ハームフルパーク

【はーむふるぱーく】

ジャンル シューティング
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 スカイ・シンク・システム
発売日 1997年2月14日
定価 6,380円
プレイ人数 1~2人
(ミニゲームは1~4人)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 ゲームアーカイブス:
【PS3/PSP】2012年2月22日/600円
【PSV】2012年9月4日/600円
判定 良作
ポイント LSD』と双璧をなすPS1最高額プレミアソフト
コミカルだけど本格的なシューティング
STGに不慣れな人でもあの手この手で攻めていける
ゲーム進行はゆったりめ
真の魅力は難易度が跳ね上がるHARDから
技巧的な"稼ぎ"を駆使して難所をゴリ押せ



お菓子と、恋と、遊園地。



概要

知る人ぞ知る、PSの隠れた傑作シューティングゲーム(横スクロール)。副題は"HIGH-BROW GAG & PURE SHOOTING"

開発したのは多角的ソフトウェア企業、スカイ・シンク・システム(現:Sky株式会社)。*1
この会社はPSに本作を含め3本(SSは2本)のゲームを出したっきり、以後はゲーム開発に関わっていない*2。にもかかわらず本作はアーケードゲームとして出しても謙遜の無い完成度を誇っており、その企画力は謎に包まれている。


あらすじ

西暦2017年、科学者のDr.テキーラは南海の孤島に超巨大遊園地「ハートフル・パーク」を建造した。
来場者はオープン2日で50万人を超え、場内の活気はピークに達していたという。

9月15日の昼下がりの午後、島は突然にして恐怖のるつぼと化した。
テキーラは来場者を人質に取り、独立帝国「ハートフル・パーク」として本土に宣戦布告するというのである。

「ウイロイド合金」でできたパークの兵器は核ミサイルでもビクともせず、アーミーまでも動きが取れない。
そんな中、ウイロイド合金の分解方法を知る科学者が一人いた。かつてテキーラの助手として働いていた研究者・カシスは、パークの兵器を破壊できるマシン・ロボバイクの開発に成功する。

極めて個人的な都合により、カシスはパークの殲滅を娘のレスカレモネに押し付けた。
かくして勝気なレスカと天然なレモネは、"HEARTFUL"から"HARMFUL"へと様相を変えた悪の遊園地に殴り込みをかけるのであった。


特徴

  • 構成
    • 全6面のステージを攻略し、ラスボスのDr.テキーラを倒せばゲームクリアとなる。
      • 周回プレイは存在しない。
    • 難易度はEASY・NORMAL・HARD・VERY HARDの4段階。オプションで変更可。
      • 起動時のデフォルト難易度はEASY。このモードのみ、残り人数5機でスタートできる(他は2機)。
    • 4段階のうちNORMALとHARDの間のみ難易度の隔たりが大きく、ここを境に全く別のゲームと化す。
      • ネット上にはNORMALクリアまでを前提としたレビューも多いため、調べる際は注意が必要である。
  • 作風
    • 世界観は『パロディウスシリーズ』を彷彿とさせるコメディタッチで、シュールなギャグ要素がそこかしこに隠されている。
    • 人間キャラのデザインはアメコミ風である。
  • 基本的なシステム
    • 2人プレイ対応。1Pはレスカ、2Pはレモネを操作できる。
      • 2人プレイ時は敵の数や体力が増加する。コンティニューは無制限で、前に戻されることもほぼ無いため、攻略を気にせずパーティ感覚で楽しむのにも向いている。
    • 自機のロボバイクは、腕の生えた空飛ぶバイク。腕を動かして弾を投げたり、ピストル型に指を構えて連射攻撃を飛ばしたりする。
    • 武器は4種類を常備していて、いつでも切り替え可能。システムとしては『サンダーフォースシリーズ』に近い。
      • LRボタンを押す事で、各ボタンに対応した武器に切り替える事が出来る(キーコンフィグで変更可)。直感的に好きな武器を使えるため、アケコンよりもPSコントローラーを使う方が推奨される。
      • PSPで遊ぶ場合*3はL2/R2に相当する位置のボタンが無いため、キーコンフィグにひと工夫が必要となる。
    • それぞれの武器は、ステージ中に落ちているパワーアップチップを拾う事で4段階目までレベルアップする。
      • パワーアップの機会は1ステージにつき3~5回ほど。後述のコンボをうまく決めればさらに機会を増やす事が出来る。
      • ミスすると、武器のレベルが1に戻ってしまう(ロストはしない)。
    • 地形に接触してもミスにはならない。
      • ただしステージ5に出てくるパレード車両や、ステージ6に置いてある果物の箱など、トラップ扱いの地形もあるので注意。
    • ボムに相当する攻撃手段としてスペシャルアタックが存在する。△ボタン(デフォルト時)を押すことで弾数を消費し、各武器に応じてさまざまな効果を発揮する。
      • デフォルトの所持数は3つで、ミスするたびに補充される。本作ではミスしてもスコア関連のペナルティが無いため、わざとミスして補充するのも戦略の一つである。
    • ボス戦には制限時間があり、一定時間経つとボスが自爆する。もちろん得点は入らない。
    • 残り人数は7機でカンストする。
  • ジュエル
    • 敵を倒すと出現するアイテム。20個集めるごとにパワーアップチップが出現する。
      • スペシャルアタックの回数が残っていない場合、代わりにその回数を増やすスペシャルチップが出現する*4
    • ジュエルの詳しい出現条件は不明だが、コンボを決めるなどして高得点を稼ぐと出現する模様。
      • 難易度が低いほど出現しやすく、EASYでは大量のジュエルが手に入る。
    • 本作ではできるだけパワーアップの機会を増やした方が良いので、落ちていたら積極的に集めた方が良い。
  • コンティニュー
    • 回数は無制限で、得点が減るペナルティは無い。
      • ただし全ての武器レベルが1に戻ってしまい、ランキング登録時はコンティニュー回数も記録されてしまう*5
    • ステージ1~3はその場で再開できるが、ステージ4~6は最初からやり直しになる。
      • 武器もリセットされるため、4~6面でゲームオーバーになるとクリア困難に陥る事も。
      • 特に4面以降のコンティニュー後はセーブしない方が良い(後述)。
    • ノーコンティニューで全ステージをクリアすると、お祝いCGが表示される。
  • スコア関連
    • エクステンドは50万点。ゲームクリアまでに最低でも300万点近く入るので、わりと頻繁に残機が増える。
    • ステージクリア時は残りボム数などに応じてボーナスがもらえる。特に重要なのが敵撃破率で、これは基本的に撃破率×5万点として計算されるのだが、全て倒していれば20万点まで増加する。
      • 1UPにぐっと近づく事ができるが、達成するのは最低難易度のEASYでも難しい。
      • この時も、ステージに応じたご褒美CGが表示される。
    • 同じ弾で複数の敵を倒すと、2体目以降の得点が×2→×3……と増えていく(コンボ)。
      • 増加に応じて撃破SEが高くなるので、高得点が入ると直感的にわかりやすい。
      • 上手く倒せば最大×16まで爆発的に増えるため、これを意識するだけでスコアアタックの成果は大きく変わってくる。
    • 隠し要素として、一定ダメージを与えると実体化する雪だるま*6がステージの至る所に落ちている。これを取ると5万点も入るので、可能な限り集めていきたい。
      • 実体化前でも、ゼリーがホーミングして場所を知らせてくれる。
      • 必要なダメージは難易度が上がるほど増加する。
      • 実体化は敵の破壊と同じ扱いになっており、同時に敵を倒せばコンボになる。ただしパーフェクトの対象外なので無理に取る必要は無い。
+ 武器解説

