聖剣伝説3

【せいけんでんせつすりー】

ジャンル アクションRPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1995年9月30日
定価 11,400円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント ストーリーとクラスチェンジ分岐が登場
高いキャラクター性&戦術性
SFC全盛期の映像・BGMの高い演出性
コマンドRPG寄りになったシステム
聖剣伝説シリーズ

概要

スクウェアを代表するアクションRPG『聖剣伝説』シリーズの3作目。
魅力的な6人の主人公とSFC後期作品故の美麗なドットグラフィックからシリーズ内でも特に人気の高い作品である。


ストーリー

  • 出身地の異なる主人公が6人存在するが、大雑把にまとめればどのキャラクターも「平和な日々が、突如現れた謎の勢力に襲撃か介入を受けたことで失われてしまう。主人公は復讐や奪還、大切な人の救出のために旅立つ」というストーリーになる(細部は異なるが)。
    • 自身の目的を解決するために故郷を離れ、旅の途中で立ち寄った湖畔の村アストリアで確認した不思議な光を追っていった主人公は、世界を司るマナの女神に仕える「フェアリー」と出会い、世界の危機を知らされる。
    • 行きがかり上フェアリーの宿主となり世界を救うことになった主人公は、自身の目的を兼ねながら、各地の精霊の力を借りてマナの聖域に向かう旅に出ることになる。

特徴

  • 主人公達
    • 総勢6人の内、メインとなる主人公1人と仲間2人を選ぶという当時としては珍しいパーティシステムを採用。
    • 主人公ごとに序章が異なるだけでなく、選んだ主人公によってシナリオ後半の展開が変化し、終盤のダンジョンとラスボスが3通りに分岐する。
      • また、それ以外の道中のイベントも二番目以降の仲間に誰を選んだかによって若干セリフや展開に差異が生じる。
    • ちなみに、主人公の殆どが王族や著名な人物の子孫といった身の上にある。
    • 主人公勢はいずれも魅力的。特にアマゾネスで槍使いの王女「リース」の人気はシリーズでも群を抜いており、発売から長い年月が経った現在でも健在である。(主に同人誌であるが)
+ 主人公達
  • デュラン
    • 草原の王国フォルセナに住む傭兵で国内随一の剣の腕前。気性が荒く負けず嫌いだが、国と王に対する忠誠心は強い。
    • 年に一度開かれる武術大会で優勝したその日にフォルセナを襲撃した紅蓮の魔導師に敗れ、己の無力さを痛感し、新たな力を求めて聖都ウェンデルを目指して旅立つ。
    • 攻撃のサイクルが遅く、連撃できるキャラと比較すると見劣りしてしまうが、一撃あたりの物理攻撃力は全キャラクターの中で最も高いため必殺技が強力。
    • クラスチェンジは光へ進むと全キャラで唯一盾の装備が可能になる上に回復魔法を習得するため攻守のバランスに長けたキャラに。闇に進むと盾は装備できないが攻撃力は光より高くなり属性付与魔法を覚えてさらに攻撃力を高めることができる戦士になる。
  • アンジェラ
    • 魔法王国アルテナの王女だが、魔法が全く扱えないことにコンプレックスを抱く。
    • 母である女王によってマナストーンの生贄にされそうになった際に秘められた魔力が暴走し、城外へ転移することで難を逃れる。母に認められるために魔力を求める旅に出る。
    • 多彩な魔法を覚えるが、真価を発揮するには相手の属性耐性やカウンター技(後述)の有無を見極める必要あり。
    • クラスチェンジは光へ進むと光・土・風・水・火の上位魔法を習得し、クラス3へ進むと上位魔法の全体掛けと強力な無属性全体攻撃魔法を習得。物理攻撃も光のほうが若干強め。闇側は知性は光より高くなるがクラス2で習得するのは闇の上位魔法のみ。クラス3へ進むと状態異常付与系の魔法を覚えるか、上位魔法4種と最強の古代魔法を習得するかの2択になる。
    • デュランが好みらしく、デュランと絡むイベントが多い。
  • ケヴィン
    • ビーストキングダムの王子で獣人王と人間の母のハーフ。仔狼のカールが親友の心優しき少年。
    • 父の計略で狂暴化したカールを誤って殺してしまい、カールの蘇生手段を求めて旅に出る。
    • 攻撃力が高い上に2連撃、夜になるとさらに攻撃力が上がる攻撃特化キャラ。クラス2~3必殺技が2種類(通常・投げ技)ずつ用意されているのも特徴。
    • クラスチェンジは元々が強いためか他のキャラに比べて劇的な変化はないが、光闇のどちらに進めても安定して強い。どちらかと言うと光側が回復・補助系、パーティキャラとの連携重視。闇側は攻撃重視、たった1人でも敵陣に切り込んで行けるようなキャラに。
  • シャルロット
    • 聖都ウェンデルの光の司祭の孫。ハーフエルフのため成長速度が遅く、年齢より見た目が幼く喋りもつたない。口癖は「でち」。
    • 彼女が慕う神官ヒースが死を食らう男にさらわれたため、彼を探すために旅に出る。
    • クラス1の段階から回復魔法を習得するため回復役として重宝されるキャラ。更に光と闇のどちらにクラスチェンジしても回復魔法の全体化を行えるのが強み。
    • クラスチェンジでは光側は精神が高く回復魔法の回復量が高めで光の攻撃魔法と属性付与魔法を覚える。クラス3でアンデッド等に有効な攻撃魔法なども習得する。闇側は物理攻撃力が若干上で召喚魔法を習得する。クラス3でそれぞれのクラスで取得する敵を著しく弱体化させる2種の魔法が強力。
  • ホークアイ
    • ナバール盗賊団の一員で、団でも一二を争う盗みの腕前。女好きでロマンチストだが友情にも厚い。
    • 盗賊団の首領フレイムカーンの豹変がイザベラにあると踏んで調査をするが、イザベラに嵌められ親友イーグルの殺しの濡れ衣を着せられ、幼馴染ジェシカを人質に取られる。子分ニキータの手助けで脱出し、光の司祭の助言を得るために聖都ウェンデルを目指して旅に出る。
    • 素早さと運が高いため、宝箱のトラップを回避したり貴重なアイテムを入手することが多く、終盤の種集めに重宝する。
