「スーパーロボット大戦MX」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

スーパーロボット大戦MX - (2018/09/05 (水) 23:25:54) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページでは、『スーパーロボット大戦MX』(判定なし)とPSP移植版(劣化ゲー)を扱っています。



スーパーロボット大戦MX

【すーぱーろぼっとたいせん えむえっくす】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンプレスト
開発元 トーセ
発売日 2004年5月27日
定価 7,980円
判定 なし
ポイント 圧倒的低難易度
攻略本など買わせるものか
ある意味真の初心者向け
スーパーロボット大戦シリーズリンク

概要

『スーパーロボット大戦COMPACT』をはじめとする『COMPACT』シリーズの流れを汲んだ作品。開発も『COMPACT』シリーズを担当したトーセ。
内容的には所々『スーパーロボット大戦IMPACT』に近いが色々と改良されている。

+ 参戦作品一覧

(★は初参戦、☆は据置機初参戦)

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • UFOロボ グレンダイザー
  • 劇場版マジンガーシリーズ
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • ☆機甲戦記ドラグナー
  • 機動戦艦ナデシコ
  • ☆劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • THE END OF EVANGELION
  • 勇者ライディーン
  • ★ラーゼフォン
  • 闘将ダイモス
  • マシンロボ クロノスの大逆襲
  • ★冥王計画ゼオライマー
  • ☆GEAR戦士電童
  • バンプレストオリジナル

評価点

ハードルの低さ

  • 後述の賛否両論点にある通りシリーズ屈指の低難易度であり、シリーズ初心者の入門用としては勧めやすい。
    • 「初心者向け」というのは事前に告知されていたことだが、『IMPACT』がそう告知しておきながら実際はかなり歯ごたえのある難易度だったため、ヒヤヒヤしていたファンもいたが。

