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メトロイドプライム2 ダークエコーズ - (2017/12/20 (水) 08:16:30) の編集履歴(バックアップ)


メトロイドプライム2 ダークエコーズ

【めとろいどぷらいむつー だーくえこーず】

ジャンル ファーストパーソンアドベンチャー*1

対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
Wii
発売元 任天堂
開発元 レトロスタジオ
発売日 【GC】2005年5月26日
【Wii】2009年6月11日
定価(税抜) 【GC】6,800円
【Wii】3,619円
レーティング 【GC】CERO:12歳以上対象
判定 なし
ポイント シリーズ中でも異色の世界観と設定
ゲームの完成度自体はかなり高い
メトロイドシリーズリンク


概要

メトロイドプライム』の続編で、プライムシリーズ2作目。
銀河連邦のある部隊を追って惑星エーテルを訪れたサムスが、エーテルにおいて光の種族ルミナスと闇の種族イングの生存をかけた光と闇の戦いに巻き込まれる。
ジャンルは前作と同じFPSだが、システムは全体的にブラッシュアップされている。他、各種様々な要素の追加によりメトロイドシリーズでも異色の存在となっている。
また、シリーズで初めて対戦モードが実装された。

本作の特徴・追加システム

光と闇のエーテル

  • 本作最大の特徴にして、シリーズでも異色とされている要素。各地の「ポータル」と呼ばれる施設から、通常の世界・ライトエーテルと異世界・ダークエーテルを行き来し、それぞれの世界で謎を解き先に進んでいく。片方の世界で通行できない通路がもう片方では通れたり、片方の世界で仕掛けを起動すると、もう片方の世界も連動して仕掛けが動いたりというものも存在する。
  • ダークエーテルは猛毒の大気に埋め尽くされており、何もしなくとも時間経過でダメージを受けてしまう。
    その為ルミナスが残した「ライトクリスタル」及び「ライトパフ」から発生する「セーフゾーン」を活用しつつ先に進まなくてはならない。セーフゾーンの内側ではダメージを受けず、逆にエネルギーを少しずつ回復できる。
    • ライトクリスタルは常時セーフゾーンを発生するが設置物として固定されている。ライトパフは空間を移動するものもあるが、ビームを撃ち込んでから一定時間の間だけ効果を発揮する。
    • セーフゾーンを発するオブジェクトは、後述する追加装備のビームを撃ち込むことでセーフゾーンの性質を変化させる。
      • ライトビームを撃ち込むと、セーフゾーン内に踏み込んだダーク属性の雑魚敵を一瞬で消滅させる事ができ、アナイアレイタービームの場合はライトビームを撃ち込んだ時の性質に加え、イング族を引き寄せる性質を持つようになる。厄介な敵が多いダークエーテルで効率的な戦闘を行う際は、時にセーフゾーンを活用する必要がある。
        逆にダークビームを撃ち込んだ場合は一時的にセーフゾーンが消滅してしまう。
    • ダークエーテルから受けるスリップダメージは最初はかなり大きいものの、進行上で入手する事になる「ダークスーツ」によって大きく軽減する事ができる。「ライトスーツ」はダメージを完全にシャットアウトする事ができるが、その入手は終盤。
  • ダークエーテルの各エリアには3つのキーと、惑星エネルギーを奪ったボス敵がそれぞれ存在する。キーを集めてボスへの道を開き→それを倒して惑星エネルギーをライトエーテルの聖堂へと奪還することでそのエリアはクリアとなる。

