スーパーマリオランド2 6つの金貨
【すーぱーまりおらんどつー むっつのきんか】
| ジャンル | アクション |  裏を見る
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| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売・開発元 | 任天堂 | 
| 発売日 | 1992年10月21日 | 
| 定価 | 3,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 3個(バッテリーバックアップ) | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加
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| 配信 | バーチャルコンソール 【3DS】2011年10月12日/400円(税5%込)
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| 書換 | ニンテンドウパワー 2000年3月1日/800円/F×4・B×1
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| 判定 | 良作 | 
| ポイント | マリオランドシリーズ第2作目 ワリオのデビュー作
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| マリオシリーズ・関連作品リンク | 
 
ゲームボーイという国に、6つの金貨というお話がありました。
 
ストーリー
たいへんだ!!
ボクが「サラサ・ランド」に宇宙怪人「タタンガ」退治に行っているあいだに、マリオ城が悪いやつに占領されてしまった!
マリオランドの住人も魔法をかけられて、手下にされているんだ。
そいつは、「ワリオ」という名前で、ボクの姿をマネした悪いやつだ。
いつもマリオ城をのっとろうと、ねらっていたんだ。
ワリオはマリオ城の「6つの金貨」をマリオランドのあっちこっちにばらまいて、手下たちにみはらせている。
この金貨がないと、ワリオのいるマリオ城には入れない。
「6つの金貨」をあつめ、マリオ城にいるワリオをやっつけてみんなを助けなくっちゃ!
さぁ! 出発だ!!
(説明書より引用)
概要
ゲームボーイ版『スーパーマリオランド』シリーズの2作目。前作から多くの変更点が加えられた、正当進化作品。
後に様々なゲームで主役・脇役を演じるマリオの宿敵「ワリオ」のデビュー作でもある。
特徴
ステージ
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面クリア型から『マリオワールド』同様のワールドマップ方式が取り入れられた。
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マップ上には6つのゾーンが有り、各ゾーンの最終ステージでボスを倒すと「金貨」を手に入れることができる。
 金貨を6つ集めると最終ステージであるマリオ城に入れるようになる。
 
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ステージ数は前作の12ステージから、隠しステージを含めて32ステージに大幅に増加している。
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最初のステージとボスステージ以外なら何度でもリトライ可能。ボスステージは一度ゲームオーバーになって金貨を奪われると、リトライ可能になる。
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セーブファイルではクリアしたステージ数が表示される。31が最大。
 
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『スーパーマリオブラザーズ3』のように、上下左右あらゆる方向にスクロールするようになったことで1ステージの大きさも相対的に大きくなった。
 
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マップ制を導入したことで攻略の自由度が広がった。
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ゲーム開始直後の固定ステージをクリアした後は、最終面以外ならどこからでも攻略することができるので、より自由度が高まっている。金貨を獲得したゾーンにはゾーンのオブジェに×印の旗が立つので、クリアしたかどうかも一目瞭然。
 
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ほとんどのゾーンには隠しステージが存在し、これらを探すという探索要素がある。
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隠しステージをクリアすると、そのゾーンのステージ選択画面に何らかの変化が現れ、中にはボスステージへのショートカットが可能になるゾーンもある。
 
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一部のステージを除き、ゴール地点には大きなベルがある。
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このベルを鳴らしてゴールすると2種類のボーナスゲームのうちいずれかに挑戦できる。景品はパワーアップアイテムや残機の増えるハート。
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一つはスーパーマリオランドにもあった"あみだくじ"。ファイアorバニーマリオの状態でキノコが当たるとパワーダウンしてしまうので、実質上のハズレとなる。
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もう一つは"クレーンゲーム"。残りタイムが多いほど景品が豪華になる。
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こちらは不確定要素が無く、同じタイミングでボタンを押せば必ず同じ結果が得られる。一例として最速でボタンを押す(即ち、連打が楽)と必ずニンジンが得られる。
 
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気に入らないアイテムが当たってしまった場合は途中で部屋から出ることで入手をキャンセル可能。
 
