本稿はソーシャルゲームであるアプリ版が原作のゲームを扱っています。
本Wikiはソーシャルゲームの執筆が一切認められていないため、Switch版の詳細に関する記述に限定し
アプリ版に関する情報は割愛しています。


PUZZLE & DRAGONS Nintendo Switch Edition

【ばずるあんどどらごんず にんてんどー すいっち えでぃしょん】

ジャンル パズルRPG
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売ソフト
発売・開発元 ガンホー・オンライン・エンターテイメント
発売日 2022年2月20日
定価 500円
※ゲーム内課金あり
プレイ人数 オフライン時: 1~4人
オンライン時: 1~8人
レーティング CERO: A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント パズドラ10周年記念作品
手軽に「みんなで、パズドラ。」
シリーズ初のダンジョンエディット機能
チーム編成・育成要素は非搭載
パズル&ドラゴンズシリーズ


みんなで、パズドラ。

概要

2012年2月20日にリリースされ大ヒットを起こし、ソーシャルゲームの主要タイトルの一つとなったスマートフォン用ゲーム、『パズル&ドラゴンズ』(通称: パズドラ、以下「本家」)。 本作は本家がサービス10周年を迎える2022年2月20日に発売された、Nintendo Switchのダウンロード専用ソフトである。

基本システムは本家をベースとしているが、本作はキャッチコピーの通り多人数プレイに対応しているのがウリの一つとなっている。また、本作限定の新たなモードも存在する。

  • 今作の公式での略称は『パズドラSwitch』が用いられている。
  • 2022年7月14日にVer1.1.0へのアップデートが行われ、ゲーム内容の追加や一部仕様の変更が行われている。

基本ルール

  • どのモードでも共通で、プレイヤーは横6×縦5マスの盤面上の「ドロップ」をなぞって位置を入れ替え、同じ種類のドロップを3個以上つなげて消去することで、モンスターに攻撃させたりHPを回復したりする。
    • ドロップは任意の一つをつかみ、操作開始から一定時間が経過するまで動かし続けることができる。一度手を離すとその時点でパズルは終了。
    • 操作はタッチパネルとコントローラーの好きな方で行うことができる。コントローラーの場合は盤面上で指の形のカーソルを操作し、ドロップを掴んだり動かしたりする。
  • ドロップは火・水・木・光・闇の攻撃用ドロップ5種類と回復ドロップの計6種が基本で、場合により妨害用のお邪魔ドロップや毒ドロップも出現する。
  • 一回の操作で複数の組のドロップを消去するとコンボが成立し、コンボが多いほど攻撃力と回復力が上昇する。
  • プレイヤーが使うチームは5体のモンスターで構成され、本家と比べると1体少ない。それぞれのモンスターは「スキル」と「覚醒スキル」を持つ。
    • スキルはパズルの開始前に任意で使用でき、ドロップの色を変えたり攻撃力を上昇させたりといった有用な効果を得られる。一度使用したスキルは、パズルを一定回数行うと再び使用可能になる。
    • 覚醒スキルはモンスターごとに固有で、ドロップを指定された形状に組むことで攻撃力が上昇したり、敵の妨害を自動で防いだりする。本家ではモンスター1体あたり最大9個の覚醒スキルを持つが、今作では最大3個までとなっている。
    • 今作限定の仕様として、チームとは別にプレイヤーが設定できる「覚醒バッジ」が存在し、特定の組み合わせの覚醒スキル3個をチームに上乗せできる。
      • Ver1.1.0以降、特定の状況下では他のプレイヤーの覚醒バッジを「助っ人」として借りることで、覚醒バッジを2セット同時に使用できるようになった。
  • チーム毎に決められたスキルがあり、パズルで特定の条件を満たすと全てのモンスターに効果を及ぼす。攻撃力上昇、回復力上昇、敵から受けるダメージの軽減などがある。基本的には、プレイヤーはこのスキルを満たすようなパズルを優先して組み続けることになる。
    • 本家では「リーダースキル」という名前だったが、今作にはリーダーモンスター・助っ人モンスターの概念が存在せず、リーダースキルは「チームスキル」という名称でチーム毎に設定されている。
  • プレイヤーが攻略する「ダンジョン」は複数のバトルからなり、各バトルで1〜数体の敵モンスターが出現する。敵は一定回数(最小1回)のパズルが終わるたびに攻撃をしてきて、プレイヤーのHPが減ったり、味方モンスターやパズル盤面が妨害を受ける。
    • 上記のルールに基づいてパズルを繰り返し、自分のHPが0にならないように敵を倒して、全てのバトルに勝利することができればダンジョンのクリアとなる。

