ポケパーク2 ~Beyond the World~
【ぽけぱーくつー びよんどざわーるど】
| ジャンル | アクションアドベンチャー |  
 | 
| 対応機種 | Wii | 
| 発売元 | ポケモン | 
| 販売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | クリーチャーズ | 
| 発売日 | 2011年11月12日 | 
| 定価 | 5,800円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポケットモンスターシリーズ | 
 
概要・特徴
前作『ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~』の続編にあたる3Dアクションアドベンチャーゲーム。
ただしストーリーの繋がりはなく、舞台となるポケパークも同名だが全くの別物である。
前作同様人間は登場しない。
本作ではポケパークに加え、ウィッシュパークというもう1つの世界が登場。この2つの世界を行き来して冒険を進める事になる。
各世界はそれぞれ複数のエリアに分かれており、ゲーム進行に従って行ける場所が増えていく。エリア毎に雰囲気もガラッと変わる。
主にポケパークで友達を増やし、ウィッシュパークでアトラクションに挑戦、といった流れ。
シナリオは前作に比べ「世界を救う」という部分が前面に押し出されており、敵対勢力も登場する。
システム
基本はWiiリモコン横持ちで操作。
ちからくらべ
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フィールド上のポケモン達と様々な方法で力を競い、これに勝つとそのポケモンと友達になることができる。シナリオ上避けて通れないものも存在する。
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友達が多ければ多いほどウィッシュパークへ行くために必要な「友達パワー」が溜まりやすくなる。
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友達になったポケモンは、バトルでピンチになった際呼び出して援護してもらえる。
 
バトル
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制限時間内に相手の体力を先に削りきれば勝利。勿論自分の体力が先に尽きたり、時間内に倒しきれないと負けである。
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うまく立ち回ればアニメの様なアクションも可能。ポケモン本編では決して味わえない、アクション性のあるバトルを展開できる。
 
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形式は前作同様の1対1の他、1対多や、ポケモン達の猛攻をかわしつつ特定の場所まで辿り着かなければならないものが新登場。
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バトル中は1ボタンちょい押しで出せる「ダッシュ攻撃」、1ボタン長押しで出せる遠距離攻撃「ためわざ」、Wiiリモコンを振って出す近距離攻撃「ふりわざ」を使って戦う。
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ダッシュ攻撃はヒット後タイミングよくボタンを押すと連続攻撃になる。全弾ヒットすれば大ダメージだが、敵がのけぞらなかった場合は反撃を受けてしまう事も。
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ためわざは遠距離まで届く代わりに威力は控えめ。ふりわざは高威力だが接近する必要がありリスクが高い。うまく使い分けなくてはならない。
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この他、十字ボタンを任意の方向に素早く2回押す事で、その方向に高速移動が可能。緊急回避や相手との距離を詰める際に使える。
 
おいかけっこ
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制限時間内に逃げ回る相手ポケモンに追いつき、タックルできれば勝利。中には走りながら攻撃してくるポケモンもいる。
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当然ながらスピードの速いツタージャやピカチュウで挑むと有利。ただし一部のおいかけっこはミジュマルでないと詰む。
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中には制限時間がわずか数秒という変わったものも存在する
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相手ポケモンをためわざなどで足止めしてタックルをくらわすという荒業も存在する。一部の相手にはこれを使わないと勝てない。
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カメラが勝手に相手に合わせられるので、酔い易い人は注意。
 
かくれんぼ
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制限時間内にエリアのどこかに隠れたポケモンを見つけ出すと勝利。今作では隠れる場所のヒントが表示されるようになった。
クイズ
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選択式のクイズに3問連続で正解すれば勝利。前作と違い、出題は完全に固定で、友達になった後は再挑戦できない。
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この他、ポケモンのお願いを叶えてあげることで友達になれるケースも存在する。
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「写真」システムを使用することが条件となるポケモンも登場。
 
アトラクション
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ウィッシュパークに4つ存在し、物語の節目節目で挑戦することになるボス戦的な存在。Wiiリモコンをふんだんに使い、内容は射撃、音ゲーなど様々。
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一度クリアしたアトラクションはメニュー画面から多人数プレイが可能になる。
 
