本項では以下を扱います。
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『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3』
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『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX』
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『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX PLUS』
湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3
【わんがんみっどないと まきしまむちゅーん すりー】
湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX
【わんがんみっどないと まきしまむちゅーん すりーでらっくす】
湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX PLUS
【わんがんみっどないと まきしまむちゅーん すりーでらっくす ぷらす】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード
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使用基板
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System N2
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記録媒体
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縦向き磁気カード
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発売・開発元
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バンダイナムコゲームス
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開発協力
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ジーン
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プレー人数
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1〜4人
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稼働開始日
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3
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2007年7月18日
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3DX
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2008年12月16日
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3DX+
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2010年3月4日
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判定
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全作
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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分身対戦初登場 湾岸線・横羽線復活 刷新されたパーソナルカラー 悪化した車種間性能バランス 以後のシリーズの基礎を確立
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湾岸ミッドナイトシリーズ
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概要
2004年に衝撃のデビューを飾った『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』の記念すべきナンバリング3作目。シリーズで初めて高性能な基板へ刷新され、グラフィックをはじめとしたビジュアル面が大幅に強化されたことはもちろんのこと、今作は新要素尽くしとなっており、主に「分身対戦」「ドレスアップ」「追加車種・コース」と言った従来から大幅にボリューミーとなったコンテンツを引っ提げてのデビューとなり、ロケーションテストでもセールスポイントとして大々的に取り扱われた。
併せてメニュー画面のグラフィックが丸目のモノトーン基調なものに大幅刷新され視認性が向上。ストーリーモードも原作コミックに沿った内容へ全面リニューアルされ、これらは新作が次々とリリースされた現在でも変わらず受け継がれていったことにより、以後のシリーズの方向性を決定付けた。
その後もROMアップデートとは別に「バージョンアップ」と銘打たれた新作が2作に渡りリリース、主に原作コミックで登場しない舞台を題材としたコースや写真の追加など、後の同様の流れを汲むナンバリングタイトルにも通ずるシリーズ展開を繰り広げ、こちらもまた以後のシリーズ展開の礎を築いた。なお、公式サイトの記載からもわかる通り『3DX+』の「+」はあくまで略称で「PLUS」の方が正式名称となる。
開発協力のジーンについては、ジーン公式サイトでは非公開案件扱いとなっているが、エンディングで表示されるスタッフクレジットで開発協力として堂々と記載されている。
『4』以降は記録媒体がバナパスポートとなり、併せて廃車カードが仮想カードとなったため、物理カードとしての「廃車カード」が発行されるシリーズは『3DX+』が最後となる。
新要素・仕様変更
以下は新要素ならびに前作から変更された点を扱い、筐体の構造など『2』までと共通している点については割愛する。
筐体説明
ドライブ筐体
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『2』までに使用された筐体と変わらないものの、使用基板が「Chihiro」に代わりナムコにより独自開発されたNVIDIA社製nForceマザーボードベースのLinux OSを採用した新基板「System N2」が採用された。そのため、アトラクトやスタッフクレジットでは「NVIDIA」のロゴが表示されている。
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ただしLinux OSそのものの普及率のせいか「System N2」を採用した基板は今作以外では『Counter-Strike NEO』『機動戦士ガンダム 戦場の絆』の2タイトルしかない。『4』で採用された「System ES1」も引き続きLinux OSを使用していたものの、『5』以降で採用した「System ES3」では競合他社にあわせてWindows OSに変更された。
チューニングカード
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引き続きロイコ染料による印字が施される汎用リライタブル(書き換え)磁気カード「re-writable card(リライトカード)」を採用しているものの、『3』シリーズではカードの柄が縦向きになり、カードの厚さも1,2枚分厚くなった。同様にカードの柄も複数用意されている点も続投されている。
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印字される内容は上から順に「名前」「車種・型番」「ランク・現在付けている称号」「馬力」「ストーリーモードのクリア状況」「走行距離」「インターネットランキング登録用パスワード」の7点。『3』以降も引き続き60プレーで更新である。このプレー回数に達したら強制的にゲームオーバーとなり、次回プレー時に新しいカードに更新をしてデータを引き継がなくてはならない。
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『3DX』より右上にバージョン表記(『3DX』なら「3DX」が印字)、クリア状況枠の右側に「連勝数・クリア話数」、『3DX+』より馬力の右側に「P:(パワーゲージ) H:(ハンドリングゲージ)」が追加で印字されるようになった。
廃車カード
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『3』で「無条件無敗」「ボディカラー変更可」に仕様変更された。20話以上クリアしているデータの入ったカードを60プレー分使い切ると、そのカードが廃車カードになる。2回まで使用可能で使い切ると使用済みとなる。60プレー分使い切った段階で20話までクリアしていない場合は廃車カードが発生せずにそのまま使用済みとなる。
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内容はゲーム開始時に廃車カードを差し込むと、廃車カードと同じ車種20話クリア分の無敗データからプレー出来るというもの。ランクもN級からではなくC7級から開始となる。他は新規作成した時と同じである。
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『3DX』より「1回しか使用できない」「ボディカラー変更不可」に仕様変更されたものの、『3DX+』ではボディカラーに限り変更できるように改修された。
プレゼントカード
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『3DX』『3DX+』だけで実装された機能。こちらはストーリーの進行状況に関係なく60プレー使い切れば無条件で最初に排出される。これは制限付きでその時点のカードデータでそのまま5回まで遊べるカードである。
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5回使い切ったら「20話までクリアしているカード」の場合は廃車カード変化するものの、20話までクリアしていない場合はそのまま使用済みカードとなる。
ゲーム内容
制限時間
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制限時間の上限・下限に大きな変更があり『3』よりどんなに長距離になっても「480秒(8分)」が上限となった。分身対戦などにおける最小時間も「300秒(5分)」となった。
BGM
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作曲は引き続き全て古代祐三が担当している。『2』から引き続き「10人抜き」のBGMを他のモードで使用することができない。『3』以降、ストーリーモードで旧作のBGMを獲得することが可能となった。
+
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BGM一覧
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湾岸マキシ3シリーズ
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『3』『3DX』『3DX+』のBGM。最初から所持している。
湾岸マキシ1/2
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『2』までに収録されたものに加えて『2』で削除された4曲「Stream Of Tears (More Tranced Remix)」「Beyond The Horizon」「Speed Fanatic」「Acid Runner」と、OST初回限定盤に付属していたチューニングカードだけで使用できた「Holy Land Anthem」を含めた全曲が選択可能。因みに『1』の音源はサントラ音源ではなくゲーム中に収録されている音源が収録されている。
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『2』で80話をクリアーしたカードを引き継いだ際には、引き継ぎと同時に入手される。
湾岸ミッドナイトR
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『無印湾岸R』のBGM。本作の無敗特典のひとつ。サントラに収録されていない「Blackbird's Theme」含めたレース中BGMが全て収録されている。
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『2』の無敗カードを『3』へ引き継いだ際には、「『1/2のBGM』」「白レスメ」と一緒に入手される。
10人抜き
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10人抜き専用BGMで、それ以外のモードでは使用不可。今作では2曲が追加され、Lv1,2,6,7で使用されている。前作で使用された3曲については、Lv3,4,5,8,9,10で使用されている。
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レースメーター
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新たな無敗特典として『3』で初実装されたレースメーター。オプション画面から通常のメーターから変更可能となる。ただし自力で入手可能なレースメーターが登場するのは『3DX』からとなる。
+
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レースメーター一覧
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レース用
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『3』初出(要『2』の無敗カード)。
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『2』の無敗カードを『3』へ引き継いだ時だけ入手できるレースメーター。ゲーム中では「レース用」と記載されている。見た目から「白レスメ」の名で呼称されることがもっぱらである。
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10,000回転スケールの白いタコメーター。ワーニングランプは1つだけだが大きめで盤面のフォントも黒文字で太いため、全体的に視認性が高い。夜になると水色っぽいバックライトが点く。
スペシャル
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『3DX』『3DX+』の無敗特典。通称「スペメ」。『4』以降ではいかなる手段でも入手不能となる。
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黒地と白いフォントと赤の縁の盤面を基調とした8,000回転スケールタコメーターと速度計とブースト計が一体化したメーター。ワーニングランプは右下に小さめに設置されているため、ややわかりづらいかもしれない。夜になると盤面の文字が橙色に光る。
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マーカー
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今作では色分けの内訳が変更され、それぞれ「1P/青」「2P/緑」「3P/黄」「4P/赤」となる。
ストーリーモード
概要
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今作ではシステムこそ継承されているものの、全体的なストーリーの流れが『2』の第41話以降をベースに完全に刷新されており、名実共にモード名に相応しく「原作コミックに沿った内容」となった。従来通り5話区切りで「前後編」と分けられおり、1周目に限り21話以降は1話ずつ順番に進めなければならない。地味ながらも『3』から「リタイアした際は有敗として処理されなくなりそのままレース終了」となるよう変更された。
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1話~10話の「悪魔のZ復活編」、11話~15話の「とびきりのGT-R編」、16話~20話の「赤坂ストレート編」、21~30話の「モンスターマシン編」、31話~40話の「R200CLUB編」、41話~50話の「阪神高速環状編」、51話~60話の「幻のFC編」、61話~70話の「ガレージACE編」、71~80話の「幻のF1タービン編」で構成されている。『3DX』からはこれに加えて81話〜85話の「イシダ編」、86話~90話の「地上のゼロ編」、91話~100話の「FDマスター編」の計20話が追加され、全100話となり、2周目以降は「悪魔のZ復活編」が『2』までのストーリーモードを踏襲した構成の「チューナー編」に変化する。
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「悪魔のZ復活編」はホームページでの表記となり、ゲーム中ではなぜか「悪魔のZ 復活」と他の話に含まれている「編」と言う漢字が含まれておらず、表記揺れが見受けられる。
+
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詳細
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話数
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題目
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対応巻数
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『3』からの内容
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第1〜10話
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悪魔のZ復活編
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1,2,3
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第11〜15話
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とびきりのGT-R編
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3,4,5
|
第16〜20話
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赤坂ストレート編
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5,6,7,8
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第21〜30話
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モンスターマシーン編
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8,9,10,11,12,13
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第31〜40話
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R200CLUB編
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13,14,15,16
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第41〜50話
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阪神高速環状編
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16,17,18,19,20
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第51〜60話
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幻のFC編