クロスオーバー、演出

  • 『ラーゼフォン』『新世紀エヴァンゲリオン』『勇者ライディーン』の大胆なクロスオーバーなどもスパロボならではとされ、評価が高い。
    • 『ラーゼフォン』の美嶋玲香が『ライディーン』に語りかけるイベントがボイス付きだったことに、当時のファンは驚愕した*1
    • また、『エヴァ』の「命の選択を」と『ラーゼフォン』屈指の神回「ブルーフレンド」を組み合わせたシナリオ「命の行方」は素晴らしいの一言。
      実質イベントステージだが、あまりにも違和感なく噛み合っている上に原作再現もほぼ完璧。涙なしではプレイできない本作屈指の名ステージである。
  • シリーズでも屈指で豊富なDVE。
    • 従来は印象的な場面や台詞を声付きにする程度だったが、今作は特に豊富。
    • 中でも顕著なのが『マシンロボ クロノスの大逆襲』のロム・ストールの口上で、このゲームにおいてもイベントでのスポット参戦や強制出撃によって出撃するマップで登場する時はほぼ必ず状況に即した口上を述べながら登場し、その時々の敵キャラといくらかのやり取りをするのだが、なんとこのやり取りが敵の反応まで含めて全てDVE。例外はそもそも人語を発しないエヴァの第14使徒ゼルエルに対して口上を述べた時くらいで、会話するキャラはほぼ例外なくロム兄さんの口上に反応するセリフを収録している。
    • 分岐などのシナリオ面での容量をDVEや下記の音源に回したととらえることもできる。
  • ユニット立ち絵の出来が秀逸。戦闘アニメの出来もPS4など現行機作品に劣らない程レベルが高い。なお本作の戦闘アニメは『スーパーロボット大戦A PORTABLE』に流用されている。
    • 戦闘アニメのユニット登場時、単なるスライド移動ではなくユニットごとに前進を表現する独自のモーションが加えられた。
    • 『マシンロボ』の「ロム・ストール」などのキャラクターは同じ技でも台詞パターンが豊富で、同じ戦闘アニメでも飽きずに鑑賞できる。
      • ただし、合体攻撃に関してはセリフパターンが一種類しかないため飽きやすい。
    • ビームライフルなど通常武器はあっさり、各ロボの必殺技はしっかり、短すぎず長すぎず絶妙である。
      • 近年のシリーズ作品では特にオリジナル系において乱舞技・連続技や過剰な演出が頻出している事が問題視されている。これについて「MX位がちょうど良い」とする層が一定数存在する。
      • 『Gガンダム』のシャッフル同盟拳に関しては、原作通りの流れを再現した結果異様に長くなってしまったことが問題視されている(寺田Pが「トイレに行って戻ってきてもまだ流れている」とまで発言するほど)。しかし戦闘アニメはカットできるため、欠点とも言えない。
    • 本作におけるΖΖガンダムのアニメーションは会心の出来。立ち絵からして太ましさよりもマッシブさを強調したこれまでとは一線を画すスタイルである。ハイパービームサーベルのアニメは必見。
    • 『電童』や『Gガンダム』『ダイモス』『マシンロボ』に影響されたのか、リアル系でも格闘武器が性能・戦闘アニメともに優遇される傾向にある。
      • 通常は遠距離狙撃攻撃が得意とされる事が多い宇宙世紀ガンダムシリーズの機体が「格闘で敵を殴るνガンダム*2」「炸裂ボルトで敵を蹴り飛ばすフルアーマー百式改」「序盤の最強武器がロング・ビームサーベルで、中盤ウェイブライダー突撃が使えるようになるΖガンダム」「最強武器がビームサーベルである隠しユニットのディジェSE-R」など。
      • オープニングムービーでも『Gガンダム』『ダイモス』『電童』『マシンロボ』の主役ユニットが揃い踏みするシーンがあり、『MX』そのものが格闘寄りの作品になっていると言える。
    • 味方ユニットの評価が概ね高い一方、敵ユニットについては『Gガンダム』のデスアーミーやデビルガンダムなど『IMPACT』からの丸々使い回しといった酷いユニットもあるなど正直イマイチである。
  • アニメーションするカットインや大半のメインパイロットに用意されたカットイン
    • MXでは初の動画的な動きをするカットインが挿入された。一部のカットインは機体の戦闘アニメーションと同じ方式で動かしており、アニメと同じように躍動感あふれる動きを見せてくれることで話題となった。
      • 『Gガンダム』『マシンロボ』『電童』『ダイモス』など格闘系作品のロボが特に顕著に動き、中でもロムや北斗、銀河のカットインは必見である。
    • また、脇役にいたるまで機体のメインパイロットとして使用できるほぼ全ての味方キャラにカットインが用意された。
      • それまでカットインはスーパー系は特定の技の演出で顔が映るといった程度。リアル系も主役級や部隊指揮官などのメインキャラのみにしか与えられていないという状態であったため、これも一部で話題を呼んだ。
      • 但し、『ガンダムZZ』のイーノやモンドのように、カットインが存在しないキャラも僅かにいる。

