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依頼内容は「クソゲー」判定単体にも関わらず、「シリーズファンから不評」判定を想起させる総評の記述の変更です。


聖剣伝説4

【せいけんでんせつふぉー】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2006年12月21日
定価 7,140円(税込)
判定 クソゲー
ポイント 2006年クソゲーオブザイヤー次点
従来作を無視した不親切&高難易度のシステム
薄い&電波&超展開のシナリオ三重苦
凄まじい3D酔い
ムービーシーンだけなら良作に見えない事もないが...
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
聖剣伝説シリーズリンク


概要

『聖剣伝説』シリーズの4作目。ストーリーテーマは「原点回帰」。シリーズ初の3D化・ボイス付き作品でもある。
ナンバリングタイトルとしては前作『聖剣伝説3』から実に11年振りの新作であり、前評判は非常に高かった。
発売前は「PS2最高水準のグラフィック」と「Havok社の物理計算エンジンによるオブジェクト『MONO』の滑らかな挙動」がセールスポイントとして前面に打ち出されていたのだが...


問題点

本作はシナリオとシステムが致命的なレベルで破綻している。以下にその詳細を記す。

シナリオ関連

  • 壮大なストーリーにしようとした節はあるのだが、人物・世界観を説明する描写やシナリオの絶対量が圧倒的に不足している。
    • その元凶は、ストーリーの大半を各ステージ終了時で流れる''ムービーのみで描写'し'ていることにある。ムービーで省略した部分/用語説明は一枚絵とナレーションだけで手短に済ますという構成であり、村人との会話も存在しない。そのせいで、壮大な物語をダイジェストで見せられている感じがあり、旅の目的がしっくりこないままに意表を突いた超展開が続くだけである。
    • 以下、具体的な例をいくつか挙げる。ネタバレ注意
      • 島に侵略してきた軍隊を撃退するために「守護聖獣」の助けを借りに行く章において、道中はアクションゲームとして操作するのだが、軍隊を追い払う部分、村を救って勇者として認められるシーン、一斉蜂起して戦争に発展するシーンはあっさりと1枚絵とテキストで済まされている。
      • このゲームは多くのキャラクターが登場しながら、変化していく世界の情勢を見守るつくりなのだが、主人公サイドでは一人で延々とダンジョンを攻略するスローリーとなっているため、彼らと接点が無い完全に蚊帳の外状態で最後まで戦うはめになる。
      • 物語中盤、唐突に1年経ったとナレーションで告げられ、その間の世界の有様などについてはほぼ描写されず、浦島太郎状態で次のステージに飛ばされる。
      • 中盤で唐突にヒロインがネガティブ状態になり問答無用で世界を壊滅に追い込みかけるのだが、彼女がそうなった前説明は一切無い。その後も彼女の立ち位置がどんどん変わっていくが、描写が無いため目的がはっきりしない。
    • PS~PS2時代のスクエニ(スクウェア)は「ムービー至上主義」(余談部分に記載)に走る傾向があった。本作はその悪い面が最もよく表れたゲームの一つと言える。
    • 他の超展開に比べれば些細なことだが、肝心の「聖剣」に関する設定が旧作と食い違っている。(本作より後の時代の『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』では聖剣は空から落ちてきたが、本作では誕生時地面に突き刺さっている等)
  • 登場人物のキャラクター表現に悪影響を及ぼしている。
    • シナリオの短さゆえに全体的な登場機会が少なく、村要素が無いため自由に会話することもできない。各々の細かい心理描写や魅力のあるシーンが少ないため、非常に感情移入しづらい上、大抵のキャラクターは愛着がわく前に退場してしまう。
    • 闇に堕ちて妖魔となってしまった親友と再会、戦って殺すことになるシーンがあるのだが、元々出番も見せ場も「親友」という描写もあまりないキャラだったので悲しみがどれだけ湧くところか…
    • フラミー、トレント、ガイア、ワッツなどといったシリーズ過去作のキャラクターも登場するが、それぞれは出番こそ与えられているものの活躍してすぐに去る「ファンサービス」的な登場シーンが多く、扱いがぞんざいな印象は拭いきれない。
    • モテイ、ニキータ、ルサ・ルカなど、『CHILDREN of MANA』にも登場した各国の王様や、主人公に味方する友軍達は設定のみの登場であり、ムービー内で一瞬登場するのみ。直接会話する機会すらなく、誇大広告以上のなにものでもない。
    • 『2』や『3』では苦労しながら仲間に加えた8種の「精霊」は、オープニング以降目立った登場はなく、今作では道を進んでいると唐突に現れ、パチンコの弾になるアイテムをくれるだけというなんとも投げやりな扱いを受けている。
    • ヒロインだけは一定期間ダンジョンで共に行動する仲間になるが、会話があるのみであり、何か攻略に役立つ事をしてくれるわけではない。前述の通り突然離脱する中盤以降、分かりにくい立ち位置かつ電波状態な発言が目立つことも相まって人気がない。
    • 仮面の導師・ラスボスなどの敵役の設定は、戦闘前後の会話テキストで全て語られてしまうため、唐突な設定が目立つ。
    • このようなグダグダがありながらストーリーの大筋は「原点回帰」らしいがコンセプト自体がすでに破綻してしまっている。そのせいで旧来のファンからさしてつかめず「どこが原点回帰?」と疑問を抱く者もいた。
  • シナリオの原案を勤めた加藤正人氏は後にブログで「自分のシナリオとは別物」と語っており、スタッフが原案からかなりの描写を削り取ったことを暗に示している。加藤氏の言葉が真実ならライターが哀れ。

