没ポケモン/ガセポケモン

登録日:2014/12/11 Wed 13:20:53
更新日:2025/01/13 Mon 00:36:37
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既に20年の歴史を持つ『ポケットモンスター』。
登場するポケモンの中には初代の時代から、けつばんアネ゙デパミ゙といったバグポケモンと一緒に脈々と語り継がれてきたガセポケモンや、
歴史の闇に葬られた没ポケモン・デザインが刷新されたポケモンが数多く存在する。

+ 目次

没ポケモン*1

ポケットモンスター 赤・緑

初代「ポケモン」。現在の形に至るまでには数々の試行錯誤があった。
かつてのゲームフリークの公式サイトや当時の内部資料から、ポケモン達のプロトタイプの姿が確認できる。

そして2018年には書籍『学習まんが人物館 ポケモンをつくった男 田尻智』とNHKのニュース番組『おはよう日本』にて今まで未公開だった没ポケモンの姿も確認された。


カラバジオとミミー

出典:「ザ・インタビューズ 他の人があまり知らないようなポケモンに関するトリビアを何かご存知ですか?」
http://app001.theinterviews.jp/rascal1017/2268748

後のカメックスヒトデマン
資料が公開された当時は、どちらがどちらかははっきりしていなかったが、
『学習まんがスペシャル』により、カメックスに似たほうがカラバジオであることが判明した。


「ミミー」の方はおそらく「ウルトラセブン」に登場するミミー星人の星型の円盤が由来と思われる。
ちなみにゲームフリーク開発の「クインティ」にも同名の敵キャラにもいる。
あちらは女の子の姿で、主人公の動きを真似るミミックが由来。


コカーナ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu9.html

後のビードル。角が帽子のようになっていて、身体の節目が数珠状になっていない。


カサナギー

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu11.html

後のコクーン。コクーンとは全く違い、ビードルに殻を被せて手をつけたような見た目。


カサナギーの進化系(名称不明)

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu14.html

後のスピアー。人間の手を持った、六本足の甲虫。角のないヘラクロスといった感じである。
最終進化をカッコよくするため現在のスピアーに変更されたという。


ニョロモ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu12.html

あまり変わっていないが、口がない・尻尾がヒレになっていないなどの違いがある。
最初にデザインされたポケモンである。


ニョロッピ

後のニョロゾ。デザインは全く変わっていない。


ニョースカ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」 
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu8.html

後のニョロボン。王冠を被ってドテっと座り込んでいる。
目も鋭くないためニョロボンのような勇ましさはない。むしろニョロトノ寄り。
こちらもあまり強そうじゃないため、最終進化は強くした方がいいと考え変更されたらしい。
ちなみにデザイナーはあのピカチュウリザードンをデザインしたにしだあつこ氏。


ハクリュー

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu16.html

耳のデザイン、首の珠の有無、身体の細っぽさなどが違う。
全体的に現在のハクリューよりヒョロっとした感じ。


ラプラス

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu10.html

ほとんど変更はないが、あの丸まった耳がないため非常に違和感がある。
ヒレがどうなっているかは不明。


ゴース

出典:「Satoshi Tajiri: A man who created Pokémon」
http://forums.glitchcity.info/index.php?topic=6708.0

毛玉のようになっているがこれは描写上の関係であまりデザインは変わっていないのだろう。
もともと1.2mと大きいが、対峙しているヤドン(ヤドラン)(1.6m)とトレーナと対比するとなんと3mはある。怖い。