システム

  • ダブルアタックの導入など武器の役割が見直されており、単純に「強い武器や、EN消費や弾数制限の無い武器の方が使い勝手が良い」というわけではなくなっている。
    • ダブルアタックは隣接した2ユニットに同時に攻撃を仕掛けられるが、マップ兵器と異なり経験値が半減されない。その為、「努力」を使って同じユニットを2機を落とすと4倍の経験値が手に入る*3。ザコが多い場合に活用できる他、一撃で倒せる程弱った敵を1機目、HPの多い敵を2機目に選んでダブルアタックを行うと、安全に敵のHPを削る事が出来る。
      • 例えばマジンガーZの場合、光子力ビームは最弱の武器ではあるが、射程が長めで、ダブルアタックが可能となっている。
      • ただし、このシステムは武器のバランス調整が難しいのか、後続作で導入されたのはPS2の『OGs』と『OG外伝』のみである。
    • ミサイルなどの「誘導兵器」の場合、ジャマーをもったユニットだと完全に回避できる。ただし、これは敵も同様なので「弱った敵に弱い武器でトドメ」とミサイルで攻撃すると、ジャマーで回避される、という凡ミスをしてしまう事も。
    • 「状態変化」を起こす武器の存在。敵・味方問わず「状態変化耐性」の無い限り無効化できないので、敵の武器を把握する必要がある*4
      • 逆に、螺旋城やエヴァ量産機のような「やたらHPの高い敵」を硬直させ、安全に攻撃する事も可能*5
  • この時期のスパロボとしてはロードは短い。
  • 「強化パーツを周回で全て持ち越せる」という珍しい仕様が導入されている。分岐次第では1個も手に入らないパーツが存在するため、その救済措置と思われる。理論上は「母さんのシチュー×99杯」「ハロ×9体」*6なども可能。しかし後続作には採用されていない。
  • 本作では一部のステージで複数階層構造となっている多階層マップが存在する。『Gジェネレーションシリーズ』では初代から搭載されているシステムだが、スパロボシリーズで採用しているのは今のところ本作だけである。
    • このタイプのステージではマップの特定ポイントが入り口となっており、ここから内部への侵入が可能。このマップにより、敵の要塞攻略時に「要塞外縁の敵を殲滅→内部に侵攻してボスと決戦」といった展開を持つ作品のシナリオを完全再現することに成功した。
    • あくまでも移動なので、その場から動かず階層だけを移動した場合は行動終了にならない。
    • なお、戦艦ユニットは階層を移動することができない。そのため、戦艦から離れると行動が大きく制限されるエヴァ系やエステバリス系の機体は内部マップでの戦闘に参加できない(参加しにくい)という欠点も持っている。

音楽

  • 本作はPS2スパロボ屈指の音質の良さを誇っており、再現率・音色の選定ともに歴代屈指の出来。
    • 「宇宙の王者グレンダイザー」「いざゆけ!ロボット軍団 」「神と悪魔」「交戦~モビルスーツ戦(ゲーム中では敵機襲来と誤表記されている)」「最強の証~キング・オブ・ハート」など、版権曲も良好。特に『ラーゼフォン』のOP曲である「ヘミソフィア」はボーカルパートを弦楽器に置き換えたことである意味原曲以上に透明感のある仕上がりとなり、『GC/XO』の「ほんとのキスをお返しに」と並ぶ神アレンジと賞されている。また、ヴィブラート(朝比奈浩子)とのイベント戦闘を盛り上げた「The second sorrow」のように原曲との差異を探す事が困難なものすらある。
    • シナリオデモ曲「平穏という名の蜃気楼(ミラージュ)」やマップ曲「互いの最終手段(ラストリゾート)」など、『IMPACT』から多くの曲が引き続き使用されているが、そのほとんどに徹底した改良が加えられている。

その他

  • 『Gガンダム』におけるシャッフル同盟の面々は、本作において初めてフルボイス収録が実現。作品自体は『新スーパーロボット大戦』での声付き参戦から10年程度経っていたが、彼らは音声付作品での登場に恵まれず、更に『IMPACT』では登場キャラクターが大幅に少なかった事もあり、ファンからは注目を浴びた。
    • ちなみに64同様キラル・メキレルも参戦しており、ボイス有りの作品としては屈指の機体参戦数である。また、マスターガンダム以外のデビルガンダム四天王も久々に登場した。

賛否両論点

複数の技を1つの武器に纏める

  • 例えばグレートマジンガーの「ドリルプレッシャーパンチ」の戦闘アニメは、グレートタイフーンを放った後、ドリルプレッシャーパンチを発射する。中には3つの武器を使用するものもある。
    • あくまで戦闘アニメでそう描写されているだけである。そもそも、スパロボには原作再現で搭載されているものの、性能的に使用されることの無い「死に武器」が数多くあり、そういった普段使わない武器への救済措置とも言える。実際に後のシリーズでも、この「武装の数はそこそこにして、戦闘アニメで他の武器を併用する」という形式は引き継がれている。
      • 「普段使わない武器の救済手段」としては、ダブルアタックや状態変化の導入がある。各種武器も何か特徴がないと生き残れない時代が来たのはこの頃からと言える。

