ワイリー&ライトのロックボード ザッツ☆パラダイス

【わいりーあんどらいとのろっくぼーど ざっつぱらだいす】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発・発売元 カプコン
発売日 1993年1月15日
定価 6,500円
判定 なし
ポイント ロックマン「ロックボードが始まるよ!!」
      ↑「えっ、出番これだけ!?」
ロックマンシリーズリンク


概要

広大なフィールドを駆けめぐり、理想の世界にするのは誰?
運命のルーレットは、奇想天外なドラマへと導いてくれる。
これから体験する様々な出来事は、理想の世界にするための試練なのだ。
お金の使い方、土地売買の駆け引き、カードが導く意外な出来事etc...
これらすべてをクリアした君だけに、運命の女神が微笑む。
THAT'S PARADISE!!     (パッケージ裏より)

『ロックマン』シリーズのキャラが登場するボードゲームで、一言で表わすと「ロックマン版モノポリー」。
マップ上の土地を買い建物を建ててゆくことで資産を増やし、目標を達成する(または対戦相手を破産させる)ことを目指す。

ロックマン5』と『6』の間の時期に発売された。既にSFCが普及していた時代であり、ややマイナーな存在。
外注開発によるゲームボーイ版の発売も予定されていたが、未発売に終わっている。

特徴

  • 「土地を買う→建物を建てる→建物を増築する」の手順で自分の物件を強化し、その物件のマスに止まった他プレイヤーから使用料を徴収するのがゲームの基本。ときには他プレイヤーの物件を高値で無理矢理買収することも必要。
    • 破産制(いずれかのプレイヤーが破産するとその時点で終了、順位付けをする)・バトルロイヤル(破産者が出ても、残り1人にならない限りは続行する)の2種類のルールがある。どちらのルールであっても、いずれかのプレイヤーが勝利条件(土地数、建物数、総資産額)を達成した状態でターンを終えることでも決着する。
  • モノポリーで言う色・いたストで言うエリアに類似した独占要素がある。
    • 隣接するマスの土地を所有することで使用料が急増し、3マス以上を繋げられればさらに効果アップ。建物の場合も同様のボーナスがつく。
    • 自分の土地に自分の建物を建てた場合も使用料ボーナス。
      • 逆に言うと、他のプレイヤーの土地に建物を建てることも可能。建築費用が余計にかさみ(そして地権者に手数料として取られる)、地権者には通常より安価に買収されるというリスクはあるが、そんな贅沢は言っていられない。
  • 人間・CPU合わせて2~4人までプレイできるゲームで、プレイヤーキャラはワイリー博士・ライト博士・ロールちゃん・コサック博士・カリンカの5人から選択する。ロックマンは冒頭の解説役とカードのみの登場とシリーズでは珍しい脇役。
    • 「研究所を建てて世界征服」のDr.ワイリー、「研究所を建てて世界平和」のDr.ライト、「病院を建てて人々を幸せに」のロールちゃん、「研究所を建てて思う存分研究」のDr.コサック、「お城を建ててお姫様になる」のカリンカとそれぞれ個性的な目的で参戦している。
    • 各キャラには顔アップグラフィックが用意されており、イベントに応じて表情を変える。
  • マップは4種類存在する。その1つ「グリーン大陸」のBGMは、『2』のウッドマンステージのアレンジ。
  • ロックマン、ブルース、ラッシュ、エディーはそれぞれアイテムカードとしての出演。また敵側のマスコットキャラ(?)「レゲー」のデビュー作でもあり、「引いたプレイヤーに損をさせるカード」として出演している。
    • この他、各作品のボス敵もカード化されて登場している。出典は『1』から『4』まで。カードを使用するとお馴染みのボス登場SEとともに本当にそのボスが現れ、攻撃アクションを行う。
      • 更に『ワールド』シリーズのボス・エンカークイントまでカード化。原作とは違い強力なカードである。
      • なぜか『3』のザコ・ピッケルマンブルまでカード化されている。名前に「マン」が付くからボスと間違えられたのか?
      • バブルマンのカードを使用すると地価が暴落するあたり、時代を感じさせる。
  • 「変身マス」に止まると、プレイヤー自身がガッツマン・ダストマン・シャドーマンのいずれかに変身する。変身状態では使用料の支払いが発生せず、他プレイヤーの建物に止まった時に損害を与えることができる。
    • 建物を破壊してランクを下げるガッツマン、使用料を逆に吸い取るダストマンは優位に立っているプレイヤーにとって脅威。
    • 所有者のカードを盗み取るシャドーマンはぶっちゃけ地味。
    • 次に変身マスを通過するまでずっとそのままであり、変身中は土地や建物の購入ができず周回ボーナスすら得られない。建物がほとんど存在しない序盤に踏むと悲惨。
  • 自ターン、ルーレットを回す前に限り他プレイヤーと物件を売買するなどの交渉が可能。ただしCPUは交渉を一切仕掛けてこないため、存在が忘れられがち。
    • モノポリーでは重要な要素なのだが、取っつきづらさの最大の要因でもある。キャラゲーでもある本作でのこの扱いはある意味妥当。
    • 単にハード性能の関係かもしれない。毎ターン長考されたりしても困るし。
  • 他キャラが建物に止まった場合低確率で発生するイベントにおいて、キャラ間の性能差がある。
    • たとえば、止まった相手にカードを引かせてあげるライト博士は弱キャラ、入院と称して1回休みを強要するロールちゃんは強キャラと言える。発生頻度の関係上大した差にはならないが、裏を返せばハンデとしてもあまり機能しないということである。
  • エンディングを見る為には最も規模の大きいマップ「メガロポリス」をプレイし、土地の保有率を70%以上にしてクリアする必要がある。
    • ちなみに「他のプレイヤー全てを破産に追い込む」という条件はガセ
      • 本作の地名度はあまり高くはなく、攻略本も発売されなかった為、正確な条件がほとんど認知されていなかった模様。