システム関連

今までのシリーズ作品と比較して

  • 2Dアクションから、ボイス付きの3Dアクションとなったことへの少なくない違和感。
    • 無論3D化・フルボイス化そのものが悪ではなく、後述の通りクオリティ自体は全体に高いが、『聖剣伝説』シリーズの雰囲気が出せていないという声も見られる。
    • シリーズの大きな特徴である自然や緑を主体とした世界観は感じられるものの、独特の幻想的な雰囲気がないという否定意見は出ている。
      • これに関しては旧世代作品の3D化に関して必ず付いて回る話なので本作固有の問題ではないが、元々世界観で特徴づけられていた面が大きいシリーズなのでやはり影響は大きい。
  • 前作3まで「アクションRPG」とされていたジャンルが「アクションアドベンチャー」に変更されたことによる不満も少なからず出た。
    • ステージ制のゲームであるためワールドマップなどの要素はなく、決まった場所しか移動することはできない。息抜きになるような場面も少ない。
    • いわゆる「操作できる仲間」は一切存在せず、終始主人公のエルディしか動かせない。
      • パーティを組んで行動していた過去作では、2Pコントローラで他の仲間を操作するという複数人プレイができた。今作でも一応複数プレイには対応しているが、できることは1Pの代わりに補助や回復などの魔法操作を担当できる*1というやりがいのないものである。
  • これらに関してはあくまで過去作と比べた上での批判だが、それにしても製作者側はシリーズファンからこういった批判が来るとは思わなかったのだろうか。
    • 前述のように11年間も本流に手を付けず、その間にPSや携帯機で外伝を出していたため、外伝のノリを悪い意味で持ち込んだとも取れる。