光と闇のビーム

  • エーテルがそうであるように、キャラクターやビームにも「光と闇の2つの属性」という概念がある。 サムスやルミナス・スペースパイレーツなどの通常の存在は「ライト(光)属性」を、イングやイングの乗り移られた対象(ダーククリーチャー)など、ダークエーテルがら発生した敵は「ダーク(闇)属性」として扱われる。
  • サムスが持つ武器にもダーク属性のダークビーム、ライト属性のライトビームが存在しており、敵や状況に応じて上手く使い分けねばならない。
    なお、今作ではビームにもアモ(弾薬)の概念があり、それぞれのビームに対応したアモが通常射撃で1発、チャージビームで5発、チャージコンボで30発消費される。
    ちなみに今作のビームはチャージコンボだけでなく、チャージビームにも固有の名称が存在する。
    • ダークビーム
      • 黒紫の粒子を放つビーム。弾速は遅いが当たった敵を麻痺させて動けなくさせることが可能で、ライトエーテルの多くの敵に対して有効。その特殊効果やアームキャノンの変形から、前作のアイスビームによく似た武器といえる。
      • チャージショットのエンタングラーは「纏わりつくもの」を意味するように、敵の動きを一定時間完全に拘束し、その間にミサイル一発で粉砕する事ができる。また、着弾時にはダークエネルギーが残存し、周囲のライト属性の敵にダメージを与えることができる。
        チャージコンボのダークバーストは巨大なブラックホールを放ち、敵を吸い込み消滅させてしまう。
    • ライトビーム
      • 虹色の光を放つビームで、射程は短いが敵を貫通し、また当たった敵を燃焼させて追加ダメージを与える。ダーク属性の「イング」やそれに取り憑かれた敵に有効だが、頻繁に登場するため使用頻度はかなり高い。前作のプラズマビームに似ている。
      • チャージビームのライトブラストは広範囲に分散するため一点に集束して撃つのは不向き。ただし、ダーク属性の敵に対しては追尾・収束するため大きなダメージが期待できる。
        チャージコンボのサンバーストは、ゆっくりと降下する光弾を放ち、着弾と同時に膨大な光と熱で周囲を一掃する。なお、分かり難い上に役に立つ機会はないが、着弾前の光弾からは付近の敵に向かって細いレーザーが自動照射される。
    • アナイアレイタービーム
      • 光と闇の両方のエネルギーを持つ強力な白黒のビームで、ダークエーテル、ライトエーテルの両方に等しく威力を発揮する。さらに自動的にホーミングする性質があるため、動き回る敵やオブジェクトを撃つのに効果的。
        ただしその分、射撃にはダーク・ライト両アモが必要となる。
      • エネルギーを合成する際に音波が発生するため、それによる仕掛けを解除する際に必要となる。非常に強力なため、入手するのはゲームの終盤にに差し掛かる頃になる他、ライトとダークの両方の弾を消費するコストの重さもある。
      • 「破壊者」の意味を持つチャージビームディスラプターは弾速が大きく落ち、ホーミング機能も失われる代わりに絶大な威力を発揮する。
        チャージコンボのソニックブームは名前の通り音速の弾を放ち、瞬間的に広範囲の敵に大ダメージを与える。
  • 一応詰み防止のため、アモが0でもチャージで打つことで通常射撃ができる。
    ただしこの状況になるとチャージまでのロスが多いためアモの管理は重要である。
    • アモは属性ビームで敵を倒したり箱を壊したりすると、その反対属性のアモが出ることを覚えておくと便利かもしれない。

新バイザー

  • 前作の「サーモバイザー(熱探知)」「Xレイバイザー(X線探知)」は新たに「ダークバイザー」「エコーバイザー」として登場する。
  • ダークバイザーは次元の狭間に不安定な状態で存在する、不可視の物体を視覚化するバイザー。一部の姿を消す敵に対してもロックオンし続けることが可能。しかし強力なダークエネルギーを放つ物体に対して装着すると、白光化により視認不能になってしまう。
  • エコーバイザーは音波を発しその反響音を捉える事で、周囲の物体を視覚化するバイザー。反響音のみで物体を捕捉するため、定期的にしか通常の物体を見ることは出来ない他、その色彩や行動の変化などは一切分からなくなる。またビームエネルギーなど実体を持たない物も非常に視認しにくくなる。
    • 基本的にアナイアレイタービームと併用して仕掛けを解くことにもなる。

マルチモード

  • 対戦モード。倒した対戦相手の数を競う「デスマッチ」、スマブラシリーズのようにダメージを与えて出現したコインの所持枚数を競う「コインモード」の2種類がある。
  • ステージも豊富で、様々な仕掛けがある。中にはシングルプレイではできないアクションや武器も存在している。