それぞれの見出しは「初期設定時のボタン:武器名(画面上の表記)」とする。

  • R1:ポテト・バルカン(POTATE)
    • 自機の前方に、フライドポテトの形をした弾を高速連射する。STGのごく一般的な攻撃そのものである。
    • レベルアップに連れて攻撃範囲が幅広くなり、最大レベルでは斜めを含めた放射状に弾を撃てるようになる。
      • 前方を扇状に掃射できる武器は他に無く、敵の多い地帯を安全に切り抜ける事ができる。狙いを付けた敵以外にも攻撃できるのは強み。
    • 連射速度が全武器中トップクラスで、目の前の敵を瞬時に倒したい時に重宝する。ダメージ効率も後述のパイに次ぐ第2位で、ボス戦や硬い敵を相手にする際は重要な武器となる。
    • 発射量を調整できる小回りの良さが功を奏し、ボスの体力をギリギリまで減らす際にも重宝する。
    • しかし広範囲を薙ぎ払えるアイスに比べると使い勝手が悪い。連射武器なので一度に複数の敵を倒すことができず、コンボで大量得点を稼ぐのも不可能である。ある程度システムを理解すると、使い所の薄い残念装備に見えてしまいがち。
    • だが後述する通り、実はパイの相方として優秀な役目を与えることもできる。敵が硬くなるHARD以上では地味ながらパワーアップの意義が生まれ、気がつくと使い勝手の良い最終レベルにグレードアップしている事も。
      • 武器が無い序盤やミス後の立て直しには大変重宝し、特にスコアアタックモード序盤はポテトの存在が不可欠である。切り替え後の瞬発力の高さも高難易度では重要となり、用途は決して少なくない。
    • スペシャルアタックのスウィートポテト・ボムは全体攻撃。自機の位置に巨大なサツマイモを発生させた後、画面全体に攻撃判定を生成するシュールな技である。なおサツマイモにも攻撃判定があり、重なった敵には他より大きなダメージを与えられる。
      • 使用後の無敵時間は1秒程度なので、緊急回避に使うには心もとない。どうせ壊れても構わないからと、ポテトを付けながら危険地帯を進むのは悪手である(万全を期すなら、後述のゼリーを装備して進んだ方が有利)。
      • この技の強みは同時攻撃にある。一度にたくさんの敵を倒すと高得点になる仕様上、全体同時攻撃は大量得点のチャンスとなる。ただし貴重な緊急回避のチャンスを逃す羽目にもなるため、ご利用は計画的に。
  • R2:アイス・レーザー(ICE)
    • ソフトクリーム型の砲台から、長距離ビームを前に発射する。本作のメイン装備と言っても差し支えないオールラウンダーで、最優先のパワーアップ候補である。
    • 短所として連射速度が少し遅く、敵が多くなりすぎると除去が間に合わない事がある。
    • 発射しながら上下に移動する事で、広範囲をワイプ攻撃する事ができる。敵を画面内に集めてから一掃し、コンボを稼いでいくのが本作の基本である。
    • 壁は貫通しないがワインダーが可能。壁の上から壁の向こうにビームを撃ち、もう一度壁に向かってワイプすることで、壁の向こうに攻撃ができる。
      • ゲーム序盤は露骨に「ワインダーしてね」と言わんばかりに凸凹が多い。良い機会なので存分に練習しよう。
    • レベルアップすると弾数が増え、最大レベルでは中心のビームに強力な攻撃判定が発生する。
    • スペシャルアタックのデラックスパフェ・ブラスターは前方に巨大ビームを発射する。多くの中ボスはこれで体力の大半を削りきる事も可能で、ピンチの時はとりあえず使っておけば確実である。
  • L1:パイ・スプレッド(PIE)
    • ロボバイクが腕を大きく振って、放物線状にパイを投げて攻撃する。ヒットしたパイは持続的な爆風を撒き散らし、周囲の敵を巻き込む事が可能である。
      • 自機の背後から振りかぶるように投げるため、後述のゼリー以外で唯一後方攻撃ができる貴重な武器でもある。この事は説明書にも書いてあるが、見落とすと大損である。
    • 連射速度は非常に遅く、レベル1では画面内に1個しか弾を出せないなど、初見では使いづらさの方が目立つ。そのぶん威力は絶大で、ボス戦や中ボスではこれを使って素早く敵を始末するのが基本となる。
    • 連射速度の遅さを補うテクニックとして、"L1R1連打"とも言うべき技がある。パイを投げた直後にポテトに切り替え、再びパイが装填できるタイミングで再度パイに切り替える事で、火力を大きく増強させる事が可能。
      • 一見すると裏技のようだが、スコアアタックモード序盤ではこれを使うかどうかで大きくテンポが変わる。HARD以上では大変重宝するので是非覚えておきたい。
      • L1とR1をリズミカルに連打するという、2DSTGらしからぬ操作感はちょっとテクニカルで楽しい。
    • この武器でコンボを決めると、得点が「×2→×4→×8→×16」と爆発的に増大する仕様がある。敵が一箇所に固まったら迷わずパイを投げ、大量得点を狙うべし。ボスへのとどめにもどうぞ。
    • スペシャルアタックのウエディングケーキ・ミサイルは8方向にケーキ型ミサイルを時計回りに発射する。全方位攻撃できる代わりアイスのスペシャルアタックと比べて前方への攻撃が弱いので、使い勝手は一長一短である。
      • その代わり、全弾当てた時の威力はアイスよりも強力。複数の敵を一掃するならアイス、ボス単体の撃破にはパイを使い分けるのが得策となる。
      • 技の発生中も通常弾を撃てるのは忘れがちなので注意。
  • L2:ゼリー・ブーメラン(JERRY)
    • 貫通性能付きのホーミング弾。敵を追いかけるジェリービーンズを発射する。そのぶん威力が低め。
    • 敵を追いかける都合、弾が画面内に長時間残りやすい。使用後に弾数制限の大きいパイやアイスに切り替えると、攻撃発生までラグが生じてしまう。
    • しかし上下や背後の敵を一掃できる唯一の武器なので、他の武器に無い小回りの良さが大きな強みとなる。
    • 縦や斜めに並んだ敵に対し、勝手にコンボを決めてくれるのも嬉しい。
    • NORMALまでは硬くて困る敵がほとんどいないため、文句無しの最強武器として活躍する。特にレベル4になると弾が大きくなって威力も高まるため、これを打ち続けていればあらゆる局面を突破できる。
    • 逆にHARD以上では雑魚敵が硬くなってロクに倒せず、最弱武器にまで転落してしまう。上記のラグも厄介で、下手に使うと窮地に陥ることも……。
      • ただし小回りの良さは健在で、必要とされる場面は高難易度にも多数ある。しかしこうした敵のほとんどは1発で倒せてしまい、積極的にレベルを上げる旨味はほとんど無い。
    • スペシャルアタックのゼリー・シールドは自機の周りをゼリーで包み込んでくれる。なんと15秒間無敵になり、自機にも攻撃判定が生まれるおまけ付き。
      • 効果が切れる3秒前にはゼリーが赤く変化する。
      • 防御性能と引き換えにデメリットも強く、効果が切れるまでは一切他の武器に切り替えられなくなる。スコア稼ぎやパワーアップの機会を逃すのは痛く、HARD以上では画面が敵で溢れかえる危険性も。
      • それでも長時間無敵の恩恵は強く、作中ではこれを使わないとキツイ局面がいくつか存在する。もし未使用で完全クリアできたなら、『ハームフルパーク』皆伝の証かも?
+ ステージ
  • ATTRACTION 1:OPEN FIELD
