種族値

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種族値 - (2021/11/08 (月) 07:45:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/10/22(金) 08:18:23
更新日:2024/04/13 Sat 14:00:28
所要時間:約 11 分で読めます




概要

ポケットモンスター』シリーズにおいてポケモンの個体の能力値を決めているマスクデータの1つ。
ポケモン毎に決まっているステータスの伸びやすさを表す数値で、ステータスを表す際の根幹に座す。
初心者や非ポケモンプレイヤーに説明する際には、ポケモン毎の「得意分野」や「適正」に例えられる。
例を挙げると、カイリキーは攻撃が高いとかマルマインは素早さが高いとかいうのは、「攻撃や素早さの種族値が高い」ということである。

基本的には隠しステータスとされるが、XYのガンバロメーターがこれと努力値のグラフであるように、
ゲーム内で見ることができる作品もあるので、殆ど公になっているものと考えていいのだろう。

ポケモンを育成する上では、まず種族値を把握するのが最優先となる。
種族値を把握し、そのポケモンで出来そうな事を考えるというのが一般的な流れ。

計算式

具体的にどれだけステータスに関わっているかというと、
仮に攻撃種族値が100・個体値31・努力値252・性格補正なしのポケモンの場合、トーナメントレベルであるレベル50のときは
100 + 15.5 + 31.5 + 5=152
となる。すなわち、数値がまるまるステータスになる。

ちなみに詳しい計算式は、
HP以外 = {(種族値×2 + 個体値 + 努力値÷4)×レベル÷100 + 5}×性格補正
HP = (種族値×2 + 個体値 + 努力値÷4)×レベル÷100 + レベル + 10
小数点以下は出る度に切り捨て。

すなわち、レベル50だと
HP以外 = (種族値 + 個体値/2 + 努力値/8 + 5)×性格補正
HP = 種族値 + 個体値/2 + 努力値/8 + 60

HP以外の能力値はV極振りで種族値+52
UVで種族値+20
HPはV極振りで種族値+107
UVで種族値+75
と覚えると簡単に計算できる。

対戦において

純粋なステータス面だけで考えれば、この種族値が高ければ高い程そのポケモンは強いとも言える。
特に、種族値合計が600の所謂600族や、伝説のポケモン等は他とは一線を画す強さを誇り、厨ポケと呼ばれる事も。
また、行動順に大きく関わる素早さ種族値が130のポケモンは130族と呼ばれ、素早さ調整の際に意識されることが多い(実際のところは環境にもよるが)。

しかし、ポケモンにはタイプ相性や特性、豊富な技があるため、一概に種族値だけで勝負が決まるわけではない。
中には「種族値詐欺」と呼ばれるほど、合計種族値と実際の強さ(使用感、環境での使用率)がかけ離れている例もある。

  • 種族値詐欺となる要因
当然だが以下の要因が複合している例もある。特に対戦でメジャーなポケモンは複合している例がほとんど。

1 特性が強力
元の種族値が平凡以下でも、『ちからもち』『ファーコート』などの実質種族値を上乗せできる特性や、
いたずらごころ』『はやてのつばさ』『がんじょう』など、制約はあれどもすばやさや防御系能力をまるで無視して動ける特性は非常に強力。
例:マリルリクレッフィファイアロー、進化前のポケモンを使うレベル1頑丈戦法


2 タイプの組み合わせが優秀
この場合も種族値以上の活躍が見込める。そしてもちろん逆もあり、種族値だけは優秀だけど弱点が多すぎてどうにも困るポケモンも多い。
例:エアームドヌオールンパッパ


3 合計種族値は低いが、配分に無駄が少ない
アタッカーであれば耐久や攻撃・特攻のうち使わないほうを削っていたり、耐久型ならすばやさや攻撃系統にあまり割かれていなかったり。
他の要因にも当てはまる場合も多い。
例:ウソッキーランクルスナットレイ


4 覚える技が強力
こちらも単体では成立しにくく他の条件との複合している例が多い。
覚えるポケモンの数が少ない技であることが多いが、特性などと組み合わさって何気ない技がトンデモ性能になることも。
例:ドーブルキノガッサペラップ


……そして逆もまた然りである。

  • トップクラスの合計種族値を持つが、代償として無視できないデメリットを抱えるケッキングレジギガス
  • 防御と特防はトップクラスだが、致命的なHPの低さのため数値ほど硬くないツボツボ
  • 合計種族値は高いのに、技の噛み合わなさや配分に無駄が多いところが足を引っ張るブースター
  • 合計種族値は非常に高いが、他の同タイプ等と比べて秀でた部分がなく、帯に短し襷に長しを地で行くゴーゴート
  • 種族値配分のバランス自体は良好なものの技レパートリーが異常に乏しいケンホロウギギギアル
  • 単タイプ故に火力や耐性が足りてないリーフィア

等々……。
しかし種族値が高いということは強みであることに変わりはなく、考えて使えば活躍できたりする事も多い。
こうしたポケモンをどう活かすかもトレーナーの腕の見せ所とも言える。

