注意:このページでは『Forza Motorsport 6』(良作)と、その体験版的な位置づけの『Forza Motorsport 6: Apex』(なし)を併せて紹介する。
Forza Motorsport 6
【ふぉるつぁ もーたーすぽーつ しっくす】
ジャンル
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レーシング
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対応機種
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XboxOne
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発売元
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Microsoft Studios
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開発元
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Turn 10 Studios
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発売日
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2015年9月17日
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定価
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通常版
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7,452円
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プレイ人数
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オフライン
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1-2人
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オンライン
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1-24人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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配信
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通常版
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6,912円
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特別版
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Deluxe Edition: 9,072円 Ultimate Edition: 11,210円
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備考
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2019年9月15日でDL版&DLCは販売終了
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ10周年記念タイトル
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Forza Motorsportシリーズ
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概要
初代『Forza Motorsport』の発売から10年。パッケージに登場している車種は「フォードGT(2代目)」である。
Oneでナンバリング2作目となる『Forza Motorsport 6』はきっちり2年分の進化を果たしてきた。
常時60fpsを保ちつつ最大24台まで走行可能、かつ、雨天や夜間を備えたレース環境は2015年時点におけるCS最高峰の完成度となっている。
本作発売当時は一般販売されておらず、かつ、そもそも年間生産数が限られた極めてレアなモデルである。
フォードとのパートナーシップを結んだことにより、本作がゲーム初収録となった。
上位エディションについて
通常版(スタンダード エディション)に加えて以下の要素が付属しており、上位エディションほどお買い得な設定となる。
また、『Forza Motorsport』の発売から10周年を記念して、スタンダード エディションを含む全エディションに10周年記念カーパック(ダウンロードコード)が付属している。
デラックス エディション(ダウンロード版)
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Fast & Furious カー パック
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VIP メンバーシップ(経験値&獲得資金2倍)
アルティメット エディション(ダウンロード版)
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デラックス エディションと同内容
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カー パス(上記以外のカーパック6個)
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アーリーアクセス権(発売日前に本作をプレイできる権利)
リミテッド エディション(本体同梱版)
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Xbox One本体(1TB)
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本体カラーに加え、本体電源ボタンを押下したときの起動音も変更されている
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ヘッドセット
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本作スタンダードエディション(ダウンロード版)
特徴
本作ではドライバーレベルが設定されており、オンオフ問わずレースを完走すると賞金(クレジット)、経験値、メーカー友好度が得られる。
経験値が一定値累積するとレベルアップし、レベルが1上がるごとにプライズスピン(後述)1回を利用することができる。
メーカー友好度はLv25が上限となっており、Lv25に達するとメーカー専用のMODが入手できる。MODについては後述。
オンライン時にレベルアップした際はメインメニューに戻った際に累積しているプライズスピンを利用可能。
オフライン要素
キャリア
モータースポーツ ストーリー
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大きく分けて全5シーズンからなり、各シーズンは3つのシリーズにて構成される。全18のシリーズを合計すると90のレースイベントが用意されている。
