マリオパーティ スーパースターズ

【まりおぱーてぃ すーぱーすたーず】

ジャンル パーティ
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 エヌディーキューブ
シーエイプロダクション(開発協力)
ウィル(一部ミニゲーム制作)
発売日 2021年10月29日
定価 パッケージ:6,578円
ダウンロード:6,500円
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント オンライン重視の内容
原点回帰しつつ現代風に良アレンジ
N64作品の要素中心のセレクト
マリオシリーズ


概要

スーパー マリオパーティ』に続く、Switch向けマリオパーティの2作目。
クッパ初参戦を始めとした新要素に重きの置かれた前作に対し、本作は初期の64作品を中心とした古きナンバリングタイトルの総決算となるタイトルとして打ち出された。


特徴

  • ボードマップ
    • 今作では64で発売された最初期の3作品からボードマップ5つがリメイクして収録されている。
      • 初代からは「ピーチのバースデーケーキ」「ヨッシーのトロピカルアイランド」、『2』からは「スペースランド」「ホラーランド」、『3』からは「グルグルのもり」が再録された。
    • バランス調整としては、『3』に比べてコインの入手量がインフレ傾向にある。コインの入手手段が増えた代わりに、イベント等での消費量が減った。
  • 操作キャラ
    • 前作の『スーパー マリオパーティ』で使用可能だったマリオサイドキャラ10人のうち、マリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、ワリオ、ドンキーコング、デイジー、ワルイージ、ロゼッタの9人が使用可能。残る10人目は『9』以来となるキャサリン。
    • ディディーコングはプレイアブルキャラから外された。またクッパサイドのキャラ10人は全員使用不可。
    • なお、本作には隠しキャラは存在しない。
  • ミニゲーム
    • 2017年に3DSで発売された『マリオパーティ100 ミニゲームコレクション』に続き、今作も歴代ナンバリング作品から100種のミニゲームが収録されている。
    • 3DSのリソースを活用しているのか、収録内容は『ミニゲームコレクション』からの続投が多い。ただし選ばれたのは引き続き人気の高いものばかりである。
      • マイクを使うミニゲームなどが廃止され、64作品のゲームやボーナスミニゲーム(コインを自由に集めるゲーム)が増量された。
    • 「はたあげヘイホー」「フラフラレコード」など、一部ゲームは『ミニゲームコレクション』の仕様で再録されている。
    • なお今作では4人用ミニゲームにおいて、2位は3コイン、3位は2コインもらえるようになった。
      + ミニゲーム一覧 括弧内は出典のナンバリング。
    • 4人対戦ミニゲーム
      • いろいろキノコ(初代
        • 『ミニゲームコレクション』の「いろいろダッシュ」と同様に、色弱プレイヤーに配慮して足場のキノコに模様がつけられている。
      • ぷかぷかアイランド(初代)
      • はたあげヘイホー(初代)
        • 『ミニゲームコレクション』での「一瞬上げてすぐに戻す」フェイントと原作の「2本同時に上げる」フェイントが混じるようになった。
      • はっくつ!ハッスル!!(初代)
        • ただし、ワンワンやゲッソーなど、『2』に登場したステージも収録されている。
      • クッパひゃくめんそう(初代)
      • ノコノココロコロ(2
      • フラフラレコード(2)
        • ルールは『ミニゲームコレクション』と同じく、時間切れになった時に多くの音符を持っていたプレイヤー順に勝敗が決まる。
      • のっかれボール(2)
      • なわなわピョンピョン(2)
      • ドッカンせんしゃ(2)
      • ぶつかれバルーンカー(2)
      • いねむりワンワン(2)
        • 寝たと見せかけて即起きするフェイントを混ぜてくるようになった(もちろんその間に動いたらアウト)。その代わり鼻提灯を1回膨らませただけで起きなくなった。
      • ぜんまいヘイホーレース(2)
      • スロットルレーシング(2)
      • クッパだいばくはつ(2)
      • カウント1・2・3(2)
      • はちのすブンブンブン(2)
        • 原作にあったコインが廃止され、フルーツとハチの巣のみとなった。
      • ゆきだまゴロゴロ(3
        • 原作では雪玉同士がぶつかると大きさに関係なく相殺されていたが、雪玉の大きさに差がありすぎると小さい方だけが壊れるようになった。
      • トゲゾークラッシュ(3)
      • ぴょんぴょんバトル(3)
      • あめふりパックン(3)
      • みつけろ!巨大キノコ(3)
        • 『ミニゲームコレクション』同様、キノコが巨大キノコになっている。
      • はらぺこ巨大プクプク(3)
        • 「はらぺこプクプク」から改題。
      • ニアピンぴったり!(3)
