Hercequary
【はーすきゅありー】
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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PC-9801
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発売・開発元
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ZyX
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発売日
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1994年4月19日
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定価
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8,800円
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プレイ人数
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1人~2人
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レーティング
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アダルトゲーム
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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世界観や各キャラのバックグラウンド等の設定は良好 肝心の格闘部分はお粗末
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概略
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アダルトゲームメーカーのZyX(ジックス)制作の女性キャラオンリーの対戦格闘ゲーム。
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ZyXは世界観やキャラ設定が重要なADVゲームも制作しているだけあって、このゲームも設定面の作り込みは中々のもの。
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代わりに肝心の格闘部分は問題が散見される。
ストーリー
+
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長文なので折り畳み
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…人々が神々を信じ、そしてその神々の力が具現する地、『ファーヴラ』… …『ファーヴラ』の不可思議な大地は、八つの異なった自然環境に分けられ、その一つ一つの地に、他の影響を受けることなく独自の文明・文化を育くむ八つの氏が栄えていた。…
…北の地にありて、雪原を統べし、〈白夜の氏〉… …北東の地にありて、大河のほとりの地を統べし、〈大河の氏〉… …東の地にありて、日のいずるを見守りし、〈神秘の民〉… …南東の地にありて、密林を統べし、〈野獣の民〉… …南の地にありて、砂漠を統べし、〈熱砂の民〉… …南西の地にありて、荒野を統べし、〈荒野の民〉… …西の地にありて、魔導をもちいて心理を探求せし、〈魔導の民〉… …北西の地にありて、平原を統べし、〈平原の民〉…
…これら八つの民は、その文化や風習が違えども、『ファーヴラ』の中央にそびえ立つ『ファーヴラ』で最も高き山を『神々の集いし地』と呼び、それぞれの民が信じる神の聖地として、信仰していた…
…そして、この八つの民の出会いは… …この聖地を巡る戦いで、その幕を開けたのだった… …長年にわたり、数々の凄惨な戦いが繰り広げられ、多くの血が流された… …一つの戦いが、新たな戦いを呼び・・・どの民もが、その繰り返しをとめるすべを失っていた…
…こうして、八つの民の戦いは膠着状態に陥り… …ついには、戦いの結果がどうであろうと、その後に待ち受けるものは滅亡でしかない、お互いの存亡を賭けて総力を集結した、最終決戦へと激化してしまった…
…その、最終決戦の火蓋が、まさに切って落とされんとした時… …『ファーヴラ』に住まう神々が姿を現し、八つの民の人々に告げた…
…我々は、汝らが亡びゆくのを望まぬ… …故に、汝らに一つの解決策を提示せん… …この山の頂上に、八つの民で協力して、我々を祭る万神殿を建てるがよい… …そして、毎年始めに、万神殿において各々の民を代表する乙女に、その持てる技を競わせよ… …その戦いで勝利した乙女を、次の年までの一年間、万神殿の巫女として迎えよう…
…ただし、この巫女を決める戦いにおいて、それぞれの民を代表する乙女が命を落とした場合… …我々は汝らを見限り、この『ファーヴラ』より去らん…
…こうして、神々の神託に従い一致協力して山頂に全ての神を祭る万神殿を建て… …そして万神殿に至る道の途中に、七つの闘技場を設けていった…
…こうして、神々の神託に従い、毎年始めに万神殿の巫女の座を賭けて… …それぞれの民の中から選び抜かれた巫女候補の乙女が、『神々の集いし地』において、戦いを繰り広げることとなった…
…そして…年月は流れ…
…またここに、この試練に挑まんとする、八人の少女達がいた…
(マニュアルより引用)
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システム
格闘部分のシステムはシンプルで、特徴的なモノは無い。
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基本的に数ある『ストリートファイターII』フォロワーの一作である。
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『斜め下』で『左タメ』を行うことはできない。
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何故か『下タメ』は可能。タメ時間自体は全体的に短めである。
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通常技をキャンセルして必殺技を出すことはできない。
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体力ゲージ以外のゲージは無く、ゲージに依存するシステムは存在しない。
ストーリーモード
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先に2ラウンド勝利すると次に進める。
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ボスはおらず、同キャラ戦もないため、操作キャラ以外の7人に勝利することでエンディングとなる。
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相手に勝利するとご褒美シーンが見られる。
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このシーンを飛ばすことはできず、最初から表示させないように設定することもできない。音声の有無を設定することはできる。
キャラクター
クリスティーナ
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<白夜の民>代表の女戦士。
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槍を装備してはいるが、おそらく表示スプライトの大きさの関係で、リーチは他のキャラと比べてそれほど違わない。
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飛び道具は持たないが、代わりに前進距離の長い突進技を複数持つ。
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ただし、メイン必殺技である『スラッシングスピア』は後ろタメ技であるため、斜め下にタメることのできないシステムと相まって、使いこなすには慣れが必要となる。
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中長距離で強いプレッシャーをかけられる分、近距離で取れる行動は少ない。いかに得意な距離を保てるかがポイントとなる。
アイシャ
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<熱砂の民>代表の踊り子。
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瞬時に相手のバックを取れる瞬間移動技の『イリュージョナルステップ』が特徴だが、むしろそれ以外に使える技がない。
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しかも、連続技や超必殺技の無いゲームであるため、上手くバックを取れたとしても大ダメージを与えられるわけではない。
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システムとの相性が悪い彼女で安定した勝利を得るには、かなりの愛情を注ぐ必要があるだろう。