主人公の空気さ

  • 主人公であるヒューゴが見た目に反して非常に地味。部隊の子供を後ろから見守る大人としての役割は十分に果たしており、デビルガンダムと因縁がある等、目立つ点や絡みが無いわけではないのだが、人間として出来過ぎている*7。能力的にも後半になると武装が長射程のアクアにメインパイロットを譲りがち。
    • はっきり言って、よく年齢や自分の格好に関してノリツッコミを行うアクアや、渋くてかっこいいアルベロのほうが断然目立っている。
    • オリジナルよりも作品間のクロスオーバーを重視した結果であろう。逆にシリーズでオリジナルが目立ち過ぎることを疎ましく思っていた人には好評である。

圧倒的低難易度

  • 次元連結システムと広範囲MAPWにより次々敵軍団を消し去るゼオライマー(メイオウ攻撃)、ボスの攻撃さえ殆ど当たらない高機動力を持ちながら威力・燃費・演出どれをとっても非の打ちどころが無い合体攻撃を揃えるドラグナー&ファルゲン(ツインレーザーソード)、全能力が極端に高いブラックサレナ、敵を行動不能にできる電童(ガトリングボア装備)、バランスブレイカー級のユニットがこれでもかというほど揃っている。一応戦略シミュレーションなのだが…。
    • 上記のバランスブレイカーの多くは登場が遅めだが、ゼオライマーだけは中盤に正式参戦して以降分岐で別ルートに行かない限り常に使うことができる。気力が溜まり次元連結システムを発動後には異次元の強さを誇る。面倒臭いなら一部のマップを除きゼオライマー1機を突撃させればあっさりクリアできるほどのレベル。
    • 極めつけは、最終話限定で使える真聖ラーゼフォン。最終話の増援かつ自軍から離れた所の登場とはいえ、無条件で加入する上に下記の通り性能は何もかもがおかしい。ちょっと自軍の育成がまずかったとしてもこの機体に頼ればクリアできてしまうため、最終話と言えども楽勝である。
      • まず、味方なのにHPが10万を越えている(140000)。そして地形適応オールS、高い装甲と音障壁(バリア)による凄まじい防御力+それが不要になるほどの驚異的な運動性、無消費・最大射程12・攻撃力7800の武器「調律の歌」…と原作再現とは言え強いを通り越してチートと言っても差支えない。おまけに綾人の育成、ラーゼフォンの改造や強化パーツを引き継ぐ。育成、改造によってはカンストダメージを叩き出したり1機でラスボスを倒したりすることすら可能。
    • 逆にマジンガーZやダイモス、エヴァンゲリオンなどのユニットは彼らと比べるとやはり見劣りしてしまう。事実本作では「弱くはないがバランスブレイカーのせいで見劣りする」と捉えられるパイロット&ユニットが散見される。
      • 例としてGガンダムの最強武器である石破ラブラブ天驚拳は威力、燃費共にドラグナー1型カスタム&ファルゲンのツインレーザーソードに負けている。
      • 戦闘ユニットはいくらでもいるので、精神要員として補給ユニットを優先的に出撃させるプレイヤーも。
  • 戦略性を要する場面がほとんどない。あまりにも敵が弱すぎて、戦闘が完全に作業であり、ボスもHPが多いだけの雑魚と化している。
    • 今回は武器に、分身を無効化する「拡散」属性、シールドを多く削る「シールド貫通」属性といったものが備わっているが、適当に攻撃しても敵を倒せるほど難易度が低すぎてそれらを有効に使う機会はほとんどない。
    • 比較的苦戦するのが、序盤でまだフィールド貫通武器が少ない時に戦う北辰衆(顔パターンが複数ある中ボスクラスの準雑魚)の六連や、中盤のグン・ジェム隊ぐらい。終盤にもガルファ皇帝やデビルガンダムなどの強敵もいるが、こちらはそれらを倒すには充分すぎる戦力を持っている。
    • ただし、リアル系の回避力がそれまでの作品に比べ下方修正を食らっているため、EWACや援護などの配置を考えないと、雑魚戦でも結構落とされやすい。とはいえその辺りはやっていると把握しやすい。
  • 隠し要素も4つと歴代でもトップクラスの少なさ。おそらく「初心者向け」の一環。
    • 入手できるユニットはディジェSE-R、フルアーマー電童、量産型グレート、ブラックグレートの4種類。隠しパイロットはいない。図鑑コンプリートの面から言えば、量産型グレートは敵の機体が登録されるので、入手の必要は無い。また、フルアーマー電童は後半の宇宙ルートで必ず登場する為、図鑑にはルート選択だけで登録できる(入手には複雑な手順が必要)。
  • 従来の作品は隠しユニットやキャラがルートで択一になっていることが多く、全部見るには何周もする必要があったが、本作では2周で図鑑コンプリートも出来る。
  • 場合によっては敵のメタ発言が攻略情報になっていることも。