      • GO!GO!もくば(3)
      • きちんとおかたづけ(3)
      • なぞってクレヨン(4
      • ぱらぱらブック(4)
      • くねくねデンジャラス(4)
      • ハッスルバッティング(5
      • まめのきジャンプ(5)
      • ペンギンだいこうしん(5)
      • アイスキャッチ(5)
      • グルグルたいほう(5)
      • ギリギリワンワン(5)
      • スケートレース(5)
      • ひろっておてがみ(6
      • クリボーほかくさくせん(6)
      • パタパタジャンプ(6)
        • ソルルタイム(昼)のルールのみ収録。
      • まわってスノーボード(6)
      • くらやみでガッハッハ!(6)
      • てっきゅうでガッハッハ!(6)
      • チョロプーのリベンジ(7
      • おちるな!たにぞこバトル(7)
      • れんだでサンボ(7)
      • ホラーマンション(9
      • カウントクリボー(9)
      • ハイ、ポーズ!(10
      • ホバーボートレース(10)
    • 1vs3ミニゲーム
      • ジュラシックパックン(初代)
      • つなひきデンジャラス(初代)
        • 1人側の縄を引く力が強くなり、1人側でも勝ちやすくなった。
      • まとあて!ショット!!(2)
        • 1人側がプレイヤーキャラ以外の的に当ててもコインがもらえなくなった。
      • あっちむけ!こっち!!(2)
      • ウェーブウェーブ(3)
        • 3人側が波を喰らった時の無敵時間が大幅に短くなった。原作と同じ感覚でやるとあっという間に負けてしまう。
      • ゴロゴロいわころがし(3)
        • 上り坂の移動に慣性が働くようになり、3人側は岩を避けにくくなった。
      • ヒヤヒヤやしのみ(3)
      • てらしてサーチライト(3)
      • どこ?どこ?かくれんぼ(3)
      • ゴールゴールゴール!(4)
      • ころころペッタン(5)
      • ゆきやまチェイス(5)
      • グルグルホッピング(7)
      • トライをきめろ!(9)
      • キケンなトゲこんぼう(10)
    • 2vs2ミニゲーム
      • スライダーボブスレー(初代)
      • トロッコレース(初代)
        • 『2』仕様だった『ミニゲームコレクション』とは異なり初代仕様。脱線したらリタイアするのも再現されている。
      • ムカデGO!GO!(2)
      • スピードホッケー(2)
      • ダブルクッパふうせん(2)
      • ケーキファクトリー(2)
      • フライングレース(2)
      • かこんでクレヨン(3)
      • さくらんぼキャッチ(3)
      • もぐもぐビッグピザ(3)
      • ペアでレース(4)
      • ボムへいキョロキョロ!(4)
      • あぶない!トゲトゲぼう(6)
      • うみぞいドライビング(6)
      • ペイントクリボー(8
    • デュエルミニゲーム
      • ぐるりんクロック(3)
      • ターザンレース(3)
      • ビリキューコースター(3)
      • ギリギリうちゅうゆうえい(6)
      • クルクル!かいてんロード(7)
    • コインミニゲーム
      • ぎぶみーハンマーブロス(初代)
        • フィールドから落ちたら取ったコインが没収されるようになった。
      • おたからフィッシング(初代)
      • ありじごくデンジャラス(2)
        • 冒頭の1枚のコインを追いかけて蟻地獄に飲み込まれるキャラがミニクッパからクッパJr.に差し変わった。
      • おっこちパラソル(3)
      • あつめてコインリバー(3)
      • いかだでコインあつめ(3)
      • GOGO!コンベアー(4)
      • シルエットでコインあつめ(6)
      • シーソーでコインあつめ(6)
      • オアシスでコイン(8)
    • スポーツ&パズル
      • ドッスンパズル(3)
      • はくねつ!ビーチバレー(4)
        • 『ミニゲームコレクション』同様、マッチポイント数を決めることができる。
      • げきとう!アイスホッケー(5)
      • つなげてブロック(6)
      • かいてんパズル(7)
        • 色弱プレイヤーに配慮してボールに模様がつけられている。
      • ミニミニサッカー(9)
    • アイテムミニゲーム*1
      • たるたるゴロゴロ(2)
      • シャトルハンマー(2)
      • ねらってバルーン(3)
      • タルタルブランコ(3)
      • アイテムルーレット(3)
  • ボードマップのルール
    • 本作は『8』以前のバトルロイヤル形式となっている。
