クラッシュ・バンディクー アドバンス
【くらっしゅ ばんでぃくー あどばんす】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 128MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | コナミ | 
| 開発元 | バイカリアス・ビジョンズ | 
| 発売日 | 2002年7月18日 | 
| 定価 | 4,800円(税別) | 
| セーブデータ | 4個(フラッシュメモリ) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | なし | 
| クラッシュ・バンディクーシリーズリンク | 
 
概要
PSでリリースされ続けていた人気アクションシリーズの初の携帯機向け作品。
同時にシリーズ初の任天堂ハード専用のソフトとなった。
ストーリー
『わくせいミニミニマシーン』を使って地球を小さくし手中に収めたコルテックス。
地球を救うためにクラッシュはパワーストーンを集めることになった。
特徴
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5つのステージを回ってパワーストーンを入手し、ボスを倒すという流れは過去作と同じ。
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ステージは基本的に『2』や『3』を踏襲したものとなっており、BGMも過去のアレンジとなっている。
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ただし、雪山ステージなど、原作のリズムなどのみを引用して新たに作っている曲も存在する。
 
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ステージ数は全部で20なので、ワープルームは4つと過去作に比べると結構少ない。ひみつのワープルームも無い。
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カラーダイヤは4つあり、ダイヤコースも健在。今作はステージのどこかに巧妙に隠されたものを探して入手する形となっている。
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ドクロコースや隠しコースは存在しない。
 
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携帯機向けに独自の仕様変更がなされている。
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基本的には横スクロールアクションとなっている。
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シリーズのウリであった奥スクロール(3D)のステージも健在、しかし操作性を考慮していずれも強制スクロールのステージとなっている。
 
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従来のシリーズとは操作性は基本的に同じだが、細かい挙動が異なる。
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鉄ワク箱がバクダン箱で壊れるようになり、鉄ワク箱が頭上に来るとダメージを受けるようになった。
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パワーストーンやダイヤは箱と同様に入手しても死亡したら手放すことになる。
 
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ボーナスチャレンジやカラーダイヤステージの足場はC箱の役割も持っている。
 
評価点
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シリーズの基本的な部分は変わらず、そのままGBA向けに作られている。
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携帯機でどこでもクラッシュをプレイできるというのがウリ。
 
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上述の通り3Dステージも用意されている。
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シリーズ恒例の後ろから何かに追いかけられる場面も引き続き登場している。
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また『3』や『4』にあったシューティング面も存在している。
 
賛否両論点
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真のエンディングの条件が難化
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従来のシリーズではタイムトロフィーのランクは関係なしに全て集めるだけでOKだったが、本作では全てのゴールドトロフィーを手に入れる必要がある。
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タイムアタックが苦手な人には厳しいかもしれない。そもそもこれではサファイアトロフィーの存在意義が謎である。
 
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覚えゲー気味なタイムアタック
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画面が小さい上に基本2Dであるため先が見えにくく、穴や足場の位置などをある程度把握しておかないと難しい。
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また、3Dである雪山ステージの手前スクロールも厄介で、ダッシュし続けると手前にある障害物が非常に見えにくい。
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タイムアタックにこだわる場合、障害物の位置やダッシュ床、タイムストップ箱の位置をある程度把握していないときつい。
 
 
問題点
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ストーリーが意味不明。
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「地球を小さくしたことで世界征服ができた」などという整合性の無いストーリーである。
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地球を小さくされたというのに、なぜかコルテックスを含むボス戦のキャラはクラッシュと同じサイズ。コルテックスとは明らかに基地内部で戦っている。宇宙へ飛び立った瞬間にクラッシュが標準サイズに戻ったとでも言うのだろうか。
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また、挿絵が『2』や『3』のものを流用しているため、『2』の宇宙ステーションと『3』のタイムネジネジマシーンが混在している。シリーズをプレイしてきた人からすればものすごい違和感である。
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終盤でマシンが暴走してコルテックスとその幹部が合体してしまい、そのまま襲い来る展開が来る。あらゆるものを小さくするマシンが暴走してなぜそのような現象になるのだろうか。
 