単体のゲームとして

  • RPGとアクションゲームの要素を乱雑に組み合わせて台無しに
    • 本作では、敵を攻撃したり倒したり何かを壊したりすることで時々出現するメダルを集めて「HP」「MP」「攻撃力」を強化することが出来る。「HP」を上げるメダルを一定数以上取ればレベルアップし、「MP」メダルを集めれば精霊フィーがレベルアップし使用できる魔法が増える。
    • 問題はその集めたメダルがステージをまたいで持ち越せず、クリア毎にリセットされるという点。当然、レベルも魔法習得も各ステージ開始時に1からやり直しである。
    • 石井氏(聖剣シリーズの生みの親)によると、「プレイヤー自身のスキルアップを促す」という目的ゆえにレベルリセットシステムになったらしい。
      • 確かに、アクション系の作品では高難易度においてはスキルアップも必要になる。だがRPGはそういった腕によるスキルアップを廃して成立しているため、聖剣伝説をRPGとして楽しんできたユーザーのニーズとは噛み合わなかった。
    • ステージごとにS~Cランクのクリア評価がされることから察するに、オールドタイプの面クリア型アクションゲームのようなものをイメージして制作したのだろうという推測はできる。
      レベルを上げてゴリ押せば簡単にSランクが取れるような構成ではなく、何度もプレイしてプレイヤー自身のスキルを上げなければSランクが取れないようにしたかったのだろう。
      • だが、仮にそうだとしても、本作のような明確な章立てのストーリーやキャラクター性のあるゲームとその構成は全く噛み合っておらず、ましてや『聖剣伝説』シリーズのナンバリング作品でやることではない。
        真・三國無双』や『がんばれゴエモン』といった、ある程度ストーリー性を持ったアクションゲームは、総じてリセットされない成長要素を採用している*2
  • にもかかわらず、RPGではよくある「ステージが進むにつれて敵も強化される」という仕様が残っている。
    • つまり、リセット仕様と合わさると「ステージが進むにつれて敵は強化されるのに主人公は弱体化される」というステキなことになる。
    • 誤解の無いように言っておくと、各ステージの序盤にはこちらのレベルが1にリセットされるのに合わせて弱めの敵が配置されており、急に敵が強くなるということはなく、詰んでしまう可能性自体は少ない。ただし、このステージ序盤の敵でメダルを集めておかないと中盤以降の苦戦は必至で、プレイヤー自身がスキルアップしていなければやはりここでのメダル集めを強制されることになる。しかも敵を無限に倒せるということはなく、下手くそだといくらやっても限界がある。これではリセットさせる意味がない。
    • さらに、ファイナルファンタジーシリーズの「サボテンダー」などのような成長要素の稼ぎに向いた敵はいない。
    • おまけにHP回復アイテムの出し方だけは前作を踏襲しており、敵を倒した時にしか回復アイテムを落とさず*3、回復アイテムを持ち越すこともできない。
      • スキルアップできず低HPに陥ると後述MONOで相手をひるませてからでないと敵を1匹倒すのでさえリスキーになり、もしMONOを投げ尽くして回復アイテムが出なかったら一気に詰むという、中途半端にベルトスクロールアクションを取り入れた仕様になっている。
    • 一応、章のスタート時には「エンブレム」という主人公を強化できるアイテムを最大5個まで選べる。しかし、入手方法が至難であるため救済策になっていない(後述)。
  • 盛り上がりに乏しい攻撃手段。
    • 攻撃手段は大きく「剣」「ムチ」「パチンコ」の3種類に分かれるが、ムチやパチンコを使うアクションはどれも地味。
    • 途中で精霊が仲間になるとシリーズ伝統の8属性の魔法も使えるようになるが、これが「パチンコ弾」扱い。しかも1属性1種類しかない。魔法…?
    • 剣での攻撃も迫力や派手さのあるものではなく、悪い意味でデフォルメの効いたものになってしまっている。ポコンポコンという斬撃音からは爽快感を感じがたい。
      • 同社のアクションRPG『キングダム ハーツ』を想起させるが、あちらはディズニーの世界観を踏襲した結果でありシリアスな場面では控えてもいる*4。純粋な王道・中世ファンタジーである本作とは勝手が異なり、そもそもこれまでのシリーズ作品でコミカルな斬撃音など無かった。
    • 序盤で地味なアクションしか使えないのは目を瞑るとしても、本作はストーリーが進んでも新しい技やアクションが増えない。どれだけ進んでも豪快な必殺技や爽快なアクションが存在せず、後述のMONO投げを繰り返す羽目になる。
    • レベルが上がるとアクションが若干増えるが、リセット仕様によりステージ毎に覚え直しである。「(ステージ進行に伴って)多彩なアクションが可能」という、アクションゲームにあって当然の要素すら欠けている。
    • 2やLOMであった多くの武器や魔法(楽器)を自由に使用できたり、3こそ武器は固定であるもののキャラクター毎の武器や特性(必殺技など)の違いを楽しめるといったそれぞれの自由度は保持されていたのを比較すると窮屈に感じざるを得ないのは必然。リセットされるシステムであれば尚更である。
  • 看板倒れな「MONO」システム。
    • 「MONO」とはタルや岩のようなつかんで投げられる設置物、いわゆる「物」である。これを鞭で引き寄せたりして敵にぶつけると、敵が混乱して動けなくなる。
      • シリーズ共通の概念である「マナ(MANA)*5」をもじった呼称なのだろうが、この名称もやや滑り気味である。多くのプレイヤーは消しゴムの方を先にイメージするだろう。
