【はーむふるぱーく】
ジャンル | シューティング | ![]() |
対応機種 | プレイステーション | |
発売・開発元 | スカイ・シンク・システム | |
発売日 | 1997年2月14日 | |
定価 | 6,380円 | |
プレイ人数 |
1~2人 (ミニゲームは1~4人) |
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レーティング | CERO:A(全年齢対象) | |
配信 |
ゲームアーカイブス: 【PS3/PSP】2012年2月22日/600円 【PSV】2012年9月4日/600円 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
『LSD』と双璧をなすPS1最高額プレミアソフト コミカルだけど本格的なシューティング STGに不慣れな人でもあの手この手で攻めていける ゲーム進行はゆったりめ 真の魅力は難易度が跳ね上がるHARDから 技巧的な"稼ぎ"を駆使して難所をゴリ押せ |
お菓子と、恋と、遊園地。
知る人ぞ知る、PSの隠れた傑作シューティングゲーム(横スクロール)。副題は"HIGH-BROW GAG & PURE SHOOTING"。
開発したのは多角的ソフトウェア企業、スカイ・シンク・システム(現:Sky株式会社)。(*1)
この会社はPSに本作を含め3本(SSは2本)のゲームを出したっきり、以後はゲーム開発に関わっていない(*2)。にもかかわらず本作はアーケードゲームとして出しても謙遜の無い完成度を誇っており、その企画力は謎に包まれている。
西暦2017年、科学者のDr.テキーラは南海の孤島に超巨大遊園地「ハートフル・パーク」を建造した。
来場者はオープン2日で50万人を超え、場内の活気はピークに達していたという。
9月15日の昼下がりの午後、島は突然にして恐怖のるつぼと化した。
テキーラは来場者を人質に取り、独立帝国「ハートフル・パーク」として本土に宣戦布告するというのである。
「ウイロイド合金」でできたパークの兵器は核ミサイルでもビクともせず、アーミーまでも動きが取れない。
そんな中、ウイロイド合金の分解方法を知る科学者が一人いた。かつてテキーラの助手として働いていた研究者・カシスは、パークの兵器を破壊できるマシン・ロボバイクの開発に成功する。
極めて個人的な都合により、カシスはパークの殲滅を娘のレスカとレモネに押し付けた。
かくして勝気なレスカと天然なレモネは、"HEARTFUL"から"HARMFUL"へと様相を変えた悪の遊園地に殴り込みをかけるのであった。
+ | 武器解説 |
+ | ステージ |
シューティングに不慣れな人でも、本作はNORMALのノーコンティニュークリアを目指すだけで一本のソフトとして十分なやりごたえとボリュームを味わえる。しかし真髄はHARD以降。クリアの為には本作のシステムを最大限活用する必要があり、その過程で更なる奥の深さを味わえる。
このゲームをクリアする事で、パークの創設者であるDr.テキーラの野望は未遂に終わる。
軍事要塞としての『ハームフルパーク』は失敗に終わったが、多くの人を楽しませる遊園地としての目的は(皮肉にも)本懐を遂げてしまったようである。
高い自由度はSTGに不慣れな人をも引き込む楽しさがあり、難易度が上がっても緻密な戦略性で立ち向かうことができる。本作は様々な方向から"稼ぎ"の手段(≒攻略テクニック)を模索でき、隠された戦略の数々に魅入られたが最後、どんな困難につまずいても「次こそは」と、色々な可能性を探求したくなってしまう。
プレイヤーの時間を根こそぎ奪うという意味では、まさしく"HARMFUL(害悪)"と言えるかもしれない。
そんな恐ろしい遊園地へのチケット、PSのディスク本体は、今や引く手あまたの高級品である。幸いゲームアーカイブスからは気軽に入園可能なので、シューティング好きの人も普段遊ばない人も、サービスが継続しているうちに是非とも購入しておきたい。
*1 現在はICTソリューション事業とシステム開発事業を主要としており、2022年現在の社員数も3500人規模と同分野では大企業となっている。
*2 本作の前にパズルゲームである『くるりんPA!』と『新型くるりんPA!』をPS/SSに出している。
*3 ゲームアーカイブスのPSP配信はすでに終了しているが、他のハードから移して遊ぶことは可能である。
*4 レベル1の武器を使用している場合は、通常通りパワーアップチップが出現する。うっかりミスに注意。
*5 最大9回まで。2桁になると代わりにハイフンが表示される。
*6 開発会社の過去作『くるりんPA!』からのカメオ出演。
*7 ちなみに電撃オンラインの記事で本作が取り上げられた際は、NORMAL以下のパターンしか触れられていなかった。高難易度を頑張ったプレイヤーだけが知られるご褒美と言えるかも。
*8 現在YouTubeにてTAS動画は確認できるものの、あくまでVERY HARDでの全敵撃破のみ目標としており、最高得点を目指した内容ではない
*9 公式の記録では本作が最後のゲーム作品となっている。
*10 同姓同名もありうるので断定はできない。ただし、伊神氏の方は雑誌ソースの方に「大阪でゲーム開発をしている」と書いてあり、これはSky株式会社の本社の位置と一致している。
*11 なお同時にインタビューを受けた別のプログラマーも『バーチャ2』の筐体を買うほどのゲームマニアである。こちらもこちらで地味に凄い。
*12 本記事の初稿作成時点では、ソフトの出回り自体がほとんど無い横スクロールアクションゲーム『風雲悟空忍伝』が駿河屋で本作より高く売られている。ただしこちらは6万円代で、他ショップの『ハームフルパーク』と比べてかなり安い。
*13 参考に、上記の『Gダラ』レビューは46クレジットで書かれたものである。
*14 この記事はプレミアソフトの紹介であり、良ゲーの紹介ではない点に注意。記事では「出来が良くない」とされるプレミアソフトにも言及している。