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ファイナルファンタジーXII - (2018/01/17 (水) 04:37:27) の編集履歴(バックアップ)



ファイナルファンタジーXII

【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2006年3月16日
定価 8,900円
レーティング CERO:全年齢対象
廉価版 アルティメットヒッツ:2008年6月26日/2,940円
判定 スルメゲー
ポイント オフライン版シームレスバトルの先駆け的作品
高い完成度と自由度だが複雑なシステム
世界観重視のシナリオ
脱・JRPGの嚆矢的存在として国内より海外で人気
長年のシステム解析・やり込みによる大きな変遷
オイヨイヨ!
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク

概要

ファイナルファンタジータクティクス』『ベイグラントストーリー』の制作スタッフがイヴァリースの続編として制作した。『FFTA』のようなパラレル設定ではなく、FFTから約1200年前の古代文明時代を舞台とした正史である。

当初の発表より約2年の延期を経て発売されたが、システム・シナリオ含め従来のナンバリングタイトルとは全く異なる方向性で成り立つ要素が多い。


あらすじ

戦乱渦巻くイヴァリースの一小国ダルマスカは、急速に勢力を広げるアルケイディア帝国と戦争状態に陥っていた。
先日アーシェ王女と祝言を挙げたばかりのラスラ王子は自ら剣を取り前線に立つが、あえなく戦死する。 敗色濃厚のダルマスカはアルケイディアとの和平を結ぼうとするが、和平調印式にダルマスカのバッシュ将軍は、
ダルマスカ国王を売国奴と呼んで暗殺する。
かくしてダルマスカは和平の道も絶たれ、アルケイディアに降伏した。

2年後、ダルマスカの首都ラバナスタに住む、空賊に憧れる孤児の少年ヴァンは、
帝国に征服された祖国とその状態を受け入れつつある民たちに苛立ち、帝国兵からスリをするなどして抑圧された日々を送っていた。
彼の兄は、調印式を襲撃したバッシュ将軍との関係を疑われ、厳しい尋問の末廃人となり世を去っていたのだ。

そんな折、ラバナスタに新しい執政官が赴任することになり、それを記念したパレードが行われた。
新たな執政官ヴェインは「私が憎いか。帝国が憎いか」から始まる巧みな演説によって民衆の反帝国感情を見事に払拭してしまった。
ダルマスカに深い傷を与えたアルケイディアを許してしまっていいのか。憎しみを抑えられないヴァンは、
帝国が抑えているラバナスタ王宮の宝物庫に忍び込んだ。
そこでダルマスカ解放軍として活動するかつての王女アーシェ、そして空賊バルフレアと出会う。


特徴

ゲームシステム

  • アクティブディメンションバトル(ADB)
    • 敵がフィールド上を徘徊するシームレスバトル。接近すると抜刀して画面の切り替えなく戦闘に移行する。戦闘の流れは従来の「アクティブタイムバトル(ATB)」に以下のような空間の概念が加えられたもので、戦闘中もフィールド上を自由に動き回ることが出来る。
      • 射程や効果範囲が存在し、マラソンや散開戦術といった防御的戦術で重要な要素になっている。
      • 天候と地形により、属性魔法の威力、遠隔武器の命中率、一部モンスターの出現条件などが変化する。また特定の地形の上ではパワーアップするような敵もいる。
      • フィールド上に多種多様なトラップが仕掛けられている。有害なものがほとんどだが、中にはHPやMPが回復するものもある。これらはライブラをすると目視でき、レビテトで無効化できる。
      • 戦闘とフィールドの境が無いため、戦闘前から敵の能力を調べる事も可能。
    • 当時の日本人ゲーマー(特にMMO未経験者)にとって見慣れない概念が多く、プレイヤーの戸惑いは大きかった。アクションRPGと勘違いされ、「アクションなのに行動がコマンド」といった批判をされることも多かった。
  • ガンビット
    • 各キャラクターを制御するAIをカスタマイズできるシステム。従来作品のように、先頭の都度「たたかう」「まほう」を選択していたことを自動化でき、レベルが上がるとさまざまな条件をつけることができる。また、ガンビットを使わず従来作品と同様に戦闘することも可能。
    • 「条件文」と「コマンド」を組み合わせ、それぞれの優先順位を指定することでAIを構築する。
      • ガンビット起動中でも手動入力で直接コマンドを指示できる。この場合は手動入力のコマンドが優先される。
  • ライセンス
    • 敵を倒すと得られるLP(ライセンスポイント)を消費して「ライセンス」を習得。ステータスの底上げなど様々なライセンスを習得する。
      • 装備品や魔法はここでライセンスを習得する事で初めて装備や使用が可能となる。
      • 下記のミストナックや召喚獣もここで習得する。
    • 習得にはライセンスマップを用いて、隣接するマス目には上下左右自由に進むことができ、育成の自由度が高い。
  • ミストカートリッジ
    • MP(ミストカートリッジ)を一定量消費することで大技を出せる。
      • 「ミストナック」は戦闘メンバー全員の全MPを消費する必殺技。使用すると演出画面に映り、連携を繋げると威力が増す。ミストナックを2個/3個習得すると、最大MPが2倍/3倍となる。
      • 「召喚獣」は召喚獣とのバトルに勝利後、ライセンス習得で召喚可能になる。召喚すると一定時間召喚獣を引き連れ、召喚者との2人PTで戦うことになる。召喚獣の攻撃には通常技と発動後に召喚終了となる大技がある。大技には各召喚獣で異なる発動条件がある。
  • フィールド
    • 全てのフィールドは繋がっており、ワールドマップはない。また各ロケーションはいくつかのエリアに区切られて構成されている。
      • 序盤から行動可能範囲が広く、敵レベルの高いロケーションに早期に入ることも可能。中盤からは行動可能範囲がほぼ無制限になる。
      • これに対応してモブ・隠し召喚獣・ハントループなどの強力モンスターが各地に配置されている。強力装備を早期に入手することも可能。
    • 序盤のロケーションから強力モンスターが配置されていることもある。ゲームを先に進め、レベルが上がった後でもそのロケーションに訪れる価値を持たせるMMORPGのような工夫である。
  • ギルの入手手段
    • 敵はギルを持っておらず、敵が落とす「おたから」が収入源になる。
      • おたからを売ると、交易品が売り出される場合がある。交易品は通常より割安になっている。このため「盗む」の重要度が他の作品以上に高い。
    • 同種族の敵を倒し続けると『チェイン』が繋がる。チェインレベルが上がると敵がアイテムを落とす確率が上がる。

