「オレとデートしたいのか?」
彼氏ができない(と思い込んでいる)の親友の レイカに対して、ライヤのこの一言。
後で冗談と弁明するが、普通ならいくら独り身だからって親友に対してそもそもそんな発想自体が出ない。
これならまだ匂う程度ですが、確信を得たのはレイカのストーリー。
今日は彼氏とデートなんだ、と言うレイカに対して全力で妨害するライヤ。
構ってちゃんとか自分が彼氏できないから妬くとかそんな見方をする人もいますが、
他のキャラのストーリーを見た限りではライヤは別に構ってちゃんではないし、「彼氏欲しい」などと思っている節も無い。
「弱い男は嫌い!」なんてキャラでもないし、男なんてものはライヤにとってただ居るだけのどうでもいい存在。
他キャラのストーリーではライヤは素直な女の子で、尚更レイカストーリーの彼女は異常だ。
まず結論を言いましょう。ライヤは自分が男から見て可愛くない筋肉女ということを自覚している。
それは別に構わない。彼女は男に興味が無いのでむしろ好都合。
しかしレイカは自分とは違い、男の好みに合う委員長タイプの美少女だ。
ならばいつかは男ができるのではないか、そんな不安をライヤは抱いている。
ようするにアレなのだ。
まぁ、ライヤが本格的危機を初めて感じたのは、一年前聖テーカン学園が共学になった時でしょう。
もう一度レイカストーリーの流れを見ましょう。
今日は他の用事があるから、とライヤの誘いを断るレイカ。
「まさかデートか?」とすぐにそれを聞くライヤ(これは彼女の不安なのでどうしても口にしてしまう)。
そうじゃないとレイカが答えると、ライヤはどこか得意気な口ぶりで「お前みたいな~と付き合う物好きがいるわけないもんな」と言う。
(だからお前はずっとオレのものだ、という意味を含めていたのではないか?)
しかしレイカはノンケなのだ。ライヤの言葉にカチンと来たので、敢えて「実はわたし今日デートなのだー」と去っていく。
するとライヤは「マジかよ……」と硬直。よほどショックだったのだろう。
そこからはもう、全力で妨害。 中華まんも買えない程貧乏なのに、500円も出してロボットを雇うくらいに全力。
でもライヤは既に分かっていたのではないのか。ノンケのレイカはいつまで自分と一緒にいるわけがない。
恋で硬質化できなくなってしまったレイカを見ていると、ライヤは何もかも分かってしまった。とうとうこの時が来たのか、と思った。
だから最後の最後、手を抜いたはずだ。でなければ、全力を出せないレイカがライヤに勝てるわけがない。
そして「うるさい! お前なんかどこでも行きやがれ!」と吐き出すライヤ。
……気持ちは痛い程に伝わってきます。好きな人は遠いところに行ってしまうのだ、もう戻れない……
ノーマルなレイカにこの気持ちがわかるはずもないし、好きな男に夢中な彼女もそんな余裕はない。
そのあとライヤは泣き濡れたことでしょうね……レイカに涙を見せたくない乙女心から、敢えて強い言葉で追い払ったのではないかな。
その後、レイカはデートに行ったまま学校を数日サボった。この委員長浮かれすぎである。
……まぁ、正確には「デートに行こうとしたら大天使によって天界に召喚されてしまい、地上と時間の流れが違うので戻って来たら数日後でした」
というのが実際の話なのだが、ライヤの知った事ではない。
レイカの居ない数日、ライヤはどんな気持ちで過ごしたのか、どうやって心を整理したのか。
「よう、モテモテお嬢さん」
この嫌味の裏に、一体どんな想いを隠したのか。
せつない。
だからレイカへのお仕置きとしてあのイントロ作りました(*☆▽<)
|