問題点

演出過多

  • 展開の押し付け感が強く、シナリオの都合上ステージ中にどんなに有利に進んでも敵に有利なイベントが起きて自軍が撤退したり不利になったりすることが多い。低難易度のためか敵がイベントに守られているように感じることもある。特に後述する『ゼオライマー』の敵やオリジナルのメディウス・ロクスにそれが多い。
  • 各作品のボスとの対決シナリオでは、一部は少し体力を削ったり、一定ターンが経過するとイベントが発生して勝手に撃破してしまう。資金と経験値も自動で入る超親切設計。
    • アキトが必死に追い回し、いく先々で邪魔をしてきた北辰、『マシンロボ』のガデスなどは適当に削ればイベントが発生し勝手に死亡する。『エヴァ』の使徒もまともにやり合えるのはタブリスくらい。
      • そのタブリスも事実上のイベント戦闘状態になるため苦戦はしない。
    • 『ゼオライマー』の鉄甲龍の八卦ロボに至っては、その殆どが冥王の暴走や強制撤退などでまともにやり合う機会がほとんどないまま最終決戦を迎えてしまい、長である幽羅帝に至ってはそもそも原作で戦わないので会話イベントで死亡する。ただ、これでキチンとした原作再現になっているから恐ろしい。
      • 唯一生き残った塞臥のみ終盤で決着をつけられるが、スパロボオリジナル展開である。
      • まともにやりあう機会を与えられているのは山のバーストンと月のローズセラヴィーくらいであるが、この2人も決戦シナリオではやはりマサキの手によってあっさり葬られてしまう。中でも地のディノディロスはまともに戦えるマップではすぐ撤退してしまい、バーストンは気力が溜まらないため、必殺技を見る機会がまずない。
      • マサキが八卦衆をイベントで撃破する度に流れるオリジナルBGM「奈落の底への招待状」をゼオライマーのBGMと勘違いしていたプレイヤーが多い。
      • 後に『ゼオライマー』が参戦した『スーパーロボット大戦J』では、今作での反省からか鉄甲龍の面々とは自力で決着をつける事が出来る様になっている。
  • これらの敵は一応イベントの前に倒せる場合もある。しかしその場合数万~十数万のダメージを一撃で与えなければならず、周回引継ぎを含めたかなりのやりこみが必要になる。一部攻略本でもやりこみ要素として特集されている。
  • 「イベントを見ている合間に戦闘をちょびちょびやらされている」と感じたプレイヤーもいる。

難解なストーリー

  • 本作で軸になるのは『エヴァ』や『ラーゼフォン』といった所謂「謎系」の作品。
    • そのため、上記2作の用語(「補完」や「調律」等)に加え、更には冥王やラ・ムーが飛び交うといった、非常に難解で原作未見の人は本当に訳が分からないストーリーになっている。
    • 特に初参戦の『ラーゼフォン』はシナリオの根幹に関わり、かなりの再現がされているにもかかわらず、終盤の展開に置いてけぼりを喰らいがち。
      • 大抵のスパロボでは参戦作品を知らないプレイヤーでも楽しめるような配慮として、ゲームを進めて行けば分かるようにフォローなり説明なりが入っているが、作品本来の難解さからそれが全く足りていない。
  • 物語終盤でとある人物が極めて意味深な台詞を吐いているのだが、作中でその内容に触れることが無いまま物語が終わってしまう。
    • その内容は後の作品でやや遠まわし的に語られることとなった。