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アトラクションクリア後はボスポケモンとのバトルが2連続で行われるようになり、前作よりも難易度・緊迫感が増している。
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ED後はスコアアタックに挑戦することができ、記録を更新すると報酬としてきのみ(今作での通貨)が得られる。
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前作と異なり、友達になったポケモンでの挑戦は不可能。
操作キャラクター
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最初はピカチュウのみだが、ゲームの進行に応じて使用可能なキャラクターが増えていき、最終的には4匹になる。
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操作キャラクターの変更は、ちからくらべやイベントの最中でない限り基本的にいつでも可能。
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ポケモン達の能力は特定のポケモンに木の実を支払う事で強化が可能。
 
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ピカチュウ
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ゲーム開始時から使用可能。ためわざは「10まんボルト」、ふりわざは「アイアンテール」。
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ひこうタイプ相手に唯一効果抜群を取れるが、ひこうタイプの相手があまりいないのが残念なところ。
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当然ながら前者は地面タイプのポケモンには効果がない。
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10まんボルトは弱体化されている。前作では当てれば確実に相手がダウンしていたが、今作では(強いキャラを中心に)1発だけではダウンしなくなり、隙も大きいため、反撃を喰らいやすい。
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「アイアンテール」は周囲を攻撃できる上に出が速く隙が少なめ。操作キャラの中では乱戦に強い。
 
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能力はオールラウンダーで、ややスピードに優れる。悪く言えば器用貧乏で、人によっては主人公(笑)になってしまう事も。
 
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ミジュマル
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ためわざは「みずでっぽう」、ふりわざは「シェルブレード」。
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ピカチュウ同様突出した能力はないが唯一水中を泳げる。この能力が一部のちからくらべには必須。
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みずタイプ故に耐性が優秀。シャンデラやレシラム、ランドロスといった強敵相手に有利に戦えるのも大きな特徴と言える。
 
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ツタージャ
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ためわざは「リーフストーム」、ふりわざは「グラスミキサー」。
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後者はふりわざで唯一発動中に移動できるかわりに発生がやや遅め。
 
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能力は素早さとジャンプ力に特化。フィールドの移動は勿論、おいかけっこでは大活躍する。バトルにおいてもリーフストームを生かした遠距離戦が可能。反面体力は低く、草タイプ故に弱点を突かれやすい。
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余談ではあるが、操作キャラ中唯一の♀である。
しかし一人称は「ボク」である。
 
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ポカブ
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ためわざは「かえんほうしゃ」、ふりわざは「ヒートスタンプ」。
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はがね、むし、こおり、くさタイプに効果抜群を取れるのはポカブだけなので、唯一性に優れている。
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攻撃力と体力に優れたパワーキャラで、動きが遅い。
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フィールド上の岩を壊したりスイッチを押せる。また、物を持っている時の移動が一番早い。
 
評価点
いきいきとしたポケモン達
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このゲーム最大の特徴。本作のポケモン達はアニメ調の3Dポリゴンで描かれており、いきいきと動き、様々なしぐさを見せてくれる。見ているだけでも飽きないし、癒される。
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今作ではフィールド上のポケモン達が会話をするようになり、前作以上に観察する楽しみが増している。
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また、友達になったポケモンから、アイテムときのみの交換を頼まれることもある。「おしゃれリボン」を集めているガブリアスなど、意外な一面を見ることも。
 
 
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ポケモン達を撮影することも可能。撮影した写真はJPG形式でSDカードに保存できる。
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ポケモン達はこちらの行動にもしっかり反応してくれる。
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例えば、呼びかけるとこちらに寄ってくるし、攻撃を加えると怒ったりする。
 
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ポケモンのボイスはアニメでお馴染みの声優陣が担当。
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ただし、一部の五世代以前のポケモンのボイスは変更になっている。
 
ちからくらべのバリエーション
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前作では「他のポケモンに話しかけ、ちからくらべを申し込む」という手順だった。今作でもこれが基本ではあるが、中には違ったものも存在する。
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例を挙げると、「あるポケモンがどこかへ行ってしまったから探してきてほしいと言われ、かくれんぼが始まる」「近づくと突然木の実を奪われ、取り返すためにおいかけっこが始まる」といったものなど。
 