麗佳(れいか)
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<神秘の民>代表の巫女。
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神秘の力と短刀を用いて戦う。
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飛び道具、対空技、突進技とバランスの取れた技構成となっている。
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これといった欠点もないため、このゲームに慣れるにはもってこいのキャラと言えるだろう。
ティナ
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<荒野の民>代表の祈祷師。
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シャーマンらしく、牛や狼の霊を纏って攻撃を行う。
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必殺技の性能が高い分、それに便りがちになるため、しっかり入力できるようにならないと戦いにならない。
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必殺技以外だと屈み強キックで出るスライディングが優秀。
フランチェスカ
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<魔導の民>代表の魔術師。
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体型が隠れるローブを纏い、怪しい目出し帽を被るという、アダルトゲームの女性キャラにあるまじき格好で戦う前代未聞の魔法使い。
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ご褒美シーンや説明書の設定画で分かるが、中身は中々の美人である。
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魔法使いのイメージ通り、遠距離向けの魔法系必殺技を多く待つが、逆に投げ技を一切待たないためクリスティーナ以上に近距離でできることが少ない。
美芳(メイファン)
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<大河の民>代表の修行僧。
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棍棒を使用するが、言うほどリーチが長くないのは槍を持つクリスティーナと同じである。
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昇龍拳コマンドで出る飛び道具の『地裂襲気弾』は、格ゲーに慣れていればいるほど違和感を感じることだろう。
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麗佳と並んで、初心者向けのキャラと言えるだろう。
ローザ
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<平原の民>代表の騎士。
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金属鎧を身に纏った正統派の女性騎士。
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飛び道具と対空技はあるが、突進技は無いので守りに徹した方が性能を活かせる。
ミャオ
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<野獣の民>代表の猫人族。
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猫耳の少女で、本格派なキャラ設定をしたこのゲームにおいて、唯一萌え路線に走ったキャラと言えるだろう。
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丸まって突進する技など、カプコンの『ヴァンパイアシリーズ』のフェリシアの影響を受けたかのように思えるが、『ヴァンパイア』のリリース日は1994年7月12日であるため、このゲームの方が数ヶ月ほど早く販売されている。
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開発時期の重なっている可能性が高いため、一方がもう一方から影響を受けたということは無いと思われる。
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相手を遠方から奇襲する技は多いが、近距離で使える技は少ない。
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無理に必殺技を出さずにスライディング等の通常技で地道に攻めた方が強かったりする。
評価点
世界観や各キャラのバックグラウンドなどはかなり作り込まれている。
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シリアスなものからコメディ寄りのものまでバラエティー豊かである。
試合前に挿入されるキャラ紹介アニメーションの出来が良い。
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イラスト解像度の低さは否めないが、画面を四分割してそれぞれに流すことで、むしろ躍動感のあるアニメーションに感じられるよう工夫されている。
賛否両論点
ご褒美シーンが凌辱系であり、人を選ぶ。
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しかも局部を害する内容も多いため、普段凌辱系に慣れている人でも受け付けない人もいると思われる。
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そして、このシーンは飛ばすことができないため、人選に拍車をかけてしまっている。
問題点
ヒットバック及びヒットストップの仕様がおかしい。
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画面に対してキャラが小さく、それをカバーするためか、キャラが大きく吹き飛ぶようになっている。
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ヒットストップはほぼ無く、SEによる演出も軽いため、ビー玉同士がぶつかって吹き飛ぶような印象となってしまっている。
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逆に攻撃側のヒットバックが全く無いため、全体フレーム数の少ない小技を持つキャラを使用すれば、一度画面端まで追い込むと小技連打で簡単に相手を固めることができてしまう。
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そのため本作は、小技を持つキャラを使用して、どちらが先に相手を画面端に追い込めるかを競うゲームとなってしまっている。
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ConfigurationでタイムカウントをOFFにしてしまうと、相手がガード状態で固めを仕掛けると、仕掛けた側の指が操作に耐え切れなくなるまでラウンドが続くことになる。
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CPUは必殺技を使いたがるため、この固めをしてくることはほぼ無い。
タメキャラの操作性が悪い。
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コマンド系必殺技の入力受け付けはそこまでシビアではないのだが、後ろタメ系の必殺技は斜め下タメで出せないシステムのせいで非常に繊細な操作が必要となってしまっている。
ご褒美シーンで彼女たちを襲っている男性たちがどのような立場の人間なのか一切示されていない。
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試合が衆人環視の中で行われていることは示されているため、観客に襲われている可能性が高いが、それを明確にする設定などは無い。
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また、シーン毎の繋がりが無いため、行動に一貫性が感じられない。
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せっかく世界観などは作り込んでいるのに、ここだけ抜けた感じとなってしまっている。
総評
作り込まれた世界観やキャラ設定に格闘部分の技術が追い付いていない印象を受ける。
魅力的なキャラが多い分、残念と言えるだろう。
余談
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ZyX設立初年度に開発、販売された作品である。
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この後、ZyXは『ライディシリーズ』や『淫内感染シリーズ』等で有名となる。
最終更新:2025年01月11日 21:42