タッチ
【たっち】
ジャンル
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ADV
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対応機種
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PC-8801
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発売・開発元
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東宝
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発売日
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1987年1月
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定価
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7,800円
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判定
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なし
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ポイント
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買って1時間でクリア可能 グラフィックは良好 兄弟仲良くベンチ入り
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少年サンデー関連作品リンク
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タッチ関連作品 PC-8801 / シティ・アドベンチャー
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概要
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1980年代に少年サンデーで連載され、人気作品となったあだち充氏の漫画『タッチ』を原作とするアドベンチャーゲーム。
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後述の通り、原作とは異なる独自のシナリオを展開する。主人公は原作と同じく上杉達也だが、原作では明青学園ボクシング部に入部する達也は、本作では双子の弟の和也と共に野球部に入部して甲子園をめざす。
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明青学園入学から達也の野球部入学までが前半、県大会に優勝して甲子園出場を決めるまでが後半の二部構成である。
ストーリー
(以下、説明書より抜粋)
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ゲームの基本テーマは、原作ではボクシング部に入部してしまう上杉達也がもし明青学園高等部進学と同時に野球部に入っていたら?という「もしも」の世界をゲームにしてみなさんに原作とは一味違ったストーリーを楽しんでもらうという点にあります。
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ゲームのオープニングは明青学園高等部の新入生クラブ勧誘から始まります。和也や南は達也が野球部に入るものと思っています。ところが親友?の原田の計略にひっかかり、なんとボクシング部の方に入部希望を出してしまいます。はたして上杉達也は本当にボクシングを始めるのか、夏の甲子園にはだれが行くのか。
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あなたは上杉達也となって南や和也と共にゲームを進めて下さい。
特徴
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コマンド入力式と選択式を併用。
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動詞を入力すると、その動作の対象となる人(モノ)が選択肢として表示されるので番号で選ぶ。その場にふさわしくない動詞を入力した場合、ゲーム前半は達也と同行する新田由加に諫められ、後半は達也が独り言をつぶやく。
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弟の和也は最後まで生存し、兄弟でベンチ入りする。達也はリリーフで登板する。
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早ければ1時間くらいで、手間取っても数時間でエンディングに到達できる。
評価点
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当時としてはグラフィックがよく整っており、テレビアニメ版の画風の再現度が高い
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コマンド入力式だが、小難しい言葉探しは必要ない。「いく」(もしくは「いどう」)、「はなす」「みる」がほとんどで、あとは「とる」「のむ」「わたす」が1回か2回使われる程度。行き詰まる心配がほとんどなく、気楽に楽しめる。
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和也が死なない。このストーリー改変に拒絶反応を示す人がいるかもしれないが、悲しい出来事が回避されたということで評価点にしておく。
問題点
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BGMが一切ない。
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エンディングも南の笑顔の横でキャスト、スタッフロールが静寂の中で流れるだけ。絵はアニメを上手く再現できたが、音響はアニメの使用曲が流用できなかったのか。それとも容量の都合で盛り込めなかったのか。とにかく、メッセージが流れる際の「プププ」という音だけでとても静かで寂しい。
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ゲームとしての物足りなさ
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達也が野球部に入るまでの前半はアドベンチャーゲームっぽい雰囲気があるが、野球の試合が始まる後半になるとプレイヤーを置き去りにするかのごとく一方的に物語が進んでしまう場面が多く、あっけなく終わってしまう。せっかくのグラフィックも、ほんの数秒で次々と流れて行ってしまい、ゆっくり眺めることができない。
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簡単すぎて初プレイから1時間もあればクリアできてしまう。誰ひとりとして脱落することなくクリアでき、ゲームの雰囲気やストーリーを最後まで楽しめることをコンセプトとしているとしても、こうも短時間であっけなく終わってしまうと物足りなくなる。前述したとおり、このゲームにはBGMが一切流れない。アニメーション効果もない。そのため、繰り返しプレイする機運に乏しい。
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1980年代前半の主流だった『ミステリーハウス』のような謎解きを楽しむ言葉当て系アドベンチャーからストーリー、BGM、CGなど総合的な演出を楽しむ現代的なアドベンチャーゲームへの過渡期の作品なので仕方ないかもしれないが、少々時代遅れに感じてしまうところ。
総評
アドベンチャーゲーム自体が難しいゲームが多く、攻略記事等を参照するか、クリアを断念するプレイヤーが続出するのが多かった時代に、誰でも問題なくクリアできる難易度にしたことで、原作ファン向けの遊びやすいアドベンチャーゲームとしては仕上がっている。
グラフィックも時代を考えれば十分出来は良いと言える。
とはいえ、その遊びやすさのせいであっという間に終わってしまうゲームになってしまっており、非常に物足りないゲームになってしまった。
最終更新:2024年08月07日 00:08