全スーパーロボット大戦 電視大百科
【ぜんすーぱーろぼっとたいせんでんしだいひゃっか】
| ジャンル | データベース |  | 
| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | バンプレスト | 
| 開発元 | レイ・アップ | 
| 発売日 | 1998年10月29日 | 
| 定価 | 6,800円(税別) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | バンプレストが作った設定集 タイトルに反して『新』と『LOE』が未紹介
 ゲームとして評価すべきか怪しい
 資料性自体はまずまず
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| スーパーロボット大戦シリーズ | 
 
概要
1998年までに発売された『スーパーロボット大戦』シリーズの完全データベースと銘打たれているソフト。
これ以前に発売された『新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク』のような、キャラクター大事典・ロボット大図鑑・カラオケモードが収録されたファンディスクと思うと見事に騙される。
設定はスパロボにおけるものしか載っておらず、誤字や間違いが多いといった理由により、データベースと言うにはあまりにも問題点を抱えているソフトである。
問題点
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キャラ・メカデータ・用語一覧は確かにあるが、大半が「スパロボシリーズのゲーム内における設定」しか載っておらず、単なる「バンプレストの設定集」である。そんなものをデータベースにして何の役に立つというのだろうか?
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例えばキャラデータの「ドレル・ロナ」の項目は、「いつもカロッゾと一緒に登場することや苗字が同じことから、カロッゾの眷属なのだろう」など、原作設定を知る者から見れば白々しい書かれ方になっている。
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「ニュータイプ」「聖戦士」のように、そもそも設定的にどういうものなのかをゲーム中で説明されたことのない単語に至っては、原作での設定を書くわけにもいかないばかりに歯切れの悪い紹介になってしまっている。
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一方オーラバトラーのように、なぜかゲーム中で語られたことのない原作設定とゲーム設定が混ぜこぜになって載っている項目もあり、一貫性が感じられない。
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「シオン」「ブスペア」といった単語に至っては「原作アニメでは」と断った上で、原作の設定も併記されている。
 
 
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細かい紹介ミス
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偽デューク・フリードがゲームオリジナルキャラ扱いされている。
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『ゲッターロボ』のハヤトと『ガンダム』のハヤトの項目にリンクミスがある。
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誤字も非常に多く、オリジナル敵勢力の「ゾヴォーク」は本作で「ゾヴォー
グ
」と誤表記されて以降、『第2次スーパーロボット大戦OG』参戦までの長きにわたって修正されなかった。
 
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文章にしても句読点による区切り方が悪く、ダラダラした理解しにくい長文が多い。
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一応、パッケージや説明書には「原作の設定と多少異なる場合があります」、「専門用語は原作との違いを比べてみると良いでしょう」と明記されている(実際は「多少」どころではないのだが……)。
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しかし、その結果、原作を知らないファンからは「どこまでが原作設定でどこからがゲーム設定なのか判別できず混乱する」、原作を知っているファンからは「歯切れの悪い記述や白々しい書き方にモヤモヤする」という、中途半端な存在になってしまっている。
 
 
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BGMは新規だが、ガンダム系の項目のBGMが『G』と『W』以外、いわゆる宇宙世紀時代の作品はすべてファーストの「颯爽たるシャア」に統一されてしまっている。
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ちなみに本家スパロボでも、『0080』などはこのBGMだったが、『Ζ』や『0083』などはちゃんと劇中BGMである。
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その他BGMも新規で作成されている物がある。「VIOLENT BATTLE」はPS版『F』アレンジバージョンと違い、SS版風味でアレンジされている。
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が、例に漏れず、なぜか『EX』の敵勢力メカ全般に統一されてしまっている。
 
 
評価点
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『第1次』が、ちゃんと扱われている。
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『第2次』から入ったプレイヤーでもストーリー展開がしっかり分かるくらいに細かく解説されている。
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なお『第1次』は生きたSDキャラが暮らしている全然違う世界観だったが、ほぼ同じような第1次大戦があったという形で『第2次』以降にも設定が受け継がれている。
 
 
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『第3次』~『F(完結編含む)』に登場したオリジナルキャラおよび、メカの設定を知るのには一応役立たないこともない。
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これらの作品はまともな設定を記した資料が極めて少ないため、こんなソフトでも一応資料になる。
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カラー原画や設定イラスト、プライズ景品フィギュアやポスターの写真なども収録されている。
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特に『第4次』の主人公の設定イラストは今だとなかなかレアであり、リアル頭身のオリジナルメカの設定画および、SDサイズにデフォルメされたメカのイラストも豊富に収録してある。これらのデフォルメ絵やスパロボオリジナルが好きなマニアには、多少の存在価値があるかもしれない。
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ちなみにプライズに関しては、『新』で登場した『超機大戦SRX』の面々が紹介されている。
 
 
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メカデータでは登場作品ごとの武器名が記載されているなど、妙に細かい。
総評
「誰が喜ぶのだろうか?」としか思えないソフトである。
一応、資料性がないわけではないし、中古なら数十円で売っていることも多く、資料ないしネタや予備ケース目的、純粋にゲーム内データベースとして購入する分には問題ない。
後述の攻略本と合わせて、スーパーロボット大戦Wikiに常駐している人や、個人でレトロゲー攻略サイトを作っている人などは意外と重宝し、これを情報ソースのひとつとして使用している解説動画も見られている。
余談
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ディスクは2枚組だが、その内1枚はまるまる「スパロボシリーズのCM映像集」となっている。資料性を考えると有意義だが、抱き合わせで6,800円も出して買うほどのものではない。
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DISC2に『F完結編』の15分ぐらいの予告PVが収録されているが、このPVが妙に出来が良い。
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中身は緊迫感のあるBGMに載せて各参戦作品の原作映像を(主に主役メカに絞って)繋いでいき合間に英語による煽り文句が入る、というもの。言ってしまえばそれだけの代物なのだが、編集センスがよく一見の価値はある。
 
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BGMの没データで、「THE WINNER」、「モビルスーツ戦~交戦~」、「サイレント・ヴォイス」、「MAIN TITLE」、「F91ガンダム出撃」、「DON'T STOP! CARRY ON!」、「FLYING THE SKY」、「JUST COMMUNICATION」が存在している。
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取説の裏側には堂々と他社ハード会社の名前も載っており、「○○は○○の(登録)商標です。」などと書かれている。
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本作には応募台紙が付いており、この後に発売されたPS版の『F』および、『F完結編』同梱の応募券を貼って、指定の定額小為替を封筒に送ると「復刻版超合金マジンガーZ」を貰えることができた。
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5000枚限定でラッキーBlackと書かれた応募台紙が入っている場合があり、そちらで応募すると「復刻版超合金マジンガーZ Black」が貰えた。
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実質このためだけのソフトであった。
 
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なぜか攻略本が発売されており、「どのソフトのどの面にどのキャラが出撃したか」というタイムテーブルが載っている。
最終更新:2025年06月13日 10:10