    • 遊園地のエントランス。オーソドックスなテーマパークがモチーフとなっていて、観覧車や絶叫マシンといったお馴染みの遊具がギミックとして襲いかかる。
    • 最初のステージだけあり、本作の戦い方を自然に身につけることができる。硬い敵をパイで倒す、横に並んだ敵をアイスで一掃する、アイスを壁貫通させるなどといった基本はもちろん、ポテトのスペシャルアタックが光る大量湧きポイントなど、応用技にチャレンジできる場面も多い。
    • 高難易度になると、高成長好スコアを吟味したくてリセットを繰り返しがち。何度も遊ぶ事になるステージなので、無理せず気長に進もう。
    • VERY HARDはいきなり鬼門。大量の雑魚敵が殺意満々で高速弾を一斉発射してきて、HARD以前の攻略パターンが通用しなくなってしまう。しかしこの面さえ超えればHARDと同じ要領で攻略できるので、落ち着いてかわすべし。
    • ボスは巨大風船怪獣・エヘラ。体が大きくて弾を当てやすく、パターンを覚えてしまえば弾避けも苦労しない。途中でやってくる雑魚敵に攻撃を巻き込めるかどうかでスコアが大きく変わってくる。
  • ATTRACTION 2:HORROR HOUSE
    • お化け屋敷がモチーフのステージ。
    • HARD以降では2面にもかかわらず、やたら難易度が高い。カプコンリスペクト?
      • 屋敷に入るなり、やたら硬い敵がラッパから弾幕を大量に撒き散らすわ、狭い部屋で大量の人形が弾を狙ってくるわ、避けるだけで精一杯な落石塗れのステージで中ボスと戦わされるわと、ひたすら地獄。
      • 装備が整っていない序盤なので、どうしたら良いかわからずスペシャルアタックのゴリ押しに頼りがち。ラッパ弾幕も人形部屋も安全な対処法はあるが、理解するまではパニック必至である。
      • 逆に、この面を超えてしまえばクリアまでの道のりは大きく縮まる。最初の鬼門と割り切って、気長に挑むべし。
    • ボスの巨大ハロウィンはステージに花の種を蒔き、連携攻撃を仕掛けてくる。真正面から戦うと厳しいが、安置の存在に気づくと難易度が下がる。
  • ATTRACTION 3:ANIMAL ZONE
    • 動物ロボットたちの住むエリア。自然に溢れている。
    • 2面の厳しさと打って変わって、こちらは細心の注意を払って進めば初見でも問題無く乗り越えられる。
      • 弾幕を撒き散らすカラス、大量のカナヅチを撒いてくる猫など、注意すべきポイントもいくつかある。繰り返し挑んでステージの流れを覚えるのが攻略の近道である。厄介な敵には先手を打つのが基本。
      • 360度攻撃を行うヘリは、スペシャルアタックが無いと強敵と化す。このステージではスペシャルアタックを切らしがちなので、プレイヤーの駆け引きが試される。しかし、稼ぎの為には激しい弾幕を交わして敵弾を放出させないといけない。
      • もう一つの中ボス・弾を撒き散らす亀は激しそうに見えて画面左端が安置。これに気付くと見掛け倒しのボスとなる。
    • ノーミスならここで武器のパワーアップが最大に達する。攻略がしやすくなる分、大切な装備を弱体化させないよう注意である。
    • ボスのクジラは大して攻撃が激しくなく、わかりやすい安置まで存在する本作最弱ボスである。しかしボーナスを狙うのはコツがいるので慎重に。
  • ATTRACTION 4:COASTER WORLD
    • 夕暮れの中、機械の街をバックにジェットコースターを進む。ステージ終盤ではパーキングシアターが一望できる。BGMがオシャレでカッコいい。
    • ここからは、コンティニューするとステージの最初からやり直しになる。HARD以降は初期装備で突破するのが困難だが、良い練習にもなるので敢えて挑戦するのも手。敵避けのコツや育成パターンを掴んでしまおう。
    • 早く処理しないと弾を撒き散らす敵が多いため、スコアアタックは慎重に。
    • 体力の多い戦艦が複数出てくるので、急いで処理しないと中々厄介である。中ボスの顔型戦艦は、部位破壊できる事を知っておくとかなり楽になる。
    • 最後の鬼門であるミサイルの嵐を抜けた後は、ボスの「オイロケ ナナちゃん人形」が待ち受けている。やたら体力が硬く、雑魚敵と連携を仕掛けてくる。他のボス戦のようにパイに頼ると敵でいっぱいになってしまうため、アイスやポテトで雑魚敵ごと一掃する方が楽。
      • しかし最後のとどめはパイが有用。ザコ敵が一斉に押し寄せる都合、全てのボスで最も16倍ボーナスが狙いやすい。
      • 撃破シーンは必見。実はHARD以上だと内容がちょっと変わる。*7
  • ATTRACTION 5:RAY NIGHT PARADE
    • ディズニーランドを彷彿とさせるナイトパレードを抜けていく。
    • 狭い道を超えるシーンが多く、敵を避けられずに武器を溶かしてしまいがち。何度も練習して攻略パターンを覚える必要があり、終盤のステージに相応しい難易度を誇る。
    • 敵がそこそこ硬いので、アイスやパイが強化されていなければ悲惨の一言。逆に、武器を落とさない限りはパターンを覚えておくだけでかなり難易度が緩和される。とにかく慌てず落ち着いて進むこと。
    • 途中出てくる鯉のぼりは、実は中に入っても大丈夫。これを知らないと撃破困難な敵もいる。
    • ボスの王様ロボットは、従者との連携攻撃が恐ろしい。本体だけでなく周囲の処理も考える必要があり、とにかく悩まされる。射手達の弾幕攻撃は安置で避けられる見掛け倒しなので、焦りは禁物である。
  • ATTRACTION 6:CENTRAL CASTLE
    • Dr.テキーラの本拠地。中には敵の増産体制が整っており、テキーラは最深部の宴会場で待ち受けている。
    • 部屋が狭く、ケアレスミスが命取りになる。雑魚敵の攻撃はかなり強力だが、高レベル武器で先に倒せば問題無し。持っていない時は根性で乗り切るしかない。
    • 終盤は最高レベル武器でも処理しきれないような弾幕地帯を攻略させられる。よほどの腕前がなければ、大量のスペシャルアタックでゴリ押さないとかなりキツイ。ここまでにどれだけ残り人数を抑えているかが勝敗を分ける。
    • ラスボスは巨大ロボのガン・クレイジー。腹のマシンガン射出時にしかダメージを与えられないという、ラスボスらしい特殊な性能を持っている。
      • その代わり体力が少なく、パイのスペシャルアタック複数回で沈ませる事ができる。難易度が上がっても攻撃パターンがほとんど変わらないため、NORMALで勝てれば以降も余裕である。
      • ただし「撃破」してクリアしようとすると高難易度は鬼門。攻撃のチャンスが少なく、時間切れで勝ってしまう方が楽である。自力で引導を渡したい方は、スペシャルアタックの調達を怠らないように。
  • その他のモード
    • スコアアタック
      • 単発の高難易度ステージに挑み、スコアアタックを行うモード。難易度はHARD相当で固定されており、初期装備で後半ステージに匹敵する敵陣に乗り込むため、突破するのはかなり難しい。
    • ミニゲームも用意されている。
      • いわゆる『PONG』ライクゲームの「パンチボール」、横スクロールのレース対決ゲーム「スカイサーキット」、トップビューでのシューティング対決「タンクバトル」の3種類。