ヤドン

見た限り現在のヤドランと同一。

ストライク

現在のストライクと同様に鎌状の前足をもつが、全体的なシルエットは四足歩行の獣に近い。

アンブラー

見た目はほぼメノクラゲと同一だが、若干縦長になっている。

サイホーン

現在のサイホーンとほぼ同じだが、若干ディテールが甘め。

ウイング

後のウインディ。足が蹄になっているなど麒麟に近い風貌をしており、分類の「でんせつポケモン」はこの名残なのだろうか。

ギャラドス

現在のギャラドスと全く異なり、触覚が生えた巨大な蠕虫のような姿をしている。

シェルダー

現在のパルシェンに似ているものの、殻のトゲや頭の上の角が存在しない。

ディアー

四足歩行の動物のメカのようなポケモン。頭にはシカのような大きな角がある。

クロッキー

ギョロリとした大きな目玉を持つ爬虫類のようなポケモン。頭部には髪の毛らしきものも生えている。

ジャッグ

矢印のように尖った鼻先のサメのようなポケモン。サメのポケモンを出すこと自体はこのころから考えられてはいたようだ。

カクタス

トゲの生えた球体が重なり合ったような姿をしている。名前からしてサボテンがモチーフと思われる。
サボテンのポケモンは後に第3世代でサボネア、ノクタス、第5世代でマラカッチが登場している。

ギャオーン

大きな口を開けた、二足歩行の怪獣のようなポケモン。

オメガ

こちらも二足歩行の怪獣のようなポケモンだが、どちらかといえばメカっぽい。
赤緑において、リザードンをはじめとした怪獣系のポケモンに使われたアイコンと似ている。


赤緑~金銀の間

ピクシーもどき、バンギラスもどき、プロトーガもどき

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu29.html

正確には雑誌「ゲーム批評」に掲載された、杉森建氏が「ポケモンのアナザーワールド」という設定で描いたイラスト。
しかしバンギラスは体色以外がほとんど今と変わっていない。
亀のようなモンスターは顔はプロトーガに似ているが脚が違う。
また、ピクシーもどきの特徴はカポエラーに継承された。
このイラストは2014年発行の『杉森建の仕事』にも収録されている。


ポケットモンスター 金・銀

当初はゲームボーイでの発売を予定されていたが開発は難航。
延期に延期を繰り返し、最終的にゲームボーイカラーでの発売となった。
「ゲームボーイ版金銀」から「金銀」になる過程で、ゲームの内容も登場ポケモンも大幅な変更が加えられている。
最初の町が「サイレントヒルズ」、キキョウシティのような佇まいの「オールドシティ」、スケボーで移動などの要素をオールドファンなら見たことがあるだろう。
ここでは先行イベント等で紹介された「ゲームボーイ版金銀」に登場予定だったポケモン達を紹介する。

2018年には流出したと思われる体験版ROMのデータがネット上に公開され、ポケモンファンの間で話題騒然となった。
詳しくは体験版 ポケットモンスター 金・銀を参照。


サニー

後のキマワリで、金銀の体験版に登場したらしい。
現在と違って「うたう」を覚えた。


ペインター

後のドーブル。ぶんるいが「ようせいポケモン」だった。
そのままだったら現在フェアリータイプが付いていたかもしれない。


ハネコ、ワタコ

後のハネッコとワタッコ
現存する映像によるとハネコとハネッコとの違いは
色が黒い(GB時代の表現によるものか)、手足がない、尻尾が大きいといったもの。


ヨロイドリ

後のエアームド。エアームドは現在「よろいどりポケモン」という分類になっており、ボツネームが分類として生き残っている。
ちなみにタイプも「はがね」ではなく「メタル」という名前の予定だった。
また、現在のルギアのポジションとして出る予定だったらしい。


ハッパ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu1.html

後のチコリータ。デザインは金銀の時と同じ。ネーミングがあんまりすぎる
かつて報告にあったイラストでは頭の葉っぱが額から生えている、下半身が小さい、小さい耳がある。首周りの種と目の色が違うなどデザインに細かい違いがある。
後に見つかった映像からこれらのデザインの違いは「低解像度か遠目に見たなどの理由で違って見えた」あるいは「曖昧な記憶によるもの」と判明した。


ホノオグマ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu2.html

炎御三家でヒノアラシの位置に収まる予定だったであろうポケモン。ヒノアラシとは全くデザインが違う。
赤くてふさふさした小柄なライチュウのような見た目。技「ほのお」を使ったらしい。
もしかしたらいつの日か復活するかもしれない。