      • 4』以前のアイテム制が久しぶりに復活し、ショップなどでアイテムを手に入れて戦うこととなる。3個まで所持可能。
    • 『2』以前のマップも『3』以降のように3個までアイテムが持てるようになり、ゲーム性が変化した。
    • 各マップには、敵からコインやスターを奪えるテレサが登場する。後年の作品になると出番が減っていたが、本格的に復活した。
      • 久しぶりに無料でコインを奪うことができるものの、スターを奪う場合は当時同様50コインかかる。
    • 初代のマップのみスタート地点にノコノコがおり、通過すると10コインもらえる。それ以外ではバンクマスにいて、通ると3コインを強制徴収、マスに止まると貯まっていたコインがもらえる。これも原作からの仕様である。
    • ラスト5ターンになるとキャラの優勝予想(選ばれたプレイヤーはアイテムがもらえる)が行われ、プラスマス・マイナスマスで増減するコインの数が2倍、同じマスに止まると決闘になるお馴染みの追加ルールが適用される。また、スタート地点のノコノコのボーナスのコインが倍、もしくはバンクマスの募金額が5コインに増加する。
    • ゲーム終了直前にもらえるボーナススターは、『6』以前の固定制と『7』以降のランダム制の両方から選択できる。
      • 固定にした場合は『5』以前と同じく「ミニゲームスター(ミニゲームでコインを一番集めたプレイヤー)」「コインスター(コインを一番多く稼いだプレイヤー)」「ハプニングスター(ハプニングマスに一番多く止まったプレイヤー)」がスターを貰える。ただしコインスターは当時のルールと異なり、たくさんコインを稼いだプレイヤーが貰えるようになった*2
      • ランダムの場合は上記の3つに加え「一番多くクッパマスに止まった」「一番多く進んだ」「一番少なく進んだ」「一番買い物をした」「一番アイテムを使った」という条件を含めた上で、ターン数に応じて選ばれた一定個数のスターが配られる。
    • 1回のプレイに限り、一度だけターンの延長ができる。ラストターンを除いて、どのタイミングでも延長可能。ラスト5ターンイベント中だった場合は元に戻る。
  • マスについて
    • マスは「青マス」「赤マス」「ハプニングマス」「ラッキーマス」「クッパマス」「アイテムマス」「VSマス」「チャンスマス」の8種。
      • 詳しい効果は割愛し、ここでは『3』当時との差のみ簡潔に記す。
      • マスのデザインは『スーパー マリオパーティ』からの流用である。ハプニングマスには「?」ではなく「!」が書かれているので、古参プレイヤーは間違えないよう注意*3
    • VSマスは、かつてのバトルマスに相当する。ただし今作には「バトルミニゲーム」というカテゴリは無く、通常の4人用ミニゲームで順位を付け、コインを奪い合う。
      • 本作ではこのマスに一度止まると青マスに変化し、同じマスではバトルが発生しなくなる。
    • クッパマスは『3』以前のように、ルーレットでイベントを選ぶ仕様が復活した。
      • 『2』『3』では存在していないクッパミニゲームも登場する。過剰なボーナスイベントが当たると逃げ出したり、特別なアイテムをくれたりなど、印象的なイベントも健在である。
      • 大きな変化として、本作ではそれなりの確率でスターを奪われるようになった。後発の作品から逆輸入された仕様だが本作では確率が上がっており、うっかり踏んだ時はヒヤヒヤさせられる。クッパマスに多く止まることでもらえるボーナススターもあるが、狙って取りに行くのは相当にリスキーである。
    • ラッキーマスは『5』〜『7』のドンキーマスに相当する嬉しいイベントが発生する。
      • 大抵はコインをもらえるだけだが、運がいいとアイテムをもらえることがある。この点は『3』のアイテムマスの仕様に近い。
      • 時にはステージ限定のイベントが発生することもある。
    • アイテムマスでは『2』『3』のようにミニゲームが発生し、好きなアイテムが手に入る。
      • ミニゲームもこの2作から5種類選抜されている。これらのミニゲームはミニゲームマウンテンではプレイできない。
  • オンライン対戦
    • 今作ではランダムマッチングが採用され、世界の誰かとボードマップでオンライン対戦ができる。
      • ルールは15ターン、ボーナススターはランダムがデフォルト設定。Yボタンで任意に変更可能だが、デフォルト以外のルールでは対戦が成立しにくい。
      • ランクマッチは無く、対戦の見返りは「マリパポイント」と呼ばれる経験値やショップ用のコインがもらえるのみ。
      • ゲーム終了時は勝者に拍手を贈り合い、量に応じてコインがもらえるという要素も。
    • もちろんフレンド対戦やオフライン対戦も実装されているので友達との対戦も気軽に楽しめる。
    • ボードマップだけではなく、ミニゲームもオンライン対戦が可能。
      • スポーツ系とパズル系ミニゲームもオンライン対戦が可能で、ランクマッチが採用されている。
  • スタンプ
    • 今回のボードマップ対戦では、対戦中にLINEのようなスタンプを発信し、意思表示ができる。
      • キャラクターが描かれた絵とボイスによるもの。過去作にあった「おじゃまボイス」を発展させたもので、種類は豊富。
    • オンラインでは非表示に切り替えることができる。