ゲームシステム
基本アクション
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「甲羅を持つ・蹴る」や「スピンジャンプ」等のアクションが追加。操作性はこれまで通り、そして簡単でとっつきやすいままである。
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ボタン数が少ないため、スピンジャンプは「通常のジャンプ中に十字ボタン下で変化」という形式になっている(後のシリーズでおなじみの「ヒップドロップ」と同じ動作)。
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ハテナブロックを上からスピンジャンプで踏むことでも、コインなどのアイテムを出現させられる。
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通常のジャンプで踏めない(ダメージを受ける)ものはスピンジャンプでも同様であり、『ワールド』ほどスピンジャンプが万能ではなくなっている。代わりに、十字ボタンを離せば任意にスピンジャンプを中断することが可能。
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ただし『ワールド』と違い、チビマリオの状態ではスピンジャンプは使えない。
 
 
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十字ボタン上+ジャンプで、助走しなくても最大の高さでジャンプできる(ハイジャンプ)。
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コレクション版『3』等と同様、変身2段階目でダメージを受けるとスーパーマリオに戻るようになった。
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データ選択画面でセレクトを押すことでイージーモードに変更出来る。ゲーム終了まで維持され、リセットすればノーマルモードでやり直すことも可能。
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リセットを挟むので再パワーアップの手間もあるが、難しいステージだけイージーで、という手段も取れるように。
 
パワーアップ
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ファイアマリオ
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仕様変更された前作と異なり、今作ではシリーズお馴染みのファイアマリオになった。
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ただし画面はモノクロで色による判別が出来ないため、本作でのみ「羽を刺した帽子」というデザインになっている。
 
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ファイアボールでしか壊せないブロックもある。
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ワリオ以外の全ての通常ボスにはファイアボールでもダメージを与えることができる。
 
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バニーマリオ
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新アイテムの「ニンジン」を取る事で変身する、初登場の形態。空中でのAボタン押しっぱなしや連打でゆっくり浮遊するように下降できる。
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『USA』におけるピーチ姫の浮遊に近いが、徐々に高度が下がる・時間制限が無いという違いがある。
 ちなみに一応一定以上の連打スピードなら高度を維持して浮遊することが可能だが、携帯ハードなので連打が非常にしにくい上、結構な速度が必要なので人力で行うのは現実的ではない。
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その他、常に最大の高さでジャンプできたり、ジャンプボタンを押しっぱなしにすることでオートジャンプをするようになる。
 
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バニーマリオではスピンジャンプが使えず、水中やスペースゾーンでは能力をほとんど活かせないといった難点もあり、ファイアマリオとの住み分けがなされている。
 
その他
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完全オートセーブ。ゲーム進行度はコースクリアの度に逐一保存される。(なおセーブが完了した旨のメッセージは無し)
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今作では「コイン」の概念が従来と大きく異なり、100枚集めても1UPせず、最大999枚まで所持できる。
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使い道はというと、カジノでミニゲーム『スロットマシン』を遊ぶ際に消費される。スロットマシーンは1UPやアイテムが入手できるが、ハズレを引いた場合は何も得られない。
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スロットマシンはコインの必要額に応じた4種類(30枚、50枚、200枚、999枚)で、高額なほどハイリスクハイリターン。
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30枚を賭けた場合はフラワーやにんじんといった強化アイテムのみ(ハズレも含む)と小粒なラインナップだが、999枚を賭けた際の大当たりは残機99UPとなっている。
 
 
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画面下には残機やコインの他に、敵の撃破数という数値が表示されている。
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敵を100体撃破する度に「上空からスターが出現する」というボーナスが得られる。
 
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得点の概念は今作には無い。
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また、敵を連続で踏んでも1UPはしないが、スター無敵中に連続で敵を5匹以上倒すと1UPする。
 
評価点
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携帯ゲーム機らしく、手軽に遊びやすい作りになっている。
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難易度はあまり高くなく、初心者でも気軽に遊ぶ事ができる。
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さらに前述の「イージーモード」を選択することで、難易度が下がった状態でプレイすることができる。
 