評価点

シューティングに不慣れな人でも、本作はNORMALのノーコンティニュークリアを目指すだけで一本のソフトとして十分なやりごたえとボリュームを味わえる。しかし真髄はHARD以降。クリアの為には本作のシステムを最大限活用する必要があり、その過程で更なる奥の深さを味わえる。

  • 本作を始めたプレイヤーがまず目にするのは、ドット絵のクオリティの高さである。
    • 背景は緻密に描かれており、敵スプライトも豊かに動く。明るくポップな世界観を誰でも味わえて、プレイヤーを魅了するには十分。ゲーム性自体の評価では無いものの、本作の魅力として真っ先に挙げられる事が多い。
    • 小ネタも豊富に盛り込まれており、スタッフの作り込みがうかがえる。
      • 放置すると銅像のマネをする敵や、時間内に倒せないとトンネルに頭をぶつけるゴリラなど、やりこまないと見落としがちなアニメーションも随所に隠されている。
  • 攻略自由度の高い武器システム
    • 4つの装備の育成順序によって、プレイの度に様々なゲーム性を味わえる。
      • リスクを抑えて均等に育てるか、危険を冒して特定の武器を集中してレベル上げするかはプレイヤー次第。自分で攻略パターンを見つけ出す楽しみが大きい。
    • ミスしても未使用の武器はリセットされないため、残された武器でどうリカバリーを測っていくか、一期一会のアドリブを楽しむのも本作の肝である。
      • うっかり関係ない武器をパワーアップさせてしまっても、どうその場をしのぐか考えるのもまた本作の魅力である。
    • 自由度のおかげで、どんな難関ステージにも試行錯誤の余地が残されている。何度も失敗を繰り返しながら、攻略に有利な突破口を見つけ出した時は達成感が大きい。
  • コンボを駆使した戦略性の高さ
    • NORMALまでは見えてこない、HARD以降の隠された魅力がまさにこれ。
    • HARDからは半数の雑魚敵が異様に硬くなり、そのうえ弾の数も速さも容赦無いため、NORMAL以前の戦法が一切通用しなくなる。難易度が一気に跳ね上がるため、NORMALをクリアしたばかりのプレイヤーにとっては到底太刀打ちできない難所に見えてしまう。
    • しかし特徴で述べたように、本作では得点を稼ぐほど武器強化用のジュエルが沢山手に入る。つまり今作では"稼ぎ"を駆使することで、攻略困難な難所さえも突破できるようになっているのである。
      • またエクステンド点数も低めに設定されているので、残り人数が得られるアドバンテージも大きい(しかもミスの度にスペシャルアタックが3回補充されるため、攻める機会を増やすこともできる)。
    • そこで得点を得る為に必要となるのが「コンボ」である。
      • たとえば、敵が直線状に並んでやってくる場合にはアイスをワイプして一掃し、団子状に固まってきた場合にはパイを投げ、無造作な配置の場合にはゼリーを飛ばすなど、上手く武器を使い分けることで得点を一気に増やすことができる。
      • 時には敵をまとめて倒せるよう誘導したりと、自機の位置調節にも工夫の余地がある。本気でクリアを目指すと、常に緊張感のある展開が繰り広げられる。
    • コンボの狙い方には様々な形が考えられ、プレイヤーの実力やプレイ状況を加味した各々の判断に委ねられる。模範解答はほとんど無く、自由度が高い。
    • スペシャルアタックの使い所もゲーム展開を大きく変える。防御が弱まるリスクと引き換えに、ここぞという時に発動すれば武器調達のジュエルを大量確保できて気持ちいい。
    • 得点の大きいボス戦は倍加した時の恩恵が非常に大きく、上手くコンボを決めると一気に残り人数を確保できる。
      • 例えば1面ボス・エヘラの元には戦いが進むと雑魚敵がやってくるのだが、ここにパイを投げ込んで一緒に撃破させれば、ボス撃破スコアを8倍の40万点にする事もできる。50万エクステンドでこの恩恵はかなり大きい。
      • ボス戦に慣れて来たら、ギリギリまで弱らせて雑魚敵と一緒に処理するのが基本戦略となる。弱ってくるとダメージ時の点滅が赤くなるため、タイミングをある程度推理できる。
    • HARDの難易度調整は絶妙で、上記のコンボを的確に決めることでやっとノーコンティニュークリアできる調整になっている(もちろん個人差はあるが)。この戦略性の高さこそ、HARD以降の真髄となる。
  • 攻略抜きにしても、スコアアタックは非常に奥が深く、理論値は未知数。
    • コンボのパターンが膨大に考えられるため、本作には得点の限界が存在しないも同然である。
      • 武器の振り方はもちろん、スペシャルアタック(特にポテト)の使いどころやスペシャル調達用の自爆タイミングなど、得点を左右する要素はかなり多い。