ゲームモード

  • 「冒険モード」
    • 基本となるモードで、用意されたダンジョンを順番にクリアしていくもの。
    • ダンジョンは15個あり、それぞれのダンジョンに5個ずつのフロアがある(最初のダンジョンのみ3個)。ほとんどのフロアは4〜5回のバトルで構成される。
      • 15個全てのダンジョンをクリアすると、高難易度の隠しダンジョンが1つ追加される。3つのフロアがあり、そのいずれも10回以上の膨大なバトル数を有する。
      • Ver1.1.0アップデートでは、敵の妨害の種類が増えた高難易度の「ナイトメアダンジョン」が追加された。ナイトメアダンジョンにも通常と同様に15個+隠し1個のダンジョンがあり、15個目のダンジョンを制覇するとスタッフロールが流れる。
    • 1人プレイだけでなく、オフラインの多人数で同時にプレイすることも可能。
      • 多人数プレイ時は画面は1つで、各自がコントローラーを用いて自分の盤面でパズルする。チームは共有で、全員のパズルが終了した後にパズル結果の平均を用いて攻撃と回復の計算がされる。
      • チームスキルは誰か一人が条件を満たせば全員に適用される。また「ドロップの5個十字消し1個につき〜」のタイプのチームスキルの場合、各人が組んだ回数は平均せずそのまま合算されるので、1人プレイより遥かに高い攻撃倍率を発揮できる。
  • 「対戦モード」
    • 本家の「8人でサクッと(旧:8人でスカッと)」に相当するモード。1つのダンジョンを8人で同時にプレイし、制限時間内に稼いだスコアで競争する。使用チームはダンジョンごとに専用のものが用意される。
    • スコアは、平均コンボ数、突破したバトル数、ボスを倒すまでの所要時間と、パズルで覚醒スキルを発動させるたびに加点される消し方ボーナスから計算される。
      • 加えて、8人の中で「最大コンボ数」「最大ダメージ」「最大消し方ボーナス回数」を出したプレイヤー各1人ずつが、ボーナス加点を得られる。
    • オンラインで部屋を作り、友達とプレイできる「フレンドマッチ」、世界中のプレイヤーとランダムマッチでプレイできる「ワールドマッチ」、1人でCPU相手にプレイする「COMマッチ」の3種がある。
      • このうちワールドマッチでは週替わりのイベントダンジョンがあり、それぞれの回ごとに条件を満たすことで後述のアチーブメントが入手できる。Ver1.1.0以降は全部で52個のイベントダンジョンがあり、52週間(約1年)で一巡するようになっている。
      • Ver1.1.0以降のフレンドマッチでは、専用チームではなく自前のチームを使って挑戦することも可能。
  • 「エディットモード」
    • パズドラシリーズでも本作が初の試みとなる、 「プレイヤーがダンジョンを設計して遊ぶ」モード。
    • ダンジョンの構築は、「エディットパーツ」と呼ばれる敵モンスターを配置することで行う。行動パターンは敵の種類ごとに決まっており、個体ごとの大まかなパラメータを規定するレベル(Lv1〜5まで)が調整できる。
      • 敵モンスターは4種類のサイズがあり、1つのバトルで同時に何体まで出せるかがサイズで規定される。
      • 1つのダンジョンにつき、最大10バトルまで設定できる。
    • このほか、バトルのルール、背景、BGMを個別に設定できる。
      • ルールに含まれるのは、登場するドロップの色(6色のうち特定の2色まで出現させないことができる)と、落ちコン*1の有無。
    • 上記のエディットパーツや背景・BGMは、後述のガチャやアチーブメントによる解禁が必要なものが多い。
    • 完成したダンジョンは、自分でプレイしてクリアすることで、サーバーに公開できるようになる。他のプレイヤーが公開したダンジョンは、ダウンロードすることで保存およびプレイが可能。
      • サーバー「ダンジョン広場」には新着順・週間人気・総合人気の3種類のソートがあり、見つけたダンジョンをダウンロードできる。またダンジョンごとに設定されるIDでの検索も可能。
      • 冒険モードと同様、エディットダンジョンも多人数での協力プレイに対応している。
  • その他のモード
    • プロフィール: メニュー画面で+/-ボタンを押すと移行。自分の現在のランクを見たり、アバターやスキン・王冠の選択ができるほか、ダンジョンで使用するチームや覚醒バッジもこの画面から設定する。
      • 今作で使用できるチームは、全て最初から構築済みのもの。 初期状態では1種類だけで、それ以外は全て下記のガチャを回すことで手に入れる必要がある。発売当初は全21種、Ver1.1.0以降は全51種。
      • ランク上限は発売当初は99、Ver1.1.0アップデート後は120。
    • 「アチーブメント」: プレイヤーランクを上げたり、冒険・対戦・エディットの各モードで様々な条件を満たすことで手に入る達成報酬の一覧。
      • 条件は「冒険モードの特定のダンジョンをノーコンティニュークリア」「ワールドマッチで3回以上3位以内に入る」「他の人が作ったダンジョンを一定回数クリアする」など。
      • ワールドマッチの週替わりイベントダンジョンにはそれぞれ固有のアチーブメントがあり、このうち王冠と無料ガチャはイベント期間内にしか入手できない。
    • 「ガチャ」: 有料販売要素 。ガチャを回すことで、モンスターのイラストである「アバター」と、それについてくる「おまけ」が手に入る。
      • 「おまけ」は、チーム、覚醒バッジ、BGM、スキン、エディットパーツなど。いずれも、ガチャのおまけ以外の手段では入手できない。
      • 課金ガチャは1回300円、5回セットで1000円。一部ガチャはイベントで半額になったこともある。ダブることはなく、ガチャの中身を全て引き切ればそこで打ち止めになる、BOXガチャ仕様。
      • アチーブメントの達成で、無料でガチャを1回引ける機会が多く用意されている。きちんとプレイしていれば、課金しなくてもある程度はガチャを引けるようになっている。
      • 課金ガチャで手に入るアバターとおまけは、発売時点では30種ずつのガチャが3組。Ver1.1.0アップデートで40種ずつのガチャが新規に3組追加され、全部で6組、210種となった。
      • これらの課金ガチャとは別に、アチーブメント達成報酬のみで引ける「ノーマルガチャ」も存在する。全40種で、こちらは上記とは逆に課金して引くことは不可能。