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20,21,22,23,24
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第61〜70話
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ガレージACE編
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24,25,26,27,28,29
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第71〜80話
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幻のF1タービン編
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29,30,31,32,33
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『3DX』『3DX+』の追加・変更分
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第81〜85話
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イシダ編
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1,2,3,4
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第86〜90話
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地上のゼロ編
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33,34,35,36,37,38
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第91〜100話
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FDマスター編
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38,39,40,41,42
|
第101〜110話
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チューナー編
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-
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+
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隠し要素
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湾岸太鼓ナイト
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「チューナー編」3周目以降の奇数周(5,7,9,11…)の第10話は各ライバルが『太鼓の達人』の登場キャラに差し替えられた「湾岸太鼓ナイト」に変化する。
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差し替えの内訳は「秋川レイナ→和田どん子(スバル・R2)」「北見淳→和田かつ(秋川レイナと同乗)」「島達也→お面小僧(トヨタ・ハイエース)」「朝倉アキオ→和田どん(トヨタ・カローラ)」となっている。また、『2』の差し替えストーリー同様に語尾も微妙に変化する。
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チューニング
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「追加チューニング」が個別のパーツグラフィックが用意されていないながらも「特定のパーツ装着・換装」扱いとなった。併せて第31〜40話が「追加チューニング」となり、「北見チューニング」が赤の目盛りに統一され第41話以降になった。
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『3』より最大馬力が820馬力となり、赤の目盛りが3目盛分に増量された。
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『3DX』より最大馬力が825馬力となり、赤の目盛りが4目盛分に増量された。
話数
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勝利時
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敗北時
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チューン内容
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最大最終馬力
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『3』からの内容
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第1〜20話
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満杯
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1/2
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基本チューニング
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600馬力/B
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第21〜40話
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1/2
|
1/4
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追加チューニング
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800馬力/DG
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第41〜50話
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1/10
|
無し
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北見チューニング
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810馬力/DG
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第51〜60話
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815馬力/DG
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第61〜80話
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1/20
|
820馬力/DG
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『3DX』『3DX+』の追加分
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第81〜100話
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1/20
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無し
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北見チューニング
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825馬力/DG
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連勝数
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『3DX』より実装されたやり込み要素。連勝数はリザルト画面で大きく可視化され、連勝数を重ねていけば対応した称号が手に入る。今作では連勝数に応じた特典は称号以外用意されていない。連勝数に応じてリザルト時に表示されるテロップ色が変化するが、この時点ではレース前の読み込み時に表示される連勝数は間に合わせなのか右上に小さく表示され、テロップ色も変化しない。
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この仕様変更によるためか、『3』までの「無敗達成後は有敗になっても無敗のまま」と言う仕様に変更が入り、『3DX』より「無敗達成後も以降の周で敗北した場合はその周では有敗判定が付く」ように統一された。
連勝数
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色
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テロップ色
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2〜9連勝
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白
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10〜99連勝
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赤
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100〜999連勝
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銀
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1,000連勝以降
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金
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分身対戦
概要
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『3』より実装。チューニングカードを使用している時のみ選択可能であるため、カード未使用時は表示すらされなくなる。内容は「筐体に保存された分身データを選択してバトルする」と言ったものであり、まさに本作のキャッチコピーを体現するモードである。同じく今作で追加されたドレスアップパーツを獲得するのに必要な「ドレスアップゲージ」もこのモードだけで獲得可能である。こうした経緯のためか、リアルタイムのオンライン対戦は『3』稼働前には実装する旨のアナウンスがあったものの、最終的には実装されなかった。
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分身は、「プレーヤーの走行データ」であり、カード作成時に自動的に作成される。通信ラグを気にせずいつでもバトルしたいプレーヤー(の分身)と戦える。走行データ自体は原則録画と大差無く、ガリ行為や壁ヒット等の挙動もそのまま反映される。アザーカーに接触した時の挙動は完全に再現されず、失速せずにアザーカーの進路だけ狂うようになっている。
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ちなみに『3』のみ通常の分身も含めてどんなにガリなどでぶつけても相手の進路が一切ズレることはない。
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分身は「レベルから選ぶ」「対戦履歴から選ぶ」「リベンジする相手から選ぶ」「カードネームから探す」の4つから検索可能である。
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「10人抜き」同様に馬力ごとに設定されたレベルの概念が存在しており、自車のチューニング状況や戦績に応じて自動的に振り分けられる。レベル9まではチューニングの進行状況に応じて振り分けられるが、最上級レベル10の「無差別級」に限り、「フルチューンかつ分身累計撃破数1000人以上」で振り分けられる。
分身レベル
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10人抜き同様に馬力ごとにレベル分けがなされている。無差別級については「フルチューンしたプレイヤーの中でもやり込んだプレイヤー」と定義されている模様で、フルチューン且つ一定の勝利数を重ねてようやく振り分けられる。
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『3DX』については「Ver.B」までと「Ver.C」以降で振り分け方が異なっており、「Ver.B」までに限り「初級」「中級」「上級」「王冠」と分かれていた。
+
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レベル詳細
|
レベル
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名称
|
分身レベル ※『3DX』は「Ver.C」以降
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レベル1
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300馬力級
|
レベル2
|
400馬力級
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レベル3
|
500馬力級
|
レベル4
|
600馬力級
|
レベル5
|
700馬力級
|
レベル6
|
3
|
750馬力級
|
3DX
|
800馬力
|
3DX+
|
レベル7
|
3
|
800馬力
|
3DX
|
815馬力級
|
3DX+
|
レベル8
|
3
|
815馬力級
|
3DX
|
825馬力級
|
3DX+
|
レベル9
|
3
|
820馬力級
|
3DX
|
無差別級
|
3DX+
|
レベル10
|
3
|
無差別級
|
3DX
|
※未実装
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3DX+
|
最強プレイヤーに挑戦!! ※王冠争奪戦
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分身レベル ※『3DX』「Ver.B」までのみ
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初級レベル
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〜600馬力
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中級レベル
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〜800馬力
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上級レベル
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〜825馬力
|
最強プレイヤーに挑戦!! ※王冠争奪戦
|
|
店内王冠
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「分身レベル」の一番右(無差別級の右隣)から選択可能。リベンジ相手が王冠争奪戦を兼任していた場合でも同様に選択される。「店内王冠」所持者は店内で最もレベルの高い分身と位置付けられており、「スローカーブースト強制オフ」「どんなにぶつけても進路が一切ズレない」特別仕様となる。
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見事王冠分身に勝利すると「王冠獲得」となり、アトラクトに表示される。当然獲得した店舗のみ有効であるため、他店舗で所持状況を共有することは不可能である。
リベンジ戦
-
誰かに自身の分身を倒された場合、カード挿入直後に「挑戦状!」なるテロップが表示され、フェードアウトの後に該当プレイヤーが表示され、リベンジに応じるか否かを選択することができる。
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応じた場合はそのまま乱入拒否に初期設定された上でそのまま分身対戦へ直行、応じなかった場合はそのままカードデータ確認画面に移行する。
-
リベンジ戦は「リベンジする相手から選ぶ」経由で後からでも選択可能である。リベンジ戦に応じなかったり敗北した場合は勝利するまではストックもされる。
ドレスアップ
-
『3』から本格採用された要素。チューニング同様、ドレスアップポイントを貯め、満タンになったら次のレベルに応じたパーツが入手できる。
-
概念自体は『初代』から存在しているが、『2』まではハンドリングチューンの「ホイール」で「選択」、「エアロパーツ」は装着するか否かを選択するだけだった。
+
|
報酬の内訳
|
レベル
|
勝利時
|
敗北時
|
基本獲得ポイント
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1〜10
|
満杯
|
1/2
|
11〜20
|
1/2
|
1/4
|
21〜30
|
1/3
|
1/6
|
31〜40
|
1/4
|
1/8
|
41以降
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1/5
|
1/10
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ボーナス補正
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同レベルに勝利
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1倍
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0.5倍
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格上レベルに勝利
|
1.5倍
|
0.5倍
|
王冠奪取成功
|
リベンジ戦勝利
|
格下レベルに勝利 ※レベル差3以下
|
0.5倍
|
0倍
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格下に勝利 ※レベル差4以上
|
0倍
|
|
その他モード
10人抜き
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選択できるコースは「C1内・外回り」「新環状内・外回り」「湾岸線」「横羽線」「名古屋環状(『3DX』以降)」「阪神高速環状」「福岡都市高速(『3DX+』以降)」「箱根」である。前作からの変更点は「演出面の強化」「登場キャラ・ロケーションの増大」「クリア状況の色分け」程度である。
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カメラアングルも前作から踏襲しつつ滑らからが増大。抜いた際の演出も「リザルト(ストーリー勝利)演出と同じ」から「フェードアウト」に変更され、BGMのフレーズ同士の繋ぎも「一旦違和感のない箇所まで再生されてから次の対戦相手に切り替わった際に変更」から「前のフレーズがフェードアウト→次のフレーズへフェードイン」に変更された。
-
クリア状況が色分けされるようになった。「S(秒殺)=金」「A・B(撃破)=銀」「C以下(達成)=銅」となっている。なお、当然ながら失敗した場合はC以下であっても色がつかない。
レベル1
|
300馬力級
|
レベル2
|
450馬力級
|
レベル3
|
600馬力級
|
レベル4
|
650馬力級
|
レベル5
|
700馬力級
|
レベル6
|
750馬力級
|
レベル7
|
800馬力級
|
レベル8
|
810馬力級
|
レベル9
|
820馬力級
|
レベル10
|
3
|
無差別級
|
3DX
|
825馬力級
|
3DX+
|
+
|
隠し要素
|
レベル?