評価点

  • 高い戦術性
    • 本作の戦術性はFFVにも並ぶとまで言われる。*1
      • 装備やライセンスの性能、敵の行動、リスクリターンのバランスなどのゲームバランスが絶妙。極めて理論的でありながら偶発的な運要素も適度に混ざっており、一つのほころびから一気に崩れるスリルと、戦線維持のジリジリとした緊張感を併せ持つ。
    • 複数キャラクター+リアルタイムバトルは、操作の忙しさやAIの問題などから、プレイヤーの戦術を各PCに反映させづらいことが欠点と言われる。ガンビットはこれを解決する手段として高い評価を受けている。
  • やりこみ要素が豊富。
    • モブ、隠し召喚獣、レアアイテム、ハントループ、クランレポートなど。
      • ハントカタログというモンスター図鑑には本作の設定が詰めこまれている。読み物として面白いだけでなく、イヴァリース作品全体を通して重要な設定資料となっている。
      • モブ関連については、報酬は得られるものの、後半になるにしたがって膨大な量の労力とアイテムの消費なしではクリアできないケースが増えるため、ストーリー重視派のプレーヤーにとってはスルーしがちな要素である。が、実はモブ退治も後半戦になってくると、モブを退治することにより依頼人にまつわる様々な人間ドラマを垣間見ることができたりするため、ストーリー重視派のプレーヤーにとっても楽しめるものとなっている(例としては、モブ退治をしたことで、それまでの依頼人の悩みが解決し、依頼人が新たな一歩を踏み出せるなど)。
  • グラフィック・世界観
    • 足元や植物から遠くの背景まで作りこまれたグラフィックによるその世界観は非常に美しい。アナログスティックで360度カメラを回すことが可能になった。
    • SFチックな飛空艇内部からミストの漂う幻想的な森林、綺麗な砂浜、広大な都市、エキゾチックな雰囲気漂う遺跡まで冒険できるロケーションのバリエーションは幅広い。
    • 松野氏の作品の特徴である世界観の細かい作りこみは健在。本筋とはあまり関係ない設定類まで非常に細かく作られており、NPCの話に耳を傾けたり上述のメモを集めていくことで、よりFFXIIの世界に世界に浸って楽しむことが出来る。
  • 崎元仁氏による音楽は好評。
    • 特にオーケストラアレンジの「ファイナルファンタジー」「帝国のテーマ」、ラスボス戦の「自由への闘い」は名曲として評判が高い。
  • 旧態然としたRPGからの脱却を初めて志向した
    • これまでシナリオや世界観、システムの面で斬新かつ先進的な要素を搭載しつつ、根本的な面では「ランダムエンカウント」「モンスターを倒して金銭入手」などの旧態然とした古いシステムを踏襲していたこれまでのシリーズに対し、本作ではそうした要素をほぼ全て廃した革新的な内容となった。
  • イヴァリースファンの必携作品。
    • ルカヴィ関連の設定や神々の設定、イヴァリースの地理・気候・宗教・神話など多岐にわたる設定がテキストで読める。中には伝説の大崩壊やアジョラの時代に関連すると思われるものが含まれており、イヴァリースシリーズのファンにとってはコレを読んでないとイヴァリースを語れないというほどの内容となっている。
  • ライセンスシステムの導入
    • モンスターを倒すことで得られるライセンスポイントを使って、装備や能力を自由に決められる。
    • 多くのRPGのように、「キャラクターAは銃火器しか装備できない」「キャラクターBはローブ類しか装備できない」といった制約をこのライセンスシステムを導入することで取っ払うことで、戦士タイプに見えるバッシュでも杖やメイスといった魔法使い系統の武器を装備し、魔法を使うことも可能になる。
      • 『FF8』のジャンクションシステムや、『FF10』のスフィア盤システムにおいても、同じような物はみられるが、両作品ともに装備品についてはキャラクターごとに決められていて変更の余地はなく、前者はドローやジャンクションや魔法精製といった煩雑な方法が必要となり、後者はかなりキャラを育成しないと無理であったが、本作はそこそこキャラを育成すれば、戦士タイプのバッシュでもすぐに魔法が使えて杖やメイスといった武器も使えるようになる。
    • 本作においては、防具においても様々な能力にまつわる特性があるため、これを駆使すれば、十人十色のキャラ育成が容易にできるのである。
  • 多彩な武器種類
    • 前述のライセンスシステムによって装備できるようになる武器の種類は、
      • 片手用の「片手剣」「斧」「ハンマー」「ダガー」「メイス」「計算尺」
      • 両手用の「両手剣」「刀」「忍刀」「槍」「棒」「弓」「ボウガン」「銃」「ロッド」「杖」「ハンディボム」
    • の計17種類に分けられ、種類によって射程やダメージ計算に適用されるパラメータなどが異なる。
      この内、「弓」「ボウガン」「銃」「ハンディボム」は矢や弾を同時に装備する必要がある。
      • それぞれに「最強武器」があり、また歴代のファイナルファンタジーシリーズで登場した名品*2もあるが、そのどれもが入手困難である。