    • 限界までスコアを稼ごうとするとどのようなプレイになるのか、突き詰めた検証などは今のところ行われておらず、研究の余地が非常に大きい。仮にTASで限界を探ろうとしても、調査に相当な時間がかかると思われる*8
      • 今作はコンシューマ作品のため、雑誌のスコアランキングの集計対象にならなかったのが悔やまれる。もしアーケード作品だったなら、『バトルガレッガ』のような盛り上がりを見せていたのだろうか……。
      • このネット社会ではレトロゲームの理論値研究が唐突に始まるケースも多々あるため、有志の出現に期待したいところ。
  • 武器の性能バランスが完璧。
    • どの武器も長所と短所がはっきりしていて、HARD以降ではそれぞれに使い所が用意されている。強すぎて他を食ってしまう武器や、弱すぎて使い所のない武器は無い。
    • 武器の優劣こそあるものの、それゆえ扱いに駆け引きが生まれている。苦手な場所は敢えて弱い武器を使い、安全策に走る事も可能である。
    • 武器の強さはレベルによって極端に変化するものもある(一つパワーアップさせるだけで使い勝手が違うパイ、最大レベルで化けるポテトなど)。この揺らぎを踏まえて、どういった順番で武器を育てていくかもポイントの一つである。
      • 一つの武器ばかり育てていると、ミスした時のリスクも大きくなってしまう。慣れないうちはどの武器から育てていくか模索するのが楽しい。
    • 隠されたテクニックも奥が深い。
      • 特徴の項目で記したL1R1連打以外にも、画面右に寄って同時射出数の低い武器の連射頻度を高めたり、レーザーワインダーを使いこなしたりと、攻略上のテクニックは色々と隠されている。高得点を狙うには攻撃の難しいパイを使いこなさなければならなかったりと、上達して学べる要素は深い。
  • ゲーム全体の難易度バランスも評価が高い。
    • 理不尽すぎたり簡単すぎたりせず、適度なやりごたえと共にクリアの楽しさを実感する事ができる。
    • 今作はシューティングゲームに不慣れな人からストイックに楽しみたい人まで、あらゆるユーザーに向けた調整が為されている。
      • NORMAL以下なら稼ぎを意識しなくてもそれなりにノーコンティニュークリアが可能だが、HARD以降はそれだけでは通用しないほど一気に難易度が跳ね上がる。しかしシステムの全てを駆使し、最大限の創意工夫を行なえば、弾避けが苦手な人でも高難易度をノーコンティニュークリアできるように作られている。
    • 本記事ではHARD以上を想定した特徴や評価点も多く記しているが、軽く楽しむだけならこれらの細かい要素を知る必要は無い。自由で多彩な育成システムを楽しむだけでも魅力を味わうには十分で、EASYやNORMALで楽しく遊んでいるプレイ動画は各サイトで視聴できる。
      • 特にデフォルト設定のEASYは残り人数が多いため、何周か遊べば誰もがノーコンティニュークリアができるようになっている。STGが難しそうで不安に思える人でも、本作は十分におすすめできる。
    • クリア以外のやり込み要素である全敵撃破も、楽しさに幅をもたらしてくれる。
      • こちらはEASYで達成するのもかなり難しく、全ステージでコンプリートするのはVERY HARDクリアと違った難しさがある。高難易度で行き詰まった時の気分転換としても、最高難易度をクリアしてしまった人向けのエンドコンテンツとしても、改めて低難易度を遊びなおす事が可能である。
      • ご褒美CGが表示される点も、プレイヤーのやる気を刺激してくれる。
  • 自爆コマンドの搭載
    • 本作ではセレクトボタンを押しながらスタートボタンを押すだけで、即座にゲームオーバーになれる。
    • 序盤で失敗した際やリカバリー困難なミスをした時など、シンプルなコマンドで手軽にやり直せるので非常にありがたい。
      • あまりの使いやすさゆえに乱用しがちなのはご愛敬。すぐやり直してばかりいるとフラストレーションが溜まるので、使い方は計画的に。
  • スコアアタックモード
    • 高難易度だがサクっと遊べ、通常プレイとは違った楽しみがある。
      • こちらも全敵撃破同様、遊びの幅を増やしてくれている。
  • ミニゲームの一つ「レスカとレモネのタンクバトル」
    • シンプルながらも完成度が高く、一人で遊んでもかなり楽しめる。
      • これはFPSをトップビューにしたようなゲームである。各プレイヤーは自機の戦車から壁を反射するレーザーを撃ち、全てのライバルを倒せば勝利となる。
      • レーザー以外にも地雷を設置可能で、これにレーザーをぶつけて誘爆することも可能。
      • 最大4人対戦だが、1対1のプレイも駆け引きが求められてやりごたえ抜群。
    • ゲームの方向性としては『スーパーボンバーマン』や「おちおちファイト」に近く、仲間が居れば大きく盛り上がるかも?