その他の新要素

  • 2Dメトロイドではお馴染みの「スクリューアタック」がプライムシリーズで初登場。スペースジャンプからさらにBボタンを押すことで発動する事が出来、より遠く離れた足場に到達する事が可能となる。発動中はカメラがサムスの後方に切り替わり、接触した敵に大ダメージを与える事ができる。
    • 2Dメトロイドのようにスペースジャンプで移動し続けられるが、高さを稼ぐ事は出来ない。しかし、特定の壁を跳ね返りながら登る2Dメトロイドではおなじみの機能の「キッククライム」が出来る。
  • ミサイルの拡張機能である「シーカーミサイル」が新たに登場。最大5つのターゲットにミサイルを一斉発射する事が出来る。最大5発のミサイルをロックオンした敵に対して集中発射する事も可能。
  • 前作で登場した「ブーストボール」と「スパイダーボール」の併用が可能となった。スパイダーレールに張り付いている際にブーストボールを使用する事で垂直方向に飛び出す事ができる。これにより、よりアクロバティックなアクションが可能となり、レールからレールへ飛び出して進まなければならない場所も幾つか登場する。
  • 前作における「グラビディスーツ」は「グラビディブースト」としてサブアイテムに割り当てられた。性能はグラビディスーツと同様だが、今作では水中で一定時間上昇出来るようになった。
  • その他細かい点として、環境的危険を知らせてくれる警告ゲージがモーフボール中にも表示されるようになった事や、グラップリングビーム使用中にもビームが撃てるようになった事が挙げられる。