    • 「駆使すると楽に進める」「アクションの幅を広げる」という前口上だったが、実際は明らかに「MONO」の使用を強制するバランスになっており、「駆使しなければ攻略はほぼ不可能」である。
      • 後半の強力なザコ敵やボスは攻撃が激しく、MONOをぶつけて混乱状態にすることで動きを止めなければ反撃を食らって死ぬ。
      • さらに上述のように回復アイテムは敵と殴り合ったあとに出るため、あと一撃で死ぬという時にはMONOを投げまくらなければ死ぬ。
      • おまけに、敵を意図的に混乱させてから倒さないとメダルが殆ど出ない(=成長できない)ので、その点からもMONOを使う事を余儀なくされる。
    • こんなバランスのため、 敵を見つけるとまず敵にぶつけるMONOを探さなくてはならず、 テンポが損なわれること甚だしい。
      • MONOは割とそこら中にあるためそれ自体はまだ何とかなるものの、敵にぶつけるのを失敗したりしてしまうと今度はそれを取りにいくことになる。
      • さながら ドッジボールで外野の向こうに転がっていった球を取りに行かされるような面倒さ であり、こんなことが起きる可能性が雑魚戦含めて頻繁に付きまとうのだから堪ったものではない。
    • MONOを動かせば敵をまとめて混乱させられる場所や、MONOでギミックを作動させれば回復アイテムが手に入る場所などもあるのだが、面倒な割にはリターンが微妙で、成長がステージ毎にリセットという仕様も相まって魅力に乏しい。
    • 混乱した敵は、解除されるまでのカウントを表す数字が頭上に出て、バタバタと暴れる。
      • 目視する上で分かりやすいのは確かではあるが、挙動がいかにも「ゲームの要素」といった感があり不自然さが否めない上に、演出がコメディタッチ過ぎてシリアスな場面では興が削がれる。
    • 「ステージのギミックを使って敵を妨害した上で攻撃する」という要素は大抵のアクションゲームなら楽しいものなのだが、本作はそれが強制されている上に「落ちている物をぶつける」というワンパターンしかなく、あまりに単調なものになっている。
    • 本作には物理演算ソフトである「Havok」が使われており、さかんにそれが喧伝されていたことから、なんとか物理演算をシステムに組み込もうとしてこのようなシステムになったと推測されている。
      • それが本当だとしても、そもそも物理演算機能はゲームの開発・製作サイドが重視するもので、殆どのプレイヤーにとってはどうでもいい要素である。プレイヤーが重視するのはそれを活かして生み出されるゲームの遊戯性であり、「MONO」が滑らかに動いたからといってゲームとしての面白味に直結していないのでは意味が無い。まず物理計算エンジンの導入ありきで出来の悪い「MONO」システムを作ったのならば、それこそ手段と目的が逆転しており、主客転倒と言わざるを得ない。
    • 本作の発売をさかのぼること2年、2004年に発売された『Half-Life 2』が「ほぼあらゆるオブジェクトに物理計算が適用され、周囲に転がっているものを投げつけられ、破壊できる」「死体からガラクタまで手近にあるものをなんでも自在に積み上げられ、実際に干渉できる」というコンセプトを高いレベルで実現し、旋風を巻き起こしていた。現在では「それで?」と思ってしまうほど当たり前になった要素なのだが、当時のマシンパワーでは「オブジェクトにダメージを与えると事前に設定されたアニメーション通りに壊れる」「押したり運んだりできるオブジェクトは設定されたものだけ」というものが当然だったため大きな衝撃を持って迎えられ、そこから数年の間「高度な物理計算を活かしたxxx」という要素をセールスポイントとして推すことが流行していた。本作はその流れを汲んだものと思われる。なお、Havokエンジンはその『Half-Life 2』に採用されたものであり、当時家庭用機のタイトルで採用されているものはまだ少なかった。
      • Havok社の物理演算プログラムは、その後『サイレントヒル5』や『大乱闘スマッシュブラザーズX』、『スタークラフト2』など別ジャンルでも利用され、現役で多くのタイトルで利用されているが*6、本作のように「Havok社の物理エンジンを採用」とそれ自体を宣伝しているのは珍しいケースだろう。
  • 視点カメラが主人公に追従して上下左右にしょっちゅう動くため、3D酔いを起こしやすい。
    • 慣れていなければ30分も画面の前にはいられないほど。長時間のプレイは本当に気分が悪くなる恐れがあるので、慣れていようがいまいがご注意を。ゲームは一日一時間と教えてくれる良心的なソフトといえる。 ついでに、その一時間で他のゲームをやった方が有益であることも教えてくれる。
    • カメラの動きは壁に阻まれるので、狭い場所や部屋の角で戦っていると主人公が透過され、しまいには主人公にカメラが潜り込んでしまい、もう何が起きているのかさえわからなくなってしまう場合もある。
  • ターゲットロック機能が役に立たない。
    • 説明書には主人公に一番近い対象にロックすると書かれているが、主人公のすぐ目の前に対象物があろうとも、地形の向こうの遥か彼方にある対象物をロックしてしまうことがある。
    • あろうことか、 壁の向こう側や、山の向こう側にある物でさえもロックしてしまう 。なんという千里眼。