ゲームモード

村の建物から選ぶ形式となっている。

  • マリオパーティ
    • 上記のパーティで遊ぶことができる。
  • ミニゲームマウンテン
    • ミニゲーム対戦用のモードを集めたモード。フリープレイや勝ち抜きバトルのほか、2人や3人でチームを組んで連勝を狙うモード、1人でオンラインのミニゲームを勝ち抜くモードなどが存在する。
  • データハウス
    • 称号やミニゲームの記録、図鑑、マリパカードの確認ができる。
      • 図鑑ではキャラクターやシリーズ作品などの情報が見られる。
      • マリパカードは対戦用の自己紹介カードで、歴代の好きな作品やミニゲーム、今作のプレイ時間などを周囲にアピールできる。
  • キノピオショップ
    • サウンドテストで流せるBGMをはじめ、スタンプや図鑑を追加購入できる。商品は、ボードマップやミニゲームマウンテンで集めたコインを使って買う。
  • オンラインハウス
    • オフラインプレイを始めたときでもこの建物からオンラインプレイに参加できる。
  • オプションハウス
    • 使えるスタンプの確認やパーティの中断データ消去、パーティでのBGMの原曲/アレンジ切り替えなどが設定できる。

評価点

  • オンラインプレイが可能
    • 昨今のパーティゲームとしては当然になってきているが、ボタン操作を基本とするマリオパーティとしては初めてのオンラインプレイ対応作品である。
      • 前作では当初ボードゲームはオンラインプレイ非対応であったが、本作では全てのモードにおいて最初からオンラインプレイに対応している。
      • なお一人が回線落ちしたり、都合が悪くなってゲームを中断せざるを得なくなっても、卓を中断セーブすることで再度中途の状況からプレイすることができる。
    • ボードゲーム以外も、スポーツ系とパズル系ミニゲームも単体でオンライン対戦が可能。
  • 選りすぐりのミニゲームで初期作品のボードマップを楽しめる
    • 同数のミニゲームを収録した『ミニゲームコレクション』では「旧来のボードマップでもびたかった」という意見が多く出ていたが、その要望に応えた形となる。
  • ボードマップが改良され戦略性が増した
    • 再録されたボードマップは細部にルール変更が加えられているが、原作での魅力を損ねることなく、ゲームバランスが改善されている。
    • 特に変更が大きいのは「ピーチのバースデーケーキ」。
      • パックンフラワーを植えるための値段が大きく下がり、攻撃できるマスが増え、コインも奪えるようになったため、原作よりもかなり有用なイベントになっている*4
      • フラワーくじの位置がスターマスを通り過ぎた先に変更。クッパルートに進んだ場合はパックンを回避しつつすぐ一周でき、一概にハズレとは言えないイベントになった。アイテムを活用し、あえてクッパルートに進む戦略も生まれている。
  • 『2』以前のマップでもアイテムが3個持ち歩けるようになり、選択肢が広がった
    • 運要素の強かった初代マップはアイテム管理を使った駆け引きが可能となり、「誰かスターに近づいたところをワープブロックで横取りする」「ぴったりサイコロでハプニングマスを踏んで戦況を乱す」などさまざまな戦い方が楽しめるようになった。
    • 『2』マップではアカズキーちゃんを持って複数のサイコロを振ることができ、ゲートが使いやすくなった。特に原作で使いづらかったキングテレサ(原作では「おやかたテレサ」)が比較的使いやすくなったのは大きい。
  • アイテムのバランス調整
    • 原則として『3』を踏襲しているが、当時の作品から見直しが図られ、ゲームバランスが改善した。
      • 一部のアイテムは『3』以外のタイトルで同様の効果をもたらすものが採用されている(スターよけランプ→『4』のワンワンホイッスル、まほうのランプ→『スーパー』の金の土管など)。
    • 強アイテムと名高い「さかさまキノコ」*5の廃止はもちろんのこと、地味ながら高性能だった「よこどりボックス」*6の入手条件が厳しくなったり、『6』で初登場した「好きな目を出せるアイテム」(本作では「ぴったりサイコロ」)や『スターラッシュ』で登場した「出た目に一定数を加えるアイテム」(本作では「キノコ」)などが逆輸入されて戦略の幅が広がるなど、良調整と言って差し支えない。
      • 『3』時代は強力アイテムに押されがちだったワープブロック・のろいサイコロの有用性が増し、原作とは違ったゲーム性を楽しめる。
      • 「テレベル」「2ばいカード」などの大逆転が狙えるような効果を持つアイテムも入手難易度は高く設定されつつ続投しており、試合展開を盛り上げるのに一役買っている。