プレイヤーはそれぞれのシリーズごとに指定された6つのカテゴリから車両を選択し、いずれか1つのカテゴリでシーズンをクリアすればクリア扱いとなる。
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当然、すべてのカテゴリでレースをプレイしてもよい。
ショーケース
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タイムアタックや耐久レースなど全10カテゴリが用意され、定められたお題をクリアする。合計87のイベントが用意される。以下にレース、タイムアタック以外の要素を紹介する。
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オートクロス:コース上に設置されたゲートを走破するタイムアタック。ゲートはベストライン上に置かれているとは限らないため、通常のタイムアタックとは異なるライン取りが求められる。
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オーバーテイクチャレンジ:指定周回数の間に指定された台数の車両を抜き去るレースイベント。
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Top Gear ショーケース:Top Gearコースにて行われるクルマを使ったボーリング。一定以上のスコアを出すことでクリアとなる。
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Stig(デジタルいとこ)との対決:指定されたコース、車でStig(デジタルいとこ)に勝利すればクリアとなる。
Stig(デジタルいとこ)とは『Forza Motorsport 5』から登場している本シリーズオリジナルの存在。Top Gearの広報スタッフによればStig本人では強すぎてプレイヤーが楽しめないから、とのこと。
フリープレイ
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いわゆるアーケードモードであるが、ユーザーの望むレース設定を作りやすいのが秀逸な点。
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特にCPU車両の設定項目が素晴らしく、クラスのみならずカテゴリを指定できる点は特筆すべき事項である。
これにより、全車GT3相当によるレース、などを再現できる(レースカーと市販車とを混走不可にできる)。マルチクラスを指定すればル・マンのようなレースも再現できる。
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一般的に処理落ちしやすいとされる固定スタートもきちんと実装している。
オンライン要素
マルチプレイヤー
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最大24台のオンライン対戦が可能。デフォルトでカテゴリが指定されているものもあるが自分でレース部屋を作成して詳細な設定も可能。
オフラインの項目以上に詳細な設定が可能であり、車両のスペック、使用する視点、アシスト機能の使用可否までも設定可能。
ライバル
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『Forza Motorsport 4』で登場した一定の条件下で行われるオンラインでのタイムアタックイベント。
常設のもの、期間限定のものなど様々であるが、世界中のユーザーとタイムアタックを楽しむことができ、勝利すればゲーム内クレジットも得られる。
リーグ
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本作で初登場したオンライン要素。レベルの近いプレイヤー同士が定められた条件でオンラインバトルを楽しむことができる。
ただし、いつでも楽しめるわけではなく、レース開催日時が指定されているためレースに参加するには時間を合わせる必要がある。
アシスト機能
本作初登場の要素に限って紹介する。
MOD
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一般的にMODとはゲームを改変するプログラム、ファイルを指すが本作におけるMODとはキャリアモードにおいて利用できるプレイヤーに対して有利に働いたり不利に働く条件のカードをいう。
レベルアップ、メーカー有効度などに加えてゲーム内クレジットで購入することで入手でき、レースごとに3枚のMODを使用可能。
馬力やグリップなどが若干上昇する「クルー」と、各種制限が課される「デア」に加え、ボーナスクレジットや経験値などが得られる「ブースト」の3種類が用意され、プレイヤー自身が自由に選択してレースを行える。
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ただし、「クルー」「デア」はそれぞれ1種類しか使用できない代わりに何度でも使える。逆に「ブースト」は重複して利用できる代わりに一度使えばなくなる。
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敢えて自身に不利になるMODを導入し、アシスト機能を調整することで経験値やクレジットを通常より多く得ることも可能。
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使用例:デア(MT限定)を使用し、アシストも事前にMTに設定しておく。この場合、MODとアシストオフによるボーナスクレジットが重複して得られる。
プライズスピン
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いわゆるルーレットである。レベルアップするとプライズスピンを1回回すことができ、車両、ボーナスクレジット、レアなMODなど各種ボーナスが得られることも。
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あくまで主観だが100万クレジットや高額車が割と当たったりするので本作ではクルマを集めやすい。既に取得している車両が当たったはその場で売却もできる。Forza Rewardsに対応しているのも車を集めやすい理由の一つ。
その他
チューニング機能
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アップグレード、チューニングの内容をトータルパッケージ(他者には中身を覗けない)して他者と共有することができ、作成者はクレジットを獲得できる。チューニングの結果は共有できるがノウハウは保護される仕組みとなっている。
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チューニングが面倒なユーザー向けにはクイックアップグレード機能も実装されている。
ペイント機能
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コミュニティで要望があったバイナルパターンの追加がなされた。また、『Forza Motorsport 5』や『Forza Horizon 2』で作成したバイナルやペイントをインポート可能。
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こちらも他者とデータを共有することができ、作成者はクレジットを獲得できる。
Drivatar
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Drivatarとは、Forza Motorsport 5から実装されたドライビングAIのこと。プレイヤーの癖を学習して「個性」を身につけるので、AIの動きが一定であることはない。