-
内容は前作を踏襲しているものの、『3』では31人抜き、『3DX』『3DX+』では荻島を加えた32人抜きになっている。
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タイムアタック
-
主役3人が搭乗する車種(「レイナR32」「悪魔のZ」「ブラックバード」)が使える「スペシャルマシンタイムアタック」が廃止になった。
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代わりに現在使用している車種と同車種且つ「フルチューン状態」「アザーカーカラー(それ以外はノーマル)」を身にまとった「オフィシャルマシンタイムアタック」がカード使用時に限り選択可能となった。
乱入対戦
-
『3』よりテストスイッチ設定含めて完全に「首都高一周」が選択不可となった。
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乱入背景が初めて実装された。『3』では20,000撃墜から、『3DX』では1,000撃墜以上で表示されるようになった。
追加コース・車種
-
今作では『3』で7車種、『3DX』で5車種、『3DX+』で2車種の計14車種が追加された。
+
|
追加車種
|
追加車種
初出
|
メーカー
|
車種
|
駆動方式
|
初期馬力
|
過給方式
|
備考
|
3
|
ゲンバラ
|
Avalanche
|
6速RR
|
300馬力
|
自然吸気
|
|
3DX
|
マツダ
|
Roadster RS RHT (NCEC)
|
6速FR
|
170馬力
|
自然吸気
|
|
3
|
MAZDASPEED Atenza (GG3P)
|
6速FR
|
272馬力
|
ターボ
|
|
3DX
|
三菱
|
LANCER EVOLUTION X GSR (CZ4A)
|
5速4WD
|
280馬力
|
ターボ
|
|
3
|
LANCER EVOLUTION V GSR (CP9A)
|
5速4WD
|
280馬力
|
ターボ
|
|
LANCER Evolution IX MR GSR (CT9A)
|
6速4WD
|
280馬力
|
ターボ
|
|
3DX+
|
日産
|
GT-R (R35)
|
6速4WD
|
-
|
ツインターボ
|
ドレスアップ不可
|
SKYLINE GT-R (KPGC10)
|
5速FR
|
160馬力
|
自然吸気
|
|
3DX
|
FAIRLADY Z Version ST (Z34)
|
6速FR
|
333馬力
|
自然吸気
|
|
3
|
180SX TYPE III (RPS13)
|
5速FR
|
205馬力
|
ターボ
|
|
3DX
|
スバル
|
IMPREZA WRX STI (GRB)
|
6速4WD
|
308馬力
|
ターボ
|
|
3
|
IMPREZA WRX STI (GDB-F)
|
6速4WD
|
280馬力
|
ターボ
|
|
3
|
トヨタ
|
ARISTO V300 "VERTEX EDITION" (JZS161)
|
4速FR
|
280馬力
|
ツインターボ
|
|
+
|
隠し車種
|
初出
|
出現コマンド
|
メーカー
|
車種
|
駆動方式
|
初期馬力
|
過給方式
|
備考
|
3DX
|
Atenza (GG3P)に 6654-333-1123-444
|
マツダ
|
MAZDASPEED Atenza (GG3P) 教習車仕様
|
6速FR
|
272馬力
|
ターボ
|
|
3DX+
|
GT-R (R35)に 135-235-335-55
|
日産
|
GT-R specV (R35)
|
6速4WD
|
-
|
ツインターボ
|
ドレスアップ不可
|
3
|
ALCYONE SVX Version L (BL5)に 64-64-64-64-64
|
スバル
|
R2 (RC2)
|
6速4WD
|
64馬力
|
自然吸気
|
|
3DX
|
ARISTO (JZS161)に 111-222-3333333-444-555-6666666
|
トヨタ
|
ARISTO V300 "VERTEX EDITION" (JZS161) 個人タクシー仕様
|
4速FR
|
280馬力
|
自然吸気
|
|
CELSIOR (UCF10)に 1562-1562-15626
|
CELSIOR (UCF10) 個人タクシー仕様
|
4速FR
|
280馬力
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自然吸気
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CHASER (JZX100)に 3344-3344-262626
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HIACE WAGON (KZH100G) ハイリフト仕様
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4速FR
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130馬力
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自然吸気
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+
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登場車種について
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以下は、『3』で新たに発生した「ライセンスの都合上による差し替えられた車種」「ドレスアップに制約を課せられた車種」について取り扱う。『4』以降の事情については一部を除き割愛とする。
イシダヨシアキの「フェラーリ・テスタロッサ」
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フェラーリ社の許諾を得ていないため『3』に限り「秋川レイナのGT-R(R32)」に同乗する形でしか登場していなかった。『3DX』以降は代替車種として『3DX+』までは「ゲンバラ・アバランシェ」に差し替えられた上で登場するようになった。
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以後も継続して車種が差し替えられておりいずれも各国の最新スーパーカーとなっている。『4』から『5DX+』までは「シボレー・コルベット ZR1」、『6』以降は「ランボルギーニ・アヴェンタドール」で、いずれもボディカラーはテスタロッサ同様に白である。
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フェラーリはライセンス許諾の権利料金が他メーカーよりも非常に高く、かつホンダ同様にアザーカーが登場するゲームへの許可自体が厳しいための措置だと思われる。現時点でフェラーリが実名登場している国産アーケードレースゲームはいずれもセガによる作品で、全車種フェラーリの『F355チャレンジ』シリーズと『アウトラン2』、フェラーリ以外の車種も収録されている作品では『スカッドレース』『ル・マン24』が該当する。
友也の「ホンダ・インテグラタイプR(DC2)」
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『3DX』より「Rキラー」の回が早速実装され登場するものの、カーボンボンネットとGTウイングを装着した「180SX(RPS13)」に差し替えられている。エアロこそ原作コミック準拠ではあるものの、同じ搭乗車種となるのは約10年後に稼働開始となった『6』まで待つこととなる。
岸田ユウジの「ホンダ・S2000」
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『3』に限り「R33」かつ10人抜きで登場するのに留まり、ストーリーでは登場すらしていなかった。『3DX』からズバリ「地上のゼロ編」としてクローズアップされたシナリオが実装され登場するものの、「マツダ・ロードスター(NCEC)」に差し替えられている。友也と同様に原作コミック通りの搭乗車種となるのは約10年後に稼働開始となった『6』まで待つこととなる。
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併せてそれに先立ち「マツダ・RX-7(FD3S)」との乗り比べた後に「ホンダ・NSX(NA1)」に試乗する描写も存在しているが、こちらについては話そのものが収録されていない。この話も併せて『6』で実装されることに。
日産・GT-R(R35)
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車種選択画面でも注意書きされているが、カスタムボディカラーを含めたドレスアップパーツを装着することができない。
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このような制約を課せられた理由としては、第二世代の「R32」で採用された「RB26DETT」ならびに「R35」で初採用となった「VR38DETT」エンジンそのものが1000馬力に到達するモンスターマシンになりうる存在であることに加え、折からの違法改造車問題における対策を国交省が日産に直訴、そうした経緯もあり、発売当初全国160店舗を構えていた「日産ハイパフォーマンスセンター」による車両の購入(一部店舗除く)・メンテナンスが推奨されることとなり、万が一純正部品ではない社外製品を装着したり指定外のメンテナンスを行った場合は公式サポートが受けられなくなってしまうこととなった。
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以上の経緯から『湾岸マキシシリーズ』でも同様の自主規制を採った説が濃厚である。なお、日産による保証関連の措置については各種チューナーのみならず、セカンドパーティであるNISMOからですら否定的な声が相次いだため、純正部品の値下げやロイヤリティ・プランを拡充させる結果となった。
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追加コース
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『3』では「首都高速神奈川エリア」の「湾岸線・横羽線」と「阪神高速環状」が追加され、『3DX』では初の原作コミック未登場エリアにあたる「名古屋高速環状」、そして『3DX+』では同じく未登場エリアの「福岡都市高速」が追加している。いずれの新コースは従来同様にアザーカーと壁を擦り抜けることができる程度に道幅が広くなっている。
+
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コース一覧
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初出
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コース名
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全長
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備考
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1
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C1内回り
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13.7km
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C1外回り
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13.8km
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新環状左回り
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17.4km
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新環状右回り
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22.8km
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3
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湾岸線東行き
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22.2km
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『3』のみ選択可
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湾岸線西行き
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22.4km
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横羽線下り
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14.4km
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横羽線上り
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15.1km
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『3』のみ選択可
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3DX
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名古屋高速環状
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14.9km
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3
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阪神高速環状
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18.6km
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3DX+