評価点

  • 操作性は良好
    • タッチ操作の感度は優秀で、高速でパズルしてもズレたりドロップが飛んだりすることはほぼ無い。
    • 前作『パズドラGOLD』ではできなかった、TV画面でのコントローラー操作に対応している。カーソルは直感的に動かすことができ、対応キーを押せば斜め入力や操作加速も自在に可能。
    • コントローラー操作はタッチパネル操作より速度が遅くなるが、多くのチームはパズル操作時間が25秒や30秒と余裕のある設定になっており、コントローラーでもある程度余裕を持ってパズルを決められる。
      • 対戦モードでは、タッチを一切使わずコントローラーだけで操作した時にボーナス加点が入る仕様になっている。
  • 複雑性を排したゲームバランス
    • どのチームであっても、「チームスキルを満たしつつ、コンボを重ねて攻撃倍率と回復力を高め、敵の妨害などの状況に併せて対応するスキルを使い、有用なスキルがない場合はパズル内容を工夫する」という立ち回りで大体のダンジョンは攻略可能。
    • 本作のチームはいずれもHPに比べて回復力が低めに設定されていることが多いため、負ける場合は敵との殴り合いでHPを削られジリ貧になるパターンが多く、負けた場合でも負け方に納得しやすい面がある。対処法も「コンボ数を増やして回復力と攻撃力を上げつつ、新しい回復ドロップや攻撃色のドロップを盤面に多く呼び込む」という基本的なものが十分通用する。
      • 本作の敵モンスターの攻撃は、冒険モードの終盤まで進めても比較的緩めであり、妨害もパズルで対応可能なものが多い。サービス開始から長期間が経過しインフレが進んだ本家でよく見られるような「開幕から雑魚敵の強すぎる攻撃で一撃死」「特定のスキルがないと即座に詰みになる強烈な妨害」などは、今作ではほとんどない。
    • また冒険モードでは、どのダンジョンでも無条件で3回までコンティニューが可能であり、救済措置として機能している。
  • 短時間のプレイがしやすい
    • 今作は長丁場のダンジョンは少なく、4〜5バトルのダンジョンなら潜入からクリアまで3〜5分前後で区切りがつくものが殆ど。また対戦モードは全ダンジョンに3分の時間制限がある。
    • 気が向いた時にちょっとプレイして、区切りのいい時に終了できる、パズドラの原点ともいえる往年のスマートフォンゲームのような手軽さは評価点といえる。
  • 新機軸のダンジョンエディット機能
    • プレイヤーがダンジョンを作る側になれるのはパズドラシリーズ10年の歴史でも今作が初。
    • 好きな見た目のモンスターを並べるだけでも立派なダンジョンが出来上がる。様々なモンスターを組み合わせて高難易度のダンジョンを作り、自分で攻略したり、他の人にプレイしてもらう楽しみもある。
    • 本作に登場するほぼ全ての敵モンスターがエディットモードで配置可能である。例外は冒険モードのラスボスくらいのもの。
    • エディットモードのUIは直感的な操作ができる作りになっており、ダンジョンを通しでテストプレイすることが可能。設定可能なBGMや背景も多様で、自作のダンジョンを彩れる。
      • ダンジョンのボス戦で敢えてメインメニュー画面のBGMを流すなど、ミスマッチさを楽しむこともできる。
  • 大画面で見られるモンスターのイラスト
    • 今作での敵モンスターおよびアバターに設定できるモンスターは、本家パズドラに存在するアニメーション付きのモンスターがそのまま登場する。Switchをモニター出力すればスマートフォンよりも大きな画面・高い画質でモンスターを鑑賞することができる。
      • 2022年7月までに本家に登場したアニメーション付きモンスターは、色違い差分を除けばほぼ全員が登場する。
      • ただし一部モンスターは肌面積が抑えられる修正が施されている。尤も、前作『パズドラGOLD』と異なり単なる黒塗りではなく、きちんと各モンスターのインナーの加筆が行われてはいる。
    • チーム能力詳細画面で見られる味方チームのモンスターはアニメーションしないが、その分より多彩な種類のモンスターが登場する。週替わりのワールドマッチでもそれぞれ専用のチームが用意され、そのつど新たなモンスターを使うことができる。
  • 手頃な導入価格
    • 本体価格500円の割には十分なボリュームである。対戦モードを多人数で遊ぶ際も新たなユーザーを気軽に誘いやすい設定と言えるだろう。
      • 前作『GOLD』は本体価格1500円だったが、一人用モードのボリュームが非常に薄いという問題点があった。この点は今作で改善されたと言える。
    • ガチャを全て課金で引くとなると流石に出費が嵩むが、無料ガチャの入手機会が豊富であるためある程度はカバーされている。冒険モードを制覇するだけなら、有料ガチャから出る強めのチームが2〜3セット確保できれば十分に達成できると思われる。