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簡単に言えばプレイヤーの分身ということになる。AIへのフィードバックは全てバックグラウンドで行われるためAIデータのアップロードやダウンロードなど特定のコマンドを要しない。
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なお、Drivatarを採用するタイトルいずれか1つでゲームをプレイしていればそれ以外のタイトルでもDrivatarが登場するが、様々なコースを経験しているDrivatarの方がより精密な動きをするのは当然のことである。
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それ故に、遠慮なくインに突っ込んできたり、派手にドリフトしながら走ったりと、実に人間くさい走りを見せてくれる。難易度を上げていくと後方からの揺さぶりなど高度な走りを見せるDrivatarが増えてくる。
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しかも、自分のDrivatarもどこかの誰かのレースに参加して、そこでクレジットを獲得してくる仕組みもある。自分がプレイしていない間にも、Drivatarはせっせとレースに参戦している為、より良い戦績を挙げさせるには、鮮やかなドラテクを自分自身が身に付ける必要がある。
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フレンドのものに加えて自身のドライビングスタイルに近似したDrivatarがゲーム中に登場しやすいこともあり、対CPU戦においても無茶な走りを抑制する効果もある。
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お行儀の悪い、ラフなドライビングをするDrivatarと出会いやすいという事は、それだけ自分もラフな走りをしているという事。逆もまた然りである。
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なお、ゲームオプションの中の「Drivatarの実力設定を制限」をOnにすると、Drivatarの個性による乱暴さが多少抑制される。
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今作における設定項目は全体的に右側に切り替えるにつれ高難易度になるが、この項目に限っては右側の「On」のほうが優しくなる。
リアル トリガー
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前作『Forza Motorsport 5』に引き続き今作でもOneコントローラーの「リアル トリガー」(海外名「インパルストリガー」で、アナログトリガーの振動機能のこと)が活用されている。
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アクセル(RT)によるタイヤの擦れはRTに、ブレーキ(LT)によるタイヤの擦れはLTに振動として伝わるため、自分のアクセル/ブレーキの扱い方によって起こってしまうスリップが直感的にわかりやすくなっている。
リアリティと快適性の両立を目指したサウンド
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昨今の実車系レースゲームでは本物さながらのサウンドを再現することも重要視されており、本作でもそれは同様である。
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しかしながらレーシングカーの音というのは本来かなりの轟音であり、本作では各車種のエンジン音量を同レベルに揃える、ゲーム全体の音量設計を「カーレースシーンがある映画の、その中でも静かめの作品」を基準にする、など音量・音質の快適さにも注力されている。
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それゆえ他の作品に比べ迫力が物足りないという声もみられるが、ヘッドホンを使わないプレイヤーでも周囲に迷惑をかけずに楽しめる音量調整がしやすい作品である、ということでもある。
評価点
マシンの造り込み
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シリーズ恒例の60fpsを保持しつつこれだけの内容を実装している点が最大の評価点。
雨が降ろうが、夜間で発光するオブジェクトが増えようが、同時に24台で走行しようが、これらの要素が重複しようが、fpsの低下がほぼ認められない。
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本作でもForza Vistaが実装されている。大抵の車種でボンネットやトランクまで開けることができ、その場で見た目にかかるパーツ(エアロやホイールなど)を即購入・交換することができる。
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解説音声も収録されているが、こちらのバリエーションはそんなに多くない。
レースを楽しむことに特化したシステム
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フリープレイでも述べたが詳細なレース設定を自由に作成できるのは大きな利点。最大24台でのレースはCSとしては優秀な部類。
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NASCAR拡張パックが実装された際に行われたアップデートではアザーカーが接近すると左右のコーションマークが表示されるようになり、シングルモニタでも周囲の状況を把握しやすくなった。対人戦となるオンラインでも有効な機能である。
ボリュームの増加
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前作より大幅にボリュームが増しておりナンバリングタイトルにふさわしいものとなっている。Forza Horizonシリーズとの相乗効果で収録車種が増えたのは大きい。
収録車種
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国内外の約80メーカーから460車種以上を収録。DLCやユニコーンカー全てを入手すると600車種を超える。市販車、レースカー、クラシックカーなどそのジャンルは極めて多彩である。本作ではフォーミュラEやオーストラリア等で開催されるレースカテゴリ「V8スーパーカー(現:ヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップ)」の増加がトピック。
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『Forza Motorsport 5』ではOneのローンチに間に合わせるため収録車種が相当削られたが本作では『Forza Motorsport 4』並のボリュームを取り戻した。
DLCについて
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ソフト同梱/無料も含めて合計12のカーパックが配信。中にはリムジンやホットロッド、レーシングトレーラーヘッドといった遊び心あふれる車種も。また、本作でもDLC購入時の最初の1台はゲーム内での購入が無料。DLCを買って即レースに投入できる。
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中でも驚きだったのはeBay MotorsカーパックでマクラーレンMP4/4が配信されたことである。しかもデフォルトカラーが(セナ用の)12号車である。