賛否両論点

ゲームシステム・ゲームバランス(賛否両論点)

  • ただ遊んでいるだけでは戦術性を感じにくいゲームバランス。
    • 先の評価点の裏返しとなるが、戦術の核となる要素はゲーム内で明示されていない仕様を活かしたものが多く、またそうした要素のゲーム内での説明も少ないため、奥の深さに気づかれにくかった。
  • 全体的に物価が高めで装備品を揃えようとすると金欠に陥りやすい
+ 本作の戦術的要素について
  • 成長システム(ライセンス)
    • 自由度の高さが特徴だが、その一方でパネルを開放するためのライセンスポイントが溜まりやすく、特別やり込まなくても全てのライセンスを習得することが可能となっている。
    • この事はDQ6に準えて「全キャラ同じ」「全員勇者」とされ批判の的になり、ライセンス全習得後は「全員で物理攻撃・全員で回復魔法を行う」というパーティを組むパターンになりやすい。*3
  • 敵対心システム
    • MMORPGでは『ヘイト』『ターゲット(タゲ)』と呼ばれている。自分に大きなダメージを与えてきた相手を攻撃対象とするシステム。
    • 本作では武器防具の特性差が大きく、火力重視の装備を行うと防御が脆くなり、逆に防御重視の装備は火力不足となりやすい。
      • しかし上位魔法といった強力な攻撃手段は敵対心を高めてしまうため、ヘイトを集めやすくなる。逆に防御重視の装備を行ったり敵対心を意識して下位魔法を使った場合、敵側の防御力が全体的に防御スキルが多くHPも高く非常に固いために大きな壁となる。
      • この問題は、アビリティ等を駆使して敵対心の制御(いわゆるヘイトコントロール)を行うことにより、防御重視のキャラに攻撃を受けさせ、火力重視のキャラを攻撃に専念させることである程度は解決できる。また、敵が繰り出す範囲攻撃の攻撃範囲は味方の遠隔攻撃の射程よりも短いように調整されており、立ち位置をしっかり管理すればばPT全体の被害を少なくできるように調整されている。
    • このように攻略に大いに役立つシステムであるにも関わらず、ゲーム内では敵対心の説明は少なく、また「挑発」のような分かりやすくヘイトを取るようなアビリティも用意されておらず*4、プレイヤーがこの要素を簡単に活用できるように作られてはいない。中盤以降で使用できる敵の攻撃をキャラに集中させる魔法「デコイ」も使い勝手が良くない。
  • 処理落ち対策用の処理「順番待ち」。
    • 各行動には通称「エフェクト量」というエフェクトの重さの概念がある。これが限界値以上になると「順番待ち」が起こり、後の行動はエフェクト空きができるまで発動を待たされる。ただし通常攻撃などは順番待ちの影響を受けずに行動できる。
      • とくに顕著に現れる点として、HPが減っても回復が順番待ちになって回復できない場面が目立つ。
      • 正式なシステムではなく、あくまで裏の処理なので、当初はこうした仕様の存在が分からなかった。そのためストレス要因になり、不評の一因となった。特に全員で攻撃・回復を行う編成で頻出する。
    • 魔法を使うキャラを少なくする・上級魔法を用いずに装備・ライセンス補正で強化する事により改善される。これは先述した「役割特化」「ヘイトコントロール」とも噛み合った仕様となっている。
      • 逆にホーリー、フレアーといった最上級魔法は「ヘイト量が非常に高い」「一発で順番待ちを起こし味方の邪魔をする」「強化してもダメージは9999止まり」と、本作では非常に使い勝手の悪いものとなっている。
  • プレイヤーの思考能力に大きく左右されるガンビットの活用。
    • 各キャラのコマンドを自分の戦術に合わせて1から設定するために設定力の差がモロに出る。状況に必要な戦術を具体化しなければならないので、理解と知識が無いとつまづきやすい。
      • 条件文の少ない序盤ですら基本から高度なものまで戦術をガンビット化できる。分かってないと単純なタコ殴りAIぐらいしか組めない一方、システムを熟知するとゲーム内最強の敵すらも、ただ画面を眺めているだけで(たとえ眠っていても)勝手に倒してくれるという事すら可能。
    • どれだけ設定するかのさじ加減も自由自在。例えガチガチに設定していても手動入力すればそっちを優先するので、プレイスタイルを選ばないのも長所。
  • 本編とサブクエストのバランス
    • サブクエストは強さが本編と整合されており、本編攻略途中に寄るのが最も良い難易度となっている。本編ラスボスはモブランクS上位~H下位の強さ。
    • 序盤から自由度が高く、高レベルダンジョンから強力装備を早期に入手することも可能。

