【どらえもん ゆうじょうでんせつ ざ どらえもんず】
ジャンル | アドベンチャーRPG | ![]() |
対応機種 | 3DO interactive multiplayer | |
発売元 | 小学館 | |
開発元 | リバーヒルソフト | |
発売日 | 1995年4月7日 | |
定価 | 7,800円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | 3DO用審査 E(一般向) | |
判定 | なし | |
ポイント |
『ドラえもん』コンテンツに新たな道を拓いた歴史的作品 見た目も性格も個性的なドラえもんの親友達を巡る友情物語 魅力的な本作のキャラはファンから長く愛されることに |
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ドラえもんシリーズ |
3DOにて発売された、ドラえもんのゲーム作品。
誕生間もないドラえもんがロボット学校時代を共に過ごした親友「ドラえもんズ(ドラドラ7)」を巡る物語である。
『ドラえもん』の派生コンテンツ「ドラえもんズ」の原点となったメディアミックス作品であり、3DOというマイナーハードの作品でありながら『ドラえもん』ゲームの代表作の一つに数えられている。
コンテンツとしての『ドラえもんズ』の詳細な解説は余談で後述するものとして、この記事はあくまでゲーム作品として発売時点の基準に立った解説を行う。
西暦2112年9月、聖ネコ型ロボ工作センターでは次々とネコ型お世話ロボットが作り出されてしまいました。そして、われらのドラえもんも、実はここで生まれたのです。
ここで誕生したネコ型お世話ロボットは、人間たちのお世話をする勉強のために、聖ネコ型ロボ学園に通うことになっていました。
もちろん、ドラえもんも例外ではありません。そしてドラえもんは、この学園で大親友と呼べる6人の仲間と出会いました。彼らは永遠の友情を誓いあい、
いつしか、ドラえもんとともに「ドラドラ7」と呼ばれるようになったのです。ある日、ドラえもんが親友テレカを使って仲間の1人であるドラ・ザ・キッドに連絡しようとしたときのことです。いくら呼び出しても、なぜかドラ・ザ・キッドとの連絡がとれません。
不審に思ったドラえもんはもう1人の仲間、王ドラを呼び出したのですが、同じように連絡がとれません。彼らの身に何かあったのでは?と心配をしていたその時、
大ニュースをもってドラミちゃんがやってきました。なんと、ドラえもんをのぞいたドラドラ7の仲間たちが、彼らの生まれ故郷とでもいうべき聖ネコ型ロボ工作センターを襲ったというのです。
さらに彼らは、すべてのネコ型ロボットを引き連れてどこかへ姿を消してしまったとも…。22世紀の未来で何が起こったのか?また、親友たちに何があったのか?
彼らとの友情を取り戻すために、ドラえもんの冒険がいま始まるのです。
(取扱説明書より引用)
後年の作品と比べると、細部の設定が異なるキャラクターが多い。
+ | ネタバレ注意 |
+ | 詳細 |
+ | 後半の展開ネタバレ注意 |
+ | ラスボス戦後の展開ネタバレ注意 |
『ドラえもん』という国民的コンテンツの設定を、大胆にも掘り下げた一作。
あくまで派生作品でありながら、ドラえもんがのび太やセワシと会う前の過去を巡る事ができ、単なるキャラゲーの枠に収まらない作風となっている。
「友情」を巡る物語を通し、身近なようでいて明かされてこなかったドラえもんの意外な一面を楽しむことができるのは、本作だけの大きな魅力である。
ただし、「ドラえもんズ」ブランドを抜きに一本のゲームとして評価しようとすると、後半のプロットが大雑把に投げ出されている点はどうにも見過ごせない問題となっている。
キャラゲーとしての支持は大きいだけに、なんとも惜しい作品である。
今作は「ドラえもんズ」のデビュー作として扱われることが多いが、実際は複数の解釈があり、資料によっても扱いがバラけている。
よくある解釈が「ドラえもんズのデビュー作は映画『2112年ドラえもん誕生』であって、3DOのゲームはデビュー作ではない」というもの。公表されている時系列(前者が3/4公開、後者が4/7発売)を根拠にそう紹介されることが多いのだが、実はこれは二重の意味で誤りである。