    • クラスチェンジすることで光側は補助魔法やトラップ技を習得し、トリッキーな戦い方をすることが可能。クラス3へ進めるとそれぞれに特化した方向へ成長していく。闇側はステータスダウン効果を持った忍術を習得。クラス3では忍術が全体化するクラスと高い物理攻撃+全体必殺技+独自の特殊攻撃を持ったクラスの2択になる。
  • リース
    • 風の王国ローラントの王女でありながらアマゾネス軍のリーダー。年齢の割には落ち着いており、勇敢で優しく礼儀正しい少女。
    • ナバール盗賊団の侵攻を受け、国王ジョスターが戦死、弟エリオットがさらわれ王国が滅亡。王国再建と弟の救出のために旅に出る。
    • 武器は槍で、リーチや攻撃力でデュランに劣るが必殺技が使いやすい。クラス2で必殺技が全体化し、ステータスアップ/ダウン魔法の習得で序盤から終盤まで活躍できる。またクラス3では強力な召喚魔法を1つ習得可能。
    • クラスチェンジではそれぞれ光側がステアップ系+物理攻撃重視、闇側はステダウン系+召喚魔法の威力重視の方向へ進んでいく。
    • 初期設定では貧乳だったがスクウェアからのリテイクで胸が膨らんだという逸話がある。上述の通り発売から十数年経っても人気のキャラ。
  • クラスチェンジシステム
    • キャラの能力成長などの方向性を選択することにより、幅広いキャラ育成が可能なシステム。
    • 物語途中、いくつかのダンジョンに設置されている「マナストーン」を通じて、パーティキャラ1人ずつをクラスチェンジできる。各キャラクターは初期状態でクラス1に設定されており、2回のクラスチェンジを経て最終的にクラス3になる事ができる。
    • クラスチェンジの際は「光」か「闇」のどちらのクラスへ進むかを選択する。計2回のクラスチェンジによって、最終的には各キャラ4種(光ルートの光光・光闇、闇ルートの闇光・闇闇)のクラスに分岐する。
    • クラスによってキャラの能力やグラフィックが変化する。特に、光ルートと闇ルートでは覚える特殊攻撃・魔法が全く異なるため、パーティの戦術に大きく影響する。一度クラスチェンジをすると戻せないので、選ぶのは慎重に。
    • 移動・戦闘画面でのグラフィックはキャラクターの色が変わるだけだが、ステータス画面のグラフィックは大きく変わる。光ルートに進んだキャラクターが清廉な姿をしているのに対し、闇ルートに進ませると禍々しい姿の男性キャラクターや妖艶な姿の女性キャラクターが見られたりと、容姿の面でもギャップが楽しめる。
    • 基本的に光は万能型、闇は一芸に秀でたタイプになる(例外もある)。
    • どうクラスチェンジをしても、台詞やストーリー展開への影響は全くない。
    • クラスチェンジするだけでも能力が大幅に向上するため、攻略上やらない理由はないと言える。
  • その他
    • 後ろについてくる仲間が、地形に引っ掛かるなどして主人公と距離が開いた場合でも、そのまま置き去りにして進行できるようになった。
      • 置き去りにされた仲間は、画面外に出てしまった時点でまた画面に復帰してくる。
      • 前作で問題だった、仲間が地形に引っ掛かると先に進めない部分が改善されたことになる。
    • 前作で好評だった「モーションバトル」と「リングコマンド」を採用。
      • 戦闘システムは『2』を踏襲している部分もあるが、様々な点で前作とは異質のものとなっている。
      • 武器や魔法ごとの熟練度は廃止。これにより、熟練度によって変化していく必殺技や魔法を見る楽しみは失われたが、熟練度を溜める作業も不要になった。
    • 全キャラクターに、各キャラ固有で持つ「必殺技」がある。
      • 必殺技は最初1つずつで、クラスチェンジすることで各クラス固有の必殺技が上位ランクとして追加され、最終的に全3ランクとなる。
      • 通常攻撃を当てることで必殺技用のカウントが溜まり、必殺技ボタンを押すとカウント量に見合ったランクの必殺技が発動する。なお、命中しなかった場合はカウントを消費しない。
      • 最初から習得しているランク1の必殺技と、以降追加されるランク2~3の必殺技では性質が異なる。前者は通常攻撃の延長線上にあり、発動中も時間が止まらないのに対し、後者はコマンドとして使う技・魔法と同じ扱いで、発動中は時間が停止、反撃の対象となる(後述)。
    • 昼と夜・曜日の概念が追加された。
      • 『2』から引き続き登場する8体の精霊、及びフェアリーで表記されており、光/闇の精霊が昼夜に、残り6体とフェアリーが曜日*1に割り当てられている。
      • 昼夜は現実の時間経過に沿って、リアルタイムで変化する(現実の17分程度で1日が経過する)。
      • ゲームに直接影響する要素としては昼と夜の区別しかないものの、内部的な時刻の概念はあり、屋外では朝方の仄暗い様子や夕方の風景が赤く染まる様子も見られる。
      • 「昼と夜で出現モンスターが変わる地域がある」「夜に特殊能力を発揮するキャラクターやモンスターが存在する」「曜日によって特定の属性魔法が強化される」「特定の曜日だと宿屋がタダになる」など、それなりに実用性もある(気にしなくてもクリアできるレベルではある)。
      • アイテム「夢見草」を使うか、宿屋で休む際に起こしてもらう時間を指定するなどの方法で、ある程度昼夜は操作可能。
      • 町人のセリフも昼夜で変化する他、夜にしか開いていない施設があるなど、街の様子も変化する。夜しか存在しないエリアもある。
    • レベルアップした際は、6つのパラメータ「力」「体力」「素早さ」「知性」「精神」「運」のいずれか1つを選んで上げることになる。
      • ただし、クラス毎にパラメータの上限値はそれぞれ決まっており、上限に達したパラメータは選択できない。
    • アイテム等が大量に増加(それによる倉庫の実装)、種による栽培など、後の『LEGEND OF MANA』に引き継がれるシステムが生まれた。
      • 特定の魔法と同じ効果が発動する、魔法の代用アイテムになっているものも多い。とは言え、多くのアイテムはレアアイテムになっているが。
      • 特に重要な「全体回復」やステータスアップ系の魔法代用アイテムは簡単に購入できるので、仲間選択を性能 (習得魔法) ではなく純粋に好みで決められる。
      • 魔法のように一定時間無防備にならず、即座に効果を発揮する点では、むしろ魔法よりも優れている。