賛否両論点

  • ゲームテンポが遅め
    • 本作は1ステージ5~6分ほどで構成されており、スクロール速度もゆったりしている。このため、手慣れたシューターからはテンポの悪さや難易度の低下を批判する声もある。
    • ただしローテンポゆえに稼ぎに集中しやすく、必ずしも欠点とは言い切れない。遅いと言っても、コアな内容を求めるプレイヤーでなければ特に問題ない範疇である。
    • フォロー点としては、書き込みが細かいためステージの長さに限界があること、回転率と無縁なCS用ソフトであることが挙げられる。
  • 糸口を見出せばクリアできる最高難易度
    • 今作を最後まで遊ぶにはシューターである必要は無く、稼ぎを駆使すればVERY HARDの突破も可能になっている。スペシャルアタックも知恵と工夫次第でたくさん調達できるので、絶対に突破できないような難所は存在しない。
      • 最初はEASYでゲームオーバーになる実力でも、根気よく続ければ最後は最高難易度クラスの実力にまで達するため、大きな成長を実感することが可能である。
    • しかし裏を返せば「頑張ればどんな人でもいつかはクリアできる難易度」に収まっている。エクステンドの仕様を始めとした親切な部分も多いため、情け容赦のないSTGを遊びたい人の需要には応えられないかもしれない。
      • ただし、これもあくまで上級者視点の話である。ネットに上がっているプレイ動画はほとんどがEASYのものであり、手慣れた人でもVERY HARDが相当な難易度である事には変わりない。むしろ他のSTGが難しすぎて投げ出してしまった人にこそおすすめできるソフトでもある。
      • また先述の通り稼ぎの魅力も大きいため、難易度以外にも様々な側面から遊び方を見出すことが可能である。