単独作品であるにも関わらず多い空気参戦

  • ガンダムシリーズ、『ライディーン』、『ダイモス』、『マシンロボ』は本編終了後の世界を描いており原作の再現がほとんどない。『ライディーン』はムー絡み、『Gガンダム』『マシンロボ』は独自展開でシナリオに大きく関わり、『ダイモス』は火星の後継者にエリカが利用されるなど空気ではないが、UCガンダムの印象は薄い。原作を踏まえた会話などもありファンは楽しめるが・・・。
    • しかも、UCは性能的にもドラグナーにお株を奪われており、全面的にドラグナーに負けている。
    • 本作の世界観は、原作終了後の作品での様々な戦いを経ている設定となっており、ファンの間では「前史だけでスパロボが一つ作れる」と言われている。

SSサイズユニット無双

  • 前述のとおり本作は回避型にやや不利なシステムになっているのだが、SSユニットだけは例外。該当するのは『電童』のワルキューレと『グレンダイザー』のTFO。どちらも回避に大幅な補正が入り、敵の攻撃を難なく避けられる。最大火力や適応に難があるもののそれらもパーツや改造で簡単に補えるため、はっきり言って主役である電童やグレンダイザーよりも強い。
    • 特に前者は宇宙であれ空中であれ関係なしに生身でバイクに乗って戦う姿のインパクトから、パイロットのベガに女東方不敗の異名がついた。

その他

  • 『ゲッターロボ』シリーズの流竜馬が「ゲッターを相手にするには、お前では役不足だ。」と言う事があるが、役不足は褒め言葉である。
    • 過去作でも使われていた台詞であるが、本作発売同時期に放送されていたテレビ番組『トリビアの泉・素晴らしき無駄知識』にて「役不足は褒め言葉」と言うネタが放送されて以降竜馬がこの台詞を言う事は無くなった。
      • 実は本作のアンソロジーコミックでネタにされていたりする。また、本来の意味での「役不足」がのちの『OG外伝』において用いられている。

システム面での不具合

  • 本作ではプレイを始める前に全参戦作品のうち自分の好きな作品を一つ選んでお気に入りにすることができる。選んだ作品の機体は改造の最大段階数が増加し獲得経験値などに補正が入る。
    • しかしこのシステムは不具合が多く、例えば戦艦であるネェル・アーガマは機体が『ZZ』、パイロットのブライトが『逆シャア』、サブパイロットのサエグサとトーレスが『Z』とそれぞれの登場作品が別扱いなためお気に入りの恩恵を受けにくい。またゲッターQは『ゲッターロボ』からの参戦の為最初から選択肢が存在しない。(『ゲッターG』は選択可能)
    • 更に、周回プレイをするたびにリセットされるため、携帯機のように全作品お気に入り状態にはできない。
  • ダイモスが敵として電童と1対1で戦うステージがある。HPを半分以下にするとクリアだが、改造やパーツを反映した状態で登場するため最悪詰む可能性がある。
  • 一部のデモが図鑑に登録されない場合がある。

総評

超が付くほどの低難易度に関しては評価が分かれるが、本作のコンセプトはあくまでも「初心者でもEDにいけるスパロボ」。

代わりにシナリオ自体の完成度は高く、演出・ストーリー面ではロム兄さんや『劇場版ナデシコ』の良改変、『ラーゼフォン』と『エヴァンゲリオン』と『ライディーン』の壮大なクロスオーバーなどが高い評価を受けている。また、戦闘アニメについても非常にレベルの高いものが揃っており、演出面では最高峰であるとするファンもいる。