既に他ゲームでセナ財団とパートナーシップが結ばれていたので、本作でセナが駆ったMP4/4の収録は驚かれた。
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DLC詳細
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拡張パックについて
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ポルシェ拡張パックとNASCAR拡張パックがリリースされた。それぞれ、クルマ、コース、キャリアイベント、ショーケース、実績が追加されている。
当然、拡張パック所持ユーザー専用のオンラインイベントも追加された。
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本作では収録メーカーからRUFが削除されていたのでDLCでポルシェ、を予想したユーザーはそこそこいた模様。
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収録コース
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上記のDLCで追加される2コースを含む28コースを収録。オリジナルコースは4コースにとどまる。
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本作ではニュルブルクリンク24Hコースがシリーズ初収録されているのはトピックである。
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バージニア・インターナショナル・レースウェイはポルシェ拡張パックに付属。
ホームステッド・マイアミ・スピードウェイはNASCAR拡張パックに付属。
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雨天、夜間はコースごとに可否が設定されており、雨天と夜間の両立は敢えて実装されていない。時間変化及び天候変化も非対応である。
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ただし、これらはあくまでfpsの低下を懸念してであるとの事。他作品でも同様の手法が取られる事は多い。
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雨天、夜間の設定にも意味があり、ナイトレースが開催されるサーキットには夜間が用意される。逆に雨がほとんど降らないコースには雨天が実装されない。
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なお、夜間コースは初代『Forza Motorsport』以来とのことである。
容易な金策
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MODやプライズスピンなどクレジットを獲得できる機会に恵まれていることと、DLCカーは最初の1台が無料のため金策をせずに即使用できる点もポイントである。レースの作業感を軽減するうえでもメリットは大きい。
賛否両論点
一長一短な挙動シミュレーション
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『Forza Motorsport』シリーズの心臓ともいえる「ForzaTechエンジン」は代を追う毎に進化を遂げており、
新作毎に精度を増した挙動シミュレーションにより、よりリアルなレースを楽しめるようになる。
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夜間はグラフィックのみならずタイヤが冷えてグリップがなかなか上がらない状態も再現される上、雨天時はハイドロプレーニング現象も再現している。
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一方、ハンドルコントローラーを使用している際の、プレイヤーに対するインフォメーションのフィードバックや、作品の基本的なマシンの挙動については、競合作品に対して劣る部分が目立つ。
特徴として挙がってはいるが、ハイドロプレーニング自体も、導入時点で既に先進的という程ではない。
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総じて、色々取り入れてはいるが、整備されているとは言い難い、粗削りな状態になっている。
ゲーム性を重視した作風
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画質、処理能力の向上にあたり、レースゲームがどんどんリアルさを求める作風へと変わっていく中、本作は「ゲーム性」を重視する事で差別化を図っている。
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レースをする上で、重要な戦略となるピット作業や、グリッド位置を決めるための予選タイムアタックは完全にカット。挙動も、上記の通り高い完成度を誇るエンジンを使用している割には良くも悪くも甘さが残っている。
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リアルさを求めるとするのであれば、これら要素は決して切ってはならない部分であり、ここを捨てている以上、現状で本シリーズは限界までのリアルさを追求する気は無いとみていいだろう。
一方、それなりの挙動のシミュレーションも行っている為、手放しに「評価点」といえる要素ではないが、気軽にプレイする訳にはいかない作品が増える中、
間口が広いのも事実でありこれも一長一短と言える。
問題点
完全な無法地帯と化したオンライン
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本作では、近年のレースゲームには必須ともなっている「ペナルティ」の概念がなく、ブロック有り、プッシング有り、ショートカット有りの「文字通りの無法地帯」と化している。
その様子は、さながら映画に出てくるような、命懸けの非合法レースか、下手すりゃそれ以上ともいわれる程。
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とにかく「速くゴールを通過した者が正義」である為、真っ当に走ろうとする者が馬鹿を見るといっても過言ではない。
本作でクリーンなレースをしたければ、身内やSNSでメンバーを集め、紳士協定の下で、自分達で運営するしかない。
局所的な造り込みの甘さ
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豊富な収録台数と、それに見合わないマシンのクオリティが本作の大きな評価点だが、逆に、これだけの収録台数がある為か、一部車両では手抜きともとれる部分も存在する。
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コースについても同様で、近い時期の別シリーズや、実際のコース映像と見比べても、実際のレイアウトと異なる部分がある。有名どころでも割とこうしたポイントは存在しており、ライトユーザーはともかくも、気になる人は気になる点である。
「モータースポーツ ストーリー」について
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基本的に同じコースを6カー ディビジョン分走るので、マンネリ化しやすい。
また、「どのコースを走るか」「何戦まであるか」はメニュー画面からは確認できない。
タイヤバリア