    • 後発作品から逆輸入された要素として、アイテム所持数が限界の時でも入手自体は可能となった(そのあと4つから1つ選んで破棄する)。
      • アイテムマスやショップが気軽に使えるのはもちろんのこと、かつてはハズレアイテムの筆頭だった「アカズキーちゃん」が所持枠を圧迫しなくなったのもありがたい。
  • 世代にとっては感涙もののファンサービス
    • 今作の舞台として、初代の「キノコむら」が23年の時を得て再登場。かつてと殆ど変わらない様子がHDグラフィックで再現されており、当時からのプレイヤーにはたまらない。
      • ルール設定のためにドカンを落ちていくのも当時そのままである。
    • 記事冒頭で触れたオープニングは1作目から遊んできたプレイヤーへの郷愁を誘うものとなっていて、BGMや演出には『2』のセルフオマージュも含まれている。
    • タイトル画面は最後に遊んだマップに合わせて変わるという、初代を彷彿とさせる仕様*7になっている。
      • しかもステージに合わせて出典のタイトルBGMが流れ、初代収録の2ステージは構図も元ネタに似せている。
    • サイコロブロックが回転している時に流れる音には『1』~『3』と同じものが使われている。
    • ボードマップのBGMはそれぞれ原曲を尊重したアレンジ版だが、ラスト5ターンに入ると大胆なアレンジを施した「ラストスパート」バージョンに変化する。また、一度遊んだボードマップは原曲BGMを流せるようになっている。
      • 昼夜が切り替わるギミックを持つ「ホラーランド」は同様に昼夜システムの存在した『6』のように昼夜で異なるアレンジBGMに切り替わり、その両方にラストスパート版が存在する。
    • ミニゲームも出典ごとに勝利BGMが違うというこだわりっぷり。
+ ある程度やりこむと…
  • スタッフロールはイントロで初代のエンディングが流れ、歴代ナンバリングの思い出を振り返っていく。*8
  • 他にも『1』~『3』のエンディング曲の原曲をショップで購入してサウンドテストで聞くこともできる。
  • スタンプ機能が事実上初の実装
    • オンライン対戦の盛り上がりに一役買っており、顔の見えない相手同士でもパーティを楽しめる。
    • みんなで同じスタンプを連打しまくったり、テレサに狙われそうな時などに必死で泣き付いたりと、意思疎通できる内容は意外と多い。
    • 迷惑な連打を行うプレイヤーに出会った場合や、不快な場合には、スタンプをオフにすることもできる。
  • 『ミニゲームコレクション』に比べて改善された要素
    • 最初からすべてのミニゲームをフリープレイで遊ぶことができる。
    • 全てのミニゲームで原作BGMのアレンジが流れるようになった。
      • 1つのゲームにしか使われない曲もアレンジされており、編曲スタッフの仕事量は相当なものと思われる。
    • 勝利演出も『8』以前のものに回帰。『ミニゲームコレクション』で短縮された『8』の勝利BGMもフルで収録され、決着後の寸劇もきちんと入っている。引き分け時のBGMもアレンジされた。
    • 「のっかれボール」「カウント1・2・3」など、バリエーションがあったゲームも全パターンが遊べるようになった。ただし『6』の昼夜の差分は用意されていない。
    • 前作『スーパー』から据え置きではあるが、ミニゲーム前ムービーがスキップ可能なのも地味ながらありがたい評価点。
    • 「なわなわピョンピョン」「ぱらぱらブック」「くるりんクロック」の3つのミニゲームに限り、フリープレイでエンドレスモードが遊べるように。
      • いずれも『4』のエキストラミニゲーム「チャレンジぱらぱらブック」と同様に、一人だけ残っていてもゲームは継続し全員がリタイアするまでの記録を競える。
  • UIが便利
    • ミニゲームマウンテンのフリープレイなど選択階層が深くなっても、+ボタンを押せばいつでも広場やミニゲームマウンテンに戻ることができる。
    • ミニゲームの説明は『スーパー』同様、練習と説明が一体になっている形となっており、ルールを見ながら操作を試すことができわかりやすい。
      • ミニゲームプレイ中でも+(-)を押してポーズすれば、原作同様に操作方法とルール説明が表示される。
    • ミニゲームマウンテンのフリープレイやスポーツ&パズルでは、ミニゲーム毎にルール説明画面の非表示やCOMの強さを決めることができる。強さを変えるために設定し直す手間が省ける。
      • ミニゲーム終了後にすぐにリトライできる機能やお気に入り機能もあるため、好きなミニゲームを連続で遊びやすい。