評価点

  • 魅力的なキャラクター・世界観。
    • 前作に引き続きファンタジーの王道的な要素が揃っており、そこにクラスチェンジなどキャラクター性を高める大きな要因が加わっている。
    • クラスチェンジは単なるステータスアップだけでなく、外観が変わることでキャラクターの成長を実感しやすい。デザインセンスも高く、いずれのルートに進ませても成長を感じさせつつ、その方向性は全く異なるというコンセプトがきっちりと守られている。
      • 純真なキャラばかりの主人公達を闇ルートに進ませた際は、姿が変わるだけではあるが、妙な背徳感を覚えたプレイヤーも多い。
    • 結城信輝氏による公式イラストも、本作のキャラクター性を高めるのに大きく役立っている。いずれのイラストも躍動感やストーリー性が盛り込まれており、クラスの違いによるイメージの変化も強烈に印象付けられる。
    • 世界各地にあるダンジョンは草原、雪原、砂漠、森、山、洞窟、城、古代遺跡など多彩。新天地へ辿り着くたびに風景が大きく変わるため飽きにくい。
  • プレイヤーを引き込ませるメインストーリー。
    • いずれの主人公を選んだ場合も、物語はシリアスで悲劇的な場面から始まる。各人が哀しみの果てに決意を抱いて城塞都市ジャドにやってくるシーンは、オープニングクレジットで流れるBGM「Meridian Child」と合わせて非常に壮大で、プレイヤーの期待感を煽る。
    • 国家間の侵略がストーリーに大きく絡むため、全体的に見てもシリアスな展開が多くを占めるが、キャラクターの造形・挙動・性格はいずれも明るく前向きであり、聖剣伝説シリーズの特徴である自然と調和した世界観も相まって緩急の整った重すぎない雰囲気を保っている。
    • 敵サイドの思惑も単なる野望ではなく、各人が持つ嫉妬や怨念、愛などが複雑に絡んだものになっており、キャラクターとして魅力的。
  • SFC最高水準とも言える美麗なグラフィック。同時期には『FFVI』や『ロマサガ3』などがあるが、こちらは多少ではあるが挙動するのがポイント。
    • 特に、魔法や必殺技のエフェクトは前作から大幅に向上している。『2』とモーションが同じ魔法でもドットの細密さや効果音の迫力が段違いであり、テンションを盛り立ててくれる。同世代機で比較すれば頭一つ抜けた出来。
    • 前作で人気を集めた表現豊かなアクションは今作も健在。高画質の代償か、ややアクションのレスポンスが遅めだが、SFCの限界に挑戦する意欲作といえる。
    • 屋外シーン限定ではあるが、時間経過とともに少しずつ黄昏ていく風景など飽きさせない演出がある。
  • 主人公・成長方向・ストーリーなど、選択の自由度が非常に高い。
    • 主人公が6人のため、6人分のシナリオが存在する。とは言っても大筋は3つ*2だが、全てのボスを倒すことが目的だとするなら最低3周は楽しめる。キャラによっては専用のイベントや敵が出現する。
      • キャラクター性としても性能としても6人のキャラはちゃんと差別化されており、同じパーティであっても主人公を変えるだけでグッとゲームの印象が変わる。
      • クラスチェンジについても同様で、性能面でもキャラのイメージ面でも、特に光ルートか闇ルートかで印象は大きく異なる。
    • 分岐もそこそこ多く、自由度は低くない。
      • 特に7体のボスを倒していく神獣戦は倒す順番が決まっておらず、後になるほど強くなっていくシステムも相まってプレイヤーの意思で難易度を決定できる。厄介なのを先に倒すか、それとも後に残してスリルを味わうかも自由である。
  • ボス戦での演出も非常によく、ボスごとに独特の行動があって飽きさせない。
    • 中には画面を覆いつくすほどの巨大なボスや、多関節でなめらかな動きを見せるボスもいる。
    • 戦うシチュエーションも豊富。特に、月の神獣「ドラン」との戦いでは塔の頂上に陣取り塔をよじ登って来た巨大なドランを迎え撃つという構図になり、本作でもインパクトの大きいポイントである。
    • 前作にあった、ボスの色違いによる使い回しも少なくなった*3
  • 前作から引き続き菊田裕樹氏のサウンドが、世界観に見事にマッチしている。前作と比較し、アコースティック、民謡的な作品が多い。
    • 前作はSFCの音源を全て使い切っていたためSEが鳴ると発音割れを起こすという欠点があったため、本作ではサウンドの発音数を減らしSE音の住み分けを作れた。盛り上がりは前作には敵わないとする意見もあるが、不足感は感じられず絶妙な出来となっている。
    • 戦闘曲にも恵まれており、おどろおどろしい雰囲気のものから高揚させるハイテンションなものまで数が揃っている。
    • 中ボス戦のBGMが3曲以上存在するだけでも珍しかった当時、 中ボス曲だけで8曲も存在する というのは類を見ず、衝撃を受けたプレイヤーも多い。流石にBGMの使い回しがないわけではないが、駆け抜けるような勢いのある曲、ホラー調のおどろおどろしい曲、威圧感のある曲、といずれも場の雰囲気にあっており好評である。
      • ホークアイの属するナバール関連の曲は、砂漠の国ということから中東風の音楽になっているが、特にビル&ベン戦を中心に流れる「Rolling Cradle」は「中東音楽のテイストを入れた戦闘曲」としてかなり特徴的であり、特に印象深い。
      • 特に前半の見せ場であるローラント城奪回作戦は、これらの音楽によって疾走感と高揚感をかきたてられることが大きい。
    • 音声は「モノラル」「ステレオ」「ワイド」と選択でき、「ワイド」を選択すると音楽がバーチャルサラウンドで出力されるため、ステレオ環境でより臨場感を高められる。
  • RPG屈指のラストバトル演出(主にBGM)
    • ラストバトルではその前のイベントシーンも含めて3曲のBGMが用意されており、それぞれの構成もあいまって盛り上がる構成となっている。
    • 戦闘前のイベントシーンおよび戦闘開始時は重々しくも禍々しいBGMで、プレイヤーの不安を煽るような「絶望」をイメージとした曲が流れる。
    • しかし、一定のダメージを与えるとラスボスの形態が変化(厳密に変化といえるのはアークデーモンだけだが)し、その後画面とBGMが一旦ストップ、BGMが一変する。
      後半戦のBGMは前半戦とは打って変わって「希望」をモチーフとする雄大かつアップテンポな曲調となり、プレイヤーの士気が一気に向上するニクい演出となっている。
    • この3曲は「Sacrifice」と銘打たれた一連のシリーズとなっており、イベントシーンでは「Part One」、バトル前半が「Part Two」、後半は「Part Three」が流れる。

