モンスターハンターポータブル 2nd
【もんすたーはんたーぽーたぶる せかんど】
| ジャンル | ハンティングアクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元・開発元 | カプコン | 
| 発売日 | 2007年2月22日 
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| 定価 | 4,800円 | 
| レーティング | CERO:C(15才以上対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 『MH2』の問題点を改善しライトユーザーも意識した新作 新モンスターのティガレックスは一躍人気モンスターに
 狩りゲーブームの火付け役
 覇弓レラカムトルムのバランスブレイカーっぷりも語り草
 シリーズ及びPSP用ソフト初のミリオンセラー
 日本ゲーム大賞2007年度大賞受賞
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| モンスターハンターシリーズ | 
 
概要
『モンスターハンターポータブル』(以下MHP)の続編。
『モンスターハンター2』(以下MH2)をベースに世界観を引き継いで作られているが、「ポッケ村」という雪山の村を拠点とするクエストが展開される新作となっている。
装備や登場モンスターは『MH2』のものをほぼすべて踏襲し、目玉として新規モンスターが2種追加。
また、拠点が雪山に変わった事により、マップごとの難易度に調整が入っている。
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本作は『MH2』までに登場したほぼすべての装備やモンスターを実装している。
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使用できる武器は『MH2』と同じく、片手剣・双剣・大剣・ランス・ハンマー・ボウガン(ライト/ヘビィ)・太刀・狩猟笛・ガンランス・弓の11種類。
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『MHP』のセーブデータがあれば、所持金や特殊な生産券を引き継いだ状態でスタートすることもできる。
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『MHP2G』を含め、装備をコンプを目指す場合は、データ引き継ぎが必須となる。
 
特徴・変更点
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BG(バックグラウンド)ロード
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クエスト中のエリア間の移動の際にかかるロード時間を短縮する機能。常時ONだとバッテリーの消耗が激しいため、電源設備がない場所では非推奨になっている(使用自体は可能)。
 
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新設備
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アイルーキッチンに「よろず焼き」が追加。多くの肉や魚を一気に焼いてもらうことが可能。
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農場にトレニャーが追加。派遣すると、投資ポイントや派遣場所に応じて素材を入手してくるようになる。これでしか手に入らない珍しい素材も。
 
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ギアノス命名
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過去作に登場したいわゆる「白ランポス」「ランポス亜種」に名前が与えられた。
 
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新モンスター
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ドスギアノス:ギアノスのリーダー格。最初に戦う大型(中型)モンスターの位置づけである。
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轟竜ティガレックス:原始的な風貌を残す飛竜種。良モンスターの呼び声が高く、後のシリーズにも数多く登場している。
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覇竜アカムトルム:本作のラスボス的位置づけ。
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ティガレックス共々、07年7月に発売された(MH2ベースの)フロンティアにも輸入された。当時は、「せっかくだしドスギアノスも輸入してくれれば良かったのに」という声も一部ではあった。
 
 
評価点
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前作の問題点の解消
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武器間のバランス
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前作『MH2』は、様々な要素の追加によりボリュームは非常に盛りだくさんだったのだが、追加された新武器が弱すぎる、雑魚の異常な耐久力など、バランスの悪さが何よりの問題として挙げられていた。今作はそんな問題のあらゆる面で徹底的に見直しが図られ、その結果ゲームバランスは格段に向上した。
 前作で弱すぎると不評だった太刀、弓、狩猟笛、ガンランスは攻撃力(正確にはモーション値)が大幅に増加。バリエーションも増え、古参の武器にも勝るとも劣らない活躍が出来るようになり、積極的に使用するハンターが増加した。
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弓に「~弾強化」が対応、狩猟笛の演奏効果を「笛吹き名人」で延ばせる、ガンランスの砲撃を「砲術師」で強化など、今では常識となったスキルの仕様も本作からの導入である。
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特にガンランスは、『MH2』時代に受けていた空気的な扱いから一変。熱狂的とも言えるほどのファンを獲得するまでに至った。後に『MH3』ではガンランスはリストラされてしまうのだが、それに落胆したハンターも多数いた程。
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ただしガンランスはマイナスの斬れ味補正が残ったままであり、『MHP2G』でも若干緩和されているが残っている。
 
 
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お手軽になったアイテム収集
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『MHP』で好評だった農場システムを復活。ハチミツを始めとする、狩猟生活に欠かせないアイテムが簡単に入手できるようになった。もちろん素材ツアーもちゃんと存在する。
 