以下、世代別にポケモンの種族値について解説していく。
ちなみに平均は最終進化や進化しないポケモンのみカウント。

~第一世代~

ソフト:赤・緑・青・ピカチュウ

初代だけあって比較的バランスの良い種族値配分のポケモンが多い。
傾向として、攻撃or特殊面が高めで、素早さ or 耐久もそこそこ、というタイプが多い。

何故か素早さ種族値100のポケモンがやたら多いのも特徴。
全体の種族値の平均は500を越えるため、高水準と言える。
しかし、高めに纏まってはいるが、ガチ戦では半減の少ないエスパータイプが猛威を振るっていたため、使われるポケモンは偏りがち。
マシン技も微妙で、良技が殆ど一つずつしか手に入らなかった。

また、場の効果を後続へ引き継げなかったため、種族値依存が激しい。
この世代は特攻と特防が「とくしゅ」として統合されており、特殊の低いかくとうどくタイプは殆ど使われなかった。


~第二世代~

ソフト:金・銀・クリスタル

特攻と特防が別になり、前作から登場していたポケモンには新たに種族値が設定された。
全体的に低種族値が多い。
種族値割り振りも丸い感じで、全体的に地味ではあるが、いい感じに落ちついている。
わざマシンも一部の良技が無限入手可能になり、やや改善されたほか、コンボで火力補強できるようになった。

また、この世代からは種族値の微妙さを、バトンや壁で補えるようになった。
種族値をカバーする持ち物もこの世代が初出だが、運に左右されるものも多い。
(初代は交代で壁消滅)


~第三世代~

ソフト:ルビー・サファイア・エメラルド

第二世代に比べれば高いが、一部低いポケモンもいるので平均はまずまず。
この世代だけ600族が二匹追加された。 
鈍速・二刀・紙耐久のポケモンが多いのが特徴。
その分、第二世代と同じく強力なコンボや特性を持つポケモンが多め。
前述した理由により、いわゆる弱ポケが多めだが、
伝説含めガチ環境の中心に鎮座する(した)ポケモンもまた多く、格差の激しい世代である。

この世代から特性が登場し、タイプや種族値の欠点をカバーしやすくなった。
キングドラが良い例。


~第四世代~

ソフト:ダイヤモンド・パール・プラチナ

割り振りがよく全体的に高水準。
また、初代と比べて中途半端な感が少ない。
特にガブリアスゴウカザルの配分はもはや芸術といえる。
種族値配分の良さに加え、他の要素も兼ね揃えたガチ戦で多用される優等生が多い。
しかし、ガブリアスを除いて環境を作るようなポケモンは少ない。
伝説戦におけるシンオウ三竜がまさにそんな感じである。

また、『こだわりハチマキ』や『こだわりメガネ』、『きあいのタスキ』など種族値をカバーできる道具が増え始めた。


~第五世代~

ソフト:ブラック・ホワイト・ブラック2・ホワイト2

種族値の割り振りがかなり極端。
攻撃 or 特攻の一方が高く、もう一方や素早さがトコトン低いポケモンが多い。
ヒヒダルマシャンデラシュバルゴがこれに当たる。
彼らがアタッカーの場合、耐久高めのポケモンを突き崩すのには秀でるが、
素早さ種族値が99~80くらいの中速が多いため、上から押し潰されることが多いのが悩み。
そのため、アタッカーのスカーフ採用率がやたら高い。
種族値配分に無駄が少ないので高く感じるが、実は平均種族値は低く、
例えば、ヒヒダルマ(H105 A140 B55 C30 D55 S95)の種族値合計は
オニゴーリ(ALL80)と同じ480である。
この低さは第二世代とほぼ同等だが、金銀は二刀ステが多いため、
実質的な種族値は勝る。


~第六世代~

ソフト:X・Y

全体的に種族間格差を抑えるように配分されている。
例えば600族のヌメルゴンは600族初の耐久型の種族値となっており、
従来の600族よりも種族値の暴力を実感し難くなるように配分されてある。
また、ポケモンは対戦型RPGという性質上、ザコ敵となる低種族値ポケモンが必要不可欠であるが、X・Yでは隠れ特性というシステムを有効に使うことでそこを上手くカバーしている。
その結果としてホルードファイアローといった、
種族値詐欺とも言えるほど体感の強さと実際の種族値の差が大きいポケモンが多数登場している。(ただしX・Yの序盤ポケモンは従来と比べても合計種族値は高めで配分も要所にしっかりと振られている)

また、6世代において過去のポケモンの一部には種族値の上昇がなされたものがいる(HP~素早さのどれかの種族値が10上昇、ピカチュウは例外)。
この種族値上昇によってライチュウなど大きく評価が変わったポケモンもいる。