問題点

  • 壁の境界が分かりづらい
    • 今作の自機は、壁に食い込むような位置に動かす事ができる。しかしそのせいで移動範囲を誤認しやすく、弾避けに失敗したりスクロールに挟まれたりしやすい。
  • ジュエルの取得状況が表示されない
    • 今作ではこれを一定個数集めることでパワーアップが可能となっている。それだけ重要なアイテムにもかかわらず、現在何個集めているか確認する機会はステージクリア時にしか無い。
    • このせいで、ゲームの仕様に不慣れな初めのうちはジュエルの重要性に気付かず、強化の機会を疎かにしてしまう。
    • ジュエルは一か所に固まって出現することも多く、いくつ集めたか自力でカウントするのは困難を要する。そのためパワーアップチップの出現タイミングは勘に頼るしか無い。
      • 運が悪いと突然出現したチップを間違って取ってしまう事があり、最大レベル状態で取って無駄にしたり、どうでもいい武器をパワーアップさせてしまう事故が発生する。
  • 敵の体力ゲージが存在しない
    • ゲージの無いSTG自体は珍しくないが、本作に関しては稼ぎの仕様と嚙み合っていない。
    • 高難易度では「敵をギリギリまで弱らせてから他とまとめて倒す」という戦略が重要になっているが、判別できるのは撃破寸前かどうかだけで、体力を見誤る原因になっている。
      • 特にポテトのスペシャルアタックは威力が低く、コンボを決めようとして倒し損ねてしまう事故が頻発する。かといってギリギリまで削ろうとしたらうっかり倒してしまうことも。
      • 一応、ポケモン捕獲のような駆け引きを楽しめると言えば悪くないかもしれないが……。
  • ランキングの仕様
    • 本作ではどれだけコンティニューしても得点が減らないため、4面以降のステージで何度もコンティニューすれば無限に得点が稼げてしまう。
      • ただしコンティニューした事はランキングに残るうえ、ノーコンティニュークリアを目指す分にはスコアの上限があるため、決してスコアアタックの意義が無くなるわけではない。
    • 問題はランキング登録。今作ではコンティニュー回数に関係無く、スコアの大小で順位が決まるようになっている。このため何度もコンティニューしてクリアすると、ノーコンティニューで超えられないような記録が半永久的に残ってしまう。高難易度のコースに挑むと、この事故に陥りやすい。
      • もしコンティニューしてでもクリアする事を選んだ場合、絶対にセーブしない事を推奨する。
  • オートセーブ未実装。クリア時にセーブ確認なども行われない。
    • 高得点を出した後、うっかりセーブせずに電源を切ると悲しいことになる。嬉しい時ほど気を抜いてしまいがちなので、要注意である。
    • ただし、付属のミニゲームモードではオートセーブが行われており、レースゲームのクリアタイムやBGM設定が自動で保存される。

総評

このゲームをクリアする事で、パークの創設者であるDr.テキーラの野望は未遂に終わる。
軍事要塞としての『ハームフルパーク』は失敗に終わったが、多くの人を楽しませる遊園地としての目的は(皮肉にも)本懐を遂げてしまったようである。

高い自由度はSTGに不慣れな人をも引き込む楽しさがあり、難易度が上がっても緻密な戦略性で立ち向かうことができる。本作は様々な方向から"稼ぎ"の手段(≒攻略テクニック)を模索でき、隠された戦略の数々に魅入られたが最後、どんな困難につまずいても「次こそは」と、色々な可能性を探求したくなってしまう。
プレイヤーの時間を根こそぎ奪うという意味では、まさしく"HARMFUL(害悪)"と言えるかもしれない。

そんな恐ろしい遊園地へのチケット、PSのディスク本体は、今や引く手あまたの高級品である。幸いゲームアーカイブスからは気軽に入園可能なので、シューティング好きの人も普段遊ばない人も、サービスが継続しているうちに是非とも購入しておきたい。