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福岡都市高速
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16.8km
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2
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箱根往路
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8.4km
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『3』のみ選択可
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箱根復路
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8.3km
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箱根
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15.7km
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箱根往復 『3DX』『3DX+』のみ選択可
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1
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首都高一周(東京エリア)
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59.7km
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3
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首都高一周(神奈川エリア)
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38.1km
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+
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初登場コース
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【湾岸線】
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前身作で収録されていた湾岸線が『3』で復活。タイムアタックでは必ず大黒線を走行するルートとなっている。『3DX』『3DX+』のみ東行きが無い。
【横羽線】
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前身作に収録されていた横羽線が『3』で復活。いずれもタイムアタックでは全区間走行せず、『3DX』『3DX+』のみ上りが無い。
【阪神高速環状(1号環状線)】
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「阪神高速1号環状線」の外周と2つの短絡線「13号東大阪線」「15号堺線」を周回するように走行する。他のコースと比べて道幅が広いためかアザーカーの密度が他のコースよりも濃い。
【首都高一周(神奈川エリア)】
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湾岸線と横羽線を経由して1周するように走行する。スタート/ゴール地点は芝浦ランプである。
【名古屋高速環状(名古屋高速都心環状線)】
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『3DX』初出。当時は「R」が割り振られていた。タイムアタックでは名古屋高速環状を2周する。ランプは「丸の内ランプ」の1つで分岐も無いのでスタートもゴールも必ず同じとなる。
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路面のうねりこそ目立つものの、橋脚や料金所と言ったギミックはないため、現実同様に比較的コースの全体像を把握しやすい。
【福岡都市高速(1号香椎線・2号空港線・環状線)】
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『3DX+』初出。福岡都市高速の1号香椎線と2号太宰府線のうち、環状線として扱われている区間を走行する。末端区間の福重出入口と月隈出入口で一般道に降りてループする。
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評価点
以下の要素はシリーズ最新作に至るまで大きく変わらず続投されており、結果として「『湾岸マキシ』の世界観」なるイメージをここで確固たるものとした。
ストーリー刷新
全編原作コミックの流れに沿うように刷新
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前作からゲームシステムはそのままに、ストーリーモードの内容全般で「原作コミックの内容に沿った内容」へ大幅に改修された。これは1周の話数や一部話の内容変更を除けば現在に至るまで変更されておらず、現在に至るまでの基礎を確立させた。
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『3』で収録された「悪魔のZ復活編」、11話~15話の「とびきりのGT-R編」、16話~20話の「赤坂ストレート編」、21~30話の「モンスターマシン編」、31話~40話の「R200CLUB編」、41話~50話の「阪神高速環状編」、51話~60話の「幻のFC編」、61話~70話の「ガレージACE編」、71~80話の「幻のF1タービン編」で構成されている。『3DX』からはこれに加えて81話〜85話の「イシダ編」、86話~90話の「地上のゼロ編」、91話~100話の「FDマスター編」の計20話が追加され、全100話となり、2周目以降は「悪魔のZ復活編」が『2』までのストーリーモードを踏襲した構成の「チューナー編」に変化する。
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カットイン・カットシーンの演出をはじめ、途中離脱するライバルカーの演出も多彩に。従来からのエンジンブローはもちろんのこと、コーナーでスピンアウトが追加され演出や、通り過ぎる乱入車演出も再現度向上に一役買っている。
公平的になった難易度
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『2』までのライバルカーの走行ペースは「一定の速さで走行する」と言うものだった。全体的にハイペースであるため「歯ごたえがある」として上級者からの支持こそあったものの、総じて高難易度で最悪詰みかねない一方でアザーカーに嵌めると追尾することもなく実力の有無で総合的な難易度の差が大きくなってしまっていた。
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そこで『3』からが1周目は自車のチューニング状況に合わせてライバルカーの速さも変化するようになった。これに併せて自車が離されてしまうとある程度手加減してくれるようになり、一部を除いてゴールまで1kmになれば弱体化する補正も実装されるようになった。その代わり、アザーカーに嵌めるなどで大きくリードした場合でも猛烈なブーストが掛かる形で帳尻を合わせてくるようになり、直線では相応の速さで追る・コーナーでもちゃんと追尾してくるようにもなったため、総合的に公平性が上がったとも言える。
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ただし、ハンドリング強化のみという余程偏ったチューンやセッティングをすれば「加速がもたついてコーナーで抜かれる」「ノーミスでも直線で追いつかれてしまう」と言ったように流石に窮地に追い込まれやすくなってしまうことには変わりはないため、やはりゴール地点やコース全体の傾向に合わせた基本チューニング・セッティングを行った方が望ましいことに変わりはないため、セッティングそのものが形骸化することがない程度にバランス調整がなされている。
分身対戦新登場
分身対戦
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『3』最大のセールスポイントとしてロケーションテスト時で大々的に取り扱われた新たな1人用メインモード。友達や見知らぬライバルはもちろんのこと、店舗最速のプレイヤーなど、いつでも好きな相手の分身を呼び出して対戦したり、自分の分身を戦わせたりすることを実現している。
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モード名から察しがつくかもしれないが、リアルタイムの全国対戦ではなく、予めサーバーに記録された分身を選び、実態のあるゴーストと勝負をすると言うもの。そのため、ラグや時間帯や環境を気にせずいつでも好きなプレイヤーの分身とバトルできる、いわば公平性のあるバトルが行える点が特長と言える。
大幅増量したドレスアップ
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『3』で大幅増量して見た目を変える自由度とドレスアップ出来る部位が増加。キャラゲーでありながらネオン管といった作風にそぐわないものも登場するのもミソ。多くの車種を収録しているゲームで、このようなドレスアップ出来るゲームは数える程しか無い。ド派手なパーツも車や組み合わせによっては纏まった外見にすることも可能ではあり、良い意味での原作破壊とも言えるだろう。
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ドレスアップパーツは当たり判定に影響を及ぼすものの、性能自体が変化する訳では無いのでまさに自分だけの一台の車を作れる。
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但し、ステッカーどころかエアロセットそのものを装着しない、あるいはしたとしても変化の少なめなものを装着したり、ホイールやエアロミラーなどの最低限変化する程度にしか装着しないユーザーも一定数存在する程度にはドレスアップパーツのデザインや仕様等の問題も抱えている。この詳細は後述の問題点の記述に譲る。
実在企業ホイール
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ドレスアップパーツのうち「ホイール」だけは実在企業から実際に発売されているホイールが収録されている。入手条件こそ図々しいものの、ホイールラインナップ自体は高く評価されており、エアロやステッカーなど装着しなくてもホイールだけは靴を履き替える感覚で装着しているユーザーも多い。
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今作で参入している企業は「ENKEI」「RAYS」「RS Watanabe」「YOKOHAMA」の4企業に加えて、ゲンバラ専用ホイールの1社の計5企業である。
多数の追加要素
魅力的な新規収録車種
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『3』で新たに収録された車種の母数がなんと7台。主に稼働当初の新車や90年代の旧車やを中心としており、これにより合計34車種となった。
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『3DX』以降も人気スポーツカーのフルモデルチェンジ車を中心に追加され、『3DX+』では2車種だけながらも「GT-Rの名を冠した新旧車種」が「新旧モンスター参戦」と称される形で大々的に宣伝され、『3DX+』までに収録された車種は合計41車種となった。
増加したコース
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題名の通り『湾岸ミッドナイト』の主な舞台でありながらも『無印R』で収録されていたものの、前作まで収録漏れしていた首都高速神奈川エリア「湾岸線」「横羽線」がついに復活。どちらも最大馬力で走行することが前提となっており、湾岸線なら原作コミックをイメージしたハイスピードバトルを、横羽線なら高速コーナーをアウトインアウトをフル活用して速度に乗せられるかが勝敗の鍵を握る。
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原作コミックの「阪神高速環状線編」の舞台にもなっている「阪神高速環状1号線」も追加された。ほとんどの区間で他のコースよりも広い代わりにアザーカーの密度も濃くなっているため、ライン取りだけでなくアザーカーをどうやり過ごすかと言った駆け引きも楽しめるようになっている。
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『3DX』では初めての原作に登場しない都市高速「名古屋高速環状」が登場。アベレージスピードが速く覚えやすいレイアウトながらもアップダウンの激しい箇所やアウト側に膨らみやすいコーナーなど、相応のテクニックと判断力が求められるコースとなっている。
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『3DX+』も同様に原作未登場の「福岡都市高速」の環状線区間の北半分が登場。他のコースと比べて緩やかな坂やイージーコーナーが均等に配置されており、小難しいテクニックを要さないながらも簡単過ぎない塩梅となっており、十二分に駆け引きを楽しむことができる。
馬力上限向上
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フルチューン時の最高馬力が820馬力となり、目盛りが3つ分に増加した。また、有敗でもフルチューンができるように改善された。以後もこの仕様は続投されたため、無敗か否かで馬力を起因とするゲームバランスの格差はこれで解決となった。
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『3DX』でさらに上限が825馬力となり、併せて目盛りも4つ分へ増加した。
GUIの大幅刷新
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『3』からグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が大幅に変更され、モノトーンを基調としたものとなった。従来の良くも悪くも「どことなく男児玩具っぽい」と開発者も自認していた、どことなくミスマッチそうなイメージを払拭しただけでなく、全体的に余計な情報を排しメリハリがついた構成となったことにより視認性も向上した。