賛否両論点

  • 戦闘のもっさり感
    • 度々『2』との引き合いに出されるが、シームレスなコマンドRPGを意識したシステムになったことでアクション性が低くなった、という意見がある。
    • 戦闘時の操作キャラが鈍足になる(敵は素早い)ことに加え、敵味方の密集時にレスポンスが悪くなるため、「敵との位置取りを考えて動く」「敵の近接攻撃を移動して避ける」「無傷で敵から逃げる」などが困難。
      • 攻撃ボタンを押し続けてAT操作に切り替えれば、敵に向かってのみダッシュ可能。ただし、AT操作は攻撃効率がそこそこ良く解除までのラグも間々あるため、「AT操作にカウントを溜めさせて自分が必殺技を使う」となりかねず、アクション性が増すとは言い難い。
    • 魔法やクラス2以降の必殺技を撃つとゲーム内の時間が停止し、必ず相手に当たる。演出は美麗だが、アクションRPGとしては疑問符が浮かぶ仕様である。敵の技や弱い魔法でも停止するため、ゲーム進行のテンポも損ねる。
      • ボス戦ではとにかく近寄って攻撃ボタン連打、必ず当たる敵の大技を食らったら急いで回復、とワンパターンになりがちで戦術性がほとんどない。
      • また、「モーションバトル」のコンセプトはコマンドバトル戦闘をリアルタイムにしたアクティブタイムバトルを戦闘画面に移行せずそのままシームレスに行なうというものであり、アクションRPGとは謳っていなかった。
    • 『2』と違って、リーチの長い武器や至近距離では当てにくい武器などが存在せず、通常攻撃はいずれも接近戦用。とはいえ、やはり各キャラによって攻撃範囲&リーチの差はある。当たり判定が大きい上に動き回る事の少ない大半のボス戦ではあまり気にする事もないが、雑魚戦では距離の調節も結構重要である。
    • また、『2』も魔法の仕様はほぼ本作と同じで決してアクション性の高い戦闘という訳ではなく、あちらはあちらで動き回ったり攻撃を回避するボスといった面倒な敵が多いなどの欠点も存在したため、前作との総合的な比較という観点ではどっこいどっこいである。
  • 敵の強力な必殺技と、味方の通常攻撃・必殺技・魔法のバランスについて(賛否両論点)
    • 先述の通り、ランク2~3の必殺技は発動時に演出により時間が停止し100%相手に命中する仕様となっている。
    • この必殺技は敵モンスターも雑魚敵・ボス敵を問わず使用してくる。上記の仕様に加え「全体タイプが多い」「敵によっては予備動作が非常に短い上、見てから阻止できない」「味方側のようにカウントを溜める必要がなく、戦闘開始直後や後述のカウンター技としても使ってくる」など厄介な要素だらけ。
      • ランク2必殺技を使う雑魚敵は序盤から出現し始める。序盤こそ控えめな威力も物語の進行に伴いどんどん上がっていき、終盤ともなれば低HPキャラは防御力300(カンスト)であっても瀕死を免れないほど強力。全体タイプを使う雑魚敵は特に危険で、出会い頭やHPが一定割合以下になった時にぶっ放してきたり、複数体が続けざまに使ってきて即ゲームオーバーになったりと、多くのプレイヤーにとってトラウマ的存在である。
    • 前作『2』で攻撃魔法が強すぎたためか、本作では一部の敵が攻撃魔法(とランク2~3必殺技)に対してカウンター技を使ってくるようになった。
      • それらの多くが高威力か全体攻撃、あるいはその両方の攻撃技となっており*4、上述のようにものによっては一発でパーティ全滅の可能性すらある。
      • その結果「安易に攻撃魔法を使用するのはハイリスク・ローリターン」というバランスになっており、攻撃魔法の地位が極端に低下したという意見が多くある。
      • HPが一定以下になると攻撃パターンを変える(強力な必殺技や魔法を撃ってくるようになる)敵も存在するため、一概にただ通常攻撃でダメージを与えていく行為が有用とは言えないものの、敵ごとのカウンターの発動条件は通常のプレイでは判別が難しいため*5、攻略知識が無い限りは攻撃魔法が使いづらいことは否めない。
    • 敵の強力な必殺技をいかに回避しながら攻略するかというのは、本作の戦術性の根幹にあるもの(ただの殴りゲーまたは魔法&必殺技ゲーになりにくい)であり、一概に問題とは言い切れない部分がある。
      • ポピュラーな対処法は「沈黙・石化・ちびっこ・即死などの状態異常を活用する」「必殺技や魔法により一撃で仕留める」などがある。
      • ただし、これらはいずれもクラス3にならないとやや実行しにくい。クラス1~2では「こまめに回復」「ステータスアップ/ダウン魔法でダメージを減らす」などの耐える方法か、「一定割合までHPを削ってから必殺技や魔法で仕留める」というダメージ計算ありきの戦術を求められる。
  • キャラ性能について
    • 各キャラ及びクラスについて、運用が簡単なクラスと難しいクラスの差が激しい。
      • ケヴィン/シャルロットはそれぞれ物理・回復のスペシャリストとして常時活躍できるため、「物理攻撃を繰り返して戦い、ダメージを受けたら回復」となりがちな初心者にも扱いやすい。デュラン/リースは選んだクラスや他キャラによって大きく戦術が変化するため、メンバー構成を練る必要あり。ホークアイ/アンジェラはカウンター対策によって真価を発揮する上級者向け(≠弱キャラ)と言える。
      • 運用の難しさに格差があることは紛れもない事実ではあるが、それらを鑑みたうえで安易に「強い/弱い」と各クラスを格付けしてしまうプレイヤーも多く論争になりやすい。
      • また本作はキャラ性能を格付けするにあたって、システムの性質上「全クラスを使用する」且つ「各クラス同士の相性を測る」という行為には膨大な時間が必要となることから、攻略サイト等で数値や習得技、そのサイト管理者の寸評だけを参照(サイトによっては管理者自身も全クラス使用したことがあるのか疑わしいページもある)して格付けする発言をする者も多い。加えて後述するようにバグ技込みで評価するのか否かという部分でも賛否があり、掲示板等でキャラ差について語ることは非常にシビアになっている。
    • パーティメンバーの組み方によって難易度(の印象)が変動する。
      • 主にキャラの性格から役割分担的なもので出る影響が大きく、「(回復役の代表格である)シャルロットを外すと難易度が上がる」程度であればイメージしやすいだろう。デュランやケヴィンもクラスによっては回復魔法を使えるし、後述のブラックマーケットという存在もあるのだが。
      • 序盤ではそれ以外にも「シャルロットが3人目になっていると最初のボスであるフルメタルハガーと3人で戦えるが、そうでない(シャルロットが主人公の場合を含む)と2人で戦うことになる」という影響もある。*6
+ 各キャラの詳細
  • ケヴィンは攻撃力が高めの上に2回攻撃が可能であり、夜は獣人化して攻撃力がUPする*7。そして、その状態で攻撃を受けると更に攻撃力UP*8。おまけにHPが6人中最大なので打たれ強く、物理アタッカーとして非常に有用。
    • 魔法・特殊攻撃の習得数が極端に少ない(内容自体は優秀)、安定して全体必殺技を出せない(投げ技に化ける)という欠点はあるが、それでも十分すぎるほど強い*9
    • ケヴィンは通常攻撃がメインとなるため前述にあるようなHP低下カウンターを受けやすいという問題があり、そういった敵を相手にする場合は他のキャラからサポートを受ける必要がある。またボス戦で最大効率をたたき出すにはやはり他のキャラからサポートが必要不可欠である。
  • シャルロットは回復魔法「ヒールライト」をクラス1から使える上、クラス2からは全体掛けも可能になる。デュラン/ケヴィンの光クラスもヒールライトを覚えるが、全体掛けは光闇クラスに限定されるため、シャルロットの存在は攻略の快適さに大きく影響する。
    • 光ルートはクラス2で4属性のセイバー魔法を覚えるため、中盤の神獣戦などが楽になる。また、光光以外のクラス3は敵の全ステータスを下げる「ブラックカース」が使えるため*10、終盤のボス戦にも強い。
    • RPGにおけるヒーラーの宿命で、彼女自身の総合的な攻撃力は全体的に低めとなっている。このためただヒーラーとしてだけでなく、彼女のセイバー魔法や攻撃魔法を最大限に活用したい場合には他キャラ・クラスと連携を取る必要がある。
  • デュランは2回攻撃がない点はケヴィン、ホークアイと比較して合計ダメージ値で見劣りするが、基礎攻撃力が全キャラ中最強で、武器のリーチ・範囲も優れているためヒットアンドアウェイの戦術に長けている。
    • ラビ系のようにすばしこく飛び跳ねるように動く相手にはケヴィン、ホークアイでは攻撃が2ヒットさせづらいためにデュランのほうが効率よくダメージを与えられる。またリーチの長さにより他のキャラでは攻撃が届かない場面でもデュランの剣なら届くという個所もある。
    • 魔法は光に進むとヒールライト、闇に進むとセイバー系を覚え、どちらも全編通じて役に立つ。
