このページではPC版『RPGツクールMV』と、その移植版であるSwitch/PS4版『RPGツクールMV Trinity』について記載する。
判定はPC版が
良作
、Switch/PS4版が
クソゲー
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劣化ゲー
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【あーるぴーじーつくーる えむぶい】
ジャンル | RPG制作ツール | |
対応機種 |
Windows 7~10 日本語版(32/64bit版OS両対応) Mac OS X 10.10以降 Linux(Debian,SteamOS)(Ver.1.4.0以降) |
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メディア | DVD-ROM 1枚 | |
発売元 |
パッケージ版【Win】:スパイク・チュンソフト Steam:Degica |
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開発元 | エンターブレイン(KADOKAWA) | |
発売日 | 2015年12月17日 | |
定価 | 12,800円(パッケージ版/DL版・Steam版・税別) | |
レーティング | CERO:A(全年齢対象) | |
判定 | 良作 | |
備考 |
Mac版はSteam専売 Steam版のタイトルはRPG Maker MVとなる DL/Steam版は2017年1月18日より7,980円(税込) |
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ポイント |
シリーズ初のMac対応 スマホ、ブラウザゲームの出力が可能 投稿サイト「RPGアツマール」との連携 RGSSからJavaScriptに変化 優秀ではあるが前作以上に初心者には厳しめな一面も |
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ツクールシリーズ |
PC版『RPGツクール』の第8弾。前作『VX Ace』をベースとして機能強化が図られている。
本作の売りといっていいのが「スマホのゲームを作れる」というものであり、スマホ(Android/iOS)に対応したゲームデータや、ブラウザゲームとしてのデータ出力が可能である。
スマホゲームを作れるということでか、タッチ操作やポインティング操作に対応しており、キーボードやゲームパッドがなくても遊ぶことが出来るようになっている。
また、『XP』から継続している上級者向けのスクリプト機能は、『XP』から『VXAce』まで用いられていたRGSSからJavaScriptに変更されている。
これまでと異なり、バージョンアップによる機能強化や環境化以前も行われており、ツールとしては発売以後も進化を遂げている。
2016年11月30日をもってスパイク・チュンソフトが販売・サポートから撤退、パッケージ版の出荷が実質終了しているようである。
スマホゲームやブラウザゲームが作れるようになった
サイドビューバトルが簡単に作れるようになった
イベント作成がやりやすくなった
前作の機能は「基本的に」全て踏襲している
BGM・BGS関連
過去作からの改善点
データベースの機能が使いやすくなった
RGSSが廃止され、JSになった
RTPが廃止された
+ | サンプルデータ比較 |
スマホ対応したことや、タッチ操作の対応によって遊びやすさも向上、イベントのテストプレイの機能などによって作りやすさも向上している。
RubyからJSに変化したことは賛否両論ではあるが、JSの習得者の多さからか、プラグインも精力的に作成されており、自身で作成せずとも導入しやすい環境となっている。
RubyはよくわからないけどJSはわかり、尚且つゲームを作りたい、ユーザーであればまさにうってつけの作品である。
しかしながら、公式ヘルプの情報量が不充分なことや全体的に粗や仕事が雑な部分が散見されたり、動作が重すぎて作る側にもプレイする側にもそれなりのスペックを要求されることから、本作を酷評するプレイヤーも少なくない。
そのため、初心者や前作経験者が「スマホのゲームを作れる」、「プラグインを使えば何でも出来る」というキャッチコピーだけで手を出すにはハードルが非常に高く、前作以上に初心者にとって厳しいつくりになっている。
アップデートにより、使いやすさも向上しており、PC版RPGツクールの一つの完成形としては十分面目を保った一作といえる。
プラグイン以外のMV用素材の個人開発はかなり進んでおり、ツクールユーザーの『MV』移行はそれなりに進んでいる。
むしろ、『MZ』が本作と似通った仕様であることもあり、本作で留まっている者もいる状況である。
+ | コラボ作品一覧 |
【あーるぴーじーつくーる えむぶい とりにてぃ】
ジャンル | RPG制作ツール | |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 |
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発売元 | 角川ゲームス | |
開発元 |
エンターブレイン (KADOKAWA) epics |
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発売日 | 2018年11月15日 | |
定価 | 7,800円(税別) | |
レーティング | CERO:A(全年齢対象) | |
判定 | クソゲー | |
劣化ゲー | ||
備考 |
無料のプレイ用ソフト「RPGツクールMVプレイヤー」あり One版は2019年3月11日に発売中止 |
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ポイント |
2018年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞
無数のバグ・フリーズ・ロード地獄でまともにプレイすらできない XBOX版発売中止 制作ツールに見合わぬログインボーナスの存在 『MV』ベースが裏目に出てライト層に不向きなだけの劣化移植に 正しく10年に一度のクソゲーと化した最強のRPGツクーレナイ |
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 |
『RPGツクールMV』をベースにPS4/Switch向けに移植した作品。据置機向けのRPGツクールは14年ぶりである。
One版は諸般の都合でお蔵入りとなってしまった。タイトルの「Trinity」は3機種のことを意味していたが、コンセプトから崩れてしまった。
据置機と携帯機においても、機種が代替わりするごとに売上は毎回落ちており決して評価されてるとは言えない。
発売直後のおびただしいバグの影響やログインボーナスなどの作り込み不足で評判や信頼を落としてしまった。
現在はPC版を超える数のアップデートによりかなりマシとなり、問題の大半は解消された。
キャラクタージェネレーター、声優ボイス、歌唱BGM、ツールのリアルタイム処理、各種新プラグインを盛り込んだ意欲作だったが、デバッグ修正を蔑ろにし納期ありきで強行発売してしまった。
以下は本作独自の問題点や評価点を記す。
デバッグの大切さを知れる作品。
はっきりいって商品失格の烙印を押されて当然の代物であり、10年に一度のクソゲーと揶揄されるだけの要素を積み上げ過ぎてしまった。
家庭ゲーム機用『ツクール』は、他コンストラクション系ゲームの台頭などで近年推移として需要が落ちており、PC版が創作性の自由度の高さを活かし、販売的にもPC用と家庭用と主力が入れ替わる形となっていた。品質低下を移植が原因だとする向きもある。しかし、他ゲームでもPCメインで家庭用への移植は一般化しており、それを持って否定はできないのではないか。
現在は真剣に作ろうと思えば遊べる程度の改善は行われているものの、公式が修正期日を宣言した一部不具合を放置したままであり、慣れれば回避可能というだけで、本作での最初の悲劇よりゲーム制作の敷居が下がったものの、新規ユーザーにはまだ高いと言わざるを得ない。
バグやフリーズがないのは当たり前であることを考えても、一部不具合を放置したことで、クソゲーという評価は揺らいでいない。
次回作の家庭用タイトルで購入検討の機会があれば、近年のCSシリーズを踏まえ、人柱になる覚悟で挑んで貰いたい。
昨今、PCシリーズの移植というのは普遍であり、はじめて『ツクール』を買うのであれば、発売直後なら覚悟して買うか、少し世間の評判や動画実況などを参考に様子を見て、購入判断をされることが賢明ではないか。