問題点

  • 武器の仕様については本作の難点を語る上で外せない。前述のとおり初期装備であるパワービーム以外は全て弾数の制限があり、何も考えず連発しているとあっという間に尽きてしまう*2
    この弾数を回復する「ビームアモ」はダーク・ライトビームを用いて敵やポッド(容器)を破壊した際に逆属性のものが出現するが、逆に言えば一方のアモを回復させるには他方のアモを消費しなければならないという事でもある。
    • 弾数の最大値は初期50発、最終的には250発まで拡充するが、有効な使用頻度を考えるとあまり余裕はない。また、チャージショット使用時の消費は5発分・チャージコンボは30発分と莫大で、かつ序盤以外の敵は各ビームのチャージショット1発でも倒せない敵が増えるため、アモタンクの容量に対して消費が激しい。
    • アモの補充は小まめなポッド破壊作業か、スペースシップやアモリチャージステーションで一気に全回復させるしかない。ポッド自体はライト・ダーク世界問わず各フロアに設置されているが、ライト・ダークビームで壊してもアモのドロップ率が100%ではない上に、毎回破壊作業に時間を取られるのはかなり煩わしい。
    • 各種ビームも敵に有効打を与えているか分かりづらく、有効なビームの選定も難しい*3。終盤に手に入るアナイアレイタービームでさえ火力面で見ると今一つで、折角新たな装備を入手してもパワーアップした感に乏しい。
    • 他にも前作経験者には弾速・弾道・追加効果共にダークビームは前作のアイスビーム、ライトビームは前作のプラズマビームと酷似しており、前作で主力に使えていた各種ビームが気軽に使えなくなった印象が強い。
  • これらの問題は全て、ビームアモが非常に補充しづらいことが原因であるため、ビームアモも他の回復アイテムと同じように入手できるようになっていれば大きな問題にならなかったと思われる。
  • 敵が非常に倒しづらい
    • ザコ敵の時点で「一部分にしか攻撃が効かない」「特定の武器でなければ倒せない」「あるバイザーを装備しないと視認すらできない」などの要素を複数持っている種が目立つ。さらに前作ではあまり見られなかった「無敵状態」や「瞬間移動」を持った敵が非常に多い。これも「本当に敵に有効打を与えているのか分かりづらい」という印象を与えるのに一役買っていると言える。
      • ダークバイザーを使用してもただロックできるだけで射撃を完全無効化するモードを持つ、僅差射撃を認めずシーカーミサイル以外を受け付けない、スキャン結果では「強い衝撃を与える」とあってもスーパーミサイルやパワーボムなどは一切無効で「ブーストボールを使用しての体当たりだけ有効」などなど、理不尽かつ面倒臭い要素はシリーズ随一。
    • ダーク・ライトのビームを活用する事でそれなりに攻略は楽にはなるのだが、わざわざビームアモを消費して後で補充する手間まで考えると、戦うよりも完全無視で逃げる方が効率的になる場面が多い。
  • ボスもダメージを与えるまでの手順が前作に比べ1手ないし2手も増え、毎回この面倒な手順を踏襲しなければならない。しかも敵が高速移動を行ったりなどで頻繁にロックオンが外れる。
    • また、多くのボスは手順の複雑さに比してこちらの攻撃が通る時間は非常に短い。外した時のロスを考慮するとチャージショットやチャージコンボよりもビーム連射の方がダメージ効率が良いことも。
+ 特に顕著な敵
  • ダークコマンド
    • イングに取り憑かれたスペースパイレーツの特殊戦闘員。元となるコマンドパイレーツが強力な近接攻撃、バイザー障害・追加ダメージ付の誘導弾、瞬間移動などの厄介な攻撃を使いこなす強敵であることも相まって非常に強力なザコ敵。耐久力もかなり高く、弾を惜しまずガンガン攻めていかないと倒すのは難しい。おまけに一部エリアでは一定時間が経過すると時間切れで勝手に撤退する出現と同時にゲートがロックされ、撃破・撤退するまで解除されない等非常に嫌らしい。
    • 実はエンタングラー→ミサイルのコンボで瞬殺することが可能。しかし、スナッチ状態にあるダーククリーチャーという設定故に多くのプレイヤーはまさかダークビームが効果的だとは思わず、苛烈な攻撃に晒されながらもライトビームを撃ち込むのが有効打だと思い込んでしまい、こちらの攻撃できる隙が少ないのも相まって結果的にただ戦うのが苦痛な難敵という印象が強まることになる。
    • 駄目押しに通行頻度の高いエリアにも多数出没する。前述の性質から、遭遇するたびに身を隠し、撤退していくまでただひたすら待つという対策がセオリーになりがち。
  • グランチュラー
    • 中盤に登場するザコ敵。凶暴な肉食生物・背中の装甲を破壊して弱点を露出させる・背中以外の部位は攻撃が通らないなど、デザインや戦い方が前作の「ベビーゴース」と酷似している。ベビーゴースもゲーム中盤にて登場する難敵だが、寒冷地に適応しているという設定故に、高熱のプラズマビームを入手すれば背中の弱点を無視して瞬殺できる文字通りのザコ敵と化していた。しかし、グランチュラーの場合は弱点であるはずのダークビームを当ててもあまり実感が湧かない。強いて挙げるなら背中の破壊が若干楽になるという程度。ダメ押しのように背中の破壊に成功すると僅かな時間ながら無敵状態になってしまったり、背後を取られると一瞬で振り向いたりするなど、行動ルーチンも中々嫌らしい。