賛否両論点

  • モンスター育成・チーム編成要素の廃止
    • 今作でプレイヤーが使用可能なチームは全て構築済みのものであり、 モンスターを育成したりチームを自分で編成したりする機能は用意されていない。
      • 本家パズドラはもちろん、これまでの家庭用過去作にもチーム編成の概念は常に存在していたものであり、それを大胆にオミットした点に関しては様々な意見がある。
    • プレイヤーが特定のチームに対して上乗せできるのは覚醒バッジだけで、それ以外に工夫の余地はない。一つのチームで対応可能な妨害ギミックの種類は限られているため、対応できない妨害はパズルでなんとかしてやり過ごす以外の方法を取れない。
      • ダンジョン攻略に向けてそのダンジョンに有利なチームを考案し作成する、といった本家・過去作の楽しみは本作では体験できない。
      • もっとも、本家は逆にチーム編成やモンスター育成の比重が高く「ダンジョンでパズルする時間よりも編成を考える時間のほうが長い」となりがちなので、ダンジョン開始前に難しいことを考えずに済むという点では本作の仕様が必ずしも問題点とは言い切れない。
    • 例外として、初期チームである「バステトチーム」だけはランクアップのアチーブメントでチームが強化される。ただし強化される箇所は固定の上、かなり早期に頭打ちとなり、最終段階でもガチャから出る他のチームには見劣りする。
  • フレーバー成分の不足
    • 本作のモンスターには、敵味方どちらでも「スキル名」が存在しない。スキルの説明には効果しか記載されていないし、敵が攻撃する時は単にその場で光るだけである。
      • 上記のチーム編成やモンスター育成と同様、敵味方のスキル名表示に関しても本家や過去CS作に共通して用意されていたものであり、こちらも省略されたことの衝撃は大きい。
    • 多彩なモンスターに出会える本作だが、スキル名の演出がないせいでどのモンスターもただ攻撃してくるだけとなっており、モンスターが持つ雰囲気や性格などの個性が感じられにくい。
      • ただ、逆にスキル名がないおかげで、多数の妨害ギミックを同時に撃たれても1回分の発光で全て処理されるようになっており、煩わしさの軽減に繋がってはいる。
    • パズドラZ』や『パズドラクロス』といった過去の家庭用作品とは異なり、冒険モードの背景となるストーリーは特に用意されていない。ゲームの目的が不明瞭になっていると取るか、これまでの低年齢層志向から外れて幅広いユーザー向けになったと取るかは人それぞれだろう。

問題点

  • プレイ報酬の不足
    • 先述の通り今作には育成機能がないため、ダンジョンのクリアで恒常的に得られる報酬はプレイヤーランク経験値 だけ 。他の報酬は全てアチーブメントであり、一度条件を満たせば終わりのものである。
      • そのため、特に冒険モードでは一度クリアしたダンジョンを何度もプレイする意義に欠ける面が大きい。
    • 一方で、そのプレイヤーランク経験値は必要量が膨大。ランク50あたりまではサクサク上がるが、そこから先が一気に渋くなる。ランクを上げようとするとひたすらダンジョンをクリアし続ける単純作業になりがち。
      • 効率よく上げるとなると対戦モードのワールドマッチでひたすら戦うか、エディットモードで倒しやすい敵を並べたダンジョンを作って周回するくらいしかない。ランク経験値獲得量を上げる覚醒バッジはあるものの、1.2倍止まりで劇的な効果とはいえない。
