SOUND VOLTEX VIVID WAVE
【さうんどぼるてっくす びびっど うぇーぶ】
ジャンル
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音楽シミュレーションゲーム
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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コナミアミューズメント
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稼働開始日
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2019年2月28日
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判定
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なし
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ポイント
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ハードウェアの刷新による性能の向上(と判定問題) 楽曲をミックスさせてプレーするAUTOMATION PARADISEの追加 アニソン・J-POPの収録 過去イベント関連の救済フットワークの悪さが目立つ
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SOUND VOLTEXシリーズリンク
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概要
SOUND VOLTEXシリーズ第5弾。
過去作と違いナンバリングが外れているが、タイトルロゴでは「VOLTEX」と「VIVID」の頭文字の「V」が重ねられており、ローマ数字のV、つまり5作目という意味合いも持っている。
特徴
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AUTOMATION PARADISE
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楽曲がランダムで選出され、それをランダムにつなぎ合わせた譜面をプレーする。
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通常プレーにおいては対象の中からランダムだが、PARADISE STARTでは対象の中から3~4曲を指定することが可能。曲数はオプションで指定し、対応楽曲をまとめた専用のフォルダからミックスしたい曲を選択する。
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2019年のエイプリルフールイベントでは対象曲すべてをごちゃ混ぜにする「おーとめーしょんぱらだいす」も登場した。
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エントリーフローの大幅変化
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本作ではスタート方式→支払い手段を選択後、アピールカードやクルーの設定とGENERATORをひとまとめにしたマイルームを経由してからプレーを開始するようになった。
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PASELI使用かつジェネレーターを利用する際、STANDARD STARTだとカード1枚込みで260円と微妙に値上がりする現象が確認されている。
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また、SKILL ANALYZERではLIGHTしか選択できなくなったため、TRACK CRASHすると終了、またクリアしてもBLASTER ENERGYは一切獲得できない。
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なお、BLASTER STARTを選択した場合にBLASTER GATE以外での通常のプレーと合わせて2曲という点は変わらず、同様のことがPARADISE STARTでも発生する。
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これらのスタート方式では通常の楽曲プレーは損となるので注意。
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POLICY BREAK開催時には当該項目もマイルームに出現する。このため、移植元機種を必要回数プレーした直後の本機種プレー時から対象曲をプレー可能。
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2020年1月中旬のアップデートで10分間自由にプレーできるPREMIUM TIMEモードも追加された。
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任意のタイミングやランク目標(AAA以上もしくはUC/PUCから任意で選択し、それの失敗が確定した際)で強制的にTRACK CRASHさせたり、TRACK CRASH時の即リトライが可能。
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BLASTER ENERGYの獲得は可能だがEXTRACKは発生しない。
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ボルフェス ハワティメットライブ!!
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時々開催されるイベント。楽曲プレーや日替わりのミッションでLE(Live Energyの略)を獲得し、各種アイテムと交換する。
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交換はプレー開始時のマイルームで行う。
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交換できるものはネメシスクルーやMIX DISK(AUTOMATION PARADISEのMIX対象曲追加)など。
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HEXA DIVER
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BLASTER GATEとΩ Dimensionを組み合わせたようなルールで行われる新たなEXTRACKイベント。
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ERROR時のゲージ減少率などに絡むHEXA RANKも指定し、プレーした長さの割合に応じてHP(HEXA POINT)を削っていくことを繰り返す。
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進行はプレーした譜面を解禁するところで止まる。
評価点
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収録曲ジャンル拡大
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版権曲のジャンルが増え、アニメ主題歌やJ-POPも登場することになり間口が広がっているという評価がある。
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他機種で定番の「only my railgun」「シュガーソングとビターステップ」「ようこそじゃパリパークへ」など。
また、稼働当初のラインナップには3日前にjubeatで削除されたばかりである「もってけ!セーラーふく」や、かつて『REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』に収録されていたが既に削除されている「Paradisus-Paradoxum」も。これらは結果的にBEMANIシリーズ全体を通しての復活曲となっている。
4月にはアーケード版BEMANIシリーズでは史上初となる「君の知らない物語」の原曲収録も。
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ただ、原曲での収録は2019年4月の「君の知らない物語」「ヒトリゴト」以降途絶えており、以後はリミックス曲が追加されている。
その中では「Daydream café」が収録時期(2020年6月末にjubeatから削除→その2日後に本機種でリミックス収録)的にインパクト大。
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難易度改定
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今作では前作とは異なりNOV・ADVを含む全Lvで難易度改定が行われ、初心者が地雷を引く可能性が低くなった。
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とは言っても「超☆超☆光☆速☆出☆前☆最☆速!!! スピード★スター★かなで(NOVICE:7→8)」のように上げ幅が足りないと指摘されている譜面もあるので注意。
賛否両論点
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SKILL ANALYZER
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今作では稼働当初からスキルアナライザーが実装されたため、前作で問題となったLIGHT START時の選曲Lv制限の問題はないといえる。
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一方で上位Lvのコースで難易度のインフレが起きており、取得へのハードルが上がっている。
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統合ゲーム内通貨「PCB」
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本作ではゲーム内通貨がPCBに一本化されているが、その実態は今までのBlc(楽曲解禁に使われる方)であり、今まで存在していたアピールカードジェネレーターはなくそちら用のPcに相当する用途も存在していなかった。