    • クラス3の4クラス共に全キャラ中最高クラスの物理攻撃力(獣人化したケヴィンとほぼ互角)を持ち、そのうち3クラスのLV3必殺が全体攻撃となる(残りの1クラスは全体ヒールライトを習得)ため必殺技カウントを瞬時にMAXにできる魔法「オーラウェイブ」を所持しているクラスがいれば運用が非常に簡単になる。
    • ケヴィンやシャルロットと比較すると、前述の「オーラウェイブ」の有用性や他キャラとの役割被りの起きやすさから、若干組み合わせるクラスが限定的になったりといった部分はあるが戦術自体は比較的単純で解りやすく、扱いやすい部類のキャラと言える。
  • リースは女性陣の中で最も接近戦に強く、クラス2から強力なステータスアップ/ダウン魔法を覚える。アップ系はブラックマーケットのアイテムで、ダウン系はシャルロットの「ブラックカース」やホークアイの忍術で代用可能だが、リースなら早期解禁・収集不要・低燃費が揃う。またクラス3以降はそれらを全体化できるクラスが存在するほか、全体に効果が及ぶクラスチェンジアイテムを収集できる。
    • パーティに入れることで、厄介な状態異常「沈黙」「石化」を防ぐリング(全員装備可能)が入手できるのも魅力。
    • デュランに匹敵する高い物理攻撃力に加え、ステータスアップ/ダウン魔法も非常に使いやすい。ただし、クラス3の長所がバラバラであるため他キャラとの組み合わせが重要。
      • かなり大雑把にまとめると「ヴァナディース」はリースにとって唯一のクラス3全体必殺技を持ち、他キャラのオーラウェイブと組み合わせて押すタイプ。「スターランサー」は瞬間火力が低い代わりに全体ステアップ/ダウン(後者は4種中2種)と沈黙付与の手段を確保できるため、補助役の専任にうってつけ。「ドラゴンマスター」は召喚魔法の威力が最も高く、アンジェラの光クラスと好相性。「フェンリルナイト」は全体ステダウンとそこそこ強い召喚魔法を持ち、物理火力・状態異常付与・全体必殺技などを持つキャラと好相性。
  • ホークアイはケヴィンと同じく2回攻撃可能だが、一発の威力が低いので防御力の高い敵が厄介。またリーチも短いことからインファイトになりがちなためダメージを受けやすく、前衛を任せるには体力の低さも気にかかる*11
    • しかし、次攻撃までのサイクルが短い上に2回攻撃なのでカウントがたまりやすく、必殺技で攻撃力不足を補うことはできる。特に光クラスのLV2必殺は全体攻撃かつ非常に短いエフェクトのため効率的。攻撃力重視で闇クラスに進んだ場合、2回攻撃を当てれば総ダメージ量はデュランを上回ることもある。
      • "一撃の重さ"に欠ける代わりに特殊攻撃や必殺技の"手数"で押す戦術が基本となることから、カウンター対策が必須のため上級者向けのキャラと言える。
    • 唯一闇クラス3「ナイトブレード」は物理攻撃力が高く、沈黙付与の特殊攻撃も覚えるので単体だけならカウンター対策も容易で、このクラス自体は初心者でも扱いやすい。
      • しかし、途中の闇クラス2「ニンジャ」は育成方針が幅広いゆえに扱いも難しく*12、トータルで初心者向けのキャラとは言い難い。
    • 特殊能力はブラックマーケットでは代用できないものが多く、とりわけ光クラスの木・月属性魔法、闇クラスのステータスダウン付き忍術は貴重。本領発揮はクラス2(闇の場合はクラス2後半~クラス3)からとなる。
  • アンジェラは物理攻撃が弱くHPも6人中最低なので倒されやすく、魔法も敵の属性耐性やカウンター技の有無を判断して使う必要があるので、初プレイでは辛い。
    • 光クラスは敵の弱点属性を把握したうえで属性魔法の下位/上位を使い分けたり、他の魔法キャラ達と連携することで効率を出していく。闇クラスはルーンマスターなら敵単体に沈黙・石化・即死を狙い、メイガスなら最強の古代魔法「エインシャント」で敵全体を一気に仕留めるなど、ザコ敵へのカウンター対策の基礎中の基礎が詰まっており、運用も比較的簡単である代わりに光クラスと比較してMP消費が激しい。
      • 先述した強力なカウンター技を持つ敵に対しても魔法による一撃必殺や状態異常での妨害を狙いやすいため、カウンター技に最も悩まされるキャラでありながらカウンター技対策に長けている側面も持っている。
    • どのクラスも大半のボス戦が苦手なので、パーティに最低一人はボス戦が得意なクラスを入れるとよい。
    • 精神の値が全キャラ中二番目に高いので、「ポトの油」による回復役としては優秀。
    • レベル上げ要員としては優秀である。魔法は弱点をつければ雑魚を1-2発で倒す事が出来る上、必中で敵を追いかけ回す必要もない。例えば先述されている強ボス「ビル&ベン」の直前には土属性弱点のイビルソードしか出現しない部屋が2つ+回復ポイントが設置されているため、部屋を行き来しつつ魔法で一掃を繰り返すだけで非常に効率よく稼ぎを行える。「同じ弱点を持つ雑魚しか出現しないマップ」は各地に存在するため、有効な稼ぎ場所を見つけられればそこで金も経験値もモリモリ稼げる*13
    • また、地形によっては崖などに阻まれて敵を攻撃できない場合があるが、当然魔法なら問題なく攻撃が可能。序盤は遠距離攻撃の方法が乏しく、いちいちアイテムを使っているとお金の消費もバカにならないため重宝する。
  • ブラックマーケット(魔法の代用となるアイテムを販売している店)という救済措置があるため、どんなパーティ&どんなクラスでもゲームクリアは可能。しかし、便利すぎてパーティの個性を損なってしまう恐れもあるため、あえて利用しないプレイヤーも存在する。
  • クラス個々で見れば所々に格差が見られるものの、全てのクラスに何かしらの得手不得手がある。それらは他のクラスと組み合わせることで補うことが可能であることから、「最強パーティ」といえる組み合わせの答えも未だに出ておらず、人それぞれなためパーティ単位で見ればそこまでバランスが悪いわけではない。
  • また後述する格差がグッと縮まるバグ技も多くあることから、それ込みで本作のキャラバランスは良好であると捉えているプレイヤーも存在する。
  • ステータスアップ/ダウン効果が強力。
    • 敵味方を問わず攻撃が当たりやすいという仕様上、どの効果も対象・時期を問わず役立つ*14。中でもパワーダウン、プロテクトダウン、スピードダウン、マインドダウンの4つを兼ねる「ブラックカース」は、作中屈指のぶっ壊れ魔法とされている。
      • ただし、ステータスアップ/ダウン魔法(特に後者)を覚えるクラスは最大能力値や特殊攻撃・魔法の習得内容、必殺技の性能などに調整が入っているため、クラス間のバランスはそれなりに取れている*15
    • 敵に使われると厄介*16だが、逆方向の効果を与えれば相殺できる上、アップ系4種は先述のブラックマーケットで購入可能。これらを知っているかどうかで攻略難度は大きく変わるだろう。
  • プレイヤーに有利なバグ技・裏技の存在
    • バグ・裏技というだけで敬遠して可能な限り封印してプレイするプレイヤーも存在するが、キャラ間の格差を埋められるような絶妙なバグ・裏技が多く、戦術として組み込んだり使用を前提として編成やキャラの評価を行うプレイヤーも多い。
+ 上記の一例:詳細については外部のwikiや攻略サイトを参照のこと
  • 2連必殺
    • カウントが溜まっているときに通常攻撃を空振りし、すぐに必殺ボタンを押したままにすると必殺を2連続で出せる(LV2&3のみ)
    • 一見有利すぎるように思えるがカウンター持ちの相手の場合、1発目と2発目の必殺の間にカウンター技の詠唱で割り込まれ2発目終了後にカウンター技を食らってしまうことがある。そのため、ある程度敵のHPを減らしたりステアップ/ダウン魔法を使い、単発必殺で倒せるよう調整した方がよい場面もある。
  • リングコマンド開閉によるカウンター回避
    • リングコマンドで表示される技・魔法が12コある場合(アイテムでは最大10コのため不可)は、必殺や魔法でトドメを刺した際に最速でリングコマンド開閉することで敵からのカウンターを回避できる。
    • また敵が3体かつ全体攻撃で追加効果のメッセージが2つ以上出る魔法も、リングコマンド開閉でカウンターを回避できる(土遁の術(全)とデーモンブレスが該当)。
    • この技の特筆すべき点はクラス3の全クラスの中でカウンター対策が必須で上級者向けといわれる「ホークアイのナイトブレードを除く3クラス及びアンジェラの4クラス全部」がこれを利用できるという点だろう(他のクラスではシャルロットのイビルシャーマンのみ利用可)。
  • 詠唱キャンセル
    • 技・魔法には詠唱時間が存在するが、リングコマンドを開いている間や他の技の演出中でも詠唱時間は経過するため、例えば魔法を選択→リングコマンドを開いて時間経過してから閉じることで、安全に魔法を放つことができるというもの。
    • これを利用して2人のキャラで技・魔法を使用すると「1人目魔法選択→2人目魔法選択(この間1人目魔法詠唱中)→1人目魔法発動(この間2人目魔法詠唱中)→2人目魔法発動」となり効率的に技・魔法を発動できる*17