      • ノーマルガチャをコンプリートするにはランク95まで上げることが必須である。ここまでやるのは苦行の域。それ以降も、ランクアップでのアバター解禁はランク120でカンストするまで続く。
  • 無料ガチャの仕様
    • 特定のガチャを引き切った場合、以降はそのガチャを対象とした無料ガチャを手に入れても無駄になってしまう。他の効果の報酬に換えてくれたりもしない。
      • ワールドマッチのイベントダンジョンのアチーブメントで毎週1回は特定の無料ガチャが引けるのだが、引けるガチャの種類が選べないので、課金のペースによっては無料ガチャが無駄になり続けて勿体無い思いをすることがある。
  • モンスターのアニメーションの質が不揃い
    • 上記の通り本作のモンスターのアニメーションは本家の流用。本家で実装時期が比較的早かったモンスターでは、パーツの変形などの動きに違和感を生じることがある。
    • Ver1.1.0での追加モンスターの中には、ドット調にデフォルメされたモンスターが多数存在する(これも本家の流用)。これらはアニメーションも2〜3コマを繰り返すだけの単調なもの。
      • ガチャは専用のものが設けられており、イベントダンジョンでの登場時は敵味方ともドットで統一されているので雰囲気を損なわないようになっている。しかしエディットモードで普通のキャラと一緒に並べると流石に浮く。
      • また「今作にはドット状態でしか登場しないモンスター」も複数存在する。いずれも、本家ではデフォルメ前のイラストも存在する。
      • ちなみに、「ドット・アテナ」は本作のアバターの中で唯一、2022年時点で本家に登場しないモンスターである。*2
  • エディットパーツの情報開示の不足
    • エディットモードで配置する敵モンスターの具体的なHP・攻撃力や行動パターンは表記されておらず、確認するにはテストプレイで実際に戦ってみないといけない。
      • ちゃんとクリアできる難易度になっているか確認するのが面倒、特定の行動パターンを持つ敵を見つけてくることが困難、といった問題がある。
  • 対戦モードでの覚醒バッジ
    • 対戦モード(特にワールドマッチ)では専用のチームを全員が使うのだが、覚醒バッジは自前のものを使用可能のため、全員が同条件というわけではない。バッジの所持状況によっては格差を生じることがある。
      • チームにない列消し強化や追加攻撃の覚醒をバッジで付与すれば、本来は得られない消し方ボーナスを強引に得ることが可能。また、対戦モードのスキルには相手の盤面に妨害を行うものがあるが、覚醒バッジでお邪魔耐性や暗闇耐性を付与すれば妨害を回避できる場合がある。
  • 取り返しのつかない要素
    • 今作の期間限定要素は週替わりのイベントダンジョン関連のみだが、アチーブメントのうち王冠は取り逃がすとリカバリーが効かない。王冠は取得できる順番が決まっているため、取り逃がしが出るとそれ以降の王冠が取得できるタイミングが遅れていくことになる。
      • 王冠の入手条件は「3位以内に3回入る」*3で、幸いにしてこれ自体はさほど厳しい条件ではない。*4
      • ちなみに今作の王冠は全部で120個。デザインは全部で60種類だが、61個目以降は一巡し、光るエフェクトがついた王冠になる。120個全て集めるとそれ以上は増えなくなる。
  • ローカル多人数プレイをする際はTV画面でのコントローラー操作が必須のため、タッチパネルを使うことができなくなる。