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従来までのトリモチに代わって実装されたのがタイヤバリアであった。クラッシュ時に積まれたタイヤが飛び散る演出が楽しめるが、肝心のショートカット対策としてはあまり機能していない。
むしろショートカット演出を派手にしているだけなのではとも…
ガレージ
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収録車種はDLC等で増加したがガレージが最大600台のまま拡張されなかったため、全車をガレージに収めることができない。
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NASCARやインディカーはカラーリング違いの車種が多く含まれているので、いずれか1台のみとすれば辛うじて収納できる状態ではある。
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また、ガレージ内の車は「カー ディビジョン」別にソートできない。
『Forza Horizon 2』ではカーディビジョンが表示され、ソートもできたのだが・・・
ユニコーンカーの存在
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本作でも通常のゲーム進行やDLC導入では手に入らないユニコーンカーが存在する。オンラインイベントで配布されたのみで現在では入手不可能といってよい。
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この点の最大の問題は、いわゆるカラーやデザインのバリエーション車両ではなく、完全に一個体として独立した車両を期間限定にしてしまっている事である。
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過去作にも何度か実装されているが、入手時期を逃すと諦めるほかないため、特に新規ユーザーからの評判は良くない。
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なお、データ上には存在するので、単に見るだけならフリープレイが早道。
1977 Aston Martin V8 Vantage
1971 Ferrari #2 Ferrari Automobili 312 P
1973 Ford Escort RS1600
1971 Ford Falcon XY GTHO Phase III
2015 Lamborghini #63 Squadra Corse Huracan LP620-2 Super Trofeo
1984 Opel Manta 400
収録コース
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『Forza Motorsport 5』に引き続き日本のコースは収録されなかった。
特に鈴鹿、富士などのリアルサーキットやオリジナルサーキットとなる富士見街道の再録が待たれる。
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次回作のForza7にて、ようやく鈴鹿サーキットが収録されるに至ったが、あくまでもその1コースのみである。
マルチモニタ非対応
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『Forza Motorsport 4』以来マルチモニタは実装されない状態が続いている。
海外ゲームショーで3画面マルチモニタ仕様の本作が出展されたが、One本体のファームを特別に調整したものであるとのことで、当該ファームは一般には公開されていない。
Lamborghini Hurac n
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DLCが増える度にアップデートが配信される本作であるが、「Lamborghini Huracan」が『
Lamborghini Hurac n
』と表記される不具合が一向に修正されない。ウラカンをベースとしたレースカーも同様。
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車両の使用そのものに不具合はない模様。
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イタリア語では母音に「アクセント符号」を付す決まりがあり、日本語フォントで表示できないことが原因と思われる。
総評
前作からきっちり2年で着実な進化を遂げたこと、1080p/60fps保持にこだわりつつも各種の要素を充実させた点が最大の評価点である。
本シリーズでは「2年で出来ることを確実に実装する」「実現不可能なことは早々に割り切る」「中途半端な実装はしない」を守り続けており、本作も例外ではない。
派手さはないが収録車種やコースの量、精密な挙動シミュレーションなどゲームとしての基本的な部分をこつこつ磨き上げた結果が本作に結実している。
余談
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2016年5月、本作若しくはOne版『Fallout 4』を購入したユーザー向けに「2069 Chryslus Rocket 69」がダウンロードコード形式で配信された。本車は『Fallout 4』に登場する架空の車両である。
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後に「Forza Motorsport 6 コンプリート追加コンテンツコレクション」というDLCでも追加することが可能であったが、残念ながらDLC自体が2019年9月15日に販売を終了してしまったため、現在は入手不可能となっている。
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「実在しない架空の車が登場する」というのは『Forza Motorsport 4』でもあったが、プレイアブルとしてでの登場は本作が初。これ以降もこういった「架空の車」がシリーズに登場することとなった。
Forza Motorsport 6: Apex
【ふぉるつぁ もーたーすぽーつ しっくす あぺっくす】
ジャンル
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レーシング(RCG)
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対応機種
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Windows 10
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発売元
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Microsoft Studios
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開発元
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Turn 10 Studios
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発売日
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2016年9月7日 (β版2016年5月5日より)
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定価
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基本無料
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プレイ人数