問題点

  • 前作より格段に減ったが、今作にもゲーム進行に関わる致命的なバグが数個ある。
    • シャルロットバグ:シャルロットをパーティメンバーに選択した状態でゲームを開始し、シャルロットが一時離脱するシーンまで話を進める。その後、シャルロットが待っている場所まで戻ると本来ならそのままパーティに復帰するのだが、シャルロットに近寄らないよう脇をすり抜けるように移動するとシャルロットが仲間に復帰しないまま別のエリアに移動してしまう。その後再びシャルロットを仲間にせずに進むとコロボックルの村に入れなくなり、ゲームの進行が不可能になる。
    • 幽霊船バグ:幽霊船にてクラス2のキャラが呪われた状態でセーブすると、そのセーブデータが使えなくなる可能性がある。セーブしてしまった場合はそのままボスを倒し、火山島ブッカ以降で上書きセーブすれば回避可能。
      • 原因は呪われたキャラのカラーが強制的にクラス1のものになってしまい、データの食い違いが起こる為と言われている。
      • この時点でクラス2を達成するには大幅なレベル上げが必須であるため、通常プレイであれば滅多に起こらないのが幸いか。
    • ダークキャッスルバグ:ダークキャッスルで落とし穴に落ちた時魔法のロープを使うと、ここから出られなくなる。
    • ミラージュパレスバグ:無限回廊で稀にモールベアの高原に飛ばされる。元々罠が多いダンジョンであるため、仕様かバグなのかは分かり辛い。ただ、モールベアの高原に飛ばす理由が無いので恐らくバグだろう。
  • システム上は実際には実装されていないにもかかわらず、その片鱗が残ってしまっている技や魔法がある。
    • いくつかの項目に「クリティカル」という単語が出てくるが、本作には存在しない。
      • 前作には普通にクリティカルの概念が存在したため、恐らくは本作でも実装する予定だったのだろうが、何らかの要因で削られたと思われる*18
      • このため「運」の値が高くても攻撃面は変化せず、クリティカル率を上げる魔法「エナジーボール」は丸々無意味な技となっている。
    • 一部の火属性攻撃に状態異常「黒焦げ」が付与されているが、こちらも機能していない。
      • 「ブレイズウォール」「火炎ブレス」が該当。説明書に「HPの4分の1を失う」とあるが、ぱっと見は何の効果もない*19
    • 説明書には、敵を攻撃するとダメージが自分に還ってくる「呪い」という状態異常が記載されているが、こちらも未実装となっている。
  • 味方Aの通常攻撃と味方Bのクラス1必殺技がかち合った際、Aのカウントが空になることがある。
    • パーティの攻撃命令に「クラス1必殺技」とそれ以外が混在する場合、ボス戦などで必殺技の回転率が下がる可能性あり。
  • 敵の強力な必殺技と、味方の通常攻撃・必殺技・魔法のバランスについて(問題点)
    • 「賛否両論点」にて述べたように、本作の必殺技と魔法(および敵のカウンター)の仕様は一定の戦略性をもたらしてはいるものの、敵側に有利すぎる歪な仕様もあってか調整不足が目立つ場面もある。
      • 雑魚敵が使う敵の必殺技においては、先述のように戦い方次第で対策ができるものはまだしも 出会い頭に必殺技をぶっ放して壊滅的な被害を与えてくるものに関しては回避が非常に難しく、アクション性・ゲームバランス面の両方において理不尽な要素として特に批判が大きい。
    • ボス戦においては基本的にカウンターの回避手段が無いため、通常攻撃による殴りに傾倒しがちになる。
      • 際立った例として、中盤のボス「ビル&ベン」が挙げられる。彼らが必殺技・魔法に対して使うカウンター技「影潜り」は低HPキャラが食らうとほぼ瀕死確定であり、魔法攻撃主体のアンジェラはお荷物同然になってしまう。
      • カウンター以外では必殺技をほとんど/全く使用しない という極端なボスも存在する。こういったタイプのボスに対して魔法や必殺技での攻撃を縛って戦おうとすると、お互いに通常攻撃を繰り返すだけの非常に地味な戦いになってしまう。
    • 純粋にダメージ効率で比べた場合も、セイバー魔法やパワーアップを付けた物理攻撃に負けてしまう。防御ダウン系の魔法は代用アイテムが非売品だが併用すればさらにその差は広がることになる。
  • 成長システムの欠点
    • 魔法・特殊攻撃を習得するには、個別の必要能力値を満たす必要がある。また、レベルアップ毎に1つずつしか覚えられないため、なるべく早く必要値を満たしておくのが無難。
    • しかし、これらの仕様はプレイ中に一切説明されず、説明書のヒントも簡素。また、初期クラスの長所と異なる能力値を要求されることもある。
      つまり、事前に攻略本などから情報を得ていない場合、キャラ/クラスによっては本来の性能を発揮しづらくなってしまう。
  • クラスチェンジ関連の不親切な仕様
    • 本作の目玉要素であるクラスチェンジシステムだが、キャラの使い勝手に直結する要素であるにもかかわらず説明不足・不便な仕様が多々ある。
    • 上位クラスで覚える技や魔法についての情報はゲーム中では一切示されないため、初見ではどちらのクラスを選べばいいのかの判断材料に乏しい。「ソーサレス」と「デルヴァー」の二択を迫られてもどちらのクラスに何ができるのかを判断するのはまず不可能だろう。
      • このため、攻略情報を参照していない限りは自分の意図していた方針通りに育成を進めるのが難しい。
      • クラスチェンジは一度決めると後戻りはできない。技や魔法はレベルアップで1つずつ覚えていく仕様のため、思い通りの戦闘スタイルではなかった場合にクラスチェンジ前のデータまで巻き戻す…といったことも労力的に非現実的。
    • クラス3へのクラスチェンジには後半の雑魚敵のドロップアイテム「???の種」からランダムに入手できるクラスチェンジアイテムを用意する必要がある。こちらも情報なしでは気付きにくく、知っていても目当てのクラスへのクラスチェンジアイテムを入手するためには何度も種育てを試行しなければならない。
  • 各クラスの活動範囲&手間
    • クラスチェンジの条件は『規定レベルに達していること』、クラス3の場合はこれに加え上述の『種からクラスチェンジアイテムを入手すること』の2つになる。
    • 1回目のクラスチェンジは規定レベル18。通常ならゲームの中盤に差し掛かるくらいのタイミングであり、それまではクラス1で攻略することになる。
      • アンジェラ/シャルロット以外の4人はクラス2になるまで技を1つも習得しない。つまり、中盤に差し掛かるくらいまでA・Bボタンで戦うしか基本やることはない*20
      • 早めにレベルを上げてクラスチェンジを行うことも可能だが、上記の「幽霊船バグ」には注意。
    • 2回目のクラスチェンジは規定レベル38。普通にプレイしているとラストダンジョン*21付近で満たすことになり、種を落とす敵もこの付近に固まっているため、クラス3の活動範囲がラストダンジョンに限定されやすい*22
      • 早期クラス3を狙う場合、最速で種を落とす敵は特定キャラ専用のダンジョンにしかおらず、次点では他の敵に召喚させる必要があり、どちらも種のドロップ率がかなり低い。さらにレベル上げもしなくてはならないため、知らないと不可能に近く、知っていても時間が掛かってしまう。
  • 前作に比べて(作品単体で見ても)全体的に装備が無個性
    • 本作の装備品は各クラス毎に異なるものが用意されており、全体ではかなりの数に上るのだが、前作にあったステータスアップ、状態異常付加や種族特攻などの特殊能力は大部分が廃止され、基本的に攻撃力や防御力が異なるのみになっている。
    • 鎧以外の防具にあまり意味がない。あるとすれば状態異常耐性くらいのもので、防御力や回避率はほぼ度外視できてしまう。
      • 防具をワンランク上に買い替えた場合、鎧は装備者の体力に応じてボーナスが付くのだが、兜・リングはほぼ1しか上がらない。同カテゴリにおける最弱・最強の差も10前後なので、買い替える必要性がほとんどない。
      • 防御力は300でカンストする。各クラス3専用の鎧を装備し体力を上げていけば、兜・リングが低ランクでもカンストしてしまう。
    • 盾(デュランの光クラス専用装備)の1種には状態異常耐性が4つも付いているが、クラス3「ロード」でしか使えず非常に限定的。さらに回避率最高の盾もロード専用となっている。
      • 盾は全部で9種あるが、ロード専用以外の7種の性能が全く同じ。これに伴い、水竜・灼熱・雷神・大地の盾が思わせぶりな名前と高値による罠アイテムと化しており、もはや設定ミスを疑うレベル。
    • 状態異常耐性を持つリングは何人かが共通して装備できるが、メイン装備者がパーティにいないと購入できない。また、購入時に「あなた(他のキャラ)は装備できません」と警告されてメイン装備者に渡されるため、自力で気付くのは難しい。
  • 最強装備を揃えるのに手間がかかる
    • 最強装備を入手するには、特定の敵を倒して入手できる「武器防具の種」が必要なのだが、1人のキャラが装備できる箇所が4つ(デュランの光クラスは盾を含めて5つ)なので、少なくとも12個(13個)の種が必要。
      • 当然ながら、コンプリートに近いほどダブりが出やすくなる。さらに、リセットを繰り返すと種の中身が固定されるという仕様もあるため、正攻法でのコンプリートは骨が折れる。