~第七世代~

ソフト:サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン

まず最初に目に付くのは他世代のポケモンよりも圧倒的に低い素早さ。カプ・コケコを始めとした伝説のポケモンを含めた場合の平均素早さ種族値はそこまででもないがこれらを除くと全世代ワーストとなるほど。
今作登場の御三家も最速がまさかの途中進化のニャヒート(90)、最終進化系だとジュナイパー(70)という有り様。
さらにさらに進化することで素早さが下がるポケモンが史上最多の10匹以上である。進化前から一切変わらないというポケモンも多い。
その低い素早さの代わりに攻撃性能に特化させたという種族値はどこかホウエン地方を彷彿とさせる。

もちろん上記の特徴に当てはまらないポケモンもいるにはいるが、そういった者には大体致命的な技不足という足枷というか嫌がらせがかけられており、今作の600族であるジャラランガやアローラ一般ポケモンでは最速クラスであるルガルガンなどがモロにこの影響を受けている。しかしこの二匹は次回作にて教え技や新技でかなり改善された。
強ポケとされるカプ・コケコやカプ・ブルルフェアリーの高火力技である『じゃれつく』と『ムーンフォース』を覚えないので例外ではない。

しかしそれでもカプ・テテフミミッキュはその強特性と隙のない能力から対戦環境ではトップメタクラスの立ち位置となっている。
低素早さと技不足(とシナリオでの使い辛さ)の両方を貰ってしまったケケンカニは泣いていい。

なお今作でも一部過去作ポケモンに種族値上昇のテコ入れが行われている。前作での調整の反応が上々だったお陰かどのポケモンも大体20以上も種族値が伸びており特にアメモースは特攻と素早さに20ずつ、つまり40も上昇と大幅に強化されている。なぜココロモリではなく進化前のコロモリの種族値が上昇したのかは謎である。

因みに種族値とは直接関係はないが過去作ポケモンの特性の変更・追加も行われており、前作で猛威を振るったゲンガーが『ふゆう』を没収、『のろわれボディ』を与えられるという実質的弱体化を食らったり、かつて種族値の負の側面としてよく挙げられたギガイアスバイバニラ、さらにペリッパーコータスに天候始動特性が与えられ、一気に対戦環境での要注意ポケモン扱いをされるにまで強化された。 
さらに既存特性の一部仕様変更からこれまで種族詐欺だと囁かれてきたメガガルーラやスキン特性持ち、ファイアローが弱体化され特にアローは一気に環境から激減することとなった。

総じて言うと前作でのメガシンカや隠れ特性という抜け道に安易に頼ったことによる反省からか第三世代に匹敵するくらいのバランス調整が成されている。

ちなみにウルトラビースト、および同じく異世界からやって来たポケモンであるソルガレオルナアーラ系統とネクロズマは全ての種族値が素数(たまに半素数)という特徴を持つ。そのためか非常に極端な種族値の持ち主が多い。


~第八世代~

ソフト:ソード・シールド

比較的無駄が少なめの種族値配分が多く、序盤ポケのヨクバリスアーマーガアもしっかり戦えるレベルになっている。配分がパッとしない種もタイプや特性でしっかり補われており、またタイプが残念でも良種族値で活躍しているポケモンがいるなど、うまくやっている方か。
一方で素早さについては極端なポケモンが目立っており、ヨクバリスやブリザポスのように鈍足高耐久を突き詰めたポケモンからカマスジョードラパルトレジエレキのように徹底的に素早さに配分されたポケモンまでいる。
ちなみにギルガルドは種族値を下方修正されるという史上初のテコ入れが行われている。



現時点での各種族値の最高値と最低値は以下の通り
  • 最高値
HP  :255(ハピナス
こうげき:190(メガミュウツーX
ぼうぎょ:230(ツボツボメガハガネールメガボスゴドラ
とくこう:194(メガミュウツーY)
とくぼう:230(ツボツボ)
すばやさ:200(レジエレキ
合計  :1299/平均:217

  • 最低値
HP  :1 (ヌケニン
こうげき:5 (ピンプク・ラッキー)
ぼうぎょ:5 (ピンプク・ラッキー)
とくこう:10(ツボツボ・ヒンバス・ウソハチ・サンド(アローラのすがた))
とくぼう:20(キャタピー・ビードル・コイキング・ププリン・キバニア・デオキシス(アタックフォルム)・イシヘンジン
すばやさ:5 (ツボツボ・ゴンベ・ナマコブシ
合計  :46/平均:7.6

  • 禁止級、メガシンカなしで考慮した最高値
HP  :255(ハピナス)
こうげき:181(カミツルギ
ぼうぎょ:230(ツボツボ)
とくこう:173(デンジュモク
とくぼう:230(ツボツボ)
すばやさ:200(レジエレキ)
合計  :1269/平均:212

ちなみに合計種族値の1位はメガミュウツーX・Y、メガレックウザの780、最下位はヨワシ(たんどくのすがた)の175。
敵専用形態ではムゲンダイナ(ムゲンダイマックス)の1125が最高。



追記・修正は全ポケモン(姿によって異なる場合はその全て)の種族値を覚えてからお願いします。

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