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必要以上に色を使わず、ピクトグラムを駆使して視認性を向上する
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ただし、「YES」「NO」や時間帯の選択肢に乱入設定も含めてモノトーンに統一された点については直感的に分かりにくいと判断されたせいか、この部分については『3DX』以降は対応した色が充てられるよう変更された。
本場のトランスを意識した新BGM
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前作から引き続き古代祐三が全面的に作曲を行なっている。前作では「いかにもゲームミュージックを意識した」曲調とすれば、『3』以降は「本場のトランスを意識した曲調」へとイメージチェンジしたものとなった。そのためか今作のBGMには「Destination Blackout」のようなBPM150帯の曲は無く、全体的に「特定のフレーズを繰り返しつつ段々と別の音を足したり変化ながら盛り上げていくミニマルミュージック手法」をより多用したBPM130〜140帯の曲が多くを占めるようになった。
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それぞれの登場人物を意識したBGMも「何に焦点を当てているのか」と言う点も見直されている。たとえばOSTのライナーノーツによれば、今作の同じポジションを務める「Phantom of Blue」は打って変わって乗り手である朝倉アキオのテーマソングとして作曲されたものとしている。同時に「Blue Blazes」はあくまで悪魔のZのテーマとして作曲した旨のコメントも添えられているため、無機質さ(クルマそのもの)を全面的に押し出した曲調から一転して「乗り手とクルマが一体となった」シチュエーションを見事に体現した仕上がりとなっている。
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そんな中でも『3DX』の新曲「Enjyo The Process」はシリーズでも1,2を争うBGMとして現在でも絶大な支持を集めている。
賛否両論点
ドレスアップ制限車種
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ライセンスの関係上か、ゲンバラ車に限り獲得可能なドレスアップパーツがかなり少なくなってしまっている。
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なんとエアロはエアロセット1種類しか用意されておらず、他の独立交換できるパーツが一切用意されていない。他にもステッカーや車種別ウイングも用意されているが、いずれも1種類ずつしかなく、しかも割と終盤辺りの入手となっているため、ただでさえ狭い自由度を更に狭めてしまっている。
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全10種類のホイールがゲンバラ専用のものとなっており、アトラクト画面などでドアの開閉モーションが追加で装備されるガルウィング(※原文ママ)が唯一装着可能と言う、ゲンバラ車ならではの強みはある。余談だが、「ガルウィング」と記載されているが、真上ではなくハサミのように開閉しているモーションであるため実際にはシザーズドアである。
ドレスアップ不可車種
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『3DX+』までに追加された車種のうち唯一「日産・GT-R(R35)(※specV含む)」は全てのドレスアップパーツが用意されておらず、なんとカスタムボディカラーすら貰えない。この旨は車種選択画面でも同様の注意書きがあり、「馬力」と言う表現が「P:(パワーゲージ数)/H:(ハンドリングゲージ数)」に、「チューニング」と言う表現も「ステップアップ」に変わる。これだけにとどまらず、ステップアップ内容自体までもが全く明かされないうえでグラフィックにも反映されず、担当キャラも最後まで不在(代わりに「GT-R」のロゴが画面左上に入る)という徹底ぶりである。余談だが「P:n/H:n」表記については『4』以降ではセッティング画面に限り全車種実装されているため、先行実装と解釈できるかもしれない。
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この制限については今作に限ったことではなく、『ロードファイターズ』をはじめ他のゲームタイトルでも同様の規制措置が取られており、さらに実車にて国土交通省との折り合いもあり「馬力が上がる表現に難色を示している」ことに加えて「改造した場合は専用施設で各種サポートやメンテナンスを受けられなくなる」事情も重なったため、ゲームでも許諾が下りなかったものとの見方が強い。
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ただし、これは言い換えれば「分身対戦しても何も貰えない」という意味であり、ゲーム的には完全にデメリットしかないと言っても過言ではない。ついでに言えば実車に限っても当時から「メーカー公認品の」ドレスアップ・チューニングパーツがすでに用意されていたため、「そうしたパーツを収録する形でもドレスアップできるようにするべきだ」という声も根強い。幸いトップクラスの最高速を誇る性能ゆえにタイムアタックでの使用率はぶっちぎりであった点が救いと言えるか。結局ステップアップなる表現については『5DX+』まで続き、『6』以降は一部のメニューが違えど普通通りチューニング扱いとなったが、グラフィックが一切変化しない点については『6』以降も続投されている。
BGM
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『1&2』のBGMはアーケード版の音源でありOSTの音源ではない。以後のシリーズでも変わらずアーケード版の音源が続投されている。
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OST側の音源を「完全版」としている、と矛盾しているとは言え、OST側の音源に差し替えるとゲームセンターで聴ける音源が聴けなくなってしまう、との懸念の声も見受けられるため、一長一短な判断とは言えなくもないだろう。
一長一短な演出面
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基板性能向上により、グラフィックや音質の強化はもちろんのこと、各種演出面で恩恵を受けるようになりカメラワークなどもダイナミックになった。『3DX』ではテールランプの残像が追加、『3DX+』で一部車種のエンジン音が細分化された。
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一方で使用基板がLinux OSベースであるがために基板性能を活かしきれてない点が見受けられる。特に質感の表現は車の質感を中心に『2』までより劣化したと評する声も。
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ライバルカーから鳴るエンジン音が削除されてしまった。奇しくも復活したナンバリングはWindowsOS基板に変更された『5』となった。
ただのお飾りに等しいマキシコイン
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『3DX』より追加された、現行で言う「分身撃破トロフィー」にあたるやり込み要素である。当初こそ「ドレスアップコンプリート後はやることが無くなってしまう」ため、そんな中での「見える目標が新たに新設された」と言った形で評価する声こそあった。
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ところが分身対戦でのランク昇格条件は「勝利数」であって「マキシコインの数」ではないことに加えて当時は乱入背景相当のやり込み要素が無かった。結局「無いよりマシ」の域は出ず、分身対戦を積極的にプレーするユーザーを増加するには至らなかった。
実質空気な自由分岐システム
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『3』から自由分岐が追加された。乱入対戦に限り、分岐地点において現在1位のプレーヤーに進行方向を決める事が出来る選択権が与えられる。これは開発者曰く「毎回同じ展開になってしまうのを開発者が懸念したためであり、それを防ぐ為に導入された」とのことである。
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…なのだが、結論から言えば、物は良いのに結果的にシステムを生かしきれていない感が否めない。実際には激戦区を中心に、新環状や湾岸線への直線逃げであっさり決着が付かないようにするため、C1で完結しようとするプレーヤーが多数いる上、「新環状ルートに行ってしまうと(直線逃げとして)顰蹙を買われる」等の風潮も新作毎に激しくなってしまっているためである。
車線規制システム廃止
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『3』で車線規制システムが廃止、以後復活しないまま現在に至るためこのシステムは『2』限りとなった。なお、『5DX+』で追加された「広島都市高速」高速クランクについてはあくまで「コース上のギミック」に過ぎないため、車線規制システムそのものが復活したわけでは無い点に注意。
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『2』での評判から一見矛盾しているように見えるが、荒削りとは言え「10人抜き」「乱入対戦」においては直線逃げ対策にも効果が高く、一種の盛り上げ要素と言った趣旨の根強い評価もいまだあるため、それを丸ごと廃止にした点については一転して「極端から極端に走り過ぎ」と言った形で批判されることとなった。
新たに追加された無敗特典
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『2』の「815馬力へのチューニング」に代わった新たな無敗特典として「『無印R』のBGM」、『3DX』はそれに加えて「スペシャルメーター(スペメ)」が追加された。「白レスメ」については『3』以降だけをプレーした場合では入手不能であるため、ここでは割愛する。
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今作では1周無敗さえすれば「1&2のBGM・無印RのBGM・スペメ(『3DX』『3DX+』のみ)」が同時に入手できるため、(やり込みの観点上、ストーリーモードの存在意義が一層形骸化する意味では疑問符とはいえ)『4』以降の「1周ごとに1つずつ入手」とは異なり、こちらはもう1周無敗達成すればどうにかなるレベルではある点は救いと言えるか。
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ここで問題になったのが「スペメの使い辛さ」である。好意的に見れば「BMWミニクーパーとアルテッツァを足して2で割ったような」ひとつのメーターに複数の情報を無理矢理まとめた。当時こそ表示されるサイズこそ妥当に大きかったため、ステイタス目的で装着するユーザーは(白レスメに対しての妥協も含まれるとはいえ)それなりにいた模様。
問題点
ゲーム内容
加速した貢ぎゲー
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前作までの段階からしてフルチューンをするだけでも莫大なクレジット数を要求するゲーム内容であったが、『3』になってその傾向は改善されるどころかさらに悪化してしまった。
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そのクレジット数は大まかにまとめても、ゲーム自体をまともに進めるために必須であるフルチューンに絞っても80(『3DX』以降は100)と非常に多い。目当てにしているプレイヤーが多く見込まれるドレスアップパーツを加えれば王冠を考慮しない場合は最低225程必要になってしまう。
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ランクに至ってはストーリーモードにおける昇格条件が厳格化されたため「とりあえずストーリーモードを周回する」と言った手段だけのランク上げが非効率となり、必然的に乱入対戦もこなさなければならなくなった。ランクと言う概念そのものを考えれば妥当と言えるが。
スタートランプ
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『3』のみ乱入対戦でスタートランプの選択が可能であったが、偏って選択されてしまう危険性が高かった。『3DX』以降はランダムセレクトに修正された。
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一方で、タイムアタックについては依然としてスタートランプの選択が一切不可能である。ランキングで不公平になることも考えられるが、それならコース別に分けなくとも「スタートランプ」がタイムと一緒に併記すれば良い話である。
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さらに『3DX+』よりC1や新環状左回りなど一部コースのスタートランプが変更されずのままでいる。ちなみにC1内回りの場合は『1』→神田橋ランプ、『2』→汐留ランプ、『3』、『3DX』→浜崎橋JCT手前、『3DX+』から『6』まで→神田橋ランプである。
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タイトルが変更されるたびにランキングもリセットされるためマンネリ感が否めない。これは現在に至るまで未解決のままである。
撃墜星関連
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今作でついに撃墜星に応じて背景画像も変わるようになったが、そもそも相当な撃墜星を稼がなければ出現すらしない代物と、ほとんどのプレイヤーからすれば関係ない要素と化してしまっている。『3』では20,000撃墜。最大80,000撃墜まで存在している。
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『3DX』で「1,000撃墜以上で出現」と言う形で条件が緩和されたものの、それでも一筋縄ではいかない条件である。
謎ペナ
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プレイヤーが扱っているものが車である以上は当然だが、壁に接触すると接触音と火花のエフェクトが入るのと共に10km/h程度でも減速する。ところが稀に壁に接触しても減速しないというレースゲームとしてはあるまじき現象が『3』から発生してしまった。
