注意:このページでは『ダンジョンメーカー 魔法のシャベルと小さな勇者』と、そのリメイク『ダテにガメついわけじゃねェ! ~ダンジョンメーカー ガールズタイプ~』(共に判定なし)を併せて紹介する。
ダンジョンメーカー 魔法のシャベルと小さな勇者
【だんじょんめーかー まほうのしゃべるとちいさなゆうしゃ】
ジャンル
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ダンジョンRPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売・開発元
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グローバル・A・エンタテインメント
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発売日
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2007年10月25日
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定価
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4,800円(税別)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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自分で掘ったダンジョンを、自分で攻略するゲーム
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ダンジョンメーカーシリーズ I / II / 七魂 / 魔法のシャベル / ダテにガメついわけじゃねェ!
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概要
PSPで発売された『クロニクル オブ ダンジョンメーカー』の低年齢向けバージョン。
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ダンジョンを掘って、夜のうちに居着いたモンスターを翌日倒し、戦闘によって得られたお金やアイテムを使って、またダンジョンを拡張するゲーム。
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真の目的は、ダンジョンを拡張することによってラスボスを出現させ、退治すること。
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リアルタイム3Dアクションだった『クロニクル』と異なり、2DのシンボルエンカウントRPGである。
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全年齢対象だけあって、絵本のような語り口である。
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それでいて、ヒロイン登場シーンで「きがつよいけど ほんとうはやさしいという どんなものがたりにもでてくる女の子」と自嘲する表現もあるなど、ややブラックなテイストを含んでいる。
システム
1日単位でゲームが進む。
あさ
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村の中の施設で買い物や会話ができる。
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かぐやでは、ダンジョン内の部屋を作るための設備の売買ができる。
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在庫の概念があり、お金があっても在庫がないと購入できない。
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ぶぐやでは、武器や防具が売り買いできる。食材も売れる。
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これまでお店に置いてなかった武器や防具をお店に売ると、店に並ぶようになる。
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魔法屋では、魔法が買える。
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ひろばでは、野菜売りの少女から食材を買える。
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少女の歌の中には攻略のヒントになっているものがある。
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ダンジョンでモンスターがドロップした食材が追加されることがある。
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わがやでは、アイテムをそうこから出し入れ出来る。
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どうくつに入ると強制的に昼になる。
昼
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ダンジョンの中に居着いたモンスターを倒す
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アイテムのドロップがある場合、常に最後に倒したモンスターからのドロップとなる。
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モンスター3体と同時に戦闘になった場合、確実にアイテムドロップがある。
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ダンジョンを掘る
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魔法のシャベルでダンジョンを掘る。
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既に掘ったところを埋め戻すことが出来る。
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家具を消費してダンジョン内に部屋を作ることが出来る。
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モンスターは部屋があるとそこに留まる。部屋の種類によって、どのモンスターが来るかほぼ決まっている。
ただし、梯子から2マスの距離にある周囲のブロックには決してモンスターが出現しない。
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部屋にはモンスターにステータス異常を確実に付与する効果があるものがある。
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部屋が多いとダンジョンの評価が上がり、評価が規定値を越えると魔穴が開き、主人公が掘れないブロックが変化してボスが登場する。
フロアのボスを倒すと下の階に降りる梯子が現れる。
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部屋を作った場所を再度掘ることで、部屋を壊すことが出来る。その部屋を作るために使った家具が回収できる。
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ダンジョンを掘っても、埋め戻しても、部屋を作っても、部屋を壊しても魔法のシャベルのMPを消費する。
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魔法のシャベルのMPが0になると、その日はダンジョンの整備が出来なくなる。
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魔法のシャベルのMPは翌日全回復する。
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ダンジョンから出ると強制的に夕になる。
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このため、アイテム(回復アイテムや家具)は事前に余裕を持って用意しておく必要がある。
夕
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朝と同様に、村の中の施設で買い物や会話ができる。
わがやに帰るとしょくじとやすむが出来る。
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しょくじ
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しょくじは1日1回しか出来ない。
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しょくじをするには前もって食材を手に入れておかなければならない。
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このゲームにはレベルの概念がなく、食べたものに応じて各種ステータスがしょくじ毎に上昇する。
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やすむ
クエスト
村人などから依頼されるクエストがある。
クエストを遂行するとお礼があったり、そもそも前払いで報酬をもらったりする。ストーリーが進行するだけのこともある。
評価点
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新しいことに挑もうという意欲が感じられる
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ダンジョンを作るゲームは『カオスシード』『ダンジョンキーパー』など数あれど、仲間のモンスターが勇者を倒すパターンが多く、モンスターがやって来て、それを主人公だけで倒すのは真新しい。
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レベルの概念がなく、食事毎に食べたものに応じてステータスがUpするシステム