評価点

  • 原典シリーズのサブキャラ達が主人公として登場するゲームは貴重である。
    • 特にコサック父娘をプレイヤーキャラで使用できるのは本当に貴重。カリンカは後の『ロックマンXover』で再登場したが、コサック博士は初登場の『4』以外で活躍した唯一の作品である。
      • 池原しげと・有賀ヒトシ・出月こーじの3氏の各コミカライズでは、その後も出演している為誤解されがちだが、ゲームでは出演作が殆ど無い2人なのである。
      • ちなみに本作でのライト博士のCPU操作時の性格は「ワイリーだけでなくコサックも敵視する」とされている。何とも意味深である…。
    • また、ロールちゃんが喋った初のゲームだったりする。
  • 各カードの効果やマスの演出など、ネタのリスペクト度はなかなか。
    • ワープマスではラッシュコイルが登場、マップによっては競馬ならぬ競メットールも開催される。
  • モノポリーベースのゲームとしては非常に初心者に優しい。
    • 上述の交渉の件のほか、株や抵当なども存在しない。最低限独占のルールだけわかっていればそれなりに楽しめる。
  • インターフェースが良好。所持金やマップの状況を確認する操作も容易で、無駄な待ち時間も少ない。総じてストレスの溜まりにくい作りになっている。
  • 勝利条件を自由に変更可能。目標資産額をとんでもなく高い値に設定すれば、破産による決着のみという形式にもできる。エンディングを見たいならこうするのが手っ取り早い。

問題点

  • パスワードやセーブ機能は無い。
    • マップクリア後すぐに次のマップでのゲームが始まるが、4マップの通しプレイにはかなりまとまった時間が必要。
      • ただし、戦績などが記録されているわけではないので通しプレイ自体に特に意味はない。
    • 勝利条件変更を使っても、1プレイの所要時間は「ある程度」調整できるにとどまる。ハードルを下げ過ぎると面白くなる前に終わるし、上げ過ぎてもそのうち破産によりゲームが終わるため。
  • CPUの強さを設定できず、やや弱いという程度で固定。
    • 買収や競売、カード使用対象の選択といった局面では疑問手をしばしば打つ。
    • 特にカード使用はイマイチ。
    • お金の使い方がへたくそ。このゲームは『いかに土地を買い占め連結させるか』が勝利の近道なのだが、CPUはやたらと「人の土地に使用料を払ってまで」建物を建てたがる。結果、大した土地占有ができないまま金欠になり、その後の動きが鈍ってしまう。
    • 弱すぎて相手にならない、とまでは行かないのが救い。
  • 逆転要素に乏しい。
    • 独走状態のプレイヤーはレゲーカードを引きやすい、変身による被害を受けやすいといった対策はなされているが、それでも劣勢からの挽回は難しい。
    • 競技性の高いモノポリーであれば問題ないが、パーティゲーム色の強い本作としては欠点と言って差し支えない。もう負けが決まってるのにルーレットを回し続ける状況は確実に盛り下がる。
      • それを避けるために勝利条件というシステムがある、とも言える。対人戦をやるときは破産制、かつデフォルト以下の勝利条件でのプレイが無難だろう。

総評

モノポリーをベースに大幅な平易化を施して方向性もやや異なるものになっているが、ボードゲームとして十分なゲーム性を維持している。またキャラゲー的な意味でも良質なスピンオフ作品と言える。シリーズファン向けのパーティゲームとして十分すすめられる出来だろう。
同時代の桃鉄(SFC)では既にキングボンビーが登場していたことを思うと、さすがにボリューム的に劣る感は否めないが。