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物理エンジンのバグ挙動の可能性もあり、プレーヤー間では俗に「謎ペナ」と呼ばれている。これを利用してタイムアタックにおいて特定区間のタイムを縮めるといった荒業が可能で、主に「横羽線下り」「湾岸線東行き」を中心にネットランキングにおいてもこの現象を利用したタイムが載ってしまっている。しかもやろうとしても毎回発生するわけではないため、この現象を利用して上位タイムを出すのは博打と言えるのは確かであり、不公平も甚だしい格差を生み出してしまっている。
ストーリーモード
胡散臭いライバルカーの挙動
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全体的に易化されているものの、新たな問題が噴出してしまった。以下の仕様は以後も続投されてしまっており、改善の兆しは全くと言って良いほど見えない。
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プレイヤーではまず再現できない素早い横揺れ挙動をはじめ、特定地点であからさまに追い越せなくなる勢いでブーストが掛かるなど、演出の都合によるものと思われるが、総じて不自然且つ胡散臭い挙動が目立つようになってしまった。
『3DX』『3DX+』の2周目以降
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2周目以降の1〜10話は「チューナー編」に変化するのだが、これは以後はどんなに周回を重ねても「悪魔のZ復活編」に戻ることは一切無い。「nの倍率の周に限り悪魔のZ復活編に戻る」と言った措置もなく、正真正銘の「二度と選択不能」である。
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これはもう二度と同じカードで「悪魔のZ復活編」が楽しめなくなるだけでなく、第1話のブラックバードに勝利した際に手に入る称号「大番狂せ」などが手に入るタイミングが一度きりとなってしまうなど、ゲーム的にも弊害が生じる結果となってしまった。
追加BGM
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獲得できるBGMはあくまで「レース中BGM」だけであり、「エントリー画面」「メニュー画面」「リザルト画面」と言った各種システムBGMを過去作のものに変更できる、と言った機能は実装されていない。こちらも場の状況にあった珠玉のサウンド揃いであるため、非常にもったいない点であるのは確かである。
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BGMを変更できるのはカードデータ確認画面だけであり、時間帯選択画面では一切の変更ができない。そのため、例えば「『3』のBGM→『1&2』のBGMを選択」する際は、一旦ゲーム終了して再度やり直さなければならないため、非常に面倒な操作を要する。『レイブレーサー』よろしくブレーキを踏むたびにディスクチェンジする機能があればシームレスに選択できたのだが。
レース用メーター(白レスメ)
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シリーズの。「レース用メーター(白レスメ)」の存在が非常に大きく、『2』の無敗データを『3』へ引き継がなければ入手不能である。『3』で追加された車種ではどんなに無敗を重ねようとも使うことができないと言うことである。「実力者へのご褒美」を想定していることが窺い知れるものの、『3』から新たにはじめたプレイヤーを全く考慮していないかごときの入手条件であるため、当初から「高機能なのに新車で使えないのはもったいない」と言った批判の声も目立っていた。
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さらにタチの悪いことにメーター自体も「メリハリの付いたデザイン」と言うこともあり評判も高く「ワーニングランプが大きく見やすい」「版の数字が黒色且つ太くて見やすい」「表示されるメーターがタコメーターとブースト計だけ」と言った点から、「ステイタスの誇示目的」を抜きに常時使用するプレイヤーが圧倒的だった。
分身対戦
そもそもの仕様
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「事実上の録画と大差ない」分身の仕様ゆえの制約だろうが、乱入対戦と異なり必ず2人対戦固定で3,4人対戦には一切対応しておらず、さらに分岐や経路はランダムに選択されてしまうため、全体的にレース展開が淡白になりやすく飽きやすい。
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「ドレスアップコンプリート」という観点で見ても、格上のデフォルト分身を相手にした方が効率的と言う点もあり、積極的にデフォルトではない分身を相手にする理由も「王冠争奪戦」「友達との対戦」「実力や存在の誇示」を除いて皆無に等しく、対人戦の代替には到底なれない仕様であることは確かである。
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そのため当時の時点からしてこれらを理由にプレーをためらってしまい、結局乱入対戦を好む結果となったユーザーも少なくない。
無駄に細分化された分身レベル
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レベル分けが「10人抜き」を踏襲したためか10レベル分と細かくなされているが、一応現在の馬力に応じて初期カーソルは「YOUR LEVEL」として自動で合わさるようになっているが、王冠分身を選択するなどで手間が掛かる上、そもそも「ランダムセレクト」が実装されていないため、「誰でも良いからとりあえず対戦したい」と言う状況に対応できない。
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さらに『湾岸マキシシリーズ』の分身自体が「事実上の録画」「一度プレーすると完全に上書きされる」仕様であることと、最初から選べるデフォルト分身に至っては無差別級であってもこちらが圧勝しやすいほど弱いこともあり、わざわざ下位レベルの分身を選ぶ意義は(獲得できるドレスアップポイントの減少もあるため)無きに等しい。
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結果、特に初中級者が出向く見込みの希薄な店舗では下位レベル帯ではデフォルト分身ばかりが並んでしまうことも必然となってしまい、フルチューンすれば最終的に「無差別級」しか選ばなくなることもあり完全に無駄な機能と化してしまっている。
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なお、『3DX』では「Ver.B」までは「初級(600馬力まで)」「中級(800馬力まで)」「上級(825馬力まで)」「店内王冠」と振り分けられて分かりやすく整理されたものとなっていたものの、今度は「無差別級が無い」として批判が殺到。文面だ見れば「無差別級」を復活するだけで良い話に見えるものの結局「Ver.C」で(無差別級こそ復活したものの)従来の仕様に戻されてしまった。
少ない選べる分身の内訳
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本作はインターネット回線で全国と繋がる機能自体が実装されていないため、選べる分身はあくまで「筐体内に保存された分身とだけ」と限定的。そのため「誰でも」と言う謳い文句を実現できているとは到底言い難く、特に過疎店舗では王冠含めてデフォルト分身ばかりが並んでいることもザラである。
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デフォルト分身は腕さえあれば馬力差がある程度あっても数百メートルは余裕で離せるほど非常に弱いため、乱入対戦ばりの白熱した勝負はまず望めない。これを逆手にとって「TA意識した負けにくい分身作成」「(TAの練習がてらに)ドレスアップレベル稼ぎ」などに活用するユーザーが一定数居たのがある意味救いか。
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流石に王冠のデフォルト分身はそれなりに速く設定されており、生半可な実力では勝てないようになっているものの、こちらも決められたライン上を走る動作なので逆に被せ分身の被験として利用されることもしばしば。
短絡的な分身の挙動
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分身はあくまで実体のあるゴーストそのもので「動き・走行ライン」については遵守するようになっているため、事実上「録画」と変わりない。「走りの録画」と「プレーヤーの走りのくせを反映している」は全く違う物だろう。一部実物と違う挙動を示すが基本は忠実に走行するので、ガリをしている所だろうが幅寄せされてされて嵌められた所もほぼ再現されている。「ライバルカーが居ないのにガリ合戦している」不自然な挙動をするのはその為である。
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さらにこれを利用してほぼ全てのコーナーでインガリをして通常なら不可能な速度でコーナーを走行し、その後普通に走っていれば到底勝つことが不可能ないわゆる「被せ分身」が作れてしまう。これのせいで全国1位争奪戦や店内王冠の敷居が不当に上がっていると言っても過言では無い。
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しかも完走してしまえばその時の走行データが前のデータより分身レベルが異なっていようが遅かろうが問答無用で上書きされてしまう。これのせいで修正に手間が掛かってしまうことになってしまっている。対策は完走前にリタイアするしかない。以上のことから『セガツーリングカーチャンピオンシップ』のレーシングプロトのように1プレー毎に人工知能(AI)を育て、そのAIが分身対戦に登場するようにすれば、より幅広いユーザーに分身を選択できる機会も与えられた上で、公正かつ自然な走りが実現出来るのではないだろうか。もっとも、そうした機能が実装されなかったのは特許絡みによるものなのかもしれないが。
まわりくどいドレスアップパーツ獲得条件
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今作のドレスアップパーツは「分身対戦にて完走時に一定量獲得できるドレスアップポイントを満タンにしてレベルアップすると、その時のレベルに応じたパーツを順番に獲得していく」仕様で一貫している。「順番に獲得」と言う点がミソで、特に目当てのドレスアップパーツが後半に集中しているケースはさらに地獄であり、それまではさほどいらないホイールばかりを否応なしに獲得せざるを得ない。
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また、獲得した部位だけ交換可能であるため、例えば「ホイール獲得時にエアロセットを交換する」と言ったことが不可能である。この仕様の弊害として部位ごとの最後のドレスアップパーツを獲得すると、以後ドレスアップレベルをコンプリートするまでは一切交換できなくなってしまう。特に早い段階で部位ごとの最後のパーツとなる「Lv.24 エアロセットC」「Lv.28 車種別ウイング」「Lv.30 エアロミラー」の交換機会を逃したら悲惨である。コンプ後もレベルが1上がるたびに好きな箇所を1つだけ変更することができるようになるものの、面倒であることに変わりなく仕様上の制約ゆえの煩雑な仕様であることが窺えてしまう。
車種絡み
精度の悪いナンバープレート
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ナンバープレートのグラフィックそのものの出来は『2』までからさらに向上したものの、ナンバープレートの数字がメーカーの頭文字の平仮とノーマルの排気量(S30Zだけは悪魔のZの排気量)となっており、変更が出来ない仕様は相変わらずである。
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『2』から変更された点は「ひらがな追加」「ライバル車のナンバーは全て「ば 7-65(バンダイナムコ)」で統一」された程度である。
増加したバランスブレイカー車種
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前作でも「初心者にも扱い易く、上級者が使えば鬼に金棒」と揶揄される「御三家」と扱われた車種だが、減るどころかさらに増加してしまった。対人戦はまだブースト等があるのでまだしも(それでも太刀打ち出来ない車では無理に近い)、タイムアタックの格差は深刻もの。特に「RX-7(FD3S)」の使用率は頭ひとつ抜きん出ており、乱入対戦で図らずもワンメイクになることも珍しくない。
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このように極端な性能差がある為、せっかくアーケードレースゲームで最多の登場車種を誇るにもかかわらず、プレーヤーの過半数が厨車を選んでしまう環境が未だに改善されない。はっきり言って膨大な車種の宝の持ち腐れもいいところである。
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バージョンアップで性能の悪い車が上方修正されているor下方修正で是正される車種もあるが、上方修正で改善されたのが元に戻ったり、性能の良し悪しがはっきりしている車の長所が潰されることも。
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酷い例では短所がさらに悪化したり、そこまで性能の良くない車が全体的により弱体化されたり、厨車である前期型の為にその車の新型があからさまに性能を悪くされたりもある。
露骨にテコ入れされはじめたアルシオーネ
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『2』から収録されたスバルの「アルシオーネSVX(CXD)」に対して最弱レベルの性能から一転、露骨なテコ入れがなされた。それも一線を越えた代物であり以後も同様の措置が施されてしまったことにより、「製作スタッフの好みで恣意的に性能が上げられた」として煙たがられるようになってしまった。ワンメイク称号の『★マエダ★公認』も当然続投されてしまった。
癖の強過ぎる隠し車種
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以下、『3』『3DX』『3DX+』で追加された隠し車種、並びに調整の入った箇所について記載する。また、本項に記載されている内容については多少の調整こそあれども現行作でも健在である。
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ネタバレ注意!