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その他の改善点
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防具の強化に素材が不要になり、鎧玉だけで強化できるようになった。
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派生強化の概念は無くなり、いずれの防具も直接生産できるようになった。
 
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装飾品は着脱の際に壊れる仕様が無くなり、非常にとっつきやすくなった。
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食材アイテムは廃止。アイルーキッチンに行けば自動的に用意されているという『MHP』と同様の仕様となった。ハンターランクが上がると食材のレベルも上がり、より高いステータスアップが望める。
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季節の概念も廃止され、食材の組み合わせを季節によって変えなければならないという厄介な仕様が無くなった。昼夜の変化はリアルタイムではなく、クエストごとに決まっている。
 
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操作性・グラフィックの向上
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ゲームバランスは高評価な一方、PSPに移植したばかりで、粗削りな感が否めなかった『MHP』に改良が加えられ、操作性は格段に上がった。モンスターも棒立ちしたと思ったら瞬間移動したり、時々当たり判定が無くなったりするなどの処理による不具合もほとんどなくなった。
 
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新モンスターの数は多くないが、序盤・中盤・終盤の要所に配置されており、既存のプレイヤーを飽きさせない工夫がある。
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轟竜ティガレックス
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前作『MH2』で不評であった古龍種の反省から、「度を越した魔法じみた設定のモンスターは出さない」というコンセプトのもとで生み出された。モンハンの世界観と見事にマッチした野性味あふれる設定、空中や地中など、自分が一方的に有利になる場所からの攻撃は一切してこないといった要素から「戦っていてやりがいがある」、「小細工なしに強い」と非常に人気が高い。
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動き方はオオトカゲをモデルにしたとの事。四つん這いの姿勢故に体高が低く、どんな武器種でも安定して攻撃できる点も評価のポイント。
 後の作品ではこの骨格を流用したモンスターが何体か登場し、「レックス系(骨格)」と呼ばれるようになった。
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とある理由により、シリーズでも屈指のトラウマモンスターとして扱われている。
 
    
    
        | + | その理由。以下ネタバレ含む | 
とある依頼(序盤の昇級関係)で、プレイヤーはポポの肉を入手するため雪山の山頂へ行くことになる(ポポは草食性のモンスターで、初心者でも容易に倒せる程弱い)。山頂のエリアは全部で3つあるのだが、その内の一つに何とティガレックスが居座っている(初遭遇時には必ず登場ムービーが入る。これがまた恐ろしい仕上がりである…)。しかも麓から山頂に行くまでの2つのルートのうち、安全な方は岩が設置してあるせいで通行不可能。このクエストを達成するためには嫌でもティガレックスと相対し、切り抜けて奥に行かなければならない。
無論、ティガレックスは明らかにこの段階で出てくるような相手ではない。RPGなどにありがちな「その場は負けるか逃げるしかないボス」のモンハン版である。当然のことながら初期装備で太刀打ちできる相手ではなく、多くのハンターはそのまま餌食になっていった。この事故をきっかけに、ティガレックスをトラウマの代名詞的な存在として挙げるハンターは多い。
設定ではティガレックスはポポの肉が大好物であり、それを求めて雪山に姿を現すのだが、ハッキリ言ってハンターはとばっちりを受けたとしか言いようがない。今なおティガレックスに苦手意識を持つプレイヤーの要因はほとんどがこれである。
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音楽
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ポッケ村のBGM「ポッケ村のテーマ」やティガレックス戦のBGM「牙を剥く轟竜/ティガレックス」、アカムトルム戦のBGM「獄炎の覇王/アカムトルム」などの新曲も好評。
 
賛否両論点
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ヤマツカミのリストラ
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ほぼ全てのモンスターが続投する中、『MH2』で初登場したヤマツカミだけが続投できなかった。
 当時のヤマツカミは戦闘の手間から不評意見も多かったのだが、シリーズにおいてモンスターのリストラが行われたは初の事例であり、当時は惜しむ声も少なからずあった。
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その後、後述する『MHP2G』では仕様を大幅に変えたうえで復活を遂げた。
 