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オートセーブも搭載。ゲーム進行は逐次、バッテリーバックアップ機能で保存されて便利である。
 
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ステージ数・バリエーションが前作から豊富に増えており、様々なギミックでユーザーを飽きさせない。
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グラフィックは前作に比べて大幅に向上。
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本作ではキャラクターやオブジェクトを大きく描くことにより、前作の欠点であった「画面の見づらさ」が改善されている。
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また、これによりグラフィック表現が向上しており、『マリオ3』や『ワールド』のように世界観やキャラクター描写がよりコミカルな絵面に変化し、キャラクターデザインもしっかりとグラフィックに反映されている。
 
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BGMは全体的にポップな良曲揃い。
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地上面やマリオゾーン、エンディングの曲が人気が高い。
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作曲は前作担当の田中宏和氏から変わって、のちのヨッシーシリーズやどうぶつの森でお馴染みとなる「とたけけ」こと戸高一生氏が担当。
 
 
問題点
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これまでの据え置き機の『マリオシリーズ』と比べると若干操作感覚が異なるため、多少慣れが必要。
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一例としては、ジャンプ時の挙動や、前作と同様に「パワーアップ時や敵と接触してダメージを受けた時も一時停止しない」等。
 
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前作に比べてスピード感が落ちた。
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特にダッシュのスピードが遅め。加えて、敵のスピードもやや遅め。
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もっとも前作と比較するとキャラクターが大きくなっているので、スピードを維持したままだと難易度が高くなるだろう。
 
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キャラが大きくなって見やすい反面、画面がやや窮屈に感じられる。
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チビマリオで換算すると前作が12キャラ分に対し、本作は7.2キャラ分と半分程になっている。
 
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隠しステージは6面存在するが、マクロゾーンに存在する1面以外はどれも、「クリアする・ミスする・クリア後に途中脱出する」のいずれかを行うと、その隠しステージに入るための隠しゴールがあるステージに強制的に戻されてしまう。もう一度隠しステージにトライしたければ、その度に隠しゴールに入らなければならない。
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一度でもゲームオーバーになると今まで集めた金貨が全て没収されてしまう。
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但し、オートセーブ搭載且つ一度クリアしたステージはほぼ素通り可能なので、ボスステージのみクリアし直せば取り返すことが可能。加えて一部以外のクリア済のコースに再入場できる本作では、「残機が減ったら稼ぎのために別コースへ行く」を心がければ、終盤以外でゲームオーバーのリスクは小さいと言える。
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また、わざとゲームオーバーになることで、クリア済みのボスステージを再プレイすることもできるという側面もある。
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『ワールド』ではクリア済みのボスに一切再挑戦できなかった為にここは評価点と言えるが、裏を返せば、「ゲームオーバーにならなければボスステージに再挑戦できない」ということでもあり、残機を大量に稼いだ状態でクリアすると「わざとゲームオーバーになること」自体が面倒臭くなってしまう。
 
 
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最終ステージでの急激な難易度上昇
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今作の最終ステージである「マリオ城」は雑魚敵の数こそ少ないのだが、格段に難解になったトラップの数々や、中ボス及びラスボスとの連戦が待ち受ける事から長丁場となる。…のだが、同ステージでは中間地点が存在しておらず、一発勝負を制することが必須となる。
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当然ながら、ボス戦でミスしてしまった場合もステージの最初からやり直しのため、非常に面倒なステージとしての面も持ち合わせている。実際、最終ステージだけはどうしてもクリアが出来ず、「最終ステージのせいで詰んだ」という声も多く見受けられている。
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一応、イージーモードで挑むか、バニーマリオで乗り込むことで難度を下げることは出来る。それでもボス戦で敗北すればステージの最初からになってしまうのだが。
 