ストーリー(賛否両論点)

  • 物語の舞台は一地域であり、スケールが小さい。
    • 話の大筋は簡素で演出も地味。あっと言わせるような展開もない。突飛な展開や演出などはなく、筋自体はしっかりまとまっているが、突飛な展開がなさすぎたとも言える。
    • また第三勢力を描くシーンが多く、主役一行の知らないところで話が大きく進む場面が複数ある。
      • 全体のあらすじは政治や戦争などの世界情勢がメインだが、主人公一行の視点では人里離れた辺境を旅し世界の裏側に触れる事がメインであるため。
    • 政治的な利害、思想の衝突など、単純な勧善懲悪では全くない内容が中心になっている。
      • スタッフの曰く「強大な敵国が悪なのはおかしい。国民が苦しみ自分たちの国に誇りを持てないなら強大にはなれない。敵には敵なりの正義がある。」というもの。
  • 発売前にもいくらか言及されていたアーシェの恋愛関連などの描写は明らかに不足している。
    • ただ言い回しが難しい部分が少なからずあり、「子供に理解できるのか?」という疑問が国内のみならず海外プレイヤーからも投げかけられた。
      一方で、そういう言い回しや地味な演出を渋いと好む人や、恋愛展開が前面に出てこず、バタついた展開がない点が良いと言う人もいる。ここはやはり好みの問題になるだろう。
      • 旧監督の松野氏は「恋愛シナリオは不得意」「主人公とヒロインでは何かの関係がなければおかしいが、単純な愛ではなく他の愛」と答えていた。
    • 実際には同じ境遇にある理解者同士という関係となっている。
  • 本作では会話できるNPCがとても多いが、彼らはストーリー理解の補助の役割を担っており、会話内容も時期によって変化する。
  • 群像劇形式のストーリー。
    • 制作スタッフは本作のストーリーについて
      「FF10ではティーダの物語が先にあって、それを描くために設定を広げていった。今回はそうではなく、まずイヴァリースという世界があって、そこで生きているキャラを描くという逆の作り方。そういう意味では『主人公』というものの考え方はFF6に近い。」と述べている。
    • 「似た境遇のキャラについて異なる考えを持たせて対比させ、複数の視点から掘り下げる」といった典型的な群像劇形式のストーリーとなっている。(例えば『過去から逃げるのはやめる』と決意したヴァンに対して『どうせ逃げるなら逃げ切ってみせろ』とシドに諭されたバルフレア、復讐にとらわれなくなったヴァンに対して復讐にとらわれ続けるアーシェやガブラス、『盾』の役目を担うバッシュと『盾』の役目を担いながらも自分を見失うガブラス、等々。)