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共通
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前作に引き続き、アザーカーとして登場する隠し車種「カローラセダン」「各種ハイエース」「R2」「パジェロ」は総じて性能が劣悪である。その度合いも、デフォルト車種の最弱級と比べてもわかるほどに劣悪。コマンド入力しなければ出現しない隠し車種とは言え、流石にやり過ぎではないかと言う声の方が一般的で、ネタを交えた飛び道具的な用途や余程車種自体に愛着があったり、思い入れやこだわりのあるプレーヤーを除いて使用する人は皆無に等しい。
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また、性能以外の点でも目に余る仕様が存在する。一部車種で個人タクシー仕様や教習車が隠し仕様として選べるようになっているのだが、これがただ別車扱いの既存車種から特別な外装が施された「だけ」と言ういわゆる水増しで、わざわざ車種枠を1つ潰すまでも無い代物。それなら『頭文字D ARCADE STAGE』や『GTI Club』のようにドレスアップでその外装を施せるようにするべきである。
スバル・R2
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その中でも「スバル・R2」は抜きん出て曲者。結論から言えば、誇張抜きに「車の特性や挙動をきちんと熟知した」うえで、TA走りを駆使した先行逃げ切りを遂行する技術を有していなければ、まともに操作することすら困難を極める。総じて湾岸マキシの対戦におけるゲームバランスに反した性能と言える。
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基本的な操作性からして相当緩慢で、ハンドルをセンターに戻した後もしばらく滑ってしまう。この挙動が相当厄介で、アクセルオフやパーシャルを駆使した修正をせざるを得なくなることに陥りやすく、結果的に隙を見せたりタイムロスへと繋がりやすい。さらに対接触性能も驚くほど非力で、少しでも触れただけでも進路がずれるため、ガリ合戦はまず不可能と、追い越しをするのならば、基本的に相手のミスを狙うか隙間を縫って追い抜くくらいしか方法がない。
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もちろん本当に実力さえあれば長所も活かせる。軽自動車特有の車体そのものの小ささのおかげで、コーナーではインへ相当寄せられるため、結果として緩慢な挙動という弱点を相殺することができる。事実、アザーカー系統の車種の中ではC1内外のタイムが最も速い(『6RR』の2022/3/26現在)形で、実力さえあれば車種の特性を活かすことができることが証明されている点からも、玄人向けの調整がなされていることが窺える。
トヨタ・ハイエース(ハイリフト仕様)
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見た目以外にも性能にも差異が付けられているのだが、肝心の性能が「通常仕様のハイエース」から対接触性能を著しく低下させた「だけ」と完全なる下位互換仕様という有様である。
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そのため見た目のインパクトに反して肉弾戦に向かないため、車高が高いことを活かして前方の視界を妨害すると言った先行逃げ切りに特化、と言った戦法に偏りがち。
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見るだけですぐにわかるレベルの絶大なインパクトがあるため、
開き直ってネタ目的で使用するユーザーもいる。
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ドレスアップ
ボディカラーの不備
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結局『3』でも「純正色同士の」ボディカラー変更機能が実装されなかった。このため車種選択画面で時間切れになったり間違って選んでしまえば最早悲惨であるのはもちろんのこと、カスタムボディカラーの用意されていない車種だと一切のボディカラーの変更が不可能ということであるため、完全に欠陥と言われても仕方のない仕様となってしまっている。
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そしてこれとは別に満を持って「カスタムボディカラー」が実装された…のはいいのだが、肝心の仕様は「車種ごとに決められたボディカラーを60プレーごとに1つずつ順番に獲得する」と言う作業ゲーの極みと言えるものである。当然色を選ぶことはできずしかも全10色もあるため欲しい色が後半にある場合はそれまでにいらない色も獲得しなければならないということである。さらにボディカラー変更タイミングは60プレーごとの更新時以外に無く、獲得条件を緩和したり他の手段で獲得することは一切不可能である。
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カスタムボディカラーは車種ごとに異なっており「この色を使いたい…と言う時に限って用意されていない」と言う事態に陥りやすい。最初のボディカラーによってグレードが変わる車種を使用しているプレーヤーにとっては、ボディカラー変更はカスタムカラーかステッカー頼りとなる為、更なる地獄である。こんな水増しをするくらいならRGB等自分で作れるようにしても良いだろう。
登場人物仕様のエアロ未実装
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ドレスアップパーツが実質大幅増量したのにもかかわらず、今作でも「登場人物仕様にできるエアロセット枠」が一切用意されることはなかった。
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一応主役である朝倉アキオ、島達也、秋川レイナが搭乗する「フェアレディZ(S30)」「3.8rs」「スカイラインGT-R(R32)」には似たエアロが用意されているものの、やはりあくまで「似た」エアロに過ぎず、細部が違ったりドレスアップで獲得できないホイールが存在しているままである。
全体的に偏りきったパーツ
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総じてドレスアップパーツの偏りぶりが凄まじく、結論から言えば誇張抜きにホイールに限れば異様なまでに優遇されている。内訳として『3』から実装されている27種類と『3DX+』で追加された5種類の計32種類も収録されており、全てのドレスアップパーツ枠の約半分を占めているほどに''やたらと充実している。次点はステッカーで『3』の6種類と『3DX+』で追加された3種類の計9種類。ネオン管も数だけ見れば多く『3』の3種類と『3DX+』の9種類の計12種類もある。
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一方で、肝心のエアロ類は「エアロセット全3種」「ウィング全3種」「ボンネット3種」「エアロミラー全1種」とあまりにも少なく、なんと『3DX+』で追加されていない。「ドアミラー」「ウィング」「ボンネット」に限り個別に交換可能だが、それ以外は「エアロセット」で包括されて個別変更不能であるため、例えば「ライト形状やリアは良いのにフロントがダサい」というケースが回避出来ないし、「エアロセットAのウィングをエアロセットCで使いたい」と言った需要に対応できず、他プレイヤーと大まかな見た目が被ってしまうことも当たり前。よって「エアロ」に焦点を当ててみれば総合的な自由度は低い方である。
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特にドアミラーは「エアロミラー」の1種類だけと極端に少なく、あってないようなものである。ウイングやボンネットこそ3種類あるものの、その内訳は「純正形状(カーボン)」「ダクト付き(FRP・カーボン)」となっており、カーボン地を考慮しなければこれまた実質1種類しかなく残りの2つは枠だけを無駄に占拠した水増しと言える。普通にボディカラーチェンジよろしく「視点切り替えによる質感変更機能」を実装すれば良い話である。
多くが劣悪な見た目のエアロ
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エアロ周りのデザインは開発チームによるオリジナルであるが、そもそもエアロのデザイン自体「ダサい」と言った声が検索エンジンのサジェストを含めて各所で見受けられるほど不評な物ばかりを占めている。
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総じてデザイン自体が「派手さ重視」「原型から大幅に逸脱した」癖の強い物が多く、明らかにその車種の特性をガン無視した物も少なくない。一応「派生車種」「実在するエアロ」「実際にレースで出場した際のエアロ」をモチーフにしたものもあるにはある。
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実在のものが収録されて好評であるホイールとは対照的にエアロは完全オリジナル且つ不評多数なこともあり、「中途半端にオリジナルに拘らずに『頭文字D』『NFS』などのように各チューナーの許諾を取って社外製パーツを収録しろ」と言った声も多く挙がっている。
派手さを前面に押し出したステッカー
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ステッカーはいずれも「非常に派手な見た目」「オールペイント」のモノばかりと刺激的なものや若者ウケを狙った物が多く、どれも人を選ぶ。ステッカー自体の質は良いだけあり偏ってしまっている点はもったいない。
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こちらも色指定ができるものについては「特定の色を選択する」だけで選べる色も全て原色をそのまま使ったような色彩であるため、色に対する自由度の阻害はもちろんのこと目にもよろしくないダブルパンチ。
水増しの極みのネオン管
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『3DX』までは3種類実装されているが、いずれも「同じストレート菅の色違い(グリーン・ブルー・パープル)」を別パーツ扱いで実装されているだけと言う手抜き仕様。『3DX+』で9種類追加されたもののこちらも「ストレート菅の追加カラー3色分(レッド・イエロー・ダークパープル)」「スポット菅の6色」を計12分割して実装しているだけである。
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ホイールやステッカーでは普通にカラーチェンジできる仕様が実装されている割に『4』以降でも同様の分割措置が採られているため、ただ考えなしにパーツを数で水増ししていることは明白である。
カード関係
カード無しプレーの制約
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前作に続き、カードを購入しない一見さんやウリである要素をお試しでプレーをしたい層(やゲーム未経験の原作ファン)に対して冷徹な仕様は健在である。
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ストーリーモード刷新自体がウリなのにもかかわらず、カード無しで選択できる範囲が「5の倍数を除いた第20話まで」と旧態依然としたもので、当然21話以降を選ぶこと自体ができない。そのため「この話をお試しでプレーしてみる」と言ったことが限定的にしかできないものとなってしまっているため、原作ファンに優しくない仕様となってしまっている。
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分身対戦がカード未使用時に選択できないことは至極当然ではあるが、その割には「カード未使用時向けの代替モードに変化する」と言ったことは全く無い。デフォルト分身などカード未使用時でも問題無さそうな要素があるため、制限付きでも実装できそうなものだが。