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前述の通り、複数を相手にしたバトルなどもあり、バリエーションが豊富。
ストレスを極力感じさせないロード画面
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本作では頻繁にロードが発生するが、ロード中も4匹の主要ポケモン達が様々なアニメーションを見せてくれる。バリエーションも豊富。
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プレイヤーに極力ストレスを感じさせないという開発者の配慮が見て取れる。
 
タイプ相性の導入
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ポケモン本編と同じタイプ相性が導入され、バトルの戦略性が向上した。
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有利なタイプで挑むもよし、あえて不利なタイプで挑み縛りプレイ感覚で遊ぶもよし。
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相性は友達リストで確認可能。ポケモンをあまり知らない人にも親切な作り。
 
操作キャラの増加
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前作ではアトラクションを除くとピカチュウしか操作できなかったが、今作で操作キャラクターが4匹に増加。
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操作キャラクターの項でも触れた通り性能はきちんと差別化されている。結果的にプレイの幅が広がって個性も豊かになった。
 
ED後の展開
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前作と異なりED後にもシナリオが用意されており、クリア後も引き続きゲームを楽しむことが可能。クリア後でないと友達になれないポケモンも多数存在する。
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やりこみ要素として、ED後にはとある場所でバトル大会に挑戦することが可能。
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それまでとは比べ物にならない程の高難易度であり、本編のバトルでは満足できないプレイヤーでも楽しめる。
 
賛否両論点
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全体的に第五世代ポケモンのプッシュが目立つ
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BWの2文字が強調されているだけあり、ブラック・ホワイトで新登場したポケモン達が多く登場する。
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物語の重要キャラはほとんどが第五世代のポケモンであり、伝説・幻のポケモンに至っては、旧作のポケモンは物語の黒幕1匹のみ。
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新鮮味がある一方で、旧作のポケモンが好きな人にとっては不満に感じる部分があるのもまた事実である。
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一方、ブラック・ホワイトが初登場であるにもかかわらず、本作に参戦させてもらえなかったポケモンも存在する。
    
    
        | + | 長いので省略 | 
ただしこの中の内、ケルディオ、メロエッタ、ゲノセクト当時まだ解禁されていなかったため、登場していないのも仕方がない。
| 番号 | 名前 |  
| 506 | ヨーテリー |  
| 507 | ハーデリア |  
| 508 | ムーランド |  
| 510 | レパルダス |  
| 512 | ヤナッキー |  
| 514 | バオッキー |  
| 516 | ヒヤッキー |  
| 521 | ケンホロウ |  
| 536 | ガマガル |  
| 564 | プロトーガ |  
| 565 | アバゴーラ |  
| 566 | アーケン |  
| 567 | アーケオス |  
| 583 | バニリッチ |  
| 584 | バイバニラ |  
| 593 | ブルンゲル |  
| 602 | シビシラス |  
| 603 | シビビール |  
| 604 | シビルドン |  
| 605 | リグレー |  
| 606 | オーベム |  
| 615 | フリージオ |  
| 616 | チョボマキ |  
| 619 | コジョフー |  
| 620 | コジョンド |  
| 627 | ワシボン |  
| 629 | バルチャイ |  
| 631 | クイタラン |  
| 632 | アイアント |  
| 633 | モノズ |  
| 634 | ジヘッド |  
| 636 | メラルバ |  
| 637 | ウルガモス |  
| 638 | コバルオン |  
| 639 | テラキオン |  
| 640 | ビリジオン |  
| 646 | キュレム |  
| 647 | ケルディオ |  
| 648 | メロエッタ |  
| 649 | ゲノセクト |  |  
 
 
問題点
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操作性の悪さ
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3Dアクションアドベンチャーにもかかわらず操作方法は横持ちのみで移動は十字ボタン。キーが小さく押しにくいこともあって慣れるまでに時間がかかる。この点は前作から指摘されていたはずである。
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バトルでは1ボタンにダッシュ(短押し)、溜め技(長押し)、近接攻撃(ジャンプ中または相手の近くで短押し)と非常に多くの役割が設定されており、意図しないアクションをすることもしばしば。
 