賛否両論点

  • パーティの要素が64シリーズ作品偏重
    • マップは全て64発売作品のもので、ゲームシステムもシリーズお馴染みの「コインを取りつつスターを集める」もののみ。
      • 復刻という意味では再現度は高いが、『4』以降の作品にあった様々な特殊ルールやシステム*9は全くと言っていいほど収録されていないため、GC世代以降のファンからは物足りないという声も。
      • 後述するがこの影響もあってコースは5つだけと著しく少なく、またプレイアブルキャラクターもマリオサイドのみでテレサやクッパJr.といったクッパファミリーはいない。
    • ミニゲームについても主に『8』~『10』のWii/WiiU作品の収録が少ないものの、いずれもWiiリモコンやWii U GamePadの機能を利用したものが多かったため、ボタン操作メインの本作においては仕方ない部分もある。
  • ミニゲームの運要素
    • 今作は実力で勝敗が決まるゲームが多く、いわゆる運ゲーが少ない。
      • 完全に運だけで決まるゲームは、ファンからの人気が高い「クッパだいばくはつ」のみ。
      • 運要素の強いゲーム自体は他にもいくつかあるが、いずれもプレイヤーが介入する余地が残されている。
    • 競技性の強い対戦ゲームは運要素が少ない方が理想とされるが、今シリーズはパーティゲームという都合、初心者でも勝てる運ゲーも好まれやすい*10。この調整は人によって好みが分かれる点である。
    • この点が顕著なのがけっとうミニゲーム。5種類中1つだけ運要素があることを除けば、他は全て実力で決まるゲームである。
      • 実力のあるプレイヤーがけっとうミニゲームを戦略に組み込みやすくなった一方で、初心者の巻き返しが難しくなる難点がある。
  • 一部称号が取得困難
    • 「ひたすらミニゲームで戦う「サバイバルモード」で10連勝する」「いずれかのミニゲームで世界ランキング」など世界のプレイヤーと戦わなければならないお題、相当な実力を持った上で幸運を引き当てるまで試行しないといけないパズル系お題、リアルな友達がいないとプレイできないモードのお題など、大多数のプレイヤーが取得できない称号がいくつかある。
    • ただし称号のコンプリート特典などは無いため、やりこみ要素に深掘りの余地があるとも言える。
      • 称号を取ればオンライン対戦用の自己紹介に専用の肩書きを載せられるため、誰も取れないようなお題をクリアすれば自慢にもなる。
  • サバイバルモードのゲーム性がいびつ
    • このモードは同率と引き分けでも勝利と扱われるシステムになっており、バトルロイヤル系のゲームが出ると全員で試合放棄する光景がまま見られる
    • 称号に必要な10連勝を取るための救済策とも捉えられるが、まじめに戦いたいプレイヤーにとっては興ざめとの指摘も。