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2020年3月末にスペシャル以外の過去のアピールカードが全開放されるという予想の斜め上の展開になったため、今後も今までのPcに相当する用途は登場しないと思われる。
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VOLFORCE
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前作での極端な高難易度楽曲の優遇が改善、対象楽曲も20譜面から50譜面に拡大されたことでプレーヤーごとの楽曲選択の幅が広がり、この点はシステムとして成熟した。
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ただ、新たな問題点も見られる。楽曲ごとの最大スキル値が前作の525点(1点刻み)から0.46点(0.01点刻み)に大幅に減少したことで、単曲のスキル値が0.00~0.46の僅か47通りのパターンと前作の1/10以下に大別化された。
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これによりスキル値を最小単位の0.01上げるにも前作よりも大幅なスコアの更新が求められるようになり、短期目標として機能しづらくなってしまった。
問題点
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判定がやや早めに
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beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS同様、ハードウェア更新の影響で判定がやや早めになっている。
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良く言えばラグが減っているのだが、IVまでの感覚でプレーしているとNEARやERRORを量産しやすい。
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判定の位置をずらす設定が±8段階まで可能だったのだが、+8にしても早いという意見が多かったのかアップデートで16段階まで拡大された。
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タイトルパネルの照明
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本作から画面上部のタイトルパネルにLED照明が埋め込まれ点灯しているのだが、これのせいで店内が暗い店舗では逆に画面が眩しく見づらいと評判が悪い。店舗側の設定で消灯されている場合がある。
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前作で特に不満の声が大きかった「POLICY BREAK」と「BLASTER GATE」に関しての変更点は無し。
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前者は過去に『pop'n music』と『REFLEC BEAT』から移植された楽曲が未だに解禁されていなかった。
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後者はなんと譜面の無条件緩和はおろか、
ゲージ量の緩和すら行われていない
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本作の稼動時点で3作前かつ5年以上も前の作品である II で追加された譜面ですら、何一つ緩和されないのはさすがに異常としか言いようが無い。他の機種なら大体2作ほどで無条件解禁されるというのに…。
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幸い前作ほどのハイペースで追加こそされていないが、やはり解禁するために多くの金額と時間が必要だというのは否めない。前述したように過去作で追加された譜面は一切緩和されていないため、シリーズから離れている人ほど割を食う形となってしまっている。
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過去バージョンのイベント解禁曲に対する救済の遅さ
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SDVX IVで開催されたイベントでの解禁曲の救済措置があったのは、稼働開始から4か月もたってからのこと。
それまでは何の告知もなく、救済措置がないのではないかと思われていたほど。
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「スミスのきまぐれジェントル」の「Chloé」は稼働開始時からインプット可能になっていたという噂があるが、これも告知されていなかったためいつインプット可能になったのかは不明。
また、SDVX IVで開催されていたIIDXおよびQMAシリーズとの共闘イベントの曲も稼働開始時からインプット可能になっていたという報告があるものの、こちらも公式には告知されていないためいつから可能だったかは不明。
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余談だが、過去イベント楽曲の救済措置が登場した際にThe 8th KACの予選課題曲だった『Catch Our Fire!』が密かに無条件解禁されていたという報告もある。
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上述したように、「POLICY BREAK」解禁曲の大半も2019/9/12よりようやくインプット可能に。こちらはきちんと告知されたが、元々3作にわたって開催され続けるうちに問題点が山積みになってきたイベントであるため、本作稼働開始時点でスパッと切り替えることもできたのではないだろうか。
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コナステ版SDVX IIIとの連動の一時断絶
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稼働当初、コナステ版SDVX IIIで解禁していた一部要素が未解禁に戻っていた。
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2019年8月より再開しており、現在はプレー可能な状態に戻っている。
総評
ハードウェア刷新による性能向上は、AUTOMATION PARADISEという新たな楽しみと、IIDXと同様の判定問題をもたらす賛否両論な結果となった。
判定に関しては丸1作放置されたIIDXの二の轍を踏むことなく早急に改善されることが望まれる。
マンネリの続いていた本機種中心の連動イベント「FLOOR INFECTION」「POLICY BREAK」の過去弾が個別解禁に移行されることで、評価面でもいい方向への転換が見込まれる。
余談
ハードウェアレベルの更新
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今作の稼働にはハードウェアの刷新が必須であり、導入する際には多額の費用を要するため、一部の店舗では新作への移行を諦めてbeatmania IIDX 25 CANNON BALLERS同様アップグレードせずに筐体を撤去するケースも見られた。
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導入に手間と費用こそ掛かるものの、IIDXと同様に内部ソフトウェアが「Windows Embedded Standard 7」になったことで、前作の問題点だった長いロード時間が改善されている。
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さらに、IIDXと違い本作では解像度が720pから1080pに上がっており、画質も大きく向上している。
その他
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タイトル画面のバージョン番号において、筐体の新旧を問わず下2桁が統一された。
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今作からチュートリアルでレイシスの案内に音声が付くようになった。
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シリーズ初期から看板娘を務めるレイシスだが、彼女の台詞に音声が付くのは何気にこれが初めてだったりする。
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ちなみに音声そのものは、合成音声と思われるような若干ぎこちないものとなっている。
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コナミ50周年記念楽曲は第4譜面がMXMではなくVVD表記、しかもVVDまで無条件解禁。
最新バージョンでの新曲に最新のBLASTER GATE枠表記の譜面がつくのも、当該難度が無条件解禁であるのも、どちらもシリーズ史上初。
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Valkyrie model導入店舗向けに、2021年3月より旧筐体をオフライン稼働できるキットが販売開始された。
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適用すると完全にオフラインとなり、e-amusement pass及びPASELIの使用やオンラインマッチングが不可能となる。
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オフライン版のプレー可能曲数は815曲。オンライン版の最終バージョンは1563曲のため、約半数が収録されていない。
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国内の旧筐体については次作『SOUND VOLTEX EXCEED GEAR』にて2024年5月1日にオンラインサービス終了となったため、現存する旧筐体はこちらのオフライン版専用となっている。
最終更新:2024年06月12日 08:49