      • また「巨人のヤリ(リース用)」「こんごうの盾(デュラン用)」は倉庫に入れると消失するバグがあるため、他のキャラが引き当てても無駄になってしまう。
    • ただ、これ(宝箱から手に入れる点)は前作でも言えた事である。そこから更に運が必要&必要総数が多いという点では今作の方が厄介だが、宝箱の出現率に関して言えば今作の方が高い。そのため、前作で苦心して最強装備を集めた人には、然程手間に感じないかもしれない。
      • 実は種から出るアイテムには法則性があるので、それを調べればかなり絞り込んで装備を入手することも可能。
  • 隠しボスに関する仕様
    • ラスボスより強い存在なのだが、デュランかアンジェラを主人公にしなければ戦えない。元々はどの主人公のルートでも戦えるはずだったが、調整ミスでこうなったらしい。
    • 開幕で闇属性を吸収させると、膨大なHPがオーバーフローを起こして瀕死になるバグがある。
    • ドロップアイテム「モーグリバッヂ」の入手確率が低く、一度倒すと再戦できない。
      • 一応、使用時の効果は「何度でもモーグリになれる」というもので、勲章的な趣が強い。
  • 本作のストーリー展開は全体的に冗長で間延びしており、お使い感・やらされている感が強い。
    • 特に「目的地に行きたいが行けない、代替手段を入手するために一旦戻る」という展開がかなり多い。例を挙げると、
      ・マイアから大地の裂け目を経由してフォルセナに行こうとするも、吊り橋が壊れてしまい一旦戻る。
      ・マイアからフォルセナへ大砲で飛ぼうとするも火薬がないため、もう一度大地の裂け目へ向かいドワーフの村へ取りに行く。
      ・ローラント城奪還の方法を得るため、バイゼルへ戻ってキーアイテムを入手した後、船に乗ってラビの森まで戻る。
      ・マナの聖域への移動手段を確保するため、天かける道まで戻って天の頂を登る。
      こんな感じで、目的Aのためには目的Bが必要になり、その間とりあえず目的Aは放置…という遠回りする展開が何度も繰り返される。
      この頃はフラミー(飛行して移動する乗り物)の入手前であり、大砲で近道も殆どできない。必然的に移動は徒歩になり、中だるみしやすい。
  • 序盤こそ主人公主体でストーリーが進むが、ナビゲーターとなるフェアリーと合流後はどの主人公でもほぼ同じ展開の一本道になる。またセリフそのものも主人公たちよりもフェアリーの方が多く、精霊たちへの交渉なども殆どフェアリーが行うため、主人公たちはイベントになっても喋らず黙って見ているだけに見えることも多く違和感がある。
    • パーティに入れなかった主人公達の登場頻度に差がある。
      • シャルロットやホークアイのように何度も会うキャラがいる一方で、アンジェラのように下手をすると一度も会えないキャラもいる。
        また、アンジェラ(条件付き)/ホークアイ以外の4人はストーリー中盤頃までにフェードアウトしてしまい、二度と会えなくなってしまい、同行はおろか因縁の敵と対峙せずに出番が終わる。デュランはフォルセナ救出後、ケヴィンはルガー戦後、リースはローラント奪還後、シャルロットはディオールイベント終了後と言ったこれらのイベントの後には二度と登場しなくなる。
+ アンジェラの出番(ネタバレ)
  • シャルロット以外を主人公に選んだ場合、オープニング終了後に訪れるジャドの宿屋で寝ており、男性キャラで近づくとイベントがある。パーティの組み合わせによってはこれが最初で最後の出番となる。
    • フルメタルハガー撃破後は獣人達に捕まって投獄されるのだが、シャルロットを仲間2に選んだ場合、隣の牢にいるキャラはパーティ非加入の3人の中から決定される。アンジェラの優先順位は2番目であり、主人公または仲間1がデュランなら会うことができる。
      この時の立ち回りは仲間2に指定していた時と同様の「見張りの獣人を手玉に取って脱獄し、パーティを牢から出してくれる」というものだが、仲間2がシャルロットだったため同行せず別行動となり船に乗り遅れてしまう。……出番がこれで終わりというのもよくある話。
    • デュランを主人公に選んだ場合のみ、終盤のアルテナ城に再登場し、ホークアイ同様いつでも会える状態となる。前触れなく急に出てくるため、黒幕に捕まって投獄されていたという説がある。
  • シャルロットを主人公に選んだ場合、オープニング終了後はジャドを飛ばしてアストリアから始まる上、ジャドの地下牢で会うのは仲間2に選んだキャラ。つまり、パーティにアンジェラを入れなかった場合は一度も登場しない
  • 選んだ主人公によってラスボスとなる勢力が3パターン存在するが、該当しなかった2勢力は物語中盤にラスボスの勢力によって あっけなく壊滅してしまう。
    • ラスボス候補は舞台裏で人知れず倒され、キャラによっては浅からぬ因縁のあった側近も会話の後に自決したり逃亡したりであっさり退場。
+ 関連する人物はどうなるのかというと……(ネタバレ)
  • 主人公がデュラン/アンジェラでない場合、黒曜の騎士は一行に顛末を話した後消滅する。
    特にメンバーにデュランがいる場合、黒曜の騎士がデュランに謎の言葉を言い残す。この言葉の真相は「デュランが主人公」「アンジェラが主人公でメンバーにデュランがいる」のどちらかである場合に判明し、黒曜の騎士がデュランの父だったことが判明する
  • 主人公がケヴィン/シャルロットでない場合、死を食らう男は生き残ったラスボスの小間使いとして登場する。
    メンバーにシャルロットがいる場合、ヒースが消息不明になっていることを伝える。
  • 主人公がホークアイ/リースでない場合、美獣が一行に顛末を話した後消滅する。
    メンバーにリースがいる場合、エリオットは美獣の魔法でローラントに送り返されていると告げられる。
  • シナリオ上は1つの勢力にキャラ2人が対応しており、味方は全部で3人のため、どんなキャラ構成でも最低1人、全くバラバラの場合は2人も旅立った目的を自身の手で成し遂げられないという不遇な役回りになってしまう。
    一応エピローグできちんと帳尻は合わせてもらえるが。
  • ストーリー展開にかなり後味の悪いものが多い。
+ ネタバレ
  • フェアリーが現れた村が直後に壊滅し住人は皆殺しにされてしまう*23
  • 聖都ウェンデルに行くために張られていた結界をフェアリーが解いたら、それが他国に侵攻されるきっかけとなってしまう。
    • そのあとウェンデルの光の司祭(シャルロットの祖父)が命がけで結界を張り直し、不治の病にかかって倒れてしまう。
  • マナの聖域の扉を開くために8体の精霊を集めたら、待ち構えていた敵勢力に先を越されてお互いに争い死屍累々
  • ようやくマナの剣を手に入れたら、いつのまにか敵に捕まっていたフェアリーの命と引き換えに敵にマナの剣を奪われてしまう。しかも最終的にマナの剣は終盤でラスボスに完全に破壊されてしまう。
  • 神獣が最終形態になる前に1体ずつ倒していくことになるが、倒せば倒すほど敵に神獣の力を吸収されてしまうことに全部倒してから気付く
    • これらの展開のほとんどがフェアリーの行動によって引き起こされた悲劇である。当のフェアリーは特に咎められることもなくこれらの悲劇についての救いやフォローもないまま最終的にマナの女神に出世するため、ネット上などではフェアリー黒幕説まで囁かれている。
  • クリアすると生息していた雑魚敵が消えてしまうダンジョンが多く、終盤は寂しいことになる。
    • これにより貴重な「~のツメ」や「~の油」といった魔法効果アイテムがドロップで効率よく手に入れることができなくなってしまう(種を使えば手に入れられるが非常に効率が悪い)。
  • 中盤で各属性の神獣を倒して回るイベントがあるが、どの神獣を倒したのかを確認する方法がない。
    • フラミーで飛行中に地図上で神獣のいるポイントが光って示されているが、既に倒してクリア済みのポイントも消えずに光り続ける。
    • 途中で中断したりして、倒した神獣を忘れてしまうと、再び長いダンジョンを深部まで攻略して、倒したかどうかの確認をしなければならなくなる。
  • メニュー画面に移行する際や、カーソル操作や決定時にラグがあり操作性が悪い。道具や装備の整理がやや面倒に感じる。
  • 文字のフォントがやや横幅がせまく、おまけに字を詰めているので読みにくいことがある。
    • シャルロットの台詞は平仮名が多いのでこの欠点が目立たないものの、別の意味で読みにくい。
    • 奇しくもこの点は前作『聖剣伝説2』のシステム・ネーム入力時のフォントでも挙げられている欠点であり、サイズもほぼ同じ。
    • OPはこれに加え自動の文字送りのテンポが早くて読みにくい。
  • セーブデータの管理が劣悪。
    • 複数のデータを有していた場合、誤操作が非常に起こりやすい。データをロードし、冒険を進めてからセーブする際、現在プレイ中のデータではなく直前にセーブしたデータにカーソルが合っており、しかも上書き確認もされない。
    • 1本のカセットを兄弟などでプレイしていた場合、自分のデータを再開してセーブする際につい他のデータを上書きして消してしまったプレイヤーも少なくない。兄弟喧嘩や友情崩壊を起こしてしまったケースも存在する。
    • セーブデータの数は最大3つと当時としては標準的だが、6人の主人公別にデータを作れないのはやや残念。