クルス

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu3.html

水御三家でワニノコの位置に収まる予定だったであろうポケモン。
水色一色でラプラスの幼体といったような見た目。ホノオグマと同じく後の復活に期待したい。
また、ラプラスの進化前としても復活するといった形でも期待したい。


プクー

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu4.html

後のハリーセンと思われるポケモン。目が丸く、尾びれが長くなっている。


キリンリキ

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu5.html

現在のキリンリキと違い、下半身が黒いもう一つの上半身になっている。タイプはあく・ノーマル。
没になるのもむべなるかなというデザインである。


マリル

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu13.html

現在と違い若干胴体が長く、体色がピンク。尻尾も小さくてバネ状になっていない。
ちなみにマリルはトゲピーに遅れて第1作目の短編映画から先行出演した。


カゲノムシ(?)

出典:「◆ボツポケモン応援隊 ボツポケモン図鑑◆」
http://hakuda2.web.fc2.com/ir/poke4/botu29.html

ほとんど情報がない幻の没ポケモン。
ツチニンにやや似ているが、尻尾が葉っぱになっていて傘のように身体を覆っている。


ブクー

プクーとは違う。夜のみ登場するモモンガポケモン。
後にピカチュウ系として登場したエモンガとの関係性はモチーフ以外ないと思われる。
ベータ版のプクーのドット絵がぱっと見モモンガに見えなくもないこと、ゲーム中に「プクーがフグモチーフである」ことを示唆する情報がないこと、ここまで名前が酷似しているポケモンを同時に出す理由が薄いことなどから、「プクーをモモンガと見間違えた」説が濃厚。

アクア、アクエリア、イカリ、アニモン、ネタモン、エレキング

名前のみ登場したため詳細不明。後に「スペースワールドで使用されたプロトタイプ金銀」らしき解析データが発表された時は
ネタモンとエレキング以外が詳細に記されており、それによるとアクアとアクエリアはクルスの進化系。
イカリはサメの下半身が錨になった姿のポケモン、アニモンは変な形のメタモンといった姿であるとされた。


ドセータン/コメットン

金銀発表時期にコロコロコミックの読者応募で最優秀賞に選ばれたポケモンで正確には没ポケモンではない。
そもそもゲーム中で採用するとは言われてないので最優秀賞という肩書だけの虚しい存在となっている。
同時に「アンラッキー」というネタポケも掲載されていた。


ポケットモンスター ルビー・サファイア

ゲームボーイアドバンスで発売された第三作。
この頃からは情報統制がしっかりしだしたのか、プロトタイプのポケモンを公開してしまうような事はほとんどなくなった。

ラティアス

まさしくラティアスバシャーモ合体したような姿のポケモン。背中に少女を乗せている。
「ラティアスのようなつぶらな瞳を持ち、ラティアスの体系を持つバシャーモ」とでも言うべきか。
2002年夏に『水の都の護神 ラティアスとラティオス』が公開されているため、その制作が始まる前のイラストと思われる。

アートディレクターの杉森建氏が描く『コレクタブルアートPG』内の『ラティアスとラティオスのいる風景』にはラティオスに少女が乗っているイラストがあるが、
この合体ポケモンに乗る少女と外見やポーズがよく似ている。


アチャモ

頭頂部の羽がなく、代わりに耳のような羽が生えているイラストが確認されている。
2002年3月29日とのサインがあり、ルビー・サファイアの発売は同年11月であるため、ギリギリまでデザインの調整をしていたことがうかがえる。


カラナクシ/トリトドン

ルビー・サファイアのベータ版ROMに少なくとも後姿の画像のデータが存在する。
カラナクシは背びれが「ひがしのうみ」のものになっている以外は今の「にしのうみ」の姿と相違ない。
トリトドンは全身にボコボコとした突起が付いていて、今とは異なる姿だったと思われる。