ただし、その演出の濃さと分岐の少なさから、1周やれば十分と感じやすく、熟練者・やり込み派は「凡作」、初心者・爽快感を求めるユーザーは「良作」と評価することが多い。


余談

  • 本作は「実は『IMPACT』の続編の予定だった作品ではないか?」と言われている。
    • 他で採用されないフリーオーダーシステムを引き継いでいる事や、『ナデシコ』が劇場版での参戦である事、本編終了後の時系列になっている作品が殆ど『IMPACT』でも参戦した作品である事などからそれなりに信憑性のある噂ではあるが、公式で言及されたことはない為、真偽は不明。
  • クワトロは公式で「時々裏切るグラサンの人は今回は裏切りません」とアナウンスされた。
    • 64』や『IMPACT』(およびベースとなった『COMPACT2』)でやらかしていたため、シャア名義で仲間になった『D』で、裏切りを警戒して育てなかったプレイヤーも多く、公式でも良い状況ではないと判断したのだろう。『Z』発売時にも同様のアナウンスがされた。
  • 本作の後期PVは、各主役機体の必殺技がふんだんに盛り込まれており、物語最大のネタバレである真聖ラーゼフォンが登場するなどネタバレPVとして有名。これは発売日が2カ月延期されたため、やむなく公開したとのこと。
  • 低難易度のせいで、攻略本があまり売れなかったという逸話がある。本自体も攻略よりネタ解説ややりこみが重視される傾向にある。
    • 攻略本が売れなかったのは、前述の通り隠しユニットが少なすぎたというのも大きい。
  • 今作のオリジナルキャラが、『OG外伝』にて事前告知なしのサプライズ参戦を果たし、プレイヤーを驚かせた*8
    • スポット参戦ではあるが、作中では『MX』では語られるのみだった主人公のヒューゴ達の過去など前日談にあたる部分が展開されていた(デビルガンダムについては、ATX計画やアインストのキャラクター、ツェントルプロジェクトの設定改変を絡ませることで対応)。
    • 『OG外伝』では『MX』本編の始まる少し前までを描き、伏線を残した状態で終了となったが、続く『第2次OG』で本格的にシナリオに絡む事となった。
  • 本作の主題歌「VICTORY」は、2011年サッカー・アジアカップの準決勝および決勝の日本勝利時に演奏された。

移植

  • 『スーパーロボット大戦MXポータブル』としてPSPに移植されている。
    • 詳しくは下記。

スーパーロボット大戦MXポータブル

【すーぱーろぼっとたいせん えむえっくす ぽーたぶる】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンプレスト
開発元 トーセ
発売日 2005年12月29日
定価 5,040円(税5%)
廉価版 PSP the Best:2007年6月28日/2,940円(税5%)
判定 劣化ゲー
ポイント ロードが激増
難易度調整はHP一律1.5倍
スーパーロボット大戦シリーズリンク

概要(ポータブル)

  • 『スーパーロボット大戦MX』のPSP移植版。バンプレスト初のPSP作品。

問題点(ポータブル)