問題点

ゲームシステム・ゲームバランス

  • 大技(ミストナックと召喚獣)の扱いの難しさ。
    • ミストナックは一気に大ダメージを与えられるため、ボスの発狂前にトドメを刺すのに有効。しかしダメージにランダム性が高いうえに連携が続くと反射神経が要求される(発動可能なミストナックの入れ替えなど)ことに加え、「戦闘メンバー全員のMPを全て消費する」という甚大なコストのため連携を失敗すると一転して全滅の危険にさらされる。
    • 召喚獣を召喚すると単純に戦闘人数が減るためリスクが高い。何も考えずに使うと大抵どちらかのHPがすぐに尽きて召喚終了ということになりがち。
      • 召喚獣の攻撃には、通常技と、発動後は召喚終了になる大技がある。しかしどちらも特徴的な特性のものが多い。上手く活かせば数万ダメージを連発できるような者もいるが、それぞれの召喚獣の行動パターンを把握しないと難しい。
  • ギル収入のランダム性
    • 主なギル収入源は、敵から入手するおたから、トレジャー(宝箱)の二つ。しかしこれらは非常にランダム性が強く、収入が安定しない。「盗む」のアビリティを使えば高確率でおたからが入手できるがシームレスの都合上マップの一つ一つが大きいため、出会う敵にいちいち「盗む」を使うと従来の作品に比べテンポはかなり悪くなる。
      • 売却用のおたからのドロップ率はだいたい5割前後。
      • トレジャーは出現するか否か、中身がギルかアイテムかもランダム。中身がギルなら金額はランダム(最低額は1ギルで共通)、アイテムでも2種の内からランダムで選択される。
    • 何も考えずにプレイしているとギルが全く足りない。そのためどう稼ぐか、もしくはどう節約するかを考えなければならない。
  • 飛空艇に関しての変更点
    • 飛空艇と言えば「ファイナルファンタジーの世界を自由に飛び回れる乗り物」という認識があったはずだが、今作では操縦できない。町から町の移動で飛空艇を使用する際も画面の暗転のみ。電源ON直後に飛空艇が飛翔するムービーを何度も見せてくるだけに期待を裏切られている。
  • 「最強の矛」入手に関して
    • 名前通りの強さであり、所定の宝箱に入っているのだが、それ以前にマップに存在する別の特定の宝箱4つのうち一つでも開けてしまうと、その所定の宝箱からは取ることができなくなる。しかも対象の大半がかなり目立つところにある。この仕様の存在意義は何だろうか…。探索を推奨するゲーム性と反している。
      • この条件を満たしてしまったり二個目以降が欲しい場合は、敵が落とすトレジャーから探す必要がある。入手できる確率は0.1%。こちらは納得がいく条件だが。

ストーリー(問題点)

  • 序盤以降のストーリーでは主人公のヴァンではなく仲間のバルフレアとアーシェの活躍が目立っている。
    • 序盤以降物語の展開や設定的な意味でも一番重要なキャラはアーシェ。主人公のヴァンは「自由」というテーマの牽引役となっている。こうした扱い上、表立って活躍するバルフレア、本筋の重要人物のアーシェと比べて、抽象的なテーマを牽引する役目のヴァンの影が薄くなっている。
      • さらにテーマには「自由」の対比として「義務」があり、法を司るジャッジであるガブラスや敵の司令官のヴェインが「義務」の牽引役となっている。
    • 要するにヴァンを中心に話が動いているという感じが微塵もなく、空気主人公と揶揄される原因となっているのである。
      • 劇中でのバルフレアのセリフ「この物語の主人公さ」は、裏に意図があるわけでもなく(特に深い意味は無い言葉だったのだろうが)本当に言葉通りの意味となってしまった。
      • ヴァンが活躍している評価の高いシーンもあるにはあるのだが、どのシーンも悉く渋い。さらに見せ場が前半に集中してしまっており、後半は単独の見せ場がほとんど無い。
      • バルフレアが自身の秘められた過去を初めて詳細に打ち明けるシーンがストーリーもいよいよ後半になるあたりで発生するが、あろうことか公式の主人公であるヴァンではなく、アーシェに打ち明けている。このシーンだけを見ると、まるで主人公がバルフレアでメインヒロインはアーシェで、ヴァンはそれ以外のただの主要メンバーとしか思えないほど。
    • 「自由」というテーマの牽引役ゆえに、アーシェやバルフレアやバッシュのような確固たる信念や行動理念がヴァンには見えないため、ユーザーによっては「ヴァンはどういう人間なのかわからない」「ヴァンが何をしたいのか分からない」ということになる。
      • 彼には「空賊になる」という夢が存在するものの、前半で単なる現実逃避だったと明かされたかと思えば後半は技術を教えられたり「空賊に向いてる」と評価されるなど作中での扱いがブレている。最後に夢を叶える結末も唐突感が強い。
  • 主人公のヴァンより仲間のアーシェやバッシュの方が過去や敵との因縁をより深く描写されている。
    • 予め言っておくと設定や脚本上、ヴァン自体は決して敵キャラクターとの関係性が薄い訳では無い。しかしいざ敵の重要人物と対峙すると主人公のヴァンよりも他の仲間が優先的に敵と舌戦する様子がやや見られる。
      • 因縁の深さに差はあれど、主人公が宿敵であるはずのヴェインやガブラスと表立って激突する描写が無いのは残念。敵もヴァンを特に意識しないままシナリオが進んでいってしまう。
    • 過去についてもヒロインであるアーシェはOPから終盤にかけて詳細に描かれるが、主人公であるヴァンの過去は軽くテキストで語られるだけで終わる。
      • 過去を匂わせるようなイベントはあるがあくまで白昼夢。ヴァンにどういう過去があったのかは彼らの会話から想像を膨らませるしか無い。
      • ストーリーも後半に突入すると、もはや「アーシェの成長物語」というのがメインテーマのようになってしまっている。
  • 消化不良な結末
    • 宿敵にとっての因縁の存在として神に近い存在の種族が登場するが、彼らの扱いがかなり中途半端。
      • 主人公一行を煽った挙句、それっきりストーリーに絡むことはないまま出番が終了してしまう。真のラスボスであるかのような印象を持ったプレイヤーからすれば彼らを倒す展開にならない結末はかなり肩透かしといえる。
+ 終盤の超展開について
  • 人間関係で本作は渋い作風を一貫していたと思いきや、ラスボスを倒した後にとあるキャラの恋愛描写が唐突に描かれる。
  • まず超展開に感じられることを回避するために必要な伏線も、このラスボス後のイベントの存在を意識しながら注視しないと分からないレベルで微細。
  • 仮にそれを匂わす描写が十分にあったとしても、この展開はとある理由から「ダルマスカの復権」といった今までの行動理念のうちの大きな1つを否定しかねない。
  • 戦争中の出来事なので、登場人物の立ち位置や交戦する人物の人間関係を考えると将来の雲行きを不穏にする可能性も十分に考えられる。
  • 結局、そのあとどうなったかはプレイヤーのご想像に殆ど丸投げ状態。スタッフの特定のキャラへの肩入れが「いびつ」な例の1つになってしまっている。