問題点

  • ミニゲームにルールが重複・類似するものが多い
    • 49個の4人対戦ミニゲームのうち2割以上を占める11個が「狭いフィールドで相手を妨害しながら落下/ダウンさせて生き残ったプレイヤーが勝利となる」タイプのものである。
    • 人気が高いジャンルとはいえ苦手な人にはつらく、またこれだけ似たものが多いことは普通に問題である。
  • キャラやマップが少ない
    • プレイアブルキャラは10キャラで前作からは半減しており、シリーズでいうならば『5』の水準である。
    • マップも全5種類で、シリーズ全体で最少となってしまっている。過去作では5種類+隠し1種類というパターンが多かったため、期待しているプレイヤーもいたがそのようなことはなかった。
    • アップデートによる追加要望も多いが、配信などは行われていない。
  • CPUの問題点
    • 特に意味不明なのが、ボードマップでの「ぴったりサイコロ」の使い方。サイコロの目を1から10の間で自由に決められるアイテムなのだが、CPUがこれを使うと、10マス以内にスターがあるのに行こうとしなかったり、コインが足りないのにスターへ行こうとしたり、挙げ句の果てに自らマイナスマスやクッパマスに行くことがある
      • どういうわけか、「たつじん」設定のCPUでもこの問題が発生する。
    • ミニゲーム『ニアピンぴったり!』では、CPUのみショットの強さ・方向を示すメーターを途中から隠して操作する。プレイヤーはできないので、不公平としか言いようがない。
  • ボードマップではランクマッチ非対応
    • 今作はマッチング用のランクやポイントの類が無い。戦って残るものが少なく、勝敗よりもパーティ要素に重きを置いた設計となっている。
      • プレイ度合いを示す「マリパポイント」はある程度遊ぶとすぐカンストし、やる事が無くなる。
      • どのマップで何回勝ったか、何回遊んだかといった統計情報すら実装されていない。これは『2』『3』にすらあった要素なので、未実装はやりすぎなのが否めない。
    • オンラインには「5000回拍手をもらう」という称号があるが、これさえ取得すればオンラインで遊ぶ目標は無くなる。
    • なお、ミニゲームマウンテンのスポーツ&パズルで遊べるミニゲームはオンラインによるランクマッチに対応している。
  • 一部ミニゲームのバランス調整不足
    • 『ミニゲームコレクション』に引き続き、ゲームバランス皆無のミニゲーム「ジュラシックパックン」が続投。
      • 原作の頃から3人側の介入する余地が無い1人側完全有利のゲームだったが、何故か引き続き収録されている。
      • 1人側の時に引くと少し嬉しくなるものの、他のゲームを差し置いて収録する意義があったのかは疑問が残る。
    • 「のっかれボール」は大きなバランス調整が行われておらず、原作同様時間内に決着がつきにくい。何か強力な体当たりができるようになる手段を追加してもよかったのではないだろうか。
      • 一応生き残ったプレイヤー全員が1位になる調整は行われているが*11、プレイヤー2人以上で遊んでいるとそれに乗じた馴れ合いが起こる可能性がある。
  • スティック回転ゲームがまさかの再録
    • 初代ではこれによってケガをするプレイヤーが続出し、半ば伝説となっていたが、本作ではまさかの再録ということで発売前から話題になっていた*12
    • 該当するミニゲームは「つなひきデンジャラス」「おたからフィッシング」。これらのミニゲームの操作説明でも「手の弱い部分で回さないように」とあり、Joy-Conの形状もあって怪我はしにくいものの、手放しでは賛同しにくい面もある。
    • 何よりSwitchの同梱コントローラーであるJoy-Conは耐久性がかなり低く、無理に回転させるとスティックを損傷させる恐れがある。
      • Joy-Conの脆さは海外で訴訟問題に発展したほどである(Automatonの記事)。「任天堂ハードは壊れにくい」という逸話は有名だが、Joy-Conに関しては例外と考えた方が良い。こうしたハード事情でコントローラーに強い負担をかけるゲームが復活してしまったのはかなり問題がある。
        そもそも初代マリパのスティック回転ゲームですら、64のスティックに負担をかける点が問題視されていた(こちらはJoy-Conほどの影響は無いものの、スティックの軸が緩んでしまう)。
      • Proコントローラーを使用するという対策も考えられるが決して安いものではなく、丈夫さは大幅に上がっているとはいえ故障の懸念は依然としてある。
    • 全力で回すことによるケガを防止するためか、CPUはこれらのゲームでは弱く設定されている。
      • しかし「つなひきデンジャラス」をプレイヤー2/3人で遊ぶときが問題で、1人側にプレイヤーが入ってしまうと3人側が勝つことが非常に難しい。
  • 細かな問題点
    • オンラインで接続が切れてしまうと、本来もらえたはずのマリパポイントやコインが一切受け取れなくなってしまう。
      • それだけではなく、最初のトップメニューまで一気に戻される。プレイヤーなどの再設定をしたり、長いロードとタイトル画面を見せられるなど時間がかかるため、戻ったり再合流したりが面倒になってしまっている。
    • ボードマップでは一度プレイすれば原作BGMが流せるが、ミニゲームに関してはアレンジのみで原曲は一切存在しない。
    • 『3』まではニューレコードを出すと通常とは異なる勝利BGMが流れるが、そこまでは再現されない。ただし、エンドレスモードで挑戦できるミニゲームではミニゲーム終了時のBGMは異なる。

