている形式。