その他の問題点

  • ヴァン役のモーションキャプチャ俳優であり、声優である武田航平の「声の演技力」の拙さ。
    • 滑舌が悪いために、「『飛び降りろ』が『オイヨイヨ』に聞こえる」という序盤のシーンがネット上で有名になった。参考動画
    • オイヨイヨイベントだけではなく、全てにおいて滑舌がおかしく、字幕が無ければ何を言っているのか聞き取りづらい。
      • こうした滑舌の悪さから、ヴァン自体を「オイヨイヨ」と揶揄する動きも多く、もしくは滑舌ネタ繋がりでオンドゥルなどと呼ばれることもあった。
      • 「声がまともなら」という意見が極端に多く、インター版で英語音声だと違和感がなくなるとまで言われている。
    • そして演技力に関しては、終盤に近付くにつれて台詞の重みが増すほどに、声と場面の緊張感に乖離が生じる。ラストシーンで第一人称を間違えて「てへぺろ」的な表現は衝撃的だった。
    • 武田氏は声の仕事を本業としない俳優で、当時20歳で俳優歴も4年程度。スクエニの看板であるFFシリーズの主人公役には荷が重すぎた面もあると言える。*5
    • なお、主人公に若手俳優を起用するのは今作が初めてではなく、『FFX』の主人公・ティーダ役の森田成一も俳優であり、経験も少なかった(後に声優に転向)。同作での成功という経緯があって、本作でも俳優が起用された可能性も大きいだろう。
      • もっとも、悪い方には響かなかったとは言え、同作でも演技指導などのフォローがありながら演技が素人くさいという意見は散見された。
    • 他にも声優未経験の俳優を起用したキャラはいたが、ヴァンの場合主人公なので(影は薄いが)台詞は当然多く、演技自体も相対的に拙い部分が非常に目立っていた。
      • 例を挙げるとパンネロ役の声優も声優としては素人であったが、ヴァンほど酷くなくいたって普通の演技である。
        エンディングの盛り上がるような場面で「空賊デビュー」という台詞が「風俗デビュー」と聞こえてしまうというものがあるが、「オイヨイヨ」と比べればよっぽど台詞の原型を留めており、またそれくらいしか滑舌のおかしい台詞はない。

総評

満を持して発売された本作であったが、ほどなくして「これはFFではない」と激しい批判に晒されることとなった。
シナリオを求める人からは、キャラクターや展開の魅力の薄さ、イベント間のテンポを損なう広大なゲーム構成が批判され、システムを求める人からは、ガンビットなどのとっつきにくい独自のシステムが反発を招いた。

しかしこれらの評価は発売直後になされた節もあり、現在は練り込まれた世界観、自由度とやりこみ要素、完成度の高いシステムを評価する傾向も増えてきている。
製作期間を長くかけただけあって大きな欠陥やゲームとして破綻している箇所もほとんど無く、ゲームそのものの完成度は高い。
システム面においては、まだ日本で馴染みの薄いMMORPGをコンシューマの土壌へと持ち込んでしまった事で時代が追いついていなかったという側面もある。