 
問題点
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お手軽なハメ行為
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高台ハメ。一部ステージにはモンスターの攻撃を掻い潜れる高台が存在し、そこから攻撃すれば容易に狩猟が可能。
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ただし、基本的にはガンナーでないと攻撃を当てるのは難しく、また正攻法で狩るよりも時間がかかるので、一種の救済措置として意図的な面もあったと思われる。実際、『MHP2G』でいくつかのハメが不可能になったが、賛否両論がある。
 
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閃光玉ハメ。閃光玉が効いてる時は攻撃技が減るモンスターに対して、効果が切れたら再び閃光玉を投げ続ける事で攻撃技を封殺できる。ただし、モンスターに閃光玉を当てるには慣れが必要な為、高台ハメ程お手軽ではない。こちらは『MH3』で修正された。
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何故かアカムトルムは
どこに投げようが必ず閃光玉が効く
という性質があり、これを利用した閃光ハメが横行するようになった。更に素材も高く売れるため、ラスボスにもかかわらず乱獲されることに。
 そのためかファンから「アカム銀行」、銀行のATMをもじって「AKM」等と呼ばれる。ちなみにAkamuToruMuと偶然にも一致している。
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ただし閃光玉が効く時間はかなり短いので、ソロプレイでは閃光ハメだけで討伐するのは実質不可能(狩猟の手助けにはなるだろう)。
 この方法がお手軽なのは複数人でのプレイに限られる。
 
 
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シリーズ通してだが敵の攻撃の当たり判定の理不尽さ
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特にガノトトスの体当たり攻撃が話題に上がりやすい。
 『MHP2G』でも改善されることはなく、『ポータブル』シリーズにおいては『MHP3』でようやく改善された。
 
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一部の武器の異常な強さ
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なんといっても
覇弓レラカムトルム
があまりにも強すぎる。アカムトルムを何回か狩れば容易に作れるが、その強さは
『MHP2G』を含めた武器の中でも最上位レベル
。
 どのぐらい強いのかと言えば、スキルを整えればソロでも上位ラオシャンロンが一歩も進めなくなるレベル。
 会心率を加味した攻撃力も十分すぎるほどで、龍属性が全く効かないラージャンなどでも最適解扱いされるほどであった。
 この弓があれば他の弓はゴミ同然
といっても過言ではない。
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当然『MHP2G』では大幅に弱体化した(派生先である覇滅弓クーネレラカムに強化し、さらにスキル「装填数UP」を発動させることで、ようやく当時のレラカムトルムと遜色ない性能になる)。
 
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その性能は攻撃力300に龍属性200(他のアカム武器は属性値がそもそも無い)。圧倒的なのは本作の
あらゆる武器で最大
を誇る会心率50%である。仮に見切り+3をつけようものなら会心率は80%まで上がり、もはやクリティカルが出ないほうが少ないという謎の事態となる。
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もともとアカムトルムの素材から作られる武器は攻撃力が異常に高い反面、切れ味ゲージが悪い(スキルで強化しても緑まで)というデメリットも抱えていた。しかし、遠距離武器である弓には切れ味などというものはなく、性能を相殺するはずのデメリットがないため上記のような壊れ性能になってしまったと考えられる(強撃ビンが装填不可ならば多少は話が変わったであろうが……)。
 一方でこの武器を除けば、武器間のバランスは非常に良い。
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また、アカムトルムから作成できる防具もとても優秀である。
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剣士はスキルに「斬れ味レベル+1」「耳栓」「見切り+2」に加えて、装飾品で「高級耳栓」が発動し、なおかつマイナススキルが一切発動しないのである。ただし武器と違ってこれ一強とまでは言い切れないが。
 
 
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ミラボレアス亜種(祖龍)が配信限定
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『MHP2G』では上位、G級共に通常クエストに出現するようにはなったが、この配信の出し惜しみはシリーズが進むごとにさらに悪化することになる。
 
総評
MH2の問題点を改善しつつ、より遊びやすい作りへ進化した。
前作がやや移植色が強かったのに比べ、本作は『ポータブル』シリーズとしての特色を押し出し、据え置きシリーズとは異なる独自の路線を確立した功績も大きい。
その後の展開
余談
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前作『MHP』を大きく越える240万本の売り上げを誇り、シリーズ及びPSP作品初のミリオン突破作品となった。
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一般的に『モンハン』シリーズが普及し始めたのが本作からである。
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今作の発売後に前作『MHP』の売上も130万本となり、ミリオンを突破した(Best版含む)。(カプコン ミリオンセールスタイトルより)
 
最終更新:2025年03月07日 09:45