余談

  • 本作の主演声優は『ときめきメモリアル』で特に人気の高い館林見晴(CV菊池志穂)、虹野沙希(CV菅原祥子)を演じた2人である。
    • 狙ったかのようなチョイスだが、スタッフにファンがいたのだろうか。世代によっては刺さるかも?
  • PSジャケット同封用のチラシ(詳細不明)には、水彩タッチの書き下ろしイラストが描かれている。クオリティが高く、本編では見られないクールな姉妹が拝めるので、もし持っている人がいたら大切にしておこう。(画像)
    • キャッチコピーの「お菓子と、恋と、遊園地。」は、のちにPS Storeの紹介文にも使用されている。
      • 「お菓子」「恋」はチラシの印象と全く異なる形で作中に登場するため、ある種のミスリードと言えるかもしれない。
  • パーク本来の名前にある「ハートフル」は和製英語なので、英単語として存在しない。本作の舞台はどう見ても英語圏だが、ギャグ要素の強い世界なので細かく突っ込むのは野暮なのだろう。
    • ただし Heartfulness なら存在する。
    • なお Harmful の同義語で Hurtful も存在するが、そのまま「HURTFUL PARK」にしなかった理由は不明である。
      • 語感を意識して敢えて Harmful にしたのか、商標絡みで Hurtful が使えない理由があったのかもしれない。
  • 開発元のスカイ・シンク・システムは早々にゲーム開発事業から手を引いてしまったが*9、関わった主要スタッフらしき人物*10の名前はその後もゲーム業界で確認されている(参考元・リンク先はニコニコ動画に上げられたエンディング動画だが、投稿者が資料をzipにまとめ、キャプションにDLリンクを貼っている)。
    • この資料にある人物が本作の開発者だとすると、ゲームデザインを担当した二名(藤田憲一氏、伊神央人氏)はいずれも相当なゲーマーだったようである。
    • 今作のディレクターも務めた藤田氏は『ガンバード2』のプログラマーとしてサントラに名前が確認されており、「『スーパーマリオカート』のバトルモードを3日徹夜で500戦消化したことがある」「『ガンバード2』はもちろん全キャラで1コインクリアした」と、とんでもない発言を残している*11。なお『ガンバード2』がどれだけ難しいかは本ウィキの記事でも解説されているのでそちらも参照のこと。
      • その一方で『ハームフルパーク』にも搭載されている安置・エブリエクステンドは嫌っているようである。
    • 伊神氏は発売当時、雑誌『ゲーム批評』に『Gダライアス』『ゆけゆけ!! トラブルメーカーズ』のレビューを寄稿している他、のちに「ゲーム甲子園」というコンテストで2度の入賞経験が確認されている。
    • この他、アートディレクターの島田忠司氏は独立してデザイナーとして活躍しており、イラストの担当者は『ファイナルファンタジーXI』のスタッフとして名前が確認されている。
  • プレミアソフトとして
    • 2021年現在、本作の中古価格は6万~10万超えの値がついている。
      • PS1の中でもトップクラスに入手困難なソフト*12であり、21年夏のゲームアーカイブス終了告知時にも、購入推奨ソフトとして多くのゲーマーから名前が挙がっていた。
      • 幸いサービス終了はPSPを除いて撤回されたので、2021年秋現在はいまだ購入可能である。
    • プレミアの理由は出来の良さに対する出荷数の少なさに起因していると思われるが、他には以下の理由も考えられる。
      • そもそもシューティングゲーム自体が高騰しやすい事。『コットン』シリーズを筆頭に、支持のあるシューティングゲームは総じて中古価格が高騰しがちである。同じPSソフトではどう見ても子供向けなシューティングゲームが高騰した例もあったりする。
      • パーティゲーム寄りの多人数プレイも実装している事。かつての『ポケモン』がそうだったように、対戦が楽しめる事で支持者の輪は広がりやすかったと思われる。
    • パッケージからはゲーム内容がわかりづらく、これが出荷数の伸び悩みにつながったという考察もある。
    • いくら評価が高いとはいえ、実物の購入は慎重になった方が良い。
      • アーケードゲームに換算すると、コンティニューを含め600~1000回遊んでようやく元が取れる値段である*13。STGをそこまで深く遊ばない人や、ゲームの能動的なやり込みが向かないという人であれば、大損をする可能性も否定できない。アーケード筐体にポンとお金を出せる人向けの価格設定と言える。
      • 繰り返しになるが、本作はシューティングに不慣れなプレイヤーでも楽しめる要素を抑えてあるため、ゲームアーカイブス版を購入する分には躊躇する必要が無い。10万以上の値が付いたゲームが数百円で手に入るので、レトロゲームを漁りたい人は真っ先に買っておこう。
  • 本作のプレミアっぷりは海外ゲーマーにもまことしやかに語り継がれているらしく、日本限定発売でありながら海外ゲームメディアで取り上げられたこともある。あろうことか、英語版Wikipediaの記事が日本より先に作られている。
    • ウェブサイト『Euromedia』は"A guide to gaming's most valuable treasures"(ゲームとして最も価値ある宝への案内)という記事で、各ハードを代表するプレミアソフトの一つとして本作を取り上げている*14。文中では「バラエティ豊かで面白く、目の保養になるグラフィック」「『パロディウス』に比べるとクリアしやすいが、独自の魅力で補っている」と評されていた。
    • イギリスのゲーム雑誌『RetroGamer』では"The 20 Greatest PlayStation Games You've Never Played"(絶対みんなが遊んでないPSの神ゲー20選)という企画において、本作が第6位として紹介された。
最終更新:2022年09月19日 01:38

*1 現在はICTソリューション事業とシステム開発事業を主要としており、2022年現在の社員数も3500人規模と同分野では大企業となっている。

*2 本作の前にパズルゲームである『くるりんPA!』と『新型くるりんPA!』をPS/SSに出している。

*3 ゲームアーカイブスのPSP配信はすでに終了しているが、他のハードから移して遊ぶことは可能である。

*4 レベル1の武器を使用している場合は、通常通りパワーアップチップが出現する。うっかりミスに注意。

*5 最大9回まで。2桁になると代わりにハイフンが表示される。

*6 開発会社の過去作『くるりんPA!』からのカメオ出演。

*7 ちなみに電撃オンラインの記事で本作が取り上げられた際は、NORMAL以下のパターンしか触れられていなかった。高難易度を頑張ったプレイヤーだけが知られるご褒美と言えるかも。

*8 現在YouTubeにてTAS動画は確認できるものの、あくまでVERY HARDでの全敵撃破のみ目標としており、最高得点を目指した内容ではない

*9 公式の記録では本作が最後のゲーム作品となっている。

*10 同姓同名もありうるので断定はできない。ただし、伊神氏の方は雑誌ソースの方に「大阪でゲーム開発をしている」と書いてあり、これはSky株式会社の本社の位置と一致している。

*11 なお同時にインタビューを受けた別のプログラマーも『バーチャ2』の筐体を買うほどのゲームマニアである。こちらもこちらで地味に凄い。

*12 本記事の初稿作成時点では、ソフトの出回り自体がほとんど無い横スクロールアクションゲーム『風雲悟空忍伝』が駿河屋で本作より高く売られている。ただしこちらは6万円代で、他ショップの『ハームフルパーク』と比べてかなり安い。

*13 参考に、上記の『Gダラ』レビューは46クレジットで書かれたものである。

*14 この記事はプレミアソフトの紹介であり、良ゲーの紹介ではない点に注意。記事では「出来が良くない」とされるプレミアソフトにも言及している。