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相変わらずチューニングされた状態の車種を運転できない。オフィシャルマシンタイムアタックもカード未使用時には選択できないため、アトラクトで堂々と宣伝された最高馬力の謳い文句をお試しできる環境が用意されていないということである。当時競合していたアーケードゲームに限っても『バトルギア4』で既に実装されていた機能なのだが。
ほとんど改善されていない廃車カード
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『2』から改善された点は「ボディカラー選択可能」「一律無敗」の2項目が改善された程度で依然微妙すぎる仕様のままであることに変わりない。
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さらに『3DX』で「ボディカラー選択不可」「使用は1回きり」と改悪されてしまったため、益々死に機能と化した。『3DX+』ではボディカラーに限り再び選択可能な仕様に戻されたものの、全体から見れば微妙な仕様のまま続投されてしまっていることには変わりない。
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代わりに「プレゼントカード」が実装されたものの、カードの耐久力のせいか使用可能回数は5回までであり使い切ったらそのまま廃車カードになるため、未プレイヤーに対しての動機付けという観点で見てもやはり微妙と言わざるを得ない。
やや甘い『2』から『3』への引継
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『3』への引継も『2』ほどではないにせよ不完全である。具体的には「ストーリー2周目以降のクリア状況」が一律2周目81話からのスタートにリセットされたり、「10人抜きのクリア状況」がリセットされしまう点が該当する。当然称号も無敗データの初期称号が「首都高無敗(もしくは車種別無敗称号)」になる点以外は全て「湾岸の新人」にリセット。
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もっとも、『2』に関しては10人抜きは最低50クレ程度で全クリとなり、ストーリーモードの周回特典などはなく、明確な被害者はせいぜい「ランク上げのためにストーリーを周回したプレイヤー」くらいか。
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『3』で作成したカードを『3DX+』に直接引き継ぐことも可能であるものの、走行距離が10,001km以上の場合は一律10,000kmに統一されてしまう。
誤認を招いた引き継ぎ
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『2』の隠し車種「カローラ」「ハイエース」は、プレイアブルも含めてアザーカーカラーしか用意されていないせいか「カローラ、ハイエースは黄色でない通常のボディカラーに変更できます。」とあたかも「任意変更」であるかのようにアナウンスされた。
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ところが実際には「黄色でない通常のボディカラーに変更させられる(色自体は選択可能・ナムコカラーは選択不能)」と「強制変更」であるため、再びナムコカラーのボディカラーを使いたい場合はドレスアップパーツ「No.38 ステッカー(ナムコ)」を獲得しなければならない。余談だが「セルシオ」も同様に強制変更されるが、引継前と同じ色を選択することは可能であるし引き継ぎ時にしか選択できない「ガッちゃんパープル」に変更できる唯一の機会であり、セルシオに関して言えば変更によって生じるデメリットは一切ない。
エラーカード
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『3DX+』稼働初期に「(間違って)使用済カードを入れて排出された直後のプレーでカード新規発行を行うと、「「使用済」だけが印字されたカードが排出され以後使用不能となる」エラーカード事件が発生。普通にプレーしている場合だと「せっかく作成したカードが使えなくなってしまう」トラブルに巻き込まれると言うことであり、それまでにプレーした分が全て無駄になってしまう。
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再現性の高さからもすぐさまROM交換によるアップデートで修正されたが、この不具合を利用してコピカを作成するプレーヤーも出現。「日産・GT-R(R35)」で白レスメを獲得した(上で装着されている)データと言った、仕様上絶対に不能な組み合わせをなぜか動画サイトなどで確認されている(動画一例)のはそのためである。
激化したコピーカード問題
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前作で脅威となったコピカ問題は、改善されるどころか杜撰な対策などが祟りさらに蔓延してしまった。作成難易度こそ上がったものの「白レスメ」の存在もあって『3DX+』まではインターネットランキング荒らしも兼ねて脅威になってしまった。
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『4』以降になってからはバナパス化によりサーバーに保存される形で複製自体が不可能になったことに加えて、2013年10月24日には『3DX+』からの引き継ぎサービス自体が終了したため、現在では「新たにコピカを作成すること自体が実質無意味となった」形で一応の終止符を打つこととなった。
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詳細
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筐体側による対策
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『3』より「データ不具合時にだけバックアップデータが作成されるようにする」と言った形で対策が採られ『2』までの手段が使えなくなったとはいえ、今度は「コンティニュー画面でカードを無理矢理抜き取り予め用意した磁気カードを差し込んで作成する」形で依然として容易に行えてしまった。これに関しては『3DX』でカード状態を常に監視し、抜き差したりして不正行為が行われた場合は書き込まないよう仕様変更されて実質作成不能となった。
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ただし、エラーカードバグなどを利用してコピカを作成できてしまうため、作成手段が撲滅されたわけではなく、(日本版と互換性が無いとはいえ)海外を中心に改造データが蔓延することは相変わらずであった。無論、無理矢理引き抜く為にカードリーダーのエラーが当然発生し、再起動しなければプレー自体が出来なくなるため、カード絡みの問題を抜きに見ても他のプレイヤーに迷惑を掛けることは一目瞭然であるので絶対に実行に移さないこと。
ソフト側によるずさんな対策
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『3』以降では暴言や下品な熟語など以外にも「『2』までにコピカとして多用されていた名前」も禁止ネーム、さらに『3DX+』ではデータ引継ぎ時にコピーカードとして多用されていたネームを検知した際に「引き継ぎ時に必要なカード代とは別にカード代と同額の追加料金」を要求された上で強制的にカードネームを変更されるようになった。変更に応じない場合はそのクレジットではカードを使わないプレーとなる。
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ところが名変ペナルティによるデメリットも 「カード代と同額のペナルティ代の200円をさらに追加した計400円を余計に支払わなければならない(カード代が200円の店舗の場合)」点以外は全く無く、それに応じさえすれば特に問題無く引き継ぎが出来てしまう。カードデータの対策は他にこれと言った対応が実施されておらず、対策になっていないのは明白である。結果として実質コピカ流通を助長させてしまったため、「運営も幇助しているのでは?」と邪推されることに。
テロリストカード
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ずさんな対策により、パッと見てコピカであることが見分けが付かない(コピカの)名変カード「テロリストカード(テロカ)」が新たに猛威を振るうこととなってしまった。名前の由来は「新たに禁止ワードとして指定された「テロリスト」」が由来であり、転じて(『2』以前から存在するものを含めた)物理的なデータ改造を施されたカードも(造られた経緯は異なれども)同様に「改造テロカ」として扱われるようになった。
基本的にランクや走行距離に撃墜星の数が釣り合っていないなどと言った形で即刻わかるが。
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結果、「テロカと使用車種が共通している」だけで一般のプレイヤーが見知らぬユーザーから言い掛かりを付けられ「ネット・リアル問わず誹謗中傷」「リアルファイトに発展する」と言ったゲーム外の騒動にまで発展、挙げ句の果てにはインターネットランキングも飛び火する形で無法地帯と化し、「走行距離ランキング上位がテロカで埋め尽くされ機能しなくなってしまう」「コメント欄を悪用する形で他プレイヤーに対する誹謗中傷」と言った問題が日常茶飯事に。結局『3DX』稼働中の2009年9月16日にランキングの新規登録の停止とコメント欄の閉鎖対応、そして『3DX+』に至っては稼働当初から一切のインターネットランキング自体が開催されなくなってしまった。
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逆にこれまた全国規模で対抗策として、インターネットでの情報共有を介した有志プレイヤー達による「コピカ狩り」なる私刑行為も発生。言うまでもなく私刑は立派な犯罪であり、人海戦術ゆえの誤認によるトラブルも多発したため、小学生などの低年齢層にまでコピカが流通したほどのプレイヤーの年齢層の広さも相まってこちらも大問題となった。内容が内容であるため詳細は各自調べていただきたい。
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総評
基本的な仕様は変わらず、前作までの良くも悪くもカラフルで玩具を連想する各種インターフェースがモノトーン基調へと完全一新される形でイメージチェンジ。併せて前作譲りの「挙動」「理解しやすい仕様」と言ったとっつきやすさに貢献したシステムはさらに洗練されたものとなり、加えて原作コミックの内容に沿って改修されたストーリーモード、これら変更点は以後のシリーズにも大きく変わらず引き継がれたため、『3』がシリーズの基礎を確立した原点であることは明白である。
一方で新機能追加の裏でプレイヤーに対する負担はその分増してしまうことに。結果としてやり込み要素が大量に追加された割には整理整頓が追いついていない各種システムや仕様も相まって、ただでさえ法外なクレジットを要求する各種条件はもちろん、単純にプレーそのものが無駄になりかねない作業ゲー要素もさらにエスカレートしてしまった。
それでも『2』以前に見られた極悪な解禁要素や『4』以降のように必要以上に量「だけ」やたらと増やされた解禁要素はランクシステムや10人抜き以外では見受けられず、ある程度最小限にまとめられている点からも、やり込みのハードルは歴代と比べればまだ有情と言える…かもしれない。
現在は『4』への引き継ぎが不可能になっているものの、『3DX+』については現在でも稼働している店舗がそれなりに見受けられるため、引き継ぎ不能を承知のうえでカードリーダーが使用可能であるのならば、当時を懐かしむ意味でも是非とも手に取ってみてはいかがだろうか。
余談
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分身対戦はバンダイナムコゲームスの登録商標である。
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登録番号は5186079号で、登録日は2008年12月5日である。期間延長につき、2028年12月5日に存続期間満了予定。
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『3DX』では未来研通信において「ステッカー」と表記する所を「スッテカー」と表記した誤字脱字が公式でもやたらと話題になった。結局2009年4月に施行されたROMアップデート「Ver.C」修正された。
最終更新:2024年07月25日 10:08