総評

自由度の高いパーティ編成やクラスチェンジシステムなどにより、何度でも新鮮な気持ちでプレイできる。周回プレイが楽しめるゲームとして挙がることも多いタイトルである。
現在でもキャラクターのファンアートが多く見られるなど、高い人気を維持していることは確かであり、次世代ハードでの移植・リメイクを熱望する声が多かった作品のひとつである。
しかしコマンドRPG感覚の方向性に移行した本作は前作と比べてアクション性が低くなったことで「ただひたすら殴るだけのゲーム」という評価を受けることもあり、特に前作までのファンだった人たちの間に賛否両論を巻き起こした。
この後のシリーズ作はよりアクション重視の方向に進んでおり、本作のシステムはオリジナル性の高いものとなっている。


その後の展開

  • 本作は海外では発売されず、代わりに2(海外版名『Secret of Mana』)のシステムをベースに使った「聖剣伝説USA」ともいうべき『Secret of Evermore』が丁度翌日に発売された。こちらは逆に日本未発売。
    • 海外で発売されなかった理由は明らかにされていない。かつては「アメリカで本作が発売されなかったのは『Secret of Evermore』が代わりに出たせいである」という説が広く信じられていたが、2011年に『Secret of Evermore』のリードプログラマーであるBrian Fehdrau氏がインタビューでこれを明確に否定している。
      • 未発売となった原因は明らかになっていないものの、同インタビューでFehdrau氏は個人的な推察として「バグに厳しかった当時の任天堂が『聖剣伝説3』のバグを問題視したのが理由ではないか」と語っていた。
    • とはいえ存在が全く知られていないということは無く、海外のファンからもその存在は認知されている。日本語をそのままローマ字化した『Seiken Densetsu 3』の名称のほか、当初発売予定となっていた頃の『Secret of Mana 2』という仮タイトルでも知られており、ネット上ではファンが非公式に翻訳したパッチやそのプレイ動画も存在する(但し公式にリリースされたものではないため注意)。
    • 2019年6月中旬に後述の『聖剣伝説コレクション』の海外版が『Collection of Mana』として発売され、正式に本作が海外言語に対応した。タイトルは当時の仮タイトルではなく『TRIALS of MANA』として収録されている。
  • 本作の後にPSで発売された『LEGEND OF MANA』は良作といえる作品であったが、『新約 聖剣伝説』以降シリーズの評判に陰りが見え始め、『4』では評価を地に落とした。詳しくは当該項目参照。
  • 後にDSで発売された『聖剣伝説 HEROES of MANA』は本作の19年前が舞台となっている。本作に登場したキャラクターも多く登場している。
  • GREEで配信されたソーシャルカードゲーム『聖剣伝説 Circle of MANA』も本作の登場人物や世界観が一部引用されているが、こちらはオリジナルキャラクターがメインであり、本作と同一世界とすると設定が大幅に異なる・矛盾している点も多いため別世界と思われる。
  • LORD of VERMILION III』に今作のライバルキャラである紅蓮の魔導師、死を喰らう男、美獣イザベラが使い魔カードとして参戦。イラストはアプリ版聖剣2や『虫姫さまふたり』を手掛けたHACCAN氏。
    • 更にリースもPC向けオンラインゲーム『LORD OF VERMILION Arena(LOVA)』経由でLoV3に参戦。LOVAにはシャルロットとホークアイも参戦している。
  • 本作は2017年まで各世代の現行機はおろか、バーチャルコンソールやスマートフォンなどの移植版としても配信されなかった。
    • 初めて移植が実現したのは『1』『2』と本作の3本をセットにしたNintendo Switchカップリング作品聖剣伝説コレクションである。詳しくは当該項目参照。
  • 2017年にゲームセンターで稼働開始した対戦格闘ゲーム『ミリオンアーサー アルカナブラッド』では、ミリオンアーサーシリーズが原作で本作と関連が無いにもかかわらず、「(スクエニがパブリッシャーであり)キャラ人気が極めて高いから」という理由でリースが使用可能キャラとして(ホークアイもサポートキャラとして)参戦している。
    • ただしそれぞれ「異界型リース」「異界型ホークアイ」という名義であり、本人ではなく「オリジナルの因子から作成された騎士」、つまりコピーということになっている。
      しかし複製騎士には珍しいことにオリジナルの記憶が強いという設定であり、原作と同様の性格である。
  • 2008年に電撃オンラインの「リメイクして欲しいゲームランキング」で3位にランクイン。その後、2020年4月24日にリメイク版『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』が発売された。

余談

  • ダンジョンの一つ、火山島ブッカでは最後にボス戦が発生せず敵キャラの一人の顔見せで終わってしまうのだが、ROM内にはこのダンジョンのボスとなる予定だった巨大なイカの姿をした敵「バイロン」の没グラフィックが残っている。
    • 没になった理由は長らく不明だったが、当時デバッグに参加していた一般人がスクウェアとの守秘義務期間の終了後に個人サイトにて「デバッグプレイ中はちゃんと戦えたがこのボスの動作に関してバグが頻発しておりどうしても製品版までに直せなかったために没になった」と証言している。
    • 証言した人物は当時配布された参加者向けの資料を所持しており、製品版のマップ構造などからこの話の信憑性は高いと言える。
    • 余談だが、8体の神獣の内ドランのみ戦闘BGMが流用でない専用のものになっている。このことから、本来はこの没ボス戦にも流れる予定だったのではないかと推測する声もある。
  • 本作の出荷本数は80万本と、前作『2』の日本国内での出荷本数150万本に比べてほぼ半減している
    • 推定される主な理由としては上記の通り、戦闘システムのアクション性が低くなったことで前2作のファンから激しい賛否が分かれた事、前作と違って内容がややマンネリ気味である事、本作発売当時は次世代機のPSやSSが発売されており、SFC市場が既に末期になっていた事が挙げられる。
  • 当時のスクウェアはプロレスに塗れていた。ケヴィンに必殺技が2種類あるのもその一環。
    • 時田氏いわく「一部のスクウェアプロレス部の連中のせいですよ、サガも聖剣もだいたい同じ連中のせいです」とのこと。参考(56分頃)
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最終更新:2024年01月17日 04:29
添付ファイル

*1 順番も現実の1週間と同じ並びとなっている。

*2 各ストーリーにオープニングの異なる2人がいる

*3 ラスト付近に過去ボスのラッシュがある、中盤のボス「ビル&ベン」「獣人ルガー(戦闘時)」がザコの色違い、ぐらい。

*4 補助魔法など、攻撃以外の技をカウンターとする敵もいくつか存在する。

*5 カウンターであることがゲーム中に表示されるわけでもないため、「敵が頻繁に使ってくる必殺技がこちらの魔法に対するカウンターだったこと自体を知らなかった」というプレイヤーも多かった。

*6 大まかな時系列で挙げると、2人目がシャルロット以外の場合にそのキャラが仲間に入るタイミング→シャルロット(2人目/3人目を問わず)が仲間に入るタイミング→フルメタルハガー戦→3人目がシャルロット以外の場合にそのキャラが仲間に入るタイミング、となる。

*7 ただし、戦闘になるたびに変身演出がいちいち入るので、ややテンポが悪い。

*8 パワーアップや秘孔と同じ効果。

*9 闇クラス3「デスハンド」のみ完全な脳筋キャラになる(唯一覚える「エナジーボール」に何の効果もないというバグがある)が、ケヴィンの物理攻撃力が最終的に最も高くなるというアドバンテージがある(力が最大になるまでの間は武器の攻撃力差によりデルヴィッシュのほうが攻撃力が高い)。

*10 ネクロマンサーで習得、またはセージ/イビルシャーマンでクラスチェンジアイテム「灰のこびん」を量産。

*11 素早さは高いため回避率は高いが回避行動が出るほど打撃効率は落ちるため一長一短

*12 忍術(≒ステータスダウン)習得に素早さ、近接戦闘に力と体力、属性忍術のダメージUPに知性を求められるため、下手をすると器用貧乏になりかねない。

*13 加えてレベルアップ時ステータス上昇の制限を解除できるテクニック(攻略サイト等を参照)もアンジェラが一番発生させやすい

*14 特にパワーアップ/ダウン(効果量33%)が戦況を左右しやすい。

*15 例えば、上記「ブラックカース」を覚えるクラス「ネクロマンサー」は全体ヒールライトなどもあり、ボス戦で非常に有用。しかし、対複数での殲滅力に乏しく物理攻撃力も低いことから、ザコ戦でやれることは少ない。

*16 クインビーの「パワーアップ→光弾槍」などは、まさに全滅フラグの代名詞。

*17 3人目まで連続で詠唱させてしまうと1人目の発動が大きく遅れてしまうため要注意だが、逆にこれを利用して敵の開幕技に割り込んで魔法を撃ったりもできる

*18 仮にクリティカルが実装されていた場合は、通常攻撃によるダメージ計算がほぼ不可能になるため、カウンターの餌食になるプレイヤーはさらに増加してしまっていた恐れがある。

*19 「新しい状態異常を付与するとその前に発生していた状態異常が消える」「状態異常の敵に、現在の曜日と同じ属性の攻撃魔法をかけてもその増加分が無効」「敵に現在の曜日と同じ属性の状態異常付与魔法をかけた後に殴るとそのダメージも増加」といった、他の状態異常と同じ特徴だけが残っている。

*20 キャラごとに能力値の差はあるため、ブラックマーケットで購入できるアイテムを使って戦闘の幅を広げる(精神・知性高めのリースでコインを使う、素早さの高いホークアイで飛び道具を投げるなど)ことは可能だが、2周目or上級者向け。

*21 厳密にいうとラストダンジョンは「マナの聖域」(ストーリー途中で来た時から変化した後のもの)だが、プレイヤー間では主人公ごとに攻略することになる「ドラゴンズホール」「ミラージュパレス」「ダークキャッスル」を指すことが多い。差別化するためにこれらのダンジョンを「(敵の)本拠地」と表現するプレイヤーも存在する。

*22 ラストダンジョンは最大規模を誇る上にカウンター対策などの戦略的な部分も集約されており、十分にやりごたえがある。そのため、使用期間の短さが気にならないという意見もある。

*23 後に行く可能性があるミラージュパレスで全員亡霊となっている描写がある