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アトラクション数の減少
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前作では14もあったアトラクションが今作では4つと大幅に減少。
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そのかわり「ちからくらべ」のボリュームが増したとも言えるが。
 
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アトラクションが多人数プレイに対応し、パーティーゲームのような楽しみ方も可能になっただけに、アトラクション好きにとっては残念な結果となってしまった。
 
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登場ポケモンの少なさ
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今作で登場するポケモンは、操作キャラの4匹を除くと646匹中(当時)わずか194匹。全体の三分の一にも満たない。
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参考までに、前作で登場したポケモンは193匹。ほとんど増えていないことになる。
 
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3D耐性が無い人は非常に酔い易い。
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カメラが激しく動くので、ぐるぐる回る階段や素早い相手とのおいかけっこでは特に酔う。せめてちからくらべの最中、相手の方にカメラを自動で合わせるかをオプションで選択できればよかったのだが...
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特にフローラエリアにある「どうくつ」内でのおいかけっこは折り返し地点のUターンで一気に回るので、体調を崩してしまう恐れもある。
 
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BGMやSEも雰囲気に合わせてか神秘的・怪しいものも多い。特定の場所に行くと音の大きさが急に小さくなるなど、時に音楽すらも追い討ちをかけてくるので3D酔いしやすい人は注意が必要。
 
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頻繁なロード
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ロード時間を長く感じさせない工夫がされているとはいえ、ロード自体は頻繁にありテンポが悪い。カットシーンの後にすぐ次の場面に移行せずロードが入ることもしばしば。
 
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「眠る」というアクションがあるが、眠らせるには3分程放置する必要がある。
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説明書にも書いていない上、眠らないと友達になれないポケモンもいる。
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主人公が眠ると周りのポケモンもつられて寝るのだが、主人公が起きるとすぐ起きてしまうので写真も撮りづらい。
 
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アイテム(コレクション)の入手が非常に面倒。
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入手方法は、「エリアに落ちているものを拾う(エリア移動で復活)」、「マップ中の宝箱を開ける(有限)」、「アクションステージをクリアする」、「他のポケモンと交換する」の4つしかない。
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一部のものに至っては交換以外に入手方法がなく、入手するのに非常に時間がかかる。
 
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これがないと友達になれないポケモンもいる。数十個単位で要求されることも。
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厄介なことに、先述の「交換以外に入手方法がない」アイテムを要求するポケモンもいる。交換してくれるポケモンの前で放置して待つしかない。
 
 
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主人公ポケモンの使用頻度に大きな格差がある。
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使用頻度が高いのはツタージャ。エリアの探索がメインになるこのゲームでは、移動速度の速さ、ジャンプの高さが大きなメリットとなるため、使用率が高くなりやすい。また、移動速度ゆえに、おいかけっこ、かくれんぼ、アスレチックの3種目に強く、非常に優秀なステータスであるといえる。
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ピカチュウは前述の通りバトルに強い。今作ではバトルの頻度が上がっているため、大きなメリットであるといえる。
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ミジュマルは水上を動けるという利点こそあるものの、移動速度があまり速くないため陸上での出番は減りがち。
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一応、水タイプが優秀であること、遠距離から少しずつ削っていく戦法が使えることから、バトルはそこそこ。しかしバトルなら基本的にピカチュウで良い。
 
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圧倒的に不遇なのがポカブ。ダッシュはあまり速くない(その上走り始めに溜め時間がある)上、攻撃技はどちらもリーチが極端に短く隙が大きい。炎タイプでのタイプ有利も、扱いの難しさゆえにあまり役に立っていない。
 
総評
ポケモンファンは勿論、癒しを求めている人には是非手に取ってもらいたい作品。
フィールドをいきいきと動き回るポケモン達とのふれあいは本作ならではの魅力であり、見ているだけでも楽しめるだろう。
ポケモンには珍しいアクションゲームだが、遊ぶ層を考慮してか難易度はある程度抑えられており、万人にお勧めできる。
最終更新:2023年10月10日 11:59