総評

『ミニゲームコレクション』の良さを残しつつ、64時代のゲームルールで綺麗なグラフィックと新しいキャラクターによるマリオパーティを遊べる。またオンラインプレイにも対応し、シリーズの新しい遊び方を提案した作品でもある。
64作品を重視したゆえにコース、キャラクター、ミニゲーム数の著しい減少が生じてしまったものの、オンライン環境があれば毎度違った展開のパーティが楽しめるだろう。

余談

  • 『ミニゲームコレクション』と同様、「図鑑」を含めて全ての要素はナンバリングタイトルのみ対象となっており、それ以外の作品は一切考慮されていない。
    • 携帯機向けの外伝にも『DS』のように高い人気を持つ作品があるだけに、このことを残念に思うファンも少なくない。ただし、一部に『DS』『スターラッシュ』が出典と思われるアイテムがある。
  • 一部のキャラクターに関して
    • 歴代プレイヤーキャラクターのほとんどはミニゲームの演出など何かしらの形で登場しているが、カロンだけは本作に登場していない。スタッフロールの『マリオパーティ7』部分で当時のアートワークに描かれているのみである。
    • マリオパーティ7』を最後に登場しなくなったミニクッパは、本作でも『ミニゲームコレクション』と同様、元の登場シーンがことごとくクッパJr.に差し替えられている。一応、図鑑収録の旧作当時のパッケージ(日本版『3』『5』『6』)に描かれてはいるが。
      • ただし、旧作のミニクッパの役割をそのままクッパJr.に置き換えたせいで、例えば「ありじごくデンジャラス」では「たった1枚のコインを追いかけたせいでいきなり蟻地獄に飲み込まれるクッパJr.」など普段では考えられない汚れ役も担当することに…
  • 本作の初公開映像においてデイジーの姿が映っていなかったことが一部で話題となった。
    • 64以降はパーティゲームの常連として定着しているため彼女の参戦もほぼ確実と思われていたが、以前にワルイージで似た事例があったことから追加の情報が公開されるまでファンをやきもきさせた。
    • 幸いすぐに追加情報でデイジーの姿も無事確認され、ファンは安堵することになった。
  • 本作の翌年に『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』にて64版の『1』~『3』が配信となったため、原作と本作の同マップを遊び比べることが可能になった。
  • 2024年10月17日に、Switch向けとしては3作目のマリパとなる『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』が発売。
    • 本作と異なり完全新規タイトルという位置付けだが、初代から「マリオのレインボーキャッスル」が、『2』から「ウエスタンランド」がリメイク収録されている。
最終更新:2025年04月17日 01:56

*1 いずれもミニゲームの総数に含まれず、名称は確認できない

*2 当時のルールでは「コインを一番多く持っていた時の枚数が最も多かったプレイヤー」に贈られるスターだった。

*3 かつては「?」が書かれており、「!」はチャンスマスに描かれるのが主流だった。

*4 原作は植えるのに30コインもかかるうえ、20ターン設定でスターを持ったライバルが引っかかる可能性はとても低い。しかもゲーム序盤はコインが足りなくて何もできないことが多く、手持ち無沙汰になりやすかった。

*5 プレイヤー1人の進行方向を逆にするアイテム。しかし使われると好きな場所に進めるようになって融通が利くほか、うまく使えばテレサなどの施設を3回使え、それでいて破格の安値で買い叩かれていることから、『3』の強アイテムとして知られている。

*6 他のプレイヤーからランダムでアイテムを奪えるアイテム。これを持つだけで他のプレイヤーが強アイテムを入手できなくなるため、ゲーム展開を硬直させることができた。しかも『3』ではアイテムをひとつしか持っていないプレイヤーからそれを確定で奪えるため、より凶悪化していた。

*7 初代では最後に勝利したキャラクターに合わせてタイトルが変わっていたため、当時の仕様とは微妙に異なる。ただし画像の舞台はそのキャラクターのホームステージとなっていたので、方向性や雰囲気は変わらない。

*8 実は4の「ゴールゴールゴール!」だけこのスタッフロールから省かれている。これは当時の背景の看板に吸収合併のちブランドが消滅したハドソンのロゴがあったためだと思われる。

*9 『4』のデカチビ、『6』の昼夜切り替えなど。

*10 かつて『4』ユーザーに対して行われたアンケートでは、運ゲーの得票数が多かったことが確認されている。

*11 原作ではドローとなって全員がコインをもらえず終了していた。

*12 『ミニゲームコレクション』でも「つなひきデンジャラス」が再録されたが、3DSのスライドパッドは手の平で回せないので納得されていた。