とは言え、根本的な評価は変わっておらず、『FFシリーズ凋落の始まり』と見る人は今でも多い。人気投票でも今だにシリーズ中最下位であり、ネガティブな認識はやはり根強いものとなっている。
仕様への理解を要するシステムで批判された、『II』や『VIII』の轍を踏んでしまった作品と言えるかもしれない。


海外評価

  • まず最初に、海外では日本のRPGは古典的という見かたが多い。日本のプレイヤーも保守派が多いと見られていて、先進的なRPGが生まれる土壌すらないとまで考える人も少なくない。
    こうした考え方が根強かったこともあってか、先進的なシステムを取り入れた本作は、海外では驚きをもって歓迎された。
    • 本作の開発チームは元クエスト所属のスタッフが多い言わば外様のチームであり、ナンバリングタイトルを制作した経験がないスタッフが多い。
    • またFFの生みの親である坂口博信も「他がやってることをやってもしょうがない。好きなものを作ればいい。」と彼らを後押ししていたという。
    • FF12のやり込みは海外のほうが進んでいると言われている*6。国内評価の低さ、海外評価の高さがこうした所にも表れている。
    • 後年にIGNが歴代FFのランキング付けをしたこともあったが、FF6に次ぎ本作が2位にランクインしている。
    • 本作のメタスコアは92と非常に高い(これもFFシリーズでは2番目の高さ)。国内の評価とは裏腹に海外での評価の高さが改めて伺える。
    • 「海外版はインターナショナル版準拠だから好評なんじゃないの?」という主張も見受けられるが、実際に発売された海外版FF12はほぼ国内版と同一仕様でありこの主張は誤りである

続編・インターナショナル・リマスター

  • 2007年に派生作品『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング?』が発売された。
    • 本作最大の問題点とも言えるヴァンの扱いが大幅に改善され、ちゃんと主人公をしているとして評価が高い。
      • 開発経緯が少々特殊であり、本作のスタッフは『FFXIIRW』にはほとんど関わっていない。設定もTやXIIとの矛盾が多く、一部で混乱を招いた。
      • 一応公式には続編ではなく「オリジナルの新作」という見解。ただし、ストーリーは本作の続きとなっている。
  • 正史続編の『ファイナルファンタジータクティクスA2 封穴のグリモア』も2007年に発売。こちらにもXIIの一部キャラクターが登場している。
    • XIIのシナリオ担当の渡辺大祐は、Xの「ティーダの物語を描くためにスピラや『シン』の設定を広げた」という制作秘話を比較に出して、XIIではXとは逆に「まずイヴァリースという世界が存在していて、そのなかで生きているキャラを描く作りかたをした」と話している。
      • XIIまでは世界観中心だったが、後継作品ではキャラクター中心の考え方がスタッフ内に出てきたものと推測される。
  • 『Fortress』というFFXIIの続編が作られていた。
    • プラットフォームはPS3/Xbox360/PC(Windows)と、本格的な続編だった様子。
    • 2010年1月に外注先の開発会社が経営難で閉鎖し、開発中の技術デモ動画や大量のアートワークが流出したため判明。しかし現在は開発中かどうかは一切不明となっている。