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ステージのバリエーションがやや乏しい。
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ジャングル・海底・雪山・下水道・空(シューティング)・宇宙の6つがあり、ボス戦を除くと各ジャンルのステージが3~4つずつと均等に存在する。
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なぜか海底はボス戦を含めると5つも用意され、『3』や『4』よりも増えている。空ステージもボス戦を含めると4つもあり、やや多い。
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普通のアクションステージも、後半になるにつれ敵の数が1種類増えたりステージが長くなったりするだけで、ステージごとの大きな個性が無い。
 
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斬新さがあまり無い。
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敵はほとんどが過去作で登場したもの。宇宙ステージなどのトラップも全部過去作に出たものと同じ。
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雪山や海底ステージは、元々2Dスクロールであった過去作のものとほぼ同じようなもの。
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宇宙ステージも元々2Dだった『2』の発電所と『3』の近未来を足しただけな感じで、背景だけ変わったのと同然。
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そもそも元々3Dだったステージを2D化したのは下水道ステージくらいしかなく、下水道ステージも特に目新しい要素は無い。
 
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ボスのエヌ・ジン戦とタイニー戦は『3』とほとんど代わり映えしていない。
 
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BGM関連
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前述の通り『2』『3』のBGMを引用しているが、容量の問題かBGMが前半で終わってしまう。
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中にはベースだけキーが明らかにずれている曲も存在する。携帯機なので低音が目立たず分かり辛いのは幸いだが、よくよく聞くとなんとも居心地が悪い。
 
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初代や『4』同様、ダイヤコースでBGMが変わったりはしない。
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無敵時のBGMは主旋律が無いので終わるタイミングが分かりにくい。特に無敵中にさらにアクアクを取ったときはBGMがリセットされないのでなおさら。
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コルテックス戦以外のボス戦のBGMは、なぜかキャラとそのキャラの『2』『3』で使われたテーマ曲が合っていない。
 
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ボスがかなり弱い。
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ディンゴダイル戦、コルテックス戦には安全地帯が存在し、知っているとヌルゲーと化す。
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エヌ・ジン戦は『3』の2戦目とほぼ同じで、ノーダメクリアは困難にはなったものの『3』と比べて難易度はかなり軟化している。
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タイニー戦は『3』と比較してかなり簡単、それどころか最初のボスのディンゴダイルの方がまだ難しいレベルである。
 
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スーパーボディプレス
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過去作では見えたはずの波紋が消えたため、どの範囲まで潰せるか分かりにくい。
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アイテムの回収のしやすさ以外通常のボディプレスと大差ない『3』と違い、一定の距離を取ればニトロ箱も破壊できて、今作にはリンゴバズーカが存在しないので、次回作の『アドバンス2』と共に重宝するアクションにはなった。
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『4』のように習得が遅過ぎることもなく、『3』同様最初のパワーアップアクションになった。
 
 
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シューティングステージがだれやすい。
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プラチナタイムも3分と長く設定されている。
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何故か『3』や『4』とは違い、風船を割って箱を落としても壊したことにされない。
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強制スクロールであるため、箱を取り逃した場合はわざとミスをする必要があるが、パーセント性の体力であるためやり直すのに手間取ってしまう。
 
 
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やられポーズのバリエーションが極小
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基本的に昇天・焼死・感電死とバリエーションがかなり少ない。
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本作では落下死や爆死しても昇天する。
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他には潰されて頭だけになる、水中でミサイルや機雷に当たったりスペースバイクに乗っている時に障害物に当たって爆散、プクットに刺されてハリセンボンのように腫れてしまう、雪男に吹っ飛ばされる、毒ガエルに触れて全身が緑色になる、吹き矢研究員に射抜かれ破裂音と共に縮小してズボンと靴と手袋が残る、コルテックスのレーザーに撃たれて縮小があるが、過去作と比較しても少ないと言わざるを得ない。
 
 
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その他
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ゲーム開始時のオープニングがスタートボタンなどで飛ばせない。
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今作ではアクアクは守ってはくれるがヒントは一切言わない。
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セーブする際は左上のファイルにカーソルが合わされ、上書き時に確認画面が出ないので、ボタン連打すると違うファイルに上書きしてしまうということが起こりやすい。
 
総評
やはり携帯機ということもあってそれまでの据置きのシリーズと比べるとボリューム不足であり、また画面が小さいためややプレイしづらい。内容も斬新さを感じさせない。
ただし、携帯機という制約がありながらも過去のシリーズの基本はしっかり守られている。
余談
最終更新:2024年03月04日 22:52