    • ロックオン対象の切り替えとカメラ操作が同じ右スティックに割り当てられている。そのため右スティックでカメラ操作を行うとロック対象も勝手に切り替わる。MONOをロックしそれをぶつける相手の位置を把握しようと右スティックを動かそうとすると、別の対象にロックが切り替わってしまう。
    • 一応、L2で敵、R2でMONO(操作デフォルト時)を区別してロックできる機能は備わっているのだが、複数の対象が画面内に存在すると、やっぱり思った通りの物をロックできない。
    • どうも画面中央付近の対象物が優先候補となるらしく、多数の対象物が転がっている中で、自分のすぐ目の前にある対象をロックしたいと思うのなら、カメラをぐっと下に向けて他の対象物を画面から外した上でL2(R2)ボタンを押さなくてはならない。
    • しかもロックオンターゲットは行動前に表示されない。アクションを起こして初めて判明する。
    • この役立たずのロックオン機能を使うよりも、いっそMONOに近づいて手当たり次第にムチを出して敵に投げつけるという戦法を取ったほうが早い。敵との交戦中に正確にロックする方が難しい。
  • もっさり感満載かつ作業感に溢れるバトル。
    • 酷いカメラワークに耐えつつ、対象の定まらないロックに翻弄されつつ、遠くからMONOをぶつけてチマチマ一体ずつ雑魚を潰すことを強いられる通常戦闘が楽しいはずもない。爽快さもやりがいもない。
    • 華であるはずのボス戦も然り。長時間雑魚の大量虐殺を行いメダルを集めまくらない限り、基本的にMONOを利用するか魔法を当てないと倒しにくいバランスになっている。結果的に逃げ回りつつMONOや集めたパチンコ玉(魔法)を遠くから打ちまくるチキン戦法しかない。
    • ゲーム中盤にもうひとつの聖剣を携えた、いわゆるライバルのようなボス敵が現れるのだが、そいつと正々堂々タイマン勝負を行うのかと思いきや、やはり逃げ回ってスキあらばMONOをぶつけては削っていくという、相変わらずのセコい展開になる。
      • ボス戦だというのに、若干の眠気をもたらせてくれる。油断すれば死ぬが、パターンに嵌れば退屈この上ない。
  • 通常画面右上に表示されるレーダーマップ。
    • レーダーには方向方角とクリア地点(ボスならボスの場所)と敵の位置くらいしかマトモに表示されず、「今何階にいるか」「どこの地点にいるか」「目標地点までどれくらいの距離か」といった肝心の情報が出ない。
    • しかも、フィールドには階層・高低差・壁が存在するのに、レーダーにはそれらを無視した相対距離しか反映されない。
    • フライトシミュならともかく、本作は建物や入り組んだ地形の多い3Dアクションゲームである。要するに、全く役に立たない。
    • エリアの全体マップはポーズ画面を開かないと出ない。いっそレーダーではなく縮小した全体マップを表示したほうがよかったのではないかと思われる。
  • マップ自体が複雑な構成になっており迷いやすく、難易度が高い。
    • どのステージにも起伏の激しいマップが存在し、アスレチック要素も高い。小さな足場に乗る必要もあり、レベルの高い3Dアクションスキルが求められる。ハシゴも垂直に向かわなければ登る事ができないうえ、ジャンプして空中でつかまらなければならない場所もある。当然のごとく、アクションに失敗して落下すれば以前のマップからやり直しである。
      • 特に仮面の導師との戦闘が象徴的である。螺旋状の塔での戦闘なのだが、マップの仕様上ボスが何階にいるのかわからず延々と探し回り、各階には当たり前のように敵が居るので足止めを食らい、やっとこさ見つけ出し攻撃しようとした時に最下層に落とされると最初からやり直しである。
      • また、今作は二段ジャンプが出来るが二段目のジャンプは水平に飛ぶのが困難で使いづらい。加えて、今作には崖につかまるといったアクションはなくアクション面の難易度を上げる一因となっている。
    • 前述の役立たずカメラと迷子レーダーのせいで、マップストラクチャーを把握しづらいのもネック。
  • 主人公強化用の「エンブレム」の収集方法が、困難なものばかり。やる気を完全に殺ぐ仕様と相まって、ほぼ無理ゲー。
    • 倒したモンスターを戦わせる「チャレンジアリーナ」と呼ばれる闘技場で勝てば手に入るが、敵が強すぎる。弱いモンスターでは厳しいが、強いモンスターを使おうが厳しい。どうやったって難しいのだ、結局は。
    • 各ステージでレアな敵を討伐すると手に入るエンブレムもあるが、探し出すのが困難な上明らかにそのステージのボスよりも強く、後半のステージではとてもじゃないが探す気にはなれない。探し出したとしてもスキルアップができていなければ返り討ちにされる。
    • アリーナ内のショップで購入出来るものもあるが、値段が高い。本作はルク(お金)が貯まりにくいこともあって、気軽に買う事も出来ない。
      • 目安として、NORMALモードを中盤まで普通に進めたとして溜まるルクが6000程。それに対してエンブレムの料金は安いもので2000前後、それ以外の大半が1万超え、そしてゲームクリアやリザルトで総合ではなく1項目とはいえSランクを出す事を条件としている物が多く、ストーリー攻略への利用は難しい。
      • 「獲得金額を100倍にする」というエンブレムもあるが、出現条件が「取得ルク総数が2,000,000ルクになる」こと。よっぽどやりこまないとそんな金額にはならず、なったころにはそんなエンブレムは要らなくなっている。一言で言うと本末転倒。
      • ちなみに、ゲーム中に店のような施設があるわけでなく、準備画面から入る別モードなので、店に立ち寄って買い物しているという雰囲気は無い。