ポケットモンスター ダイヤモンド・パール

ナゲキダゲキ

第5世代「ブラック・ホワイト」で登場した格闘ポケモン。柔道家と空手家をモチーフとしている。タツジン!
元々ダイヤモンド・パールで登場させる予定だったが見送られた事が「ファミ通」の杉森建氏のインタビューで語られている。
当時は「武道」のほかに「」もモチーフとしていて頭には角が付いていたらしいが、
ブラック・ホワイトには別の鬼のポケモンが登場したため削除され、代わりに眉毛が付けられることになる。

ポケットモンスター X・Y

フラエッテ(えいえんのはな)

本編ストーリーに関わる重要なポケモンで、実際に内部データや専用技も用意されていたが、結局配布されることはなかった。

ガセポケモン

さて、ここまでご紹介してきたのは「公式に登場予定があったが、諸事情により陽の目をみなかったポケモンorデザインを変更されたポケモン」達である。
だが、世の中には公式とは何の関係もない全くのガセネタでありながら、多くのプレイヤーにその存在を信じさせたという罪なポケモン(?)も存在する。
初代ポケモン世代ならば「裏技」のたぐいを一度は聞いたことがあるだろう。
「けつばんというポケモンがいる」「ミュウは裏技で作れる」「ミュウツーがミュウスリーに進化する」などなど……
彼らの存在もまた、ポケモン史を語る上で避けては通れない存在である。


赤・緑

ミュウスリー

ミュウ」「ミュウツー」がいるのだから、次はミュウスリーだ!という全国のお子様が一度は考えたであろうポケモン。
その妄想に尾ひれがつき、「ミュウツーにつきのいしを使うと進化する」などのウワサが全国各地でまことしやかに囁かれていた。

口伝えのウワサが発祥なので固定された姿があるわけではないのだが、現在では穴久保幸作の漫画版「ポケットモンスター」でギエピーことピッピがミュウツーの遺伝子を取り込んで「ミュウスリー」になった姿が有名。
後にメガミュウツーとして現実になった……のか?


例示は控えるが、具体的にどんなガセポケモンが流行っていたかを解説する。

RS~DP世代

この頃からゲーム中の画像データを流用する文化が見え隠れし始め、これを利用したガセポケモンの情報が見受けられた。
また、当時はRPGツクールをはじめとしたゲーム制作ソフト他ツールの台頭からドット絵の技術も向上していたため、一から作られたガセポケモンも多少存在している。
反面、主人公や街などポケモン以外の情報を組み上げる文化はあまり浸透していなかった。

BW世代以降

画像編集ソフトやイラスト制作ソフトが広まった事により、あたかもコロコロコミック等の雑誌記事を装ったより高度なガセ情報が出回り始める。
中には騙されるのも仕方ないほどレベルの高いものも存在するが、さりとて注視すればガセと分かる仕上がりのものが殆どである。

また海外のファンによるガセ情報はより盛んになっている。
しかし基本的に日本で先行発表されるので、ガセ画像も日本語で構成された偽記事になっているのだが、あまり日本語に精通していない人が作ったためか大概がものすごく怪しい日本語になっており
日本人のファンならひと目でガセと判別出来るものばかりで、新シリーズのたびにネタにされている。
ただしこれは「とりあえず日本語で書いていれば、日本語が読めない海外ユーザーは騙されるから」という説もあるらしい。

SM世代以降

最新情報の公開がニンテンドーダイレクト等のネット配信が中心になり、上記のような雑誌記事を装ったガセ情報はだんだんと廃れ始めていた。
一方である時にサン・ムーン御三家の最終形態のデザイン画が流出し、後にそれが本物だったことが明らかになったことで、それを後追いするかのように御三家ポケモンのデザイン画流出を装ったガセ情報が大量に出回るようになる。
他にもタイトルロゴやパッケージを飾る伝説のポケモンのパターンがあったりすることも。





追記・修正は没になったポケモンの存在に想いを馳せながらどうぞ。

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最終更新:2025年01月13日 00:36

*1 名前やデザイン変更を含む。