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1人
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備考
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Microsoftストア専売 必要容量:約19GB 2019年9月15日に配信終了
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判定
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なし
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ポイント
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シリーズ初のPC版
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Forza Motorsportシリーズ
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概要(Apex)
Forza シリーズの「Forza Motorsport 6: Apex」が Windows 10 に登場。
DirectX 12 搭載の Windows 10 PC 用に作られ、 ForzaTech グラフィックと物理エンジンにより再現された Forza 体験では『Forza Motorsport 6』の 4K まで対応した息を飲むようなグラフィックですべてのスリリングな新しいレース モードが体験できます。
(ストアより)
シリーズ初のPC向けタイトルで基本無料が最大の特徴。
『Forza Motorsport 6』をベースに収録車種及びコースを絞り込んだ体験版的な位置づけだがDirectX12のデモ的な位置づけもあるとされる。
PCの利点を生かして、環境さえ許せばOne版を超える解像度ネイティブ4Kまで対応するほか60fpsを超える高精細なfpsで動作させることも可能。
特徴(Apex)
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ツアー
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合計12ステージが用意され、それぞれにTopGear出演者のナレーションによるイントロムービーが用意されている。
イベントごとに定められた条件を満たすことで合計36個のメダルが取得可能。
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スポットライト
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期間限定で開催されるオンラインイベント。時期にもよるがだいたい3つくらいのイベントがプレイでき、イベントごとに3個のメダルを獲得できる。2017年2月現在、最大で54個のメダルが取得可能。
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Forza Vista
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従来シリーズと同様にクルマの各部を自由に見ることができるが、PCの環境さえ許せばCS版より美麗なグラフィックでクルマを堪能できる。
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課金要素について
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2017年2月現在、初期収録車両の早期アンロック(1台100円)、2つのカーパックと1つのサーキットパックが各700円で配信されている。それ以外に課金要素は存在しない。詳しくはコチラ。
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初期収録車両に関してはレースイベントをクリアするごとに得られる「メダル」により自力でのアンロックが可能。
評価点(Apex)
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『Forza Motorsport 6』としての根幹は保持されている
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『Forza Motorsport 6』で初登場した夜間、雨天のシチュエーションも収録されているほかDrivatarにも対応し、最大24台でのレースが可能。『Forza Motorsport 6』のエッセンスは充分に味わえる。
オンライン対戦はないがライバル機能を用いたタイムアタック要素は実装されている。
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環境設定の容易さ
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本作の隠れた利点は環境設定が極めて容易なことである。
この手の作品ではPCの動作限界を探りつつグラフィック設定を煮詰める手間が求められるが、ターゲットとする要素(例えばfps)のみを固定して残りは自動設定(ダイナミックオプティマイゼーション機能)とすることで現実的なグラフィック設定を容易に実現可能である。
もちろん全項目を手動で設定することもでき、こだわり派も安心。
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Forza Rewards対応
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基本無料でありながら階級稼ぎ(1000pts)にもなる。歴代シリーズのファンにはうれしい要素。
問題点(Apex)
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PC用ではあるが、あくまで「Windows 10専用(Ver1511以降)・Microsoftストア専売」である。OS環境がかなり限定されるのが残念。
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一般的なPC向けの同種タイトルに比べて各種デバイスの対応がかなり限定される。本作が厳密にはWin10アプリであることが理由とされる。
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ベータ版として登場した時にはXinput系のコントローラーに限られていた。後に一般的なステアリングホイールには対応した。
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だが、シフトユニット、メーター等のHUD、果ては振動コックピットなど予算さえあればPCでは多彩なデバイスを使用できるが、本作では一般的なCS機程度の対応に留まっている。
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4Kには対応しているがマルチモニタには非対応。レースシム系ユーザーが落胆する結果となった。
総評(Apex)
基本無料ソフトとしては必要十分な出来。
CS機の枠を飛び越えた『Forza Motorsport』シリーズの新たな可能性を広げる一作となった。
また、本作でのノウハウが翌年リリースされた『Forza Horizon 3』へと繋がっていく。
最終更新:2022年01月07日 22:00