評価点

  • グラフィックに定評のあるスクエニのナンバリングタイトルであるため、グラフィックは非常に美麗。PVやOPの美しさはPS2ソフト全体から見ても高レベル。
  • 薄い&電波&超展開のストーリーや人物の細かい心理描写が悉くすっ飛ばされているせいで魅力を感じづらいが、世界観やキャラクターデザインは好評。
  • BGMは伊藤賢治氏、関戸剛氏らが作曲しているだけあって、非常に高評価。苦労してラスボスまでたどり着いたプレイヤーをイトケン節全開の名曲群が迎えてくれるのは唯一の救い。いわゆる「曲はいい」というクソゲーのお約束である。
    • さらに、メインテーマは世界的音楽家である坂本龍一氏が手がけている。
    • 過去のシリーズの曲も、それぞれの作品毎、数曲アレンジされている。
    • その結果、中古価格ではソフトよりサウンドトラックの方が値段が高いという事態になっている。4,000円以上することも少なくない。
  • 成長要素のある3Dアクションというプログラム構造的には複雑なジャンルであるが、目立ったバグは見当たらない。スタッフが丁寧なテストプレイをしたということなのだろう。
  • これもクソゲーのお約束というべきか、主要キャラを演じる柿原徹也氏や近藤隆氏を始めとして、声優陣の演技は良好。
  • ラスボス戦後のエンディングについては過程はともかく美しいムービーとbgmが相まって切ない雰囲気を醸し出しており、この部分については感動したという声もある。これでシナリオの描写が伴っていれば...。