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食事でステータスが向上するシステムは、関連作である『世界はあたしでまわってる』にも取り入れられている。
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ものまねスライムが仲間になる
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ものまねスライムは主人公らと戦ったモンスターのマネをする。モンスターのいいとこ取りで強くなれる。
しかし、このゲームにはレベルアップの概念はないため、モンスターのいいとこ取りレベルの強さしかなく、ガチムチには強化出来ない。
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関連作である『世界はあたしでまわってる』にも、このものまねスライムに似たシステムの「ミミックスライム」が登場する。
問題点
ダンジョンに対する制約が今ひとつである
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ダンジョン製作の条件がゆるい
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『カオスシード』や『勇者のくせになまいきだ。』の両者はダンジョン作成地点の土に含まれる因素(あるいは養分)によってダンジョンの作成に戦略性を生み出していたが、本作の土は、掘れるか掘れないかの区別しか無い。
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制約となるはずのダンジョンの評価の基準があいまい、かつ緩い。
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『クロニクル オブ ダンジョンメーカー』では曲がり角や分岐に部屋を直結した場合、曲がり角や分岐による評価の加点が得られなかったが、本作ではそのペナルティが緩和されている。
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ダンジョン製作に対する戦術性が低い
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敵側が攻めてくるのであれば、防御のために複雑な迷路やトラップを構築する必要があるが、プレーヤーが作ったダンジョンをプレーヤー自身が攻略するので、一本道でもなんら問題がない。
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『クロニクル オブ ダンジョンメーカー』では分岐の本数と部屋の数が同数に近いほどダンジョンの評価が高くなっていたが、本作では部屋だらけでもペナルティはない。
バランス関連
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戦闘のバランスはシビア。
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序盤に毒の治療法もない(毒の治療アイテムもない)のに毒攻撃を持つボスと戦う必要がある。
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装備の強化はモンスターのドロップ頼み。
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序盤は魔法防御を上げる方法がない。
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…などなど、厳しい面が多い。
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ただし、経験値がもらえるわけではないため、無理にレベルの高い雑魚と戦う意味は薄く、雑魚戦がきつい場合はダンジョンを埋め戻すことで調節できる。
総評
ダンジョン製作について今ひとつ奥深さがなく、歯ごたえがない。これは逆に、好きなようにダンジョンを作れる自由度があるとも言える。埋戻しによって模様替えが出来るため、存分に楽しめる。
新しいことに取り組もうとする意欲は感じられるが、熱狂するほどの面白さへ昇華出来ていないのが残念。
後の展開
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『世界はあたしでまわってる』はこのゲームの続編的な位置付けにあり、主人公のアレンとメイミも引き続き登場している。
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2009年10月29日にガールズタイプ『ダテにガメついワケじゃねェ!』がDS向けに発売された。
ダテにガメついわけじゃねェ! ~ダンジョンメーカー ガールズタイプ~
【だてにがめついわじゃねぇ だんじょんめーかー がーるずたいぷ】
ジャンル
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ダンジョンRPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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オトメイト(アイディアファクトリー)
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開発元
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アイディアファクトリー GAE
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発売日
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2009年10月29日
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定価
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4,800円(税別)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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概要(ガールズタイプ)
オトメイト(アイディアファクトリー)による、『ダンジョンメーカー 魔法のシャベルと小さな勇者』のリメイク。
キャラクターの設定及びデザインが一新され、好感度が高いキャラクター毎に分岐するマルチエンディングとなった。
但し、システム全般やモンスター、ダンジョン、BGMと言った基本的要素に変化は無い。
ストーリー
ダンジョンメーカーという職業が金になると聞いて傭兵から転職したヒューゴは、3年前に酒場で「楽園」だと噂を聞いた「レインバール」の村にたまたま足を踏み入れた。
しかし、そこは楽園というイメージとは程遠い田舎の村だった。
変更点
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村の登場人物のキャラが一新。
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乙女ゲーにデザイン一新された。それも訳ありの濃いキャラクターばかり。
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イベントではキャラクターボイスが付く。
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テキストも変更
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原作ではひらがなの多いテキストだったが、普通に漢字が使われている。
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アイテムや魔法の名前が、原作のひねりのないものからファンタジーっぽいものに変更になっている。
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村人のキャラが濃くなったため、会話のテキストは倍以上に増加。
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マルチエンディング(?)
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概要にあるように、キャラクター毎にエンディングが用意された。但し、正確にはマルチ"エンディング"とは言えない(後述)。
問題点(ガールズタイプ)
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システムやゲームバランスは原作そのまま。なので問題点もそのまま。
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一応マルチエンディングにはなったのだが、その内容は「B10Fのボスキャラを倒した時点で好感度の高いキャラクターとエンディングを迎える」と言うもの。
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元々原作はB20Fまであり、本作もそれに則っている。つまりエンディングではない。
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このゲームバランスでライト層が頑張れるのはB10Fまでと思ったのだろうか。
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また、なんとかB10Fまでたどり着いたプレーヤーのうち、別エンディングのために2周目を始めるプレーヤーがどれだけいただろうか?と言う疑問も。
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自分がこれまでに作ったダンジョンに愛着が湧き、「これを捨てるなんてもったいない!」と更なる地下を目指すプレーヤーもいるだろう。
総評(ガールズタイプ)
まさかのゲームバランス調整なしでの乙女向けリメイク。しかも、マルチエンディング化。
原作『魔法のシャベルと小さな勇者』をプレイしたことのある人は本作をプレイする価値はないが、原作は原作でストーリーが淡泊過ぎるため、原作未プレイならば本作の方をお薦めする。
最終更新:2020年06月09日 23:52