    • この「背後を取られると一瞬で振り向く」というのがかなりの曲者で、ダークビームは弾速が遅いため、距離や撃つタイミングによっては背中をロックオンで捉えても弾が当たる前に振り向かれて他の部位に当たってしまい、空しく弾き返されるという事態が往々にして発生する。
      • 因みにイングによってスナッチされた「ダークグランチュラー」も存在する。基本的な性質はそのままに、攻撃力、耐久力がさらに上昇しており、より手強くなっている。極一部のエリアでしか出現しないこと、ダーク化した影響で弾速と連射性能が高く使いやすいライトビームに弱いのが救い。
  • ハンターイング
    • イング族の上位体。触手による突き刺し、回転しながらの突進攻撃を仕掛けてくる。高い攻撃力、耐久力を誇り、半透明状になってこちらの攻撃を無効にする、つまり前述した「無敵状態」を活用してくる。あろう事かライトビームやスーパーミサイルといった強力な攻撃に対して高確率で発動する。その上、通常のイング族は恐れて踏み込まないセーフゾーン内にも果敢に攻撃を仕掛けてくるばかりか、ゲームの中盤からは一つのフロアに複数出現する*4。結果、倒すには低威力のパワービーム連射で時間をかけてダメージを蓄積していく事が効率的という事になる。
      • ダークコマンドと同じく気付き難いが、ライトビームで活性化させたセーフゾーンによって瞬殺できる。しかしライトクリスタル・ライトパフのないエリアにも出現するため常用可能な攻略法ではない。ダークエーテルでの探索の際に非常に煩わしい敵。
  • また今作のライトビームとダークビームは、ゲーム前半部分で簡単に手に入る。逆に言えば前作の属性ビームのような「ゲーム後半でないと入手できない代わりにそれまで苦戦していた敵を簡単に封殺・瞬殺できる」というような爽快感を味わうことはできないということでもある。
  • マップが複雑。
    • もともとメトロイドシリーズのマップ構成は複雑で広大だが、本作はそれぞれのエリアでさらにダーク・ライトの2つを行き来することになる。
    • 一見すると表と裏を行き来するだけで目的地に辿り着けそうに思えるが、ダーク側の世界はルートが制限されている事が多く、それでいて近場にポータルがなかったり、奇妙な位置にあったり、果ては付近にあっても全く目的地と関係ないポータルも多く存在したりする。場合によってはポータルを複数回往復しなければならない箇所もあり、行きたい場所や目的地が分かってもルートの探索で延々と迷わされる事が多い。
    • ストーリー上、本作はキーアイテムの収集がメインであるが、これが各エリア両方に散らばっているため、マップ把握とアイテム探しがより難解になっている。
      • 終盤のキーアイテム収集は前作のように場所のヒントこそあるのだが、前作より言い回しが難解で深く考えるとドツボに嵌ってしまう。実際はそれまでの過程で必ず発見するルミナス族戦士達の亡骸があるエリアのダーク側にあるのだが、ヒントの表現が変化球なせいで逆に気付かなかったプレイヤーも多かった。
    • マップ構成もエレベーターなどで繋がった多層構造が多い。
      マップ確認で目的地を調べたらやけに自分の居るエリアから近い→真上・真下の階層にあるエリアだったというのはよくある話。
      特にルミナス大聖堂周辺はマップ確認で見間違いを起こしやすい。
  • 「光と闇」といったテーマがファンタジーを髣髴させるためメトロイドシリーズにマッチしていないと感じやすい。
    • 一応、宇宙を舞台とした近未来SFでは極端な質量や時間、次元を超越するテーマを扱う事は珍しくはない。光と闇というテーマの正確な状況は「ある惑星に隕石衝突によって生じた巨大な歪みが別次元の境界を作り、その相似形の惑星から侵略者が襲撃してきた」というものであり、あくまで次元間の勢力を短く比喩したに過ぎない。
    • 付け加えるなら、その他の作品や設定でも霊体化やアストラル体を扱ったり、死亡後も消滅せず機械に取り憑くオカルトめいた生物は存在している。
  • マルチプレイのゲームバランスが少々悪い。
    • 敵にロックオンされてもモーフボールに変形するだけでロックオンを外すことができる上に、初期装備されているブーストボールを使うだけであっという間に敵を振り切れてしまう。
    • ランドマイザーから入手できるアイテムの中に「ハッカーモード」(敵をしばらくロックオンすることで敵にウィルスを植え付け徐々にダメージを与える)が存在するが、上記の要因から成功させるのはかなり困難。しかも、ハッカーモード中は一切の攻撃、及びモーフボールの使用ができないため実質ハズレアイテムといえる。