余談

  • 当時は派生作もまだ少なく、FFといえば「近未来的な世界観を舞台に現代的な風貌の美男美女が繰り広げるメカニックファンタジー」というイメージが近年以上に根強かったこともあり、中性ファンタジー的世界観というだけで否定的な印象をもたれやすくもあった。
    • 世界観やシステムは徐々に再評価されて来たが、シナリオ面では未だに批判の方が強い。
  • 2年もの発売延期、開発トップの病気療養による途中降板があったため、この批判はスタッフにまで及んだ。
  • クロスレビューで40点満点を付けたファミ通にも批判が殺到。2chの批判スレはわずか半月間に100スレを突破し、ディスク割り画像も散見された。
  • 本作に登場した「ガンビット」はプロ・アマ問わずゲームプログラマに使われる言葉となった。
  • 漫画版
    • ナンバリング作品としては久々にコミカライズがされていた。当初はガンガンパワードにて連載されていたが、当誌の休刊に伴いガンガンONLINEに移籍し、直後に終了となった。
    • ストーリーは序盤のウォースラ戦までが展開。コミックス1巻はゲームのプロローグ部分を丸々描いている。
  • コラボ商品
    • なんと「ポーション」が商品化してコンビニに陳列された。しかしあまりにも「回復アイテムである」ことを強調しすぎたがゆえに薬臭いマズいものとなってしまった*7。が、それが逆に話題となり、FFVIIAC・DDFFでもポーションが、FFXIIIではエリクサーが発売され、FF・DQコラボ食品の先駆けとなった。味は改良され普通に炭酸飲料らしいものとなっていったが、瓶から缶に代わってしまったことや独特の薬っぽい味が失われたことを嘆く声も一部ではある。
    • ネットではこれをベースにして改良(魔改造?)を施したハイポーションが作られるなど一時期大流行した事も。
  • グランディアIIIへの影響
    • 本作の度重なる延期の穴埋めとして『グランディアIII』が発売される形になった。
      • おそらく、開発中だった『グランディアIII』の発売日を早められ、短期間での開発を迫られたものと思われる。
      • もっとも他にも途中で無茶な納期を迫られたが一応は遊べる形にまとめた例はあり、『グランディアIII』の場合そもそもゲームとしての根本的な問題点が多いため、この評価の原因がFFXIIであるとは言い切れないが…。
  • 自社作品であるドラクエの「ロトの剣」をパロった「トロの剣」が登場する。
    • アイテム説明分にはDQ1で使用可能な復活の呪文が記載されている。このDQ1勇者の名前は「ゔぁん」。
    • DQ11でも使用可能。ちなみにHD版の発売時期が近い。
  • 声優起用の傾向
    • FF12発売以降、スクエニの作品は主役クラスのキャラの声に声優仕事が少ない非声優を起用する作品が極端に減った。
      • それでも脇に起用していた作品はあったが2011年3月発売のDDFFの時のヴァン役変更で権利問題や芸能事務所の移籍問題も絡んだからかDDFF発売以降はこの流れが更に加速し、その後のFFの主要級の起用は声優事務所所属の声優やFF起用前から声優としてのキャリアがあるタレントが主である。このあたりは怪我の功名というべきか*8
      • ただ鹿賀丈史や伊藤歩はその後も続投しており、DDFF前に決定している声優は非声優でも死去以外では変えない意向のようだ。またオリジナルキャストを重視し芸能界引退したと思われたユウナ役の青木麻由子も名義を変更して久々に復帰している。
    • スクエニの別作品だと『ドラッグオンドラグーン3』ではピーターこと池畑慎之介が別役とはいえ起用されているし、『ドラゴンクエストヒーローズ~』では松坂桃李、桐谷美鈴、中川翔子、片岡愛之助を起用して盛大な宣伝効果を招いている。セガの『龍が如く』シリーズのように芸能人起用が主な作品もあるので作品ごとのスタッフの考え方にもよる。
  • 武田氏のその後
    • 武田氏はその後俳優として着実に経験を積んでおり、特撮『仮面ライダーキバ』や朝ドラ『ウェルかめ』などの有名作にもレギュラー出演した。
      • FFシリーズのお祭りゲー、『ディシディア ファイナルファンタジー』に『XII』からはガブラスが登場したが*9、武田氏は公式ブログでDFF発売後に、ヴァンに思い入れがありもう一度演じたいと述べ、ディシディアに出たかった事などを「待ってますよスクエニさん(笑)」と冗談半分で仄めかしている。
      • 続編『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』で遂にヴァンが参戦。成長した氏の演技力による新たなヴァンに注目が集まっていたのだが、まさかの前の事務所サーカス側と本人の事情で声優変更。ファンにとっても残念な結果になってしまった。本人は出演を希望していたのはブログを見れば明白だった。
      • 現在この問題はクリアされたらしく、のちに発売された『仮面ライダー バトライド・ウォーII』では武田氏が声優として出演している。実際に移籍後もちょくちょくヴァンの話題をブログやニコ生で出していて2011年の現在の公式サイト開設当初からFF12の事は書かれている。2015年3月6日の公式ブログではFFの思い入れや変更当時の事などの他にディシディアのアーケード版の事を聞いて再びヴァンとして戻りたいという意思がある事を表明している。
      • しかし、ディシディアアーケードにおいても小野氏がヴァンの声として続投。さらに「ディシディアのヴァン役の小野賢章さんは代役ではなく交代としての起用であり、難しい状況の中受け入れてくれた小野さんと事務所様に対する敬意を含めた意味で今後もヴァンの声優としてはディシディアを含めて小野さんにお願いしたいと考えている」とプロデューサーの間一朗氏から明言までされた。
      • あくまで間氏の考えであり、今後武田氏のヴァン役としての起用がゼロになった訳ではなく、事実スマートフォンアプリゲーム『モンスターストライク』での『FFXII』とのコラボにおいてヴァンの声優は武田氏となっている。繰り返すが、あくまでディシディアシリーズ(及び間Pが携わった作品)でのみヴァンの声は小野氏になるというものだろう。
    • その後、HDリマスターにあたる『ファイナルファンタジーXII ゾディアックエイジ』では武田航平氏が再びヴァンを演じる事となった。ただし、基本的にはオリジナル版の音声をそのまま使っており、日本語音声が用意されていないインターナショナル版で追加されたシーンのみ再録を行っているとのこと。
      • 公式紹介PVではヴァンとパンネロの掛け合いでゲーム内容を解説していく内容だが、上記のオイヨイヨを意識したのかやたらヴァンの滑舌が良い事をアピールしている