 
総評
初の携帯型ゲーム機のロンチタイトルということで、様々な点が本家からボリュームダウンしていた前作に対し、本作ではモノクロかつ小画面という制約がありながら『ワールド』に劣らぬ程のアクションやグラフィック・ボリュームを持ち込むことに成功した。
「どこからでも始められ、どこでもやめられる」という携帯機の利点と共に、『ワールド』の要素を取り入れた豊富なゲーム性と携帯機らしいお手軽さ、本編シリーズには出せない「ランド」ならではの独特の世界観を持ち合わせた良作に仕上がっている。
余談
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説明書のみではあるが、マリオが公式で台詞を出した初の作品でもある。
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今作で初登場したワリオは、次回作『スーパーマリオランド3 ワリオランド』以降からワリオが主人公のマリオとは独立したシリーズを展開していき、マリオシリーズの派生作品でもレギュラー出演するようになった。詳細はワリオシリーズのページにて。
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一方で、本作で中ボスに格下げされた前作のラスボス・タタンガは、残念ながら本作以降は再登場していない。
 
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本作以降、2Dのマリオアクションシリーズの新作は長らく途切れる事になり、約14年後の2006年発売となるDS『New スーパーマリオブラザーズ』まで間をあけることになった。
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GB→DSといきなり時代が飛んだものの、奇しくもどちらも携帯ゲーム機である。
 
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ゲームオーバー時のBGMは妙に明るい曲調であり、かえって不気味。
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ちなみにそのまま約2分30秒放置していると、間抜けな感じのBGMが流れる。この曲は「けけソング」として知られており、本作の音楽担当戸高一生氏が関わる作品の多くで聴ける、いわゆるイースター・エッグである。
 
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コミックボンボンで連載されていた本山版マリオでも「6つの金貨編」が連載。一部の雑魚敵がマリオの昔の友達という事になっており、マリオ一行に協力した。
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終盤では、ワリオ配下の雑魚敵がルイージとヨッシーを真似た変装をし、「ワルイージ」「ワッシー」と名乗る場面がある。
 
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コロコロコミックの方の漫画版マリオ(『スーパーマリオくん』)の「6つの金貨編」では、展開そのものは概ね原作に沿っているものの、アイテムの「ニンジン」が独立したキャラとして仲間になっている他、なぜかヨッシーのクッキー(通称ヨッキー)がそのまま仲間に加わっている。
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このヨッキー、ヨッシーそのままの性格で能力もヨッシーそのものなのだが、いかんせんクッキーなので終始ヨッシーの生首がマリオに同行しているという妙な絵面にとなっている。ちなみに扱いの悪さもいつも通りのヨッシーであり
「勝手に金貨を隠すための入れ物にされた挙句、金貨を出すときには貯金箱よろしくハンマーでぶん殴られて破壊される」
などと、中々に酷い目に遭っていた。
 
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今作のTVCMは卓上に置かれた開かれた本から、本作の舞台となる数々のゾーンが次々と現れていくさまを表現した粘土アニメーションが特徴的。
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終盤にワリオが登場する。「俺だよ! ワリオだよ!」というおなじみの台詞はこの時から使われているが、映像内ではセリフを言い終わらない内に本を閉じられてしまう、という締めくくりになっている。
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ちなみに日本語版CMにおけるワリオの声優は、今作から『ワリオランドシェイク』に至るまで大塚周夫氏が担当。大塚氏は2015年1月に死去したため、2018年8月2日発売の『メイド イン ワリオ ゴージャス』では近藤浩徳氏が後を引き継いだ。
 
 
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本作がワリオの初登場作品ということもあってか、デザインが現在よりもギョロ目な感じになっており、
妙に目力が強い感じ
になっている。ラスボスとして登場することもあってか、マリオよりも一回り大きくなっていることも合わさって何となく恐怖感を感じさせる印象を与えてくれる。
    
    
        | + | ラスボス撃破後の小ネタ | 
ラスボスのワリオは倒した後に、負け惜しみ的な感じに靴をマリオに投げつけて逃げていくのだが、靴を投げつけてくる前に上手くワリオに重なる様にしていると
あらぬ方向に靴を飛ばしてしまい、その後地球を一周してきたかの様に戻って来てマリオに命中する
という現象が発生する。位置取りがやや難しいが面白い現象なのでクリアする時はついでに狙ってみてもいいかもしれない。
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最終更新:2024年04月12日 10:49