+ | 折りたたみ部分のネタバレ注意 |
*1 ドラメッド同様に雑誌では明かされており、劇中のムービーでもそれを示唆するシーンがある。
*2 スタッフのミスなのか、序盤で「ドラえもんズ」と呼んでいるシーンがテキスト上で存在する。
*3 背景の時計の針が動いていないのを「ドットの都合」と言い張るなど。
*4 この設定は、同時期公開の『2112年ドラえもん誕生』でもきちんと描かれている。
*5 ドラえもんと同じ藤子不二雄原作の作品。
*6 なおゴンスケ自体は映画ドラえもんシリーズの常連としてカメオ出演している。
*7 戦闘の直前で「コンパクトを使えば相手の洗脳が解ける」という話が出てくるのだが、使うべきタイミングに具体的な指示がない。道具がジリ貧になってしまい、一か八かで使ってとんでもない効果を発揮することが起こり得る。もちろん道具をしっかり整えていて、これまでのイベントの通りに弱ってきたら使うと理解している場合にはこの裏技に気づかない場合もあるのだが。
*8 エピソード開始から助けるまでのプレイ時間も、ドラ・ザ・キッドに比べて残り2人はそれぞれ半分程度しかない。
*9 DISK複数枚組のゲームはCD媒体のゲームが生まれた時点から当たり前のように存在しており、今作が発売された3DOもまた、ローンチタイトルからDISK2枚組のソフトが発売されている。
*10 ただ、その中で『ムシムシぴょんぴょん大作戦!』のヒロインは当時流行っていたガングロのコギャル風で、美少女とは言い難いキャラだった。
*11 例えば当時のクリスマススペシャル「クリスマスだよ!ドラえもん」では幕間コーナーとしてドラえもんズの活躍(?)を描いた短編が用意されていた。
*12 三谷氏はコロコロでもキッドと王ドラを主人公とした『最新ドラえもんひみつ百科』を連載していた。
*13 『ドラゴンボール』終了後かつ『ワンピース』アニメ化前で競争相手の集英社にキラーコンテンツが無かったこと、原作者死去で再評価の機運が高まっていたこと、『ポケモン』ブームによって小学館のコンテンツを目にする機会が増えていたことなどが加わり、映画『ドラえもん のび太の南海大冒険』がシリーズ最大のヒットを記録するなどのムーブメントがあった。
*14 加えて、原作の作風からかけ離れた『ドラえもんズ』そのものにも「ドラえもんズは藤子作品ではない」という否定的なコメントを残していた。
*15 元々ドラえもんズシリーズは30分の上映時間が与えられていたが、1998年より『帰ってきたドラえもん』を始めとする感動中編シリーズが同時上映作品として加わったため、ドラえもんズシリーズは15分に短縮されることとなる。特に2002年の劇場版の事実上の最終作となる同時上映では僅か7分しかなく、メンバー達も一切セリフ無しで、ストーリーも極めておざなりなものだった。
*16 公式には映画『蒸気船ウィリー』がデビュー作とされているが、実際はそれ以前に公開された試写会版『飛行機狂』で既に出演している。
*17 一般的にはシリーズ1作目『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』がデビュー作とされているが、実はその前に稼働したアーケードゲーム『ラッドモビール』にゲスト出演しており、こちらをデビュー作とみなす場合もある(『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』など)。
*18 該当書籍はノベライズ版『ダークウィザード』3巻。原作は93年末に発売されたメガCD用RPGである。
*19 当時のコロコロコミックでは「欲しいゲーム」「期待のゲーム」をアンケートで集計しており、ポイント上位の10作品が公表されていた。
*20 第二版の奥付より確認。ちなみに3DO最後のソフトは1996年半ばの発売で、同年はソフトの弾もほとんど無かった。
*21 3DOでは店舗展示用の中島みゆきプロモーション用ソフトが中古市場に流れ、高値で取引されている例がある。こちらはレコード店用に100本、家電量販店用に1500本しか生産されていない。この他にも自衛隊やトヨタのプロモーション用に作られたROMの所持報告がネットに上がっている。