総評

『聖剣伝説』シリーズのナンバリングタイトルとして販売されたため、発売当初は多くの人々から期待を浴びていた。
しかし、ふたを開けてみれば、電波なストーリー、成長要素の強制リセット、主人公の強さに反比例する敵の強さ、吐き気を催すカメラワークなど、単体で見てもお粗末な出来であり、やがてクソゲーという評価が確立された。

人気シリーズの4作目ということもあり、素直に過去作をそのまま3D化したものを出せばこれほどの批判は起きなかっただろう。
3D化に伴うシステムの移行に完全に失敗し、扱いきれないエンジンで作った結果、過去作のノウハウが全く活かされない練習作のようなシステム・ゲームデザインとなったことが致命的だったと見られる。

結果的に本作の存在そのものがシリーズの権威を失墜させ、『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』にて再注目されるまで、シリーズは斜陽の状況が続くことになる。


余談

  • 据え置き部門クソゲーオブザイヤー2006では『ファンタシースターユニバース』との激戦の末敗れ、次点を受賞。
    • ただし、いわゆる「四八ショック」が起こる2007以前の受賞であり、現在のKOTYは選定基準が大幅に異なる点には注意。
  • 共にスクウェア看板RPGであること、前評判から一転しての価格暴落ということで、よく『アンリミテッド:サガ』と比較される。
    • しかし、批判は残りつつも後に支持するファンを獲得したアンサガに対し、こちらはいつまでたっても安定の低評価である。
  • メディアミックス等は特に出ていない。『グランディアIII』小説版や『テイルズ オブ ゼスティリア』のアニメ版『ザ・クロス』が支離滅裂な原作を改善する事に成功した例があるだけに、残念である。
    • 過去には『新約 聖剣伝説』の小説版が出版された前例があるので、これにも何かしらのフォローがあれば…。
  • シリーズ25周年本『ART of MANA』でのインタビューでも触れられているが、シリーズ他作への言及と比べると言葉少なである。
    • 社内にノウハウがなく、海外製で言語の壁もあるHavokを安易に導入したことで苦慮したことが述べられている。本作の「単調で迫力に欠け、未発達な感が残る戦闘システムや演出」「宣伝でのHavok強調」などを考えると頷ける話ではある。
    • デザイン画で描かれているゲームシステムも、「人間のエルディを動かす『人間世界』と精霊のフィーを動かす『精霊世界』を切り替えて戦う」「ギミックでつり橋や船を動かす」といった初期仕様が描かれており、完成版の仕様はだいぶ単純化されていることが分かる。

海外版について

  • 2007年5月24日に本作の海外版『Dawn of Mana』が発売されている。
    • 海外版はボイスが全編英語に差し替えられている他、レベル2で回復技であるヒールライトが使えるようになる等ゲームバランスが若干調整されているが、レベルのリセットやカメラワーク、MONOシステムといった評判の悪いシステム自体は相変わらずそのままである。
    • 国外では国内で根強い人気のある『3』が発売されず、ナンバリング作品の続編という概念がないことと日本ほど熱心なファンがいないためか大手レビューサイトであるメタスコアでも100点満点中57点と「クソゲー以上並以下」程度の評価に収まっているが、どのみち評判はよろしくない。

「ムービー至上主義」について

  • ゲーム内ムービーを最大のセールスポイントとする考え方。また、そうすべくムービー製作に大量の予算と時間をかける姿勢のこと。
    • PS~PS2時代には、ムービーに注力した『FF7』や『FF8』などの商業的成功を受けて、ムービーを前面に押し出したゲームが多く作られた。これに対する是非は様々あるが、ムービーだけが突出していてシナリオやシステムの出来と釣り合っておらず、遊戯性の低いゲームが多かったのは事実である。
    • 当Wikiでも『GUNDAM 0079 The War For Earth』や『バウンサー』『ローグギャラクシー』『DCFF7』『ゼノサーガEP2』『グランディアIII』などのPS系ゲームのページから、その弊害が見て取れる。特に最後の2つは名作の系譜を断ち切ったとして悪名高い。最初の作品は今では一週回ってネタにされているが…。

最終更新:2020年09月18日 17:00