総評

サービス開始10周年を迎え今なお続くパズル&ドラゴンズ、本作はそのSwitch移植版。
「みんなで、パズドラ。」をキャッチコピーとし、短時間で手軽に遊べるバランスに調整した上で、対戦・協力の双方を備え多人数でのプレイに間口を広げることに成功した。
加えてシリーズ初となるダンジョンエディット機能を搭載し、「パズドラを作る」という新たな楽しみ方をプレイヤーに提供した意欲作と言える。

一方で、シリーズの定番要素だったモンスターの育成やチーム編成のシステムは大胆にも全てカットされており、スキル表記などの演出も簡素化し、キャラクターの個性の表現は犠牲になっている。旧来通りの楽しみ方の全てがSwitch上に再現されている訳ではない。

本体価格だけなら500円とボリュームに比して安価であり、ガチャの課金要素があるものの青天井ではなく、無料ガチャの機会も積極的に設けられている。

10年の歴史を経て長大化・複雑化した本家パズドラに敷居の高さを感じる方は、よりシンプルに再構成された本作を一度プレイする価値があると言えるのではないだろうか。大人数でカジュアルに楽しめるパズル作品を探している方にも、試しにダウンロードしてみて欲しい一作である。


余談

  • エディットモードを用いた企画として、作成したダンジョンを応募する「エディットモードコンテスト」が2回開催されている。最優秀賞の受賞作はアレンジされて本家パズドラに収録されている。
    • コンテストには参加賞も用意されていたが、本家パズドラで使えるアイテムのみであり、肝心の本作側には恩恵が特になかった。
  • 2回ほどセールが実施されており、期間中は本体価格が 100円 、ガチャ6種のうち2種類が半額で販売されていた。
    • 1回目のセール期間中である2022年8月10日に、本作のダウンロード数が10万を超えたことが発表されている。
  • 2023年12月5日、iOSのApple Arcade向けに、新作「パズル&ドラゴンズ ストーリー」が配信された。同作のゲームシステムとUIは本作の「冒険モード」をベースとしている。
最終更新:2024年09月02日 23:41

*1 パズルしてドロップが消えた後、上から落ちてきたドロップが繋がってさらに消えること。

*2 既存キャラを拡大しただけのデカ系モンスターや、看板の有無が異なるガチャドラ系を除く。

*3 Ver1.1.0以前は「2位以内に1回入る」だった。

*4 マッチングする他プレイヤーの人数は不問であり自分以外ゼロでもよく、数合わせのCPUは強くないため。