その他の問題点

  • ログブックが見辛い。大きな項目から小さい項目へと分岐していく形となっているのだが、その項目が細分化され過ぎていて調べたい用語が中々見つからない。
    • 例を挙げるとライトエーテルでスキャンしたメカ型の敵を閲覧したい場合、バイオロジー→エーテル→メカノイドと進み、そこから固定型・単純思考型・複雑思考型の3つに細分化されている中から探す必要がある。ここまで種類を把握しているのならば調べる必要は無いのではないのだろうか。本末転倒である。
  • CEROがB指定の為、少し表現がきつい部分がある。敵の中にイングに憑依されたパイレーツや連邦兵(平たく言うならゾンビ化した人)といったものがいる等。
    • SEの音量が小さくBGMにかき消され、アイテム音が聞き取りにくい*5
  • 前作同様、特定のビームで開くゲートは通過する度にそのビームに切り替える必要がある。
    • 本作では各ビームに弾数制限があるので、むしろ悪化している。

評価点

  • 前作同様グラフィックは非常に美麗。
    • 絶え間ない流砂と岩石が行く手を阻むアーゴン、降り続く雨が神秘性を醸し出すトーバス、フィールドそのものがハイテク機械の巨大要塞と化したホレイトなど、個性的なフィールドは細部まで凝って作り込まれている。
    • 武器のエフェクトも幾つかは前作に酷似しているものの、チャージビームやチャージコンボはその限りではない。弾数制限の影響でロマン武器と化しているとはいえ、着弾地点にブラックホールを発生させるダークバーストや、距離を無視して一瞬に着弾する音速のソニックブームなどは見応えがある。
  • パワービームのチャージショットが、最大まで溜まるとエフェクトが掛かるようになり、視認で分かりやすくなった。
  • BGMも高評価。今作ではフィールドごとに聖堂や礼拝堂のような施設が多数存在するためか、全体的にコーラスを多用した重厚なBGMが多め。それでもフィールドの雰囲気に遺憾なく溶け込んでいる。
    • 前作にもあった、一部のエリアで「スーパーメトロイド」の人気BGMが流れるというファンサービスもバッチリ。
      • マルチプレイ時には人気の高いブリンスタ密林エリアのBGM、トーバスの地下エリアでは同じく人気の高いブリンスタ赤土湿地エリアのBGMのアレンジ版が流れる。こちらもゲームの雰囲気を盛り上げるのに大きく貢献しており、旧作プレイヤーには嬉しい要素である。
  • シナリオは一貫してイング族と戦うだけで説明書にある解説以上の意外性はないが、スキャンによって得られる情報からはルミナス族の抵抗記録や、防衛の為に作られた機械までイング族が乗っ取られる絶望など様々な感傷を覚える演出に秀でている。
    • イングから惑星エネルギーを取り返したサムスの後ろにホログラムとなって現れ、礼をして成仏する様など、それまでの情報でルミナス族の絶望の深さを窺い知る事ができるだけに、段階的な達成感もひとしおである。
  • スキャン可能物に関しては、前作ではスキャンマークが小さめで少々分かりづらかったが、本作では物体全体が着色される変更された事から改善されたと言える。

総評

異色の世界観や、残弾数を気にしなければいけないなどファンからの評価は大きく分かれている。
しかし、問題点で上げられている項目は開発スタッフの意図とプレイヤーの実感の差により生まれてしまったものが多く、阿漕な手抜きや技術力不足を伺わせるような難点は殆ど無い。
作り込みの深さならそこいらの良作ゲーに匹敵、もしくは凌駕するレベルである。
設定や演出もしっかりと練り込まれており、総評するならばゲームとしての完成度自体はかなり高いといえる。
それだけに、アモの弾がもっと多かったら、いやアモの補給がもっと楽なら、いやいやスーツの進化で燃費が良くなったら、アモが徐々に自動回復したら、新バイザーがもっと攻略を楽にできるよう活用できるシステムなら……等々、名作に至るには「惜しい」点が複数ある事が悔やまれる作品である。

主力である各種ビームにかけられたシリーズ初の弾数制限が不評であったためか、次作以降は制限のない無限のビームに戻り、評価も再び上昇している。


余談

先行発売された海外での副題は「エコーズ(Echoes)」であるが、そのおよそ半年後に発売された日本では、諸事情により「ダークエコーズ」と変更された。