  • PS2からPSPに移植するにあたって色々と劣化した。
    • 戦闘シーンでのキャラの表情パターンが削減され、叫ぶ系の顔グラフィックに固定された。
      • インターミッションで表情の変化がないわけではない。もっとも、後発のAポータブルを見るに思い切って会話用の表情も削除したほうがロード時間の短縮ができたのかもしれない。
    • ローディングの増加。
      • MAPが3D、2D、3D双方のデモの多さ、アニメーションする戦闘時のカットイン等々、PS2だからこそ余裕を持ってできたのであろう部分を何一つ切り捨てる事ができずにそのまま移植した事が原因であろう。
    • MAPはDC版『α』と同じ90°刻みでしか視点変更できず非常に見辛くなっている。
    • グラフィックが全体的に粗い
      • PSP版はPS2版の映像を少し改変し、4:3→16:9にただ引き伸ばしただけで、機体が横長になってしまったりしている。
  • ディスク読み込みの問題
    • ディスクからの読み込みが遅く、具体的に例を上げるとシナリオで一回ボイスが入ると一瞬止まったり、戦闘シーンでの声の挿入にズレが生じるといった問題が発生。 戦闘画面移行のロードも長く、BGMが先行して流れて戦闘画面に入るには最低でも10秒かかる。追い打ちをかけるように戦闘デモをOFFにしてもテンポが悪くモッサリした動作になっている。
      • ダウンロード版を発売すればこれらの問題を改善できるのではと言う声もあるが、権利関係の問題でその可能性は低いのが惜しまれる。
  • 雑な難易度調整
    • PS2版での難易度の低さを指摘されたのか敵が強化されているが、ただ単にHPが1.5倍にされただけ。特にラスボスはHPが60万+HP自然回復とシリーズ最高レベルの高さなので時間がかかり、倒すのがさらに面倒になっている。
    • また、運動性が回避に加えて命中率も補正する調整が加えられており、味方の攻撃が当たらない上に敵の攻撃を避けにくくなっている。ちなみに本作の運動性の扱いについては説明書にも一応記載されていた。
  • システムは、携帯機への移植に当たって最適化されておらず、どこでもセーブも未実装である。キーレスポンスも悪い。
    • 会話中のクイックセーブは可能だが、敵ターンでのセーブは不可能。
  • ゲームテンポの悪化
    • 上記のような問題から、全体的にゲームテンポが悪化している。
      • スパロボは普通にプレイするだけでも時間がかかるゲームなので、かなり致命的。
  • 隠し要素の新規追加もなし。
    • 『MX』の残念な点の一つだったので、何かしらの追加を望む声は多かった。

評価点・変更点(ポータブル)

  • 主人公機の乗り換えシナリオに変更が加えられ、アクアが単独でドラグーンで出撃するシナリオが追加された。
  • お気に入り登録できる作品数が1つから3つに増えた。
  • 戦闘BGMを変更できるようになった。
  • インターミッションでの会話デモは、αシリーズなどと同様の横並びとなっている。戦闘デモやMAPでの会話シーンはバストアップではなく顔アイコンの表示に変更となった。

総評(ポータブル)

元になるPS2版に(難易度以外)目立った欠点が無かったため、劣化が目立つ作品となってしまった。
MXは元々のコンセプトが「携帯機スパロボのサクサク感を、PS2のグラフィックとサウンドで楽しむ」というものだったが、実際の携帯機に移植されたときに「PS2のグラフィックとサウンド」を再現しようとするあまり、肝心の「携帯機スパロボのサクサク感」が全て掻き消えてしまった、というところである。
難易度に関しても「新規スパロボファン獲得を目指す初心者向けの作品」というコンセプトだった為、PS2版をイージーに例えると、PSP版はハードで固定になってしまっているので、そういう意味でも本作の存在意義としては微妙な難易度になってしまった。
決して遊べない出来ではないが、時間と環境が許すならPS2版をお勧めする。


その後の展開

  • 以降のソニー携帯機でのスパロボについて
    • 本作の反省を踏まえたのか、PSPで発売された後のシリーズ作品ではロード時間の改善が試みられている。『スーパーロボット大戦Aポータブル』では、携帯機ならではの快適性とボイスの両立のためか、キャラの表情パターンが1パターンのみという批判点があったが、『第2次スーパーロボット大戦Z』では、データインストールを採用した事でロードは更に速くなり、表情パターンも複数用意された。
    • 『Aポータブル』以降のソニー携帯機作品では、多くの要素を据置機作品と同等のクオリティに引き上げる形で改善していった一方、マップやキャラクターグラフィックは任天堂携帯機作品と同様の形となり、開発元の異なる魔装機神シリーズを除いても、据置機仕様の携帯機作品は長らく開発されなかった。
    • 据置機と携帯機のマルチで発売された『第3次スーパーロボット大戦Z』も携帯機ベースで開発されたが、同様のマルチで発売された『スーパーロボット大戦V』にて、